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第14話 人助けをするヒカル
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「メイリも大分身体強化がスムーズになってきたな。」
「ヒカル程じゃないけどね。それに身体強化ってMPがドンドン減っていくからずっと使えないし・・・」
「身体強化が使えるようになると、能力が大幅に伸びるから使える方がいいだろ?MPは毎日魔法使ってたら増えていくから地道に増やしていくしかないぞ。」
「それはわかってるけど・・・」
「メイリは剣も得意なんだからなおさら身体強化があった方が便利だろ?」
「まあ・・・それはそうだけど。」
「俺はどっちかって言うと接近戦は苦手だから、身体強化で防御面を強化してる感じだな。魔法使いって近接に弱いイメージがあるし・・・」
「たしかに模擬戦してもヒカルって接近戦するととたんに弱くなるもんね。」
(いやいやメイリが強いだけだから。剣もできて魔法も得意ってなんなん!?俺、異世界転生者なんだけど俺よりチートじゃん。俺もがんばってるんだよ?ネメシス様がチートくれなかったから必死に全魔法適正君と、成長補正極大君に頼ってがんばってるんだよ。)
エベレスに来てから半年がたち、ヒカルとメイリはEランクの冒険者として、毎日確実に成長していた。毎日の報酬金額の上昇、魔法技術の向上、レベル上昇など、自分自身の成長が目に見えるので、冒険者活動は苦にならずに続ける事ができた。
Dランクにこそ上がっていないが、ギルドからはもうすぐでDランクに上がれると言われていた。
オーク狩りを取りいえる事でライト達の報酬は大きく上昇した。ギルドを往復して報酬を増やしたり、魔法の訓練兼ゴブリン狩りをしたり、又、ヒカルが気配探知ができるようになったのも大きい。魔物を見つける時間を減らせた事で効率よく狩りをする事ができるようになっていた。
メイリーンもヒカルに続き、初級魔法の無詠唱と身体強化を覚えていた。メイリーンはヒカルと違い剣術の適正があるのか、魔法と並行して剣術の腕がメキメキと上がっていた。今では剣でオークを倒す事ができるほどだ。
今日もヒカルが気配探知で魔物の場所を探っていると、ヒカルの気配探知にいつもとは違う感触があった。
「あれ?なんかいつもと違うモノを探知したぞ?」
「何?魔物?」
「いやこの感じは人かな・・・。だけど魔物に囲まれてる?この感じはゴブリンかな?だけど10匹以上いるぞ。」
「襲われてるんじゃないの?助けに行かないと!どっち?」
ヒカルは人が襲われている方を指差す。
「先に行くね。」
メイリーンはヒカルが指さした方にダッシュで駆け出して行った。
(俺の方がメイリよりも敏捷は上なはずなんだけどな~。反射神経って言うのかな・・・メイリの方が早い気がするんだよな~。この辺ってどうなってんだろ?)
ヒカルもメイリの後を追いかけて走る。
気配探知で感じた場所に行くと、大勢のゴブリンが見えた。ゴブリンの背中ばかりで襲われているかどうかがわからなかったので、ヒカルはとりあえず目の前にいるゴブリンを倒す事にした。
ウインドアローでゴブリンの首を狩っていく。あれから左右どちらの手からも魔法が放てるようになったライトは、両手でウインドアローを連発し、目の前のゴブリンを倒していく。
目の前のゴブリンを全て倒すと、ドレスを着た少女と、少女を守っているメイドが2人見えた。その向こうではメイリーンがゴブリンを倒して行っている。
(おっと!?これはあれだ。貴族を助けるイベントだ!まさかこんな感じで発生するとは・・・。どうしよ?これってあれだよね。きっとお姫様とかこの町の領主の娘さんっていうオチだよね。でもなんでこんな森の中にいるんだ??)
ヒカルとメイリーンは、目に見えるゴブリンを全て倒した後、少女達に話しかけた。
「大丈夫ですか?」
「ありがとうございます。もうダメかと思いました。」
「無事ならよかったです。でもなんでこんな所に?貴族様?ですよね?」
「あっ申し遅れました。私スクルド・エベレスと申します。この度は危険な所を助けて頂きありがとうございます。」
(やっぱりだよ。エベレスって名前にあるし・・・ってことはこの子はエベレス辺境伯の娘さん。辺境伯って上位貴族だよな・・・やばい。かかわりたくないぞ・・・)
「あっ。え~っと俺はヒカルで、こっちがメイリーンです。え~っとすいません貴族様にどういった言葉を話せばいいのかよくわからなくて・・・」
(とりあえず敬語で話せばいいのか?この子俺と同じぐらいの年なのにしっかりしてるな・・・)
「私は気にしないので構いませんわ。」
「それは助かります。とりあえず、ゴブリンの処理をしてしまいますね。このままじゃゴブリンの死体に魔物が寄ってきちゃいますから。」
ヒカルとメイリーンは倒したゴブリンを一か所に集め、ヒカルの火魔法で燃やして行った。そんな処理をしていると・・・
「お嬢様~。お嬢様~。」
そんな声とともに、騎士が5人こちらに向かってきた。
「お嬢様!ご無事で何よりです。もう勝手にどこか行って心配したんですよ。」
「ごめんなさい。」
「無事だったからよかったものの、森は魔物が多く危ないので勝手にどこかに行くのは金輪際やめてくださいね。」
「はい・・・」
「それで・・・あの方たちは?」
「私達をゴブリンから助けてくれたんです。私と同じぐらいの年なのにどちらもすごく強くて10体以上いたゴブリンを全部倒しちゃったんです。」
「ほうほう。それはそれは。」
「貴方達がお嬢様を助けてくれたんですね。ありがとうございます。冒険者ですかな?」
「はい。ヒカルと申します。」
「あっメイリーンです。」
(やばい。厄介事のにおいがする。ラノベなら助けたお礼とかあるだろうけど、ここは、さっさと離れた方がよさそうだ。貴族様となんか知り合いになったら自由が無くなるしお嬢様に好意を持たれても困るしな。)
「騎士様達がいるなら大丈夫ですね。俺達は急いでるんでこれで失礼します。メイリ行くぞ。」
「えっ!?ちょっと」
ヒカルはメイリの手を取り、駆け出した。
「あっ。ヒカル殿ちょっと!!」
騎士の声も無視してヒカルはメイリを引っ張ってダッシュで、その場を離れるのだった。
「ヒカル程じゃないけどね。それに身体強化ってMPがドンドン減っていくからずっと使えないし・・・」
「身体強化が使えるようになると、能力が大幅に伸びるから使える方がいいだろ?MPは毎日魔法使ってたら増えていくから地道に増やしていくしかないぞ。」
「それはわかってるけど・・・」
「メイリは剣も得意なんだからなおさら身体強化があった方が便利だろ?」
「まあ・・・それはそうだけど。」
「俺はどっちかって言うと接近戦は苦手だから、身体強化で防御面を強化してる感じだな。魔法使いって近接に弱いイメージがあるし・・・」
「たしかに模擬戦してもヒカルって接近戦するととたんに弱くなるもんね。」
(いやいやメイリが強いだけだから。剣もできて魔法も得意ってなんなん!?俺、異世界転生者なんだけど俺よりチートじゃん。俺もがんばってるんだよ?ネメシス様がチートくれなかったから必死に全魔法適正君と、成長補正極大君に頼ってがんばってるんだよ。)
エベレスに来てから半年がたち、ヒカルとメイリはEランクの冒険者として、毎日確実に成長していた。毎日の報酬金額の上昇、魔法技術の向上、レベル上昇など、自分自身の成長が目に見えるので、冒険者活動は苦にならずに続ける事ができた。
Dランクにこそ上がっていないが、ギルドからはもうすぐでDランクに上がれると言われていた。
オーク狩りを取りいえる事でライト達の報酬は大きく上昇した。ギルドを往復して報酬を増やしたり、魔法の訓練兼ゴブリン狩りをしたり、又、ヒカルが気配探知ができるようになったのも大きい。魔物を見つける時間を減らせた事で効率よく狩りをする事ができるようになっていた。
メイリーンもヒカルに続き、初級魔法の無詠唱と身体強化を覚えていた。メイリーンはヒカルと違い剣術の適正があるのか、魔法と並行して剣術の腕がメキメキと上がっていた。今では剣でオークを倒す事ができるほどだ。
今日もヒカルが気配探知で魔物の場所を探っていると、ヒカルの気配探知にいつもとは違う感触があった。
「あれ?なんかいつもと違うモノを探知したぞ?」
「何?魔物?」
「いやこの感じは人かな・・・。だけど魔物に囲まれてる?この感じはゴブリンかな?だけど10匹以上いるぞ。」
「襲われてるんじゃないの?助けに行かないと!どっち?」
ヒカルは人が襲われている方を指差す。
「先に行くね。」
メイリーンはヒカルが指さした方にダッシュで駆け出して行った。
(俺の方がメイリよりも敏捷は上なはずなんだけどな~。反射神経って言うのかな・・・メイリの方が早い気がするんだよな~。この辺ってどうなってんだろ?)
ヒカルもメイリの後を追いかけて走る。
気配探知で感じた場所に行くと、大勢のゴブリンが見えた。ゴブリンの背中ばかりで襲われているかどうかがわからなかったので、ヒカルはとりあえず目の前にいるゴブリンを倒す事にした。
ウインドアローでゴブリンの首を狩っていく。あれから左右どちらの手からも魔法が放てるようになったライトは、両手でウインドアローを連発し、目の前のゴブリンを倒していく。
目の前のゴブリンを全て倒すと、ドレスを着た少女と、少女を守っているメイドが2人見えた。その向こうではメイリーンがゴブリンを倒して行っている。
(おっと!?これはあれだ。貴族を助けるイベントだ!まさかこんな感じで発生するとは・・・。どうしよ?これってあれだよね。きっとお姫様とかこの町の領主の娘さんっていうオチだよね。でもなんでこんな森の中にいるんだ??)
ヒカルとメイリーンは、目に見えるゴブリンを全て倒した後、少女達に話しかけた。
「大丈夫ですか?」
「ありがとうございます。もうダメかと思いました。」
「無事ならよかったです。でもなんでこんな所に?貴族様?ですよね?」
「あっ申し遅れました。私スクルド・エベレスと申します。この度は危険な所を助けて頂きありがとうございます。」
(やっぱりだよ。エベレスって名前にあるし・・・ってことはこの子はエベレス辺境伯の娘さん。辺境伯って上位貴族だよな・・・やばい。かかわりたくないぞ・・・)
「あっ。え~っと俺はヒカルで、こっちがメイリーンです。え~っとすいません貴族様にどういった言葉を話せばいいのかよくわからなくて・・・」
(とりあえず敬語で話せばいいのか?この子俺と同じぐらいの年なのにしっかりしてるな・・・)
「私は気にしないので構いませんわ。」
「それは助かります。とりあえず、ゴブリンの処理をしてしまいますね。このままじゃゴブリンの死体に魔物が寄ってきちゃいますから。」
ヒカルとメイリーンは倒したゴブリンを一か所に集め、ヒカルの火魔法で燃やして行った。そんな処理をしていると・・・
「お嬢様~。お嬢様~。」
そんな声とともに、騎士が5人こちらに向かってきた。
「お嬢様!ご無事で何よりです。もう勝手にどこか行って心配したんですよ。」
「ごめんなさい。」
「無事だったからよかったものの、森は魔物が多く危ないので勝手にどこかに行くのは金輪際やめてくださいね。」
「はい・・・」
「それで・・・あの方たちは?」
「私達をゴブリンから助けてくれたんです。私と同じぐらいの年なのにどちらもすごく強くて10体以上いたゴブリンを全部倒しちゃったんです。」
「ほうほう。それはそれは。」
「貴方達がお嬢様を助けてくれたんですね。ありがとうございます。冒険者ですかな?」
「はい。ヒカルと申します。」
「あっメイリーンです。」
(やばい。厄介事のにおいがする。ラノベなら助けたお礼とかあるだろうけど、ここは、さっさと離れた方がよさそうだ。貴族様となんか知り合いになったら自由が無くなるしお嬢様に好意を持たれても困るしな。)
「騎士様達がいるなら大丈夫ですね。俺達は急いでるんでこれで失礼します。メイリ行くぞ。」
「えっ!?ちょっと」
ヒカルはメイリの手を取り、駆け出した。
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騎士の声も無視してヒカルはメイリを引っ張ってダッシュで、その場を離れるのだった。
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