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21.妻としてのお仕事
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「アリア、綺麗だ……」
「あ、ありがとうございます……」
ラピスラズリのような深い青に金糸で刺繍された見事なドレスに身を包んだアリアは、フレディの言葉に赤くなる。
(フ、フレディ様の礼装、初めて見たけどカッコイイ……)
フレディはいつも魔法省に通う時は動きやすいシャツにパンツ、そして魔術師のローブを身に着けていた。
それもそれで似合っていたが、今日はいつにも増してキラキラとしている。
いつもは下ろされた前髪を後ろに撫でつけ、色気が増している。
「アリア?」
「ひゃ、ひゃいっっ!」
「緊張しているの? 大丈夫だよ。そうだこれ」
フレディはアリアの首にチェーンを通す。
チェーンの先には小さく可愛い小瓶が下がっている。ラピスラズリで出来たそれは、普通のネックレスに見えるが。
「お守り。中にはアリアの髪を変える魔法薬が入っているよ」
「あ、ありがとうございます!!」
アリアはかけられたネックレスの小瓶をギュッと握りしめてお礼を言った。実は悪役令嬢に扮していなくて不安でいっぱいだったのだ。そんなアリアの気持ちに沿うようにネックレスを贈ってくれたフレディに胸が温かくなる。
少しだけ緊張が解れたアリアの手をふわりと取ると、フレディは屋敷前の馬車までエスコートした。
本日は、王太子殿下に招かれたお茶会である。
招待状が届いたのは数日前。
二人の寝室でそれについて話し合った。
元々、社交シーズン中の虫除けのために雇われたアリアだったので、本来の目的である「お仕事」だとアリアは目を輝かせた。
しかし、フレディの顔は浮かなかった。
「アリアを誰にも見せたくない」
「そっ、それは、私が悪役令嬢として至らないから……」
そんなことを言い出したフレディに、アリアが涙目になると、彼は焦って弁解した。
「違う! アリアがどうとかじゃなくて……ああ、クソっ」
しょんぼりするアリアに、フレディは焦燥感を募らせていた。
「アリア、君を他の男の目に入れたくないんだ。俺だけを見ていて欲しい」
「フレディ様……はい、もちろんです」
「アリア……!」
アリアにストレートに気持ちが伝わったと喜ぶフレディ。しかし。
「妻役として、フレディ様の演技には応えてみせます! ただ、やはり悪役令嬢にならないとお役に立てないと……」
アリアの言葉にフレディはがっくりとした。
やっぱりか、と思ったフレディはある条件を付けた。
「わかった。じゃあ、このお茶会でアリアに「妻役」をお願いするよ」
ぱあっと顔を輝かせたアリアにフレディは続けた。
「ただし、「悪役令嬢」の扮装は無しだ。そのままのアリアで出席するんだ」
「むっ……無理です……」
フレディの条件にアリアは即答した。
「どうして?」
「だって……悪役令嬢じゃないと、フレディ様のお役に立てません……」
自信なさげに答えるアリアの肩をフレディはそっと抱き寄せた。
「フレディ様?!」
「君は、俺の隣にいてくれるだけで充分なんだよ。この前だって、令嬢たちを追い払ってくれただろ?」
「あ、あの時は必死で……それに、最終的に追い払われたのはフレディ様です……」
近い距離で耳元に囁いてくるフレディに、アリアは話どころではなくなる。ドキマギしながらも何とか答える。
「アリア、俺の妻はアリアだと、愛人疑惑は否定した。だけど、悪役令嬢のアリアとメイドのリアを見られているのは事実だ」
「はい……」
フレディの不名誉な噂を流させてしまったとアリアは落ち込んでいた。
「いや、俺が君に所構わずキスしたせいだから、落ち込まないで欲しい」
「!!」
落ち込むアリアに気付き、フレディがフォローしてくれたが、赤面する内容だった。
(妻役だからってフレディ様と何度も……)
嫌じゃない、むしろ心地良くて嬉しい。そんな感情を押し込め、アリアは赤い顔を横に振った。
「それで、俺の妻は君一人だと認知させるためにも、アリアにはそのままでお茶会に参加して欲しい」
「えっ……悪役令嬢の方ではなくてですか……?」
フレディの要求にアリアは困惑する。
(悪役令嬢の方が離婚する時も都合が良いのでは……)
自身の考えに胸をツキリとさせる。
「俺は、君が良いんだ、アリア」
アリアの両手を取り、真剣な瞳で懇願するフレディ。
「でも、私は悪役令嬢じゃないと……」
俯きそうになったアリアの顔を片手でそっと上向かせるフレディ。
「大丈夫。君は、そのままでも立派にやれるよ。悪役令嬢の振る舞いなんていらない。ただ君のままで俺の隣にいて欲しい」
自分自身をこんなにも求めてくれるフレディに、アリアは涙が溢れた。
「私……私……」
「頼むよアリア、俺の妻として側にいて欲しい。俺は君じゃないとダメなんだ」
「それは――リアの方が演技しやすい、ということでしょうか……」
フレディの言葉が嬉しいのに、アリアはついぽろっと不安を溢した。
フレディは驚きで目を見開いたが、すぐに笑みに変えた。
「うん……。そうだね。そういうことで良いよ。アリア、「お仕事」だよ。受けてくれるね?」
「……はい……」
アリアの涙を拭いながら、フレディは笑みを深めて言った。
仕事としてならアリアも受け入れてくれると思ったフレディは肯定することにした。
(仕事だとしても、私自身を求めてくれて嬉しい……はずなのに……)
そして二人の想いはすれ違ったまま、今日のお茶会を迎えた。
ドレスはフレディが張り切って用意してくれた。そして自信がないアリアにお守りのネックレスまで。
あまりにも豪華なドレスに、メイド仕事ばかりしてきたアリアは目眩がした。
悪役令嬢の時の派手なドレスとも違う。上品で綺麗なドレス。フレディの瞳の色に、王家特有の金色の髪に合わせた刺繍。そしてラピスラズリのネックレス。一目で誰の妻なのかわかる。
「アリア、綺麗だよ」
さっきも聞いたのに、フレディは馬車の中で何度もアリアに囁いた。
(ひえっ!! もう演技が始まっている!!)
二人きりの馬車の中で甘い言葉を放つフレディに、アリアはドキドキしっぱなしだった。
「フ、フレディ様もその……素敵です」
フレディの演技に頑張って応えようと返せば、フレディは手で顔を覆って横を向いてしまった。
(ダメだったかしら……)
しゅん、と見つめていたフレディの顔がアリアに向き直ると、彼は目を細めて笑った。
「それ、本当?」
「ほ、ほほほ、本当です!!」
不意の笑顔にアリアの心拍数が上がる。
「俺、素敵?」
「す、すすす素敵です! カッコイイです!」
「嬉しい……」
正面にいたはずのフレディがいつの間にか隣に腰を落としていた。
(ひえっ!!)
色気ムンムンのフレディの顔が近くにあり、アリアは思わず後ずさる。
「俺も演技じゃないんだけどなあ……」
狭い馬車の中、後ずさった所で行き止まり。
アリアはフレディの伸びてきた腕で行き場を失う。
「本当に綺麗だよ、アリア」
「あ、あのっ?」
馬車とフレディに挟まれ、タジタジのアリア。
「だから連れて来たくなかったんだ。常に俺の側にいるんだよ?」
「は、はい……?」
フレディの言っている意味がわからず、思わず疑問形になる。
「俺だけを見ているように」
そう言うと、フレディはアリアの唇をついばむようにキスをした。
「?!」
仕事、だとわかっていても急なキスは心臓に悪い。
「お化粧、崩すといけないからね」
ふっ、と笑いながら自身の唇についたアリアの口紅を指で拭うフレディに、アリアは顔が真っ赤になった。
(私、本当にこのままでお茶会、乗り切れるのかしら?!)
静まらない心臓を押さえるアリアをよそに、フレディは会場に着くまでずっとアリアの肩を抱いて離さなかった。
「あ、ありがとうございます……」
ラピスラズリのような深い青に金糸で刺繍された見事なドレスに身を包んだアリアは、フレディの言葉に赤くなる。
(フ、フレディ様の礼装、初めて見たけどカッコイイ……)
フレディはいつも魔法省に通う時は動きやすいシャツにパンツ、そして魔術師のローブを身に着けていた。
それもそれで似合っていたが、今日はいつにも増してキラキラとしている。
いつもは下ろされた前髪を後ろに撫でつけ、色気が増している。
「アリア?」
「ひゃ、ひゃいっっ!」
「緊張しているの? 大丈夫だよ。そうだこれ」
フレディはアリアの首にチェーンを通す。
チェーンの先には小さく可愛い小瓶が下がっている。ラピスラズリで出来たそれは、普通のネックレスに見えるが。
「お守り。中にはアリアの髪を変える魔法薬が入っているよ」
「あ、ありがとうございます!!」
アリアはかけられたネックレスの小瓶をギュッと握りしめてお礼を言った。実は悪役令嬢に扮していなくて不安でいっぱいだったのだ。そんなアリアの気持ちに沿うようにネックレスを贈ってくれたフレディに胸が温かくなる。
少しだけ緊張が解れたアリアの手をふわりと取ると、フレディは屋敷前の馬車までエスコートした。
本日は、王太子殿下に招かれたお茶会である。
招待状が届いたのは数日前。
二人の寝室でそれについて話し合った。
元々、社交シーズン中の虫除けのために雇われたアリアだったので、本来の目的である「お仕事」だとアリアは目を輝かせた。
しかし、フレディの顔は浮かなかった。
「アリアを誰にも見せたくない」
「そっ、それは、私が悪役令嬢として至らないから……」
そんなことを言い出したフレディに、アリアが涙目になると、彼は焦って弁解した。
「違う! アリアがどうとかじゃなくて……ああ、クソっ」
しょんぼりするアリアに、フレディは焦燥感を募らせていた。
「アリア、君を他の男の目に入れたくないんだ。俺だけを見ていて欲しい」
「フレディ様……はい、もちろんです」
「アリア……!」
アリアにストレートに気持ちが伝わったと喜ぶフレディ。しかし。
「妻役として、フレディ様の演技には応えてみせます! ただ、やはり悪役令嬢にならないとお役に立てないと……」
アリアの言葉にフレディはがっくりとした。
やっぱりか、と思ったフレディはある条件を付けた。
「わかった。じゃあ、このお茶会でアリアに「妻役」をお願いするよ」
ぱあっと顔を輝かせたアリアにフレディは続けた。
「ただし、「悪役令嬢」の扮装は無しだ。そのままのアリアで出席するんだ」
「むっ……無理です……」
フレディの条件にアリアは即答した。
「どうして?」
「だって……悪役令嬢じゃないと、フレディ様のお役に立てません……」
自信なさげに答えるアリアの肩をフレディはそっと抱き寄せた。
「フレディ様?!」
「君は、俺の隣にいてくれるだけで充分なんだよ。この前だって、令嬢たちを追い払ってくれただろ?」
「あ、あの時は必死で……それに、最終的に追い払われたのはフレディ様です……」
近い距離で耳元に囁いてくるフレディに、アリアは話どころではなくなる。ドキマギしながらも何とか答える。
「アリア、俺の妻はアリアだと、愛人疑惑は否定した。だけど、悪役令嬢のアリアとメイドのリアを見られているのは事実だ」
「はい……」
フレディの不名誉な噂を流させてしまったとアリアは落ち込んでいた。
「いや、俺が君に所構わずキスしたせいだから、落ち込まないで欲しい」
「!!」
落ち込むアリアに気付き、フレディがフォローしてくれたが、赤面する内容だった。
(妻役だからってフレディ様と何度も……)
嫌じゃない、むしろ心地良くて嬉しい。そんな感情を押し込め、アリアは赤い顔を横に振った。
「それで、俺の妻は君一人だと認知させるためにも、アリアにはそのままでお茶会に参加して欲しい」
「えっ……悪役令嬢の方ではなくてですか……?」
フレディの要求にアリアは困惑する。
(悪役令嬢の方が離婚する時も都合が良いのでは……)
自身の考えに胸をツキリとさせる。
「俺は、君が良いんだ、アリア」
アリアの両手を取り、真剣な瞳で懇願するフレディ。
「でも、私は悪役令嬢じゃないと……」
俯きそうになったアリアの顔を片手でそっと上向かせるフレディ。
「大丈夫。君は、そのままでも立派にやれるよ。悪役令嬢の振る舞いなんていらない。ただ君のままで俺の隣にいて欲しい」
自分自身をこんなにも求めてくれるフレディに、アリアは涙が溢れた。
「私……私……」
「頼むよアリア、俺の妻として側にいて欲しい。俺は君じゃないとダメなんだ」
「それは――リアの方が演技しやすい、ということでしょうか……」
フレディの言葉が嬉しいのに、アリアはついぽろっと不安を溢した。
フレディは驚きで目を見開いたが、すぐに笑みに変えた。
「うん……。そうだね。そういうことで良いよ。アリア、「お仕事」だよ。受けてくれるね?」
「……はい……」
アリアの涙を拭いながら、フレディは笑みを深めて言った。
仕事としてならアリアも受け入れてくれると思ったフレディは肯定することにした。
(仕事だとしても、私自身を求めてくれて嬉しい……はずなのに……)
そして二人の想いはすれ違ったまま、今日のお茶会を迎えた。
ドレスはフレディが張り切って用意してくれた。そして自信がないアリアにお守りのネックレスまで。
あまりにも豪華なドレスに、メイド仕事ばかりしてきたアリアは目眩がした。
悪役令嬢の時の派手なドレスとも違う。上品で綺麗なドレス。フレディの瞳の色に、王家特有の金色の髪に合わせた刺繍。そしてラピスラズリのネックレス。一目で誰の妻なのかわかる。
「アリア、綺麗だよ」
さっきも聞いたのに、フレディは馬車の中で何度もアリアに囁いた。
(ひえっ!! もう演技が始まっている!!)
二人きりの馬車の中で甘い言葉を放つフレディに、アリアはドキドキしっぱなしだった。
「フ、フレディ様もその……素敵です」
フレディの演技に頑張って応えようと返せば、フレディは手で顔を覆って横を向いてしまった。
(ダメだったかしら……)
しゅん、と見つめていたフレディの顔がアリアに向き直ると、彼は目を細めて笑った。
「それ、本当?」
「ほ、ほほほ、本当です!!」
不意の笑顔にアリアの心拍数が上がる。
「俺、素敵?」
「す、すすす素敵です! カッコイイです!」
「嬉しい……」
正面にいたはずのフレディがいつの間にか隣に腰を落としていた。
(ひえっ!!)
色気ムンムンのフレディの顔が近くにあり、アリアは思わず後ずさる。
「俺も演技じゃないんだけどなあ……」
狭い馬車の中、後ずさった所で行き止まり。
アリアはフレディの伸びてきた腕で行き場を失う。
「本当に綺麗だよ、アリア」
「あ、あのっ?」
馬車とフレディに挟まれ、タジタジのアリア。
「だから連れて来たくなかったんだ。常に俺の側にいるんだよ?」
「は、はい……?」
フレディの言っている意味がわからず、思わず疑問形になる。
「俺だけを見ているように」
そう言うと、フレディはアリアの唇をついばむようにキスをした。
「?!」
仕事、だとわかっていても急なキスは心臓に悪い。
「お化粧、崩すといけないからね」
ふっ、と笑いながら自身の唇についたアリアの口紅を指で拭うフレディに、アリアは顔が真っ赤になった。
(私、本当にこのままでお茶会、乗り切れるのかしら?!)
静まらない心臓を押さえるアリアをよそに、フレディは会場に着くまでずっとアリアの肩を抱いて離さなかった。
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