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第三章
はじめてのラブホ
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おとなしく付いてきた美奈子だが、
駐車場に止めてあるいつもの軽自動車に入るといなや、叫ぶ。
「臭い~~ ! 凄くタバコ臭い ! 窓開けて換気して」
「えっ、そっ、そうか ? ……あぁ、この前ひと晩スパスパやったから……」
「ひと晩 ? 」
「あ~、クリスマスイブだよ。誰かさんがお楽しみ中、外で歯ぎしりしながらね」
「……」
それを持ち出されると、何も言えない美奈子は、無言でパタパタと風を
起こして黙って空気の入れ替えをはかる。
「おっと、また意地悪な言い方しちゃったな。換気換気と……」
(やっぱり、こうなった……)
どこへ向かうのかは聞いていないが、その後クルマを出して、年末で
混み合う国道に出た途端、運転手の挙動が怪しくなった。
渋滞で頻繁に停車するのをいいことに、美奈子の太ももに
手を伸ばしてくる。
それをたたいたり、抓ったりしているものの、
三車線の真ん中にいるため、両脇の運転手の目が気になり、
あまり 大きな反応ができない。
しかも、一計を案じた運転手が、美奈子のお尻側に手を入れてくる。
これは、シートベルトをしていると、なかなか抵抗しづらい。
ただ、大したこともできないように思えるので、美奈子は無駄な抵抗はやめた。
「あーっ、ようやく素直になってくれて、よかったぁ。
なかなか簡単じゃないから、やめようかと思ってたんだー」
憎らしい男が、本心かどうかも不明な軽口をたたいても、
美奈子はもう拾わずに、無視してそのままにして尋ねた
「それで、どこに行くの ? 」
「前々から、興味はあっても、ななか行けなかったアミューズメント施設さ」
「アミューズメント ? Y浜のは昨日行ったから……」
「違う違う。それにデート報告は、聞きたくないっす」
少し怒ったのか、左手の動きが活発になり、先ほどの駅での
ようにお尻の割れ目のラインに沿って、指を進めようとする。
「おっと、ゴメン」
わざとか偶然か不明だが、ブレーキが強く踏まれ、美奈子の身体が前にのめる。
すかさず、左手は掌を上に向けて、お尻が反動で戻ってくるのを待ち受ける。
「きゃっ ! なに ?」
そのまま柔らかいお尻の下敷きに手がなる。
それはつまり、スカートに包まれた秘所の真下で、そこに押し付ける形だ。
「やだ、こんなの、エッチ過ぎる ! 」
「嫌なことを思い出させるからだよ。暫くこれ我慢して……」
中指・人差し指・薬指が随時うごめいて、激しくはないが
秘所に緩く刺激を与えて来る。
意外と、じりじりと感覚をいたぶられる。
それがまた、激しくないだけにもどかしく思えるのも、ちょっと悔しい。
運転手は左手以外は涼しい顔で
「やっぱ年末の昼だから、このあたりの国道は混むねぇ」
などと白々しいことを言う。
(もう、ホントにこの人エッチなことに熱心だなぁ。呆れちゃう。
アキラくんも、このくらい積極的でもいいのに……わたしは。
昨日も、観覧車ぐらいまではいいムードだったわ。
会話も面白かったし、
Y浜のベイエリアを見下ろす観覧車からの夜景は
本当にキレイで絶景 ! だった。
そこでのキスも、ポーっとしちゃったわ。んっ……
夕食も、決して豪華ではないけれど、美味しいレストランで。
その後、そのまま帰宅かなと思ったら、
「少し歩こう」とか言って、雑多な街をウロウロした。
怪しげなネオンがチラチラするあたりを。
でも、結局駅に向かった。
「ちょっとY浜を散歩したかった」
なんて言い訳してたけど、多分ラブホテル ?
とかいうのに誘いたかったんだろうなぁ。 あっっ……)
(わたしも、キスの続きを期待してたから、ひとこと言って
くれれば、別によかったのに……
わたしからは恥ずかしく絶対言えない……から、
身勝手なのはわかってる。
でも、家に送ってもらった時、
もうこれでお正月過ぎまで暫く会えないと思ったら、
寂しくて悲しくて、もう少し離れたくなくて……
つい私から家に誘っちゃった……んっ、ん……
あの時、彼から
「部屋に行っていい ?」
と言って欲しかったナ……
わたし、要求が多すぎるのかなぁ……
違うわ
それも、これも、きっと、好きな相手には、特にエッチな事には
ひどく積極的な人が、近くにいる悪影響なのかも……
しっ……れっ……ないっ!! )
「あいたたた ! ミナちゃん、運転手にそれは、さすがに危ないよ」
左手の狼藉がひどすぎることに業を煮やして、
美奈子が運転席の友介の膝を思い切り抓ったのだ。
「だって……エッチ過ぎるから……それに、停車中だし……いいでしょ」
ようやく渋滞を抜けはじめて、交差点で止まっていたところだ。
やっと、お尻の下のイタズラ小僧がいなくなって、美奈子はホッとした。
あのまま、続けられていたら、あそこが湿ってきたことがバレて、また
ドヤ顔されるところだったから……
(でも、わたし今日はちょっと変だわ。
こんな、先生に対して言葉じゃなくて、スキンシップで反撃するとか……
タバコの臭いについても、なんか気安く文句言ってる……
ヤダ、まさか……エッチしたから、何か距離が近くなってる ? そんな……
二日間であれだけエッチしたから、仕方ない ?……
そんなはずない。ダメダメ、ありえないっ)
「ここは……もしかしてホテル?」
「うん、まあラブホだけどね」
どうやら友介は予約してあったようで、ずんずん入って行く。
どっしりとした造りで、全体に薄暗い。
「まっ、待ってよ。こんなところで置いてかないで……怖い……」
ラブホテルの通路で、中年男に不似合いな美少女が縋り付く。
「ハハっ、怖くはないだろ、こんなとこ」
「だって……初めてだし
誰かどこかから出てきそう」
ぎゅっと友介のコートを掴む。
「そっ、そりゃそうか……ごめん」
(ごめんなさい、アキラくん。ラブホテルに入っちゃった。
昨日、一緒に入ればよかった……)
駐車場に止めてあるいつもの軽自動車に入るといなや、叫ぶ。
「臭い~~ ! 凄くタバコ臭い ! 窓開けて換気して」
「えっ、そっ、そうか ? ……あぁ、この前ひと晩スパスパやったから……」
「ひと晩 ? 」
「あ~、クリスマスイブだよ。誰かさんがお楽しみ中、外で歯ぎしりしながらね」
「……」
それを持ち出されると、何も言えない美奈子は、無言でパタパタと風を
起こして黙って空気の入れ替えをはかる。
「おっと、また意地悪な言い方しちゃったな。換気換気と……」
(やっぱり、こうなった……)
どこへ向かうのかは聞いていないが、その後クルマを出して、年末で
混み合う国道に出た途端、運転手の挙動が怪しくなった。
渋滞で頻繁に停車するのをいいことに、美奈子の太ももに
手を伸ばしてくる。
それをたたいたり、抓ったりしているものの、
三車線の真ん中にいるため、両脇の運転手の目が気になり、
あまり 大きな反応ができない。
しかも、一計を案じた運転手が、美奈子のお尻側に手を入れてくる。
これは、シートベルトをしていると、なかなか抵抗しづらい。
ただ、大したこともできないように思えるので、美奈子は無駄な抵抗はやめた。
「あーっ、ようやく素直になってくれて、よかったぁ。
なかなか簡単じゃないから、やめようかと思ってたんだー」
憎らしい男が、本心かどうかも不明な軽口をたたいても、
美奈子はもう拾わずに、無視してそのままにして尋ねた
「それで、どこに行くの ? 」
「前々から、興味はあっても、ななか行けなかったアミューズメント施設さ」
「アミューズメント ? Y浜のは昨日行ったから……」
「違う違う。それにデート報告は、聞きたくないっす」
少し怒ったのか、左手の動きが活発になり、先ほどの駅での
ようにお尻の割れ目のラインに沿って、指を進めようとする。
「おっと、ゴメン」
わざとか偶然か不明だが、ブレーキが強く踏まれ、美奈子の身体が前にのめる。
すかさず、左手は掌を上に向けて、お尻が反動で戻ってくるのを待ち受ける。
「きゃっ ! なに ?」
そのまま柔らかいお尻の下敷きに手がなる。
それはつまり、スカートに包まれた秘所の真下で、そこに押し付ける形だ。
「やだ、こんなの、エッチ過ぎる ! 」
「嫌なことを思い出させるからだよ。暫くこれ我慢して……」
中指・人差し指・薬指が随時うごめいて、激しくはないが
秘所に緩く刺激を与えて来る。
意外と、じりじりと感覚をいたぶられる。
それがまた、激しくないだけにもどかしく思えるのも、ちょっと悔しい。
運転手は左手以外は涼しい顔で
「やっぱ年末の昼だから、このあたりの国道は混むねぇ」
などと白々しいことを言う。
(もう、ホントにこの人エッチなことに熱心だなぁ。呆れちゃう。
アキラくんも、このくらい積極的でもいいのに……わたしは。
昨日も、観覧車ぐらいまではいいムードだったわ。
会話も面白かったし、
Y浜のベイエリアを見下ろす観覧車からの夜景は
本当にキレイで絶景 ! だった。
そこでのキスも、ポーっとしちゃったわ。んっ……
夕食も、決して豪華ではないけれど、美味しいレストランで。
その後、そのまま帰宅かなと思ったら、
「少し歩こう」とか言って、雑多な街をウロウロした。
怪しげなネオンがチラチラするあたりを。
でも、結局駅に向かった。
「ちょっとY浜を散歩したかった」
なんて言い訳してたけど、多分ラブホテル ?
とかいうのに誘いたかったんだろうなぁ。 あっっ……)
(わたしも、キスの続きを期待してたから、ひとこと言って
くれれば、別によかったのに……
わたしからは恥ずかしく絶対言えない……から、
身勝手なのはわかってる。
でも、家に送ってもらった時、
もうこれでお正月過ぎまで暫く会えないと思ったら、
寂しくて悲しくて、もう少し離れたくなくて……
つい私から家に誘っちゃった……んっ、ん……
あの時、彼から
「部屋に行っていい ?」
と言って欲しかったナ……
わたし、要求が多すぎるのかなぁ……
違うわ
それも、これも、きっと、好きな相手には、特にエッチな事には
ひどく積極的な人が、近くにいる悪影響なのかも……
しっ……れっ……ないっ!! )
「あいたたた ! ミナちゃん、運転手にそれは、さすがに危ないよ」
左手の狼藉がひどすぎることに業を煮やして、
美奈子が運転席の友介の膝を思い切り抓ったのだ。
「だって……エッチ過ぎるから……それに、停車中だし……いいでしょ」
ようやく渋滞を抜けはじめて、交差点で止まっていたところだ。
やっと、お尻の下のイタズラ小僧がいなくなって、美奈子はホッとした。
あのまま、続けられていたら、あそこが湿ってきたことがバレて、また
ドヤ顔されるところだったから……
(でも、わたし今日はちょっと変だわ。
こんな、先生に対して言葉じゃなくて、スキンシップで反撃するとか……
タバコの臭いについても、なんか気安く文句言ってる……
ヤダ、まさか……エッチしたから、何か距離が近くなってる ? そんな……
二日間であれだけエッチしたから、仕方ない ?……
そんなはずない。ダメダメ、ありえないっ)
「ここは……もしかしてホテル?」
「うん、まあラブホだけどね」
どうやら友介は予約してあったようで、ずんずん入って行く。
どっしりとした造りで、全体に薄暗い。
「まっ、待ってよ。こんなところで置いてかないで……怖い……」
ラブホテルの通路で、中年男に不似合いな美少女が縋り付く。
「ハハっ、怖くはないだろ、こんなとこ」
「だって……初めてだし
誰かどこかから出てきそう」
ぎゅっと友介のコートを掴む。
「そっ、そりゃそうか……ごめん」
(ごめんなさい、アキラくん。ラブホテルに入っちゃった。
昨日、一緒に入ればよかった……)
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