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第二章
ストーカー
しおりを挟むドアを開けると、そこには
自分がいた……
自分が、
自分が、
自分が、部屋中に。
壁一面に、天井にも。足元にまで。
全て自分の写真だ。
学校でのスナップ、修学旅行・体育祭・文化祭などのイベント写真。
中学の入学式の時の幼い自分もいる。
一番多いのは、引き延ばしたような粗い画像での
陸上競技ユニフォーム姿や体操服・スクール水着姿。
ニュースサイトに小さく載った記憶のある競技会でのショット、
その結果を報じた新聞の切り抜きもあり、
ご丁寧にパウチされている。
それらは、無秩序ではなく、よく見れば時系列順に並べられているようだ。
美奈子は、その執拗さに寒気を覚え、固まっていた。
(こんな、こんなに……)
「入るなとは言わなかったからなぁ……」
「きゃっ! 」
茫然と見つめていた美奈子は、友介が声を発するまで
近づいていることに、全く気付かなかった……
「まあ、中に入りなよ。
遠慮なく。よく見えるよ」
「なっ……」
思わぬ強い力で背中を強く押され、
不意を突かれた美奈子はベッドにどさりと倒れる。
そのまま友介が背中に圧し掛かってくる。
ただ、乱暴するわけでもなく、静かに美奈子の髪に顔を埋めたまま、語り始めた。
「驚いたでしょ……」
「す、すとーかー……」
「ご名答。そうだよ。ずっと好きだったと言ったじゃない」
「キミが中学一年生で入学してきて、新入生代表として登壇した瞬間に惚れたんだ。
こんな、天使の様な女の子がいるものかと、衝撃だったよ。
存在そのものが可愛く美しい。顔だけじゃなく、輝くような髪も、理知的な声も、
紡ぎ出す内容も、小さくとも引き締まって、弾むような体躯も、全てがすべてが素晴らしかったんだ」
「以来、ずっとストーカーさ」
「キミは、予想通りすぐに陸上部の、学園のアイドルとなり、
アスリートとしても有名人になり、
それを密かに遠巻きに応援する日々は、楽しかったな。
ボクは、三次元のアイドルには興味がなかったけれど、
推し活ってこういうものなのかなと実感して続けていたよ。
水族館で、怪しいサングラスに見覚えあると言ってたよね、
ミナの出る競技会は全部見に行ってたから、当然さ。
最初のころ、ビデオ撮ってたら係員に注意されて、
いつもできるだけ遠い観客席から見るようにしてた。
それでもバレるもんだ。女の子たちは鋭いね」
「だから、それからは競技会ではおとなしく、ビデオもカメラも持ち込まずに、
自分の目にミナの姿を
記憶に焼き付けるようにしてたんだ。
変質者としてつまみ出されたら、たまらないからね」
「その代わりと言ってはなんだけど、セキュリティ担当として、監視カメラ映像からは
たくさんキャプチャー撮らせてもらったよ。
操作ログを残して確認するなんてフロー、この学校にありはしないからね。
管理者権限で自由自在さ。
ミナの入学前に、たまたまだけどカメラを全部新調できていてよかったよ。
その前はだいぶ粗い映像だったから、きっと使い物にならなかっただろうし」
「監視カメラ以外の写真はね、
アルバム委員とか修学旅行実行委員が
共有サーバーにアップしたものが大半かな。
もちろん、ハッキングとかじゃなくて、管理者権限でアクセスして
堂々とダウンロードしてるよ。
やっぱりネットワーク管理業務を、業務委託に出すとか専門家入れるとかしないで
『パソコンに詳しそうな大先生』にやらせるもんじゃないよねぇ。」
「でもね、別に悪用するつもりなんて欠片もなかったんだよ。
学園のアイドルを密かに推しているだけ。
ちょっと自分の部屋に写真が欲しかったから、コレクションしてそれで満足していたんだ。
さすがに、枚数多かったね、ハハ。
あんなアクシデントがあるまでは、
ボクは葛城美奈子の卒業までを見守れれば、それでよかった……」
「あの日、文芸部室からミナが独りで練習しているのを見た時、止めればよかった。
キミの足が、まだまだ完治していないことは、
監視カメラの映像でボクにはわかっていたのに。
本当にミナのことが好きなら、アスリートとして応援していたなら、
勇気を持って止めに行くべきだった。
そうすれば、競技人生が終わる事なんてなかった」
「突然変な事を言う先生が来て止められたって、
ボクが気持ち悪がられ、嫌われるだけですんだんだ……
でも行けなかった。
やっぱり、ミナに不気味に思われたくなかった。
ただ見ていただけ……
ミナが倒れてからは、救急車を呼ぶのが精一杯……
練習を止めに行かなかったことを、後でどれだけ後悔したか」
ずっと黙って聞いていた美奈子が、反応した。
「あ、あの時、救急車呼んでくれたのは、浜田先生だったんですか !
誰が呼んでくれたか全然わからなくて……
私は痛みで、それどころじゃなかったし……」
友介の下から抜け出して、立ち上がると美奈子は、ペコリと頭を下げた。
「今更ですが、その節は、本当にありがとうございました。
あの寒空の中、応急対応に時間がかかっていたら、足の筋肉にもっと影響が
出ていたかもしないとお医者さんに言われました。
迅速な救急車が不幸中の幸いだったと……
おかげさまで、日常生活には支障ない程度には、すぐ復帰できました。
こんなことも……」
ぴょんぴょんと、美奈子が跳ねる。
「ストーカーも、助けになることがあるんだな……
でも、スプリンター葛城美奈子は失われてしまった……」
友介は、ベッドから降りて膝まづき、立っている美奈子の
太ももを、脹脛を、アキレス腱を、そしてつま先を愛でるように触った。
「あの爆発的な、弾けるようなスタートダッシュが好きだった。
追随を許さないスパートの力強さが忘れられない。
懸命にゴールテープを切る瞬間とその後のきらめく笑顔が宝物だった」
「写真を撮れなかった分だけ、ボクの脳裏には焼き付いている。
今も目を瞑れば思い出せる。
だから、だからね、実はミナの脚にはこれまで、ほとんど触れられなかった。
太ももから下は、特に。
あの……研ぎ澄まされた美しいラインが……変わってしまって……るんじゃないかって
……確認するのが嫌で……
あんなに毎日毎日走って努力していたミナの成果が消えてしまうのが、
かわいそうで、かわいそうで……」
元スプリンターの太ももにスカートの上から頬づりしながら、
友介は涙ぐみ、訥々と続けた。
「あの時、焦って練習しようとしたのは、私自身の責任です。
治りきっていないのに、選考会が迫っていたから、焦ってやろうとした。
別に、先生が気に病むことはありませんよ」
(あの救急車の恩人が先生だったなんて……
この人は、どうして泣いてるんだろう。
こんな、泣いて悔いる必要もないのに……
ただのストーカーのくせに……
でも、わたしのそれまでの努力が消えてかわいそう、
なんて言ってくれる人はいなかった……
みんな、大会に出られなくてとか、将来が、とかばかりだった……
お父さんも、お母さんでさえ……
あぁ、そうか、この人はストーカーだから、
ずっとわたしの練習を見ててくれたのか……
それで、わたしに感情移入して泣くなんて、ストーカーで脅迫者なのに……
バカなひと……)
美奈子は、友介の頭を両手で優しく包みながら、そっと少しだけはじめて撫でた。
脂ぎった薄い頭だが、気にならなかった。
暫くの沈黙の後、友介は続けた。
「気づいたかもしれないけど、この部屋の写真コレクションは昨年の二月で終わってる。
葛城美奈子の成長記録は止めたんだ。
もう終わりにした。そのつもりだった。
生徒会という新しい活躍の場を見つけて、
溌剌としてまた輝きだしたミナを見るのはうれしかったよ。
北条アキラは邪魔だったけれど、葛城美奈子をまた表舞台に引っ張り出してくれた
ことには感謝もした。
そのまま、見守って卒業を静かに待とうと思っていたんだ」
「そのはずだったよ……」
「監視カメラのチェックなんて、もう止めておけばよかった……
ミナの事故の後は、業務上必要最低限にしていた。
だから、偶然なんだ、生徒会室の映像確認は。
文化祭では外部の人が入り込んで来るから、これは例年仕事としてきっちりやってる。
特に最終日は、翌日休みなんで、そのまま学校に居残る輩がいたらマズいということで、
念入りに確認することになってるんだ。
で、見つけてしまったわけだ。お二人の痴態を。
びっくりもがっかりもしたよ。品行方正な優等生の二人がね……」
「そっからはよく覚えていないんだ。
画像データを自分のPCにダウンロードした後に、校内ネットワーク上からは
念入りに削除したような気がする。
気が付いたらボクの私用PCには、動画の一部と画像キャプチャーが
たんまりと溜まって、ネットワーク上からは、証拠隠滅されてた。
まあ、後でチェックなんて絶対されない、でも、ボク以外にも、
一応アカウント持ってる教師はいるからね。
ちなみに、お二人の映像の中身はもうほとんど記憶にない、
あまりのショックで。
胸糞悪くて見れないよ……ハァッ……
あとは、ご存じの通りで現在に至るわけだ。」
友介の長い長い告白はおわった。
「いやぁ、長々と語って恥ずかしいね。
さあ、ここにずっといてもしかたない。そのダンボールは適当に置いといて、出よう。
大掃除はまだ終わってないし」
その後は、引き続き大掃除を行ない、綺麗になった中で遅い昼食をとると、
早々に、お開きとなった。
その日、友介がエッチなことを仕掛けてくることはなかった。
帰り道、美奈子はつらつらと考えていた。
(わたしも、あんな話を聞いて、ちょっと複雑気持ちもあったから、
何もシなくてよかったな。
先生も、そーだったのかな。
なんか、またいつもの調子でセックスを迫られてたら、どうしただろう。
OKしちゃったかもしれな……
ないない、ないけれど……)
自分がいた……
自分が、
自分が、
自分が、部屋中に。
壁一面に、天井にも。足元にまで。
全て自分の写真だ。
学校でのスナップ、修学旅行・体育祭・文化祭などのイベント写真。
中学の入学式の時の幼い自分もいる。
一番多いのは、引き延ばしたような粗い画像での
陸上競技ユニフォーム姿や体操服・スクール水着姿。
ニュースサイトに小さく載った記憶のある競技会でのショット、
その結果を報じた新聞の切り抜きもあり、
ご丁寧にパウチされている。
それらは、無秩序ではなく、よく見れば時系列順に並べられているようだ。
美奈子は、その執拗さに寒気を覚え、固まっていた。
(こんな、こんなに……)
「入るなとは言わなかったからなぁ……」
「きゃっ! 」
茫然と見つめていた美奈子は、友介が声を発するまで
近づいていることに、全く気付かなかった……
「まあ、中に入りなよ。
遠慮なく。よく見えるよ」
「なっ……」
思わぬ強い力で背中を強く押され、
不意を突かれた美奈子はベッドにどさりと倒れる。
そのまま友介が背中に圧し掛かってくる。
ただ、乱暴するわけでもなく、静かに美奈子の髪に顔を埋めたまま、語り始めた。
「驚いたでしょ……」
「す、すとーかー……」
「ご名答。そうだよ。ずっと好きだったと言ったじゃない」
「キミが中学一年生で入学してきて、新入生代表として登壇した瞬間に惚れたんだ。
こんな、天使の様な女の子がいるものかと、衝撃だったよ。
存在そのものが可愛く美しい。顔だけじゃなく、輝くような髪も、理知的な声も、
紡ぎ出す内容も、小さくとも引き締まって、弾むような体躯も、全てがすべてが素晴らしかったんだ」
「以来、ずっとストーカーさ」
「キミは、予想通りすぐに陸上部の、学園のアイドルとなり、
アスリートとしても有名人になり、
それを密かに遠巻きに応援する日々は、楽しかったな。
ボクは、三次元のアイドルには興味がなかったけれど、
推し活ってこういうものなのかなと実感して続けていたよ。
水族館で、怪しいサングラスに見覚えあると言ってたよね、
ミナの出る競技会は全部見に行ってたから、当然さ。
最初のころ、ビデオ撮ってたら係員に注意されて、
いつもできるだけ遠い観客席から見るようにしてた。
それでもバレるもんだ。女の子たちは鋭いね」
「だから、それからは競技会ではおとなしく、ビデオもカメラも持ち込まずに、
自分の目にミナの姿を
記憶に焼き付けるようにしてたんだ。
変質者としてつまみ出されたら、たまらないからね」
「その代わりと言ってはなんだけど、セキュリティ担当として、監視カメラ映像からは
たくさんキャプチャー撮らせてもらったよ。
操作ログを残して確認するなんてフロー、この学校にありはしないからね。
管理者権限で自由自在さ。
ミナの入学前に、たまたまだけどカメラを全部新調できていてよかったよ。
その前はだいぶ粗い映像だったから、きっと使い物にならなかっただろうし」
「監視カメラ以外の写真はね、
アルバム委員とか修学旅行実行委員が
共有サーバーにアップしたものが大半かな。
もちろん、ハッキングとかじゃなくて、管理者権限でアクセスして
堂々とダウンロードしてるよ。
やっぱりネットワーク管理業務を、業務委託に出すとか専門家入れるとかしないで
『パソコンに詳しそうな大先生』にやらせるもんじゃないよねぇ。」
「でもね、別に悪用するつもりなんて欠片もなかったんだよ。
学園のアイドルを密かに推しているだけ。
ちょっと自分の部屋に写真が欲しかったから、コレクションしてそれで満足していたんだ。
さすがに、枚数多かったね、ハハ。
あんなアクシデントがあるまでは、
ボクは葛城美奈子の卒業までを見守れれば、それでよかった……」
「あの日、文芸部室からミナが独りで練習しているのを見た時、止めればよかった。
キミの足が、まだまだ完治していないことは、
監視カメラの映像でボクにはわかっていたのに。
本当にミナのことが好きなら、アスリートとして応援していたなら、
勇気を持って止めに行くべきだった。
そうすれば、競技人生が終わる事なんてなかった」
「突然変な事を言う先生が来て止められたって、
ボクが気持ち悪がられ、嫌われるだけですんだんだ……
でも行けなかった。
やっぱり、ミナに不気味に思われたくなかった。
ただ見ていただけ……
ミナが倒れてからは、救急車を呼ぶのが精一杯……
練習を止めに行かなかったことを、後でどれだけ後悔したか」
ずっと黙って聞いていた美奈子が、反応した。
「あ、あの時、救急車呼んでくれたのは、浜田先生だったんですか !
誰が呼んでくれたか全然わからなくて……
私は痛みで、それどころじゃなかったし……」
友介の下から抜け出して、立ち上がると美奈子は、ペコリと頭を下げた。
「今更ですが、その節は、本当にありがとうございました。
あの寒空の中、応急対応に時間がかかっていたら、足の筋肉にもっと影響が
出ていたかもしないとお医者さんに言われました。
迅速な救急車が不幸中の幸いだったと……
おかげさまで、日常生活には支障ない程度には、すぐ復帰できました。
こんなことも……」
ぴょんぴょんと、美奈子が跳ねる。
「ストーカーも、助けになることがあるんだな……
でも、スプリンター葛城美奈子は失われてしまった……」
友介は、ベッドから降りて膝まづき、立っている美奈子の
太ももを、脹脛を、アキレス腱を、そしてつま先を愛でるように触った。
「あの爆発的な、弾けるようなスタートダッシュが好きだった。
追随を許さないスパートの力強さが忘れられない。
懸命にゴールテープを切る瞬間とその後のきらめく笑顔が宝物だった」
「写真を撮れなかった分だけ、ボクの脳裏には焼き付いている。
今も目を瞑れば思い出せる。
だから、だからね、実はミナの脚にはこれまで、ほとんど触れられなかった。
太ももから下は、特に。
あの……研ぎ澄まされた美しいラインが……変わってしまって……るんじゃないかって
……確認するのが嫌で……
あんなに毎日毎日走って努力していたミナの成果が消えてしまうのが、
かわいそうで、かわいそうで……」
元スプリンターの太ももにスカートの上から頬づりしながら、
友介は涙ぐみ、訥々と続けた。
「あの時、焦って練習しようとしたのは、私自身の責任です。
治りきっていないのに、選考会が迫っていたから、焦ってやろうとした。
別に、先生が気に病むことはありませんよ」
(あの救急車の恩人が先生だったなんて……
この人は、どうして泣いてるんだろう。
こんな、泣いて悔いる必要もないのに……
ただのストーカーのくせに……
でも、わたしのそれまでの努力が消えてかわいそう、
なんて言ってくれる人はいなかった……
みんな、大会に出られなくてとか、将来が、とかばかりだった……
お父さんも、お母さんでさえ……
あぁ、そうか、この人はストーカーだから、
ずっとわたしの練習を見ててくれたのか……
それで、わたしに感情移入して泣くなんて、ストーカーで脅迫者なのに……
バカなひと……)
美奈子は、友介の頭を両手で優しく包みながら、そっと少しだけはじめて撫でた。
脂ぎった薄い頭だが、気にならなかった。
暫くの沈黙の後、友介は続けた。
「気づいたかもしれないけど、この部屋の写真コレクションは昨年の二月で終わってる。
葛城美奈子の成長記録は止めたんだ。
もう終わりにした。そのつもりだった。
生徒会という新しい活躍の場を見つけて、
溌剌としてまた輝きだしたミナを見るのはうれしかったよ。
北条アキラは邪魔だったけれど、葛城美奈子をまた表舞台に引っ張り出してくれた
ことには感謝もした。
そのまま、見守って卒業を静かに待とうと思っていたんだ」
「そのはずだったよ……」
「監視カメラのチェックなんて、もう止めておけばよかった……
ミナの事故の後は、業務上必要最低限にしていた。
だから、偶然なんだ、生徒会室の映像確認は。
文化祭では外部の人が入り込んで来るから、これは例年仕事としてきっちりやってる。
特に最終日は、翌日休みなんで、そのまま学校に居残る輩がいたらマズいということで、
念入りに確認することになってるんだ。
で、見つけてしまったわけだ。お二人の痴態を。
びっくりもがっかりもしたよ。品行方正な優等生の二人がね……」
「そっからはよく覚えていないんだ。
画像データを自分のPCにダウンロードした後に、校内ネットワーク上からは
念入りに削除したような気がする。
気が付いたらボクの私用PCには、動画の一部と画像キャプチャーが
たんまりと溜まって、ネットワーク上からは、証拠隠滅されてた。
まあ、後でチェックなんて絶対されない、でも、ボク以外にも、
一応アカウント持ってる教師はいるからね。
ちなみに、お二人の映像の中身はもうほとんど記憶にない、
あまりのショックで。
胸糞悪くて見れないよ……ハァッ……
あとは、ご存じの通りで現在に至るわけだ。」
友介の長い長い告白はおわった。
「いやぁ、長々と語って恥ずかしいね。
さあ、ここにずっといてもしかたない。そのダンボールは適当に置いといて、出よう。
大掃除はまだ終わってないし」
その後は、引き続き大掃除を行ない、綺麗になった中で遅い昼食をとると、
早々に、お開きとなった。
その日、友介がエッチなことを仕掛けてくることはなかった。
帰り道、美奈子はつらつらと考えていた。
(わたしも、あんな話を聞いて、ちょっと複雑気持ちもあったから、
何もシなくてよかったな。
先生も、そーだったのかな。
なんか、またいつもの調子でセックスを迫られてたら、どうしただろう。
OKしちゃったかもしれな……
ないない、ないけれど……)
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