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第三章
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美奈子は、すぐに友介を振りほどき、髪と口を整えながら
アキラの許に向かう。
「先生が、あっちに何かあるというから行ったけど、
何もなかったの」
「そうか、何かされなかったか? 」
「ううん、別に」
(また嘘……本当にごめんなさい)
ゆっくりと友介が通路から出て来る
「やー、もう何もないのかなぁ」
「そうですね、展示はここまでのようです」
「そうなんだねぇ。じゃあ出るか」
今度は、友介が先頭に立って坑道を出ていく。
友介・アキラ・美奈子の順に歩く。
くちゅり……美奈子以外には聞こえないレベルで、
微かな水音がした。
(いやだ……まさか……今のキスと刺激で !?……)
坑道から外に出る。
「さて、じゃあボクはホテルに戻って、ここらをドライブして
帰ることにするよ。
上条クン、ホテルを紹介してくれただけじゃなくて、今日は案内ありがとう」
「いえいえ、ボクはほとんど何もしてませんよ。ホテルも情報お話ししただけですし」
アキラは、ホッとした表情で返す。
「じゃあ、二人ともまた学校でね」
「はいっ、さようなら」
「先生、おクルマ気を付けて」
「さぁて、ようやく邪魔者はいなくなったぞ」
「ダメよ、先生を邪魔者なんて」
「事実だし」
「さて、次はね、D島に行こう。バスになるけど」
「D島 ? 」
「うん、海の中に洞窟があって凄く綺麗なんだって」
「へぇ~っ。楽しみ」
「わぁっ ! 海が青~い」
「すごい海岸線ねぇ」
「見てみて、富士山だよ」
美奈子が、子どものようにはしゃいでいる。
(あ~っ ! 気持ちがいい ! 寒いけど、爽やかで気分が洗われるっ !
先生からかけられたモヤモヤが吹き飛んだわ )
二人は、船で海から洞窟を巡るクルーズ船に乗っていた。
他には、お客は三組ほど。それぞれ、適度に距離を置いて
観光を楽しんでいる。
やがて、目玉の洞窟に船が進む。
「これが洞窟 ? 天井高~い ! 」
「どうして、こんな緑色なんだろー」
「美奈……」
アキラの呼びかけに横を向くと
チュッとキスされた。
美奈子は目を瞑って、キスを堪能しようとする……が、
しかし……すぐにキスは終わった。
もう少し期待していた美奈子なので、どうしてと目で問う。
「ごめん、急にキスして。でも、やっぱマズいよね……」
「そっ、そうよね……周りの目もあるし……」
ふたりで苦笑いした。
傍目からは初々しいカップルの微笑ましい風景だ。
他の客も、それぞれ自分の世界に浸っている……
(また、あのタバコの匂いがした……ような気がした。
だから、反射的にやめてしまった。
くそっ、昨日から僕はどうかしている……)
クルーズ船を降りた二人は、昼食をとり、ホテルに戻った。
「あ~ぁっ、もう終わり……つまらないわ……
二泊三日にすればよかった……」
「僕は、来てくれただけでうれしいよ」
「三学期は、いつ学校で会えるかなぁ」
「初日は登校するよ。ただ、その後は当面夜勤の予定だから……」
「えぇっ、まさか毎日 ? 身体こわすわよ、そんな」
「いや、その分昼間学校行かないから……」
「自由登校って、そういう使い方するためじゃないわ」
「まあまあ。休みの日にはデートしよっ ! 」
「うん !」
「若いっていーねー、すぐそうやって自分たちの世界で 」
「す、すみません。先輩。
駅まで送っていただいているのに」
「まあ、お客様をお送りするのは仕事だから、いいけどな。
ただねぇ、さっきから、暑くてエアコン設定温度を下げたくなったよ」
行きと同じで、美奈子は駅までホテルの送迎車のワンボックスカーで
送ってもらっていた。
「それじゃあ、色々とありがとう」
「うん。こちらこそ、来てくれてうれしかったよ」
「じゃあね」
「バイバイ」
改札口で、美奈子が手を振り、アキラは送迎車に戻った。
アキラが送迎車に戻ると、先輩バイトの藤岡が、
運転しながら、突然喋り始めた。
「お嬢ちゃんがいる時は、刺激が強いから黙ってたけどさ。
おまえらの先生、お盛んだねぇ。桔梗に泊まってただろ。
今朝、俺は桔梗の清掃担当だったんだよ。
部屋に入ったら、ムッとするにおいがすごいんだ、これが。
栗の花、つまりザーメンの匂いと女の子の香りがするわけよ。
布団は濡れてるし、シーツもべちゃべちゃ。
ちったぁ、片づけろよなぁ、コンドームとか。
まあ、それが仕事だけどよ。
知ってっか ? コンドームは可燃ごみなんだぞ。
分別する時、気をつけろよ。
あと、テラスの露天風呂もイカ臭かったから、外でもヤったな。
露天風呂入りながらって乙なこと。俺もヤりてえ~」
「そっ、そうですか」
「まあ、おまえに言ってもしょうがないか。
おっ、でも聞いといてくれよ。
このホテル、結構出入り厳しいから、どうやってデリヘル呼んだか。
まさか、ナンパして連れ込んだわけはないと思うんだよなぁ……
援交女ならあるのか……
まっ、何にせよ抜け穴あるなら、俺も呼びたい。
そん時はおまえらには暫く、部屋空けてもらわないとなぁ」
「はぁ……」
(先生、そんなことしてたんだ。ちょっと意外。
オタクって、そういうの苦手なイメージだから……
まあいい歳だし、夜1人は暇だよなぁ……)
アキラの許に向かう。
「先生が、あっちに何かあるというから行ったけど、
何もなかったの」
「そうか、何かされなかったか? 」
「ううん、別に」
(また嘘……本当にごめんなさい)
ゆっくりと友介が通路から出て来る
「やー、もう何もないのかなぁ」
「そうですね、展示はここまでのようです」
「そうなんだねぇ。じゃあ出るか」
今度は、友介が先頭に立って坑道を出ていく。
友介・アキラ・美奈子の順に歩く。
くちゅり……美奈子以外には聞こえないレベルで、
微かな水音がした。
(いやだ……まさか……今のキスと刺激で !?……)
坑道から外に出る。
「さて、じゃあボクはホテルに戻って、ここらをドライブして
帰ることにするよ。
上条クン、ホテルを紹介してくれただけじゃなくて、今日は案内ありがとう」
「いえいえ、ボクはほとんど何もしてませんよ。ホテルも情報お話ししただけですし」
アキラは、ホッとした表情で返す。
「じゃあ、二人ともまた学校でね」
「はいっ、さようなら」
「先生、おクルマ気を付けて」
「さぁて、ようやく邪魔者はいなくなったぞ」
「ダメよ、先生を邪魔者なんて」
「事実だし」
「さて、次はね、D島に行こう。バスになるけど」
「D島 ? 」
「うん、海の中に洞窟があって凄く綺麗なんだって」
「へぇ~っ。楽しみ」
「わぁっ ! 海が青~い」
「すごい海岸線ねぇ」
「見てみて、富士山だよ」
美奈子が、子どものようにはしゃいでいる。
(あ~っ ! 気持ちがいい ! 寒いけど、爽やかで気分が洗われるっ !
先生からかけられたモヤモヤが吹き飛んだわ )
二人は、船で海から洞窟を巡るクルーズ船に乗っていた。
他には、お客は三組ほど。それぞれ、適度に距離を置いて
観光を楽しんでいる。
やがて、目玉の洞窟に船が進む。
「これが洞窟 ? 天井高~い ! 」
「どうして、こんな緑色なんだろー」
「美奈……」
アキラの呼びかけに横を向くと
チュッとキスされた。
美奈子は目を瞑って、キスを堪能しようとする……が、
しかし……すぐにキスは終わった。
もう少し期待していた美奈子なので、どうしてと目で問う。
「ごめん、急にキスして。でも、やっぱマズいよね……」
「そっ、そうよね……周りの目もあるし……」
ふたりで苦笑いした。
傍目からは初々しいカップルの微笑ましい風景だ。
他の客も、それぞれ自分の世界に浸っている……
(また、あのタバコの匂いがした……ような気がした。
だから、反射的にやめてしまった。
くそっ、昨日から僕はどうかしている……)
クルーズ船を降りた二人は、昼食をとり、ホテルに戻った。
「あ~ぁっ、もう終わり……つまらないわ……
二泊三日にすればよかった……」
「僕は、来てくれただけでうれしいよ」
「三学期は、いつ学校で会えるかなぁ」
「初日は登校するよ。ただ、その後は当面夜勤の予定だから……」
「えぇっ、まさか毎日 ? 身体こわすわよ、そんな」
「いや、その分昼間学校行かないから……」
「自由登校って、そういう使い方するためじゃないわ」
「まあまあ。休みの日にはデートしよっ ! 」
「うん !」
「若いっていーねー、すぐそうやって自分たちの世界で 」
「す、すみません。先輩。
駅まで送っていただいているのに」
「まあ、お客様をお送りするのは仕事だから、いいけどな。
ただねぇ、さっきから、暑くてエアコン設定温度を下げたくなったよ」
行きと同じで、美奈子は駅までホテルの送迎車のワンボックスカーで
送ってもらっていた。
「それじゃあ、色々とありがとう」
「うん。こちらこそ、来てくれてうれしかったよ」
「じゃあね」
「バイバイ」
改札口で、美奈子が手を振り、アキラは送迎車に戻った。
アキラが送迎車に戻ると、先輩バイトの藤岡が、
運転しながら、突然喋り始めた。
「お嬢ちゃんがいる時は、刺激が強いから黙ってたけどさ。
おまえらの先生、お盛んだねぇ。桔梗に泊まってただろ。
今朝、俺は桔梗の清掃担当だったんだよ。
部屋に入ったら、ムッとするにおいがすごいんだ、これが。
栗の花、つまりザーメンの匂いと女の子の香りがするわけよ。
布団は濡れてるし、シーツもべちゃべちゃ。
ちったぁ、片づけろよなぁ、コンドームとか。
まあ、それが仕事だけどよ。
知ってっか ? コンドームは可燃ごみなんだぞ。
分別する時、気をつけろよ。
あと、テラスの露天風呂もイカ臭かったから、外でもヤったな。
露天風呂入りながらって乙なこと。俺もヤりてえ~」
「そっ、そうですか」
「まあ、おまえに言ってもしょうがないか。
おっ、でも聞いといてくれよ。
このホテル、結構出入り厳しいから、どうやってデリヘル呼んだか。
まさか、ナンパして連れ込んだわけはないと思うんだよなぁ……
援交女ならあるのか……
まっ、何にせよ抜け穴あるなら、俺も呼びたい。
そん時はおまえらには暫く、部屋空けてもらわないとなぁ」
「はぁ……」
(先生、そんなことしてたんだ。ちょっと意外。
オタクって、そういうの苦手なイメージだから……
まあいい歳だし、夜1人は暇だよなぁ……)
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