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第二章 王都編
ルッシャー領2
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翌日、私はルッシャー領の結界修復に回った。
「ヒビが入ってる……!」
一箇所目の結界に着いて、私とトロワは確信した。やはり、王都から離れた結界に限界が来ている。
「穴が空く前で良かったよ」
結界をまじまじと見るトロワに、私も頷く。
「それで? 結界を直せるんだろうな?」
隣にいたイスランが仏頂面で私に尋ねる。
「はい! 今から取り掛かります!」
「副隊長、リリア様はフォークス領でも結界を修復されているんですから、実績は立証済ですよ!」
イスランに笑顔で返事をすると、私の護衛に控えていたユーグが、彼にフォローを入れてくれた。
変わらず優しくて明るいユーグには救われる。
「ふん! 俺はそれを見ていないからな」
相変わらずの憎まれ口に、私とユーグは顔を見合わせて笑った。
「は、早くしろ!」
そんな私たちを見て、増々怒り口調になったイスランは、私を急かした。
私はトロワと、ふう、と結界に向かい合う。
「穴が空く寸前といった所だな。リリア、俺の力も使え」
「うん、ありがとう。トロワ」
トロワに頷いて、私は結界に両手を突きだす。
「光よ、巡れーーーー」
同時に、トロワの身体と私の手が光る。
「こ、これは……!」
私の後ろの方で、イスランの驚く声が聞こえた。
キイイン、という音と共に、結界のヒビは修復され、より強固な物へと生まれ変わった。
ふうっと光が消えたトロワは、私の肩に落ちるようにして乗った。
「トロワ?!」
「大丈夫だ……力を使ったから眠いだけだ」
そう言うと、トロワは私の肩の上で眠りについてしまった。
トロワも私みたいに、小さな身体に追いついていないんじゃないかしら?
トロワは元々ライオンだった。何故か今は猫の姿のまま。思うように力を発揮出来ていないのではないかと私は思った。
でもそれが何故かはわからない。トロワが話してくれるまで待つしかない。
「見事だったぞ。次に行こう」
その場で考え込んでしまった私に、イスランが後ろから声をかけた。
「あ、ありがとうございます」
急なイスランからの褒め言葉に、ポカンとしていると、ユーグが吹き出した。
「副隊長、ようやくリリア様を認められたんですよね」
「い、行くぞ!!」
ユーグがお腹を抱えて笑っている。イスランは顔を赤くして、馬の方へ向かうと、周りを警戒してくれていた騎士たちに、出立の合図をした。
イスランに認められた?
「良かったですね! リリア様!」
まだ笑っていたユーグが涙目で私に言った。
「うん!」
「副隊長、簡単だなあ」
私がユーグに笑顔で答えると、彼はまだお腹を抱えて笑っていた。
ルッシャー領の結界はあと一つ。最悪の事態になっていないと良い。
◇◇◇
「魔物です!」
二つ目の結界の場所へ辿り着くと同時に、騎士たちから声が上がった。
フォークス領の時と、状況が似ている!
「リリア様!!」
私はユーグの静止を聞かず、急いで馬車の扉を開けた。
目の前には、巨大蛇が一体。
フォークス領の時のように数はいないものの、中々骨が折れる相手だ。
「リリア様、下がっていてください!」
ごくりと唾を飲み込んだ私の手をユーグが後ろから掴み、彼の身体の後ろに引っ張られる。
「リリア様は結界を!!」
イスランがそう叫ぶと、彼は近衛隊に号令を飛ばした。
騎士たちと巨大蛇の戦いが始まり、私はユーグに手を引かれて、結界に向かった。
「リリア様、こちらです」
ユーグに連れられ、結界を目の前にすると、自分の嫌な予感が当たり、悪寒が走る。
「これ…は」
「あいつが通って、境目が広がったんだな」
肩の上で寝ていたトロワが目を覚まし、状況をすぐさま分析した。
結界は穴、というより、裂けたように広がっていた。トロワの言うように、あの魔物が元々の穴から無理にこちらに出てきたせいだろう。
「結界が弱っているってこと?」
「リリア様!」
トロワと話していると、ユーグに引き寄せられ、私は地面に倒れ込んだ。
すぐにユーグの方を見ると、彼は狼の牙を剣で防いでいた。
「ユーグ!!」
「まずい、リリア。結界を早く修復しないと、魔物がどんどんやってくるぞ」
狼も結界の穴から飛び出して来たようだった。
「リリア様、はや、く……」
ユーグが魔物狼を防いでいるうちに、早く……!
私はトロワを横目で見ると、彼もコクリと頷いた。
「光よ、巡れーーー!」
私は急いで聖魔法を発動させた。
キイイン、ガルルル、
結界が張り巡る音と、魔物の唸り声。
早く!!
私の焦りとは裏腹に、結界の損傷が酷いせいか、修復の進みが遅い。
「?」
フォークス領が一番酷かったけど、この結界は、そこまでじゃない。
私は不思議に思い、トロワの方を見ると、彼は汗だくになり、顔を青くしていた。
「トロワ……!」
「止めるな、リリア!」
駆け寄ろうとした私に、トロワが厳しく静止した。
「だい、じょうぶ。リリアはそのまま力を。間違っても全力注ぐな」
フォークス領の時、私は力を制御出来ず、全力で結界を修復した。そのせいで倒れてしまったのだ。
今はトロワの力を借りているため、セーブ出来ている。
「でも……!」
「ここで倒れたら、魔物にやられる……」
トロワがチラリと巨大蛇に目を向ける。
近衛隊たちは苦戦しているようだった。
「リリアの力を残しておかないと……」
トロワは力無い声で言った。その声に泣きそうになりながらも、私は彼を信じて力を使い続けた。
キイインーーーー
そのうち、結界の穴は塞がり、境界も見えなくなった。『リリア』の強大な結界が張られた。
ギャオオオ
同時に、ユーグの方からも声がした。どうやら魔物狼を倒したようだ。
「ユーグ、大丈夫?!」
「はい。リリア様は?」
「私は大丈夫……」
駆け寄ってきたユーグの身体を見渡し、怪我が無いことに安心する。そして、もう一人の相棒を振り返ると。
「トロワ!!」
トロワは力尽きて、その場で倒れ込んでいた。
「ヒビが入ってる……!」
一箇所目の結界に着いて、私とトロワは確信した。やはり、王都から離れた結界に限界が来ている。
「穴が空く前で良かったよ」
結界をまじまじと見るトロワに、私も頷く。
「それで? 結界を直せるんだろうな?」
隣にいたイスランが仏頂面で私に尋ねる。
「はい! 今から取り掛かります!」
「副隊長、リリア様はフォークス領でも結界を修復されているんですから、実績は立証済ですよ!」
イスランに笑顔で返事をすると、私の護衛に控えていたユーグが、彼にフォローを入れてくれた。
変わらず優しくて明るいユーグには救われる。
「ふん! 俺はそれを見ていないからな」
相変わらずの憎まれ口に、私とユーグは顔を見合わせて笑った。
「は、早くしろ!」
そんな私たちを見て、増々怒り口調になったイスランは、私を急かした。
私はトロワと、ふう、と結界に向かい合う。
「穴が空く寸前といった所だな。リリア、俺の力も使え」
「うん、ありがとう。トロワ」
トロワに頷いて、私は結界に両手を突きだす。
「光よ、巡れーーーー」
同時に、トロワの身体と私の手が光る。
「こ、これは……!」
私の後ろの方で、イスランの驚く声が聞こえた。
キイイン、という音と共に、結界のヒビは修復され、より強固な物へと生まれ変わった。
ふうっと光が消えたトロワは、私の肩に落ちるようにして乗った。
「トロワ?!」
「大丈夫だ……力を使ったから眠いだけだ」
そう言うと、トロワは私の肩の上で眠りについてしまった。
トロワも私みたいに、小さな身体に追いついていないんじゃないかしら?
トロワは元々ライオンだった。何故か今は猫の姿のまま。思うように力を発揮出来ていないのではないかと私は思った。
でもそれが何故かはわからない。トロワが話してくれるまで待つしかない。
「見事だったぞ。次に行こう」
その場で考え込んでしまった私に、イスランが後ろから声をかけた。
「あ、ありがとうございます」
急なイスランからの褒め言葉に、ポカンとしていると、ユーグが吹き出した。
「副隊長、ようやくリリア様を認められたんですよね」
「い、行くぞ!!」
ユーグがお腹を抱えて笑っている。イスランは顔を赤くして、馬の方へ向かうと、周りを警戒してくれていた騎士たちに、出立の合図をした。
イスランに認められた?
「良かったですね! リリア様!」
まだ笑っていたユーグが涙目で私に言った。
「うん!」
「副隊長、簡単だなあ」
私がユーグに笑顔で答えると、彼はまだお腹を抱えて笑っていた。
ルッシャー領の結界はあと一つ。最悪の事態になっていないと良い。
◇◇◇
「魔物です!」
二つ目の結界の場所へ辿り着くと同時に、騎士たちから声が上がった。
フォークス領の時と、状況が似ている!
「リリア様!!」
私はユーグの静止を聞かず、急いで馬車の扉を開けた。
目の前には、巨大蛇が一体。
フォークス領の時のように数はいないものの、中々骨が折れる相手だ。
「リリア様、下がっていてください!」
ごくりと唾を飲み込んだ私の手をユーグが後ろから掴み、彼の身体の後ろに引っ張られる。
「リリア様は結界を!!」
イスランがそう叫ぶと、彼は近衛隊に号令を飛ばした。
騎士たちと巨大蛇の戦いが始まり、私はユーグに手を引かれて、結界に向かった。
「リリア様、こちらです」
ユーグに連れられ、結界を目の前にすると、自分の嫌な予感が当たり、悪寒が走る。
「これ…は」
「あいつが通って、境目が広がったんだな」
肩の上で寝ていたトロワが目を覚まし、状況をすぐさま分析した。
結界は穴、というより、裂けたように広がっていた。トロワの言うように、あの魔物が元々の穴から無理にこちらに出てきたせいだろう。
「結界が弱っているってこと?」
「リリア様!」
トロワと話していると、ユーグに引き寄せられ、私は地面に倒れ込んだ。
すぐにユーグの方を見ると、彼は狼の牙を剣で防いでいた。
「ユーグ!!」
「まずい、リリア。結界を早く修復しないと、魔物がどんどんやってくるぞ」
狼も結界の穴から飛び出して来たようだった。
「リリア様、はや、く……」
ユーグが魔物狼を防いでいるうちに、早く……!
私はトロワを横目で見ると、彼もコクリと頷いた。
「光よ、巡れーーー!」
私は急いで聖魔法を発動させた。
キイイン、ガルルル、
結界が張り巡る音と、魔物の唸り声。
早く!!
私の焦りとは裏腹に、結界の損傷が酷いせいか、修復の進みが遅い。
「?」
フォークス領が一番酷かったけど、この結界は、そこまでじゃない。
私は不思議に思い、トロワの方を見ると、彼は汗だくになり、顔を青くしていた。
「トロワ……!」
「止めるな、リリア!」
駆け寄ろうとした私に、トロワが厳しく静止した。
「だい、じょうぶ。リリアはそのまま力を。間違っても全力注ぐな」
フォークス領の時、私は力を制御出来ず、全力で結界を修復した。そのせいで倒れてしまったのだ。
今はトロワの力を借りているため、セーブ出来ている。
「でも……!」
「ここで倒れたら、魔物にやられる……」
トロワがチラリと巨大蛇に目を向ける。
近衛隊たちは苦戦しているようだった。
「リリアの力を残しておかないと……」
トロワは力無い声で言った。その声に泣きそうになりながらも、私は彼を信じて力を使い続けた。
キイインーーーー
そのうち、結界の穴は塞がり、境界も見えなくなった。『リリア』の強大な結界が張られた。
ギャオオオ
同時に、ユーグの方からも声がした。どうやら魔物狼を倒したようだ。
「ユーグ、大丈夫?!」
「はい。リリア様は?」
「私は大丈夫……」
駆け寄ってきたユーグの身体を見渡し、怪我が無いことに安心する。そして、もう一人の相棒を振り返ると。
「トロワ!!」
トロワは力尽きて、その場で倒れ込んでいた。
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