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第二章
団欒
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「おはようございます」
「待ってたよ~!」
またしても、ドアを開けると待ち構えている友介。
抱きすくめられるところだが
「あっ、ちょ、ちょっと。後でね」
美奈子は、もうそれを察していたので、するりと素早く横を抜けて、ダイニングに向かう。
「まずは、ここの掃除ね」
美奈子は、ダイニングキッチンの片付けと掃除をはじめた。
「何をして……わぉ、エプロンだぁ。
凄い、この部屋をエプロン姿JKがお掃除!!」
「友介さん、興奮しているヒマがあったらお手伝いお願いしますね」
「急に、どうしたの……むっ、これは……おぉ、野菜 ! 肉 ! まさかまさか」
「だから、興奮しないで。まずはここを綺麗にしないと、お料理ができないでしょ」
「ばんざーい! ミナの手料理だぁ……」
(キモっ ! )
「そのお料理をするためにキッチンが綺麗にならないと始まらないわ。
友介さんは、ガス台を磨いてください」
「おっおう......................................................................おぉっ、結構綺麗に」
「次は換気扇をお願いね」
「は、はい........................................................ふぅ~っ、疲れた。ここに来てはじめてやった」
「ありがとうございます。ダイニングテーブル片づけたから、拭いてくださ………
キャーッ! そのまま汚れた雑巾を使わないでっ!!」
「ごっ、ごめん」
「はい、この新しい布巾を使ってね」
「おっ……おう」
「ありがとうございます。そしたら、食器棚から食器を出してください。
あっ、全部出さなくても、それぞれ二人分ずつでいいです......
なんか意外とたくさんありますね」
「ここに越してきた時にセットで買って、そのままだよ」
「……この新しい布巾で、食器をひと通り拭いてください。」
「わるい..........................あと、何すれば」
「こちらは、もう大丈夫です。リビングの片付けでも、されたらいかがですか?」
友介はキッチンからリビングに放り出されてしまった。
が、片付けをするでもなく、飽きもせずキッチンで料理する美奈子の後ろ姿を眺めていた。
にまにましながら。キッチンの掃除をしてるうちに、もう11時近くになっていた。
にまにましながらも、友介の頭の中は疑問符でいっばいだ。
自分の部屋で美奈子が料理してくれている。
いったいどういう風の吹き回しなのか想像もつかない。
決して、指示やお願いしたわけでもないのに、食材持参で料理をはじめてくれるなんて !
うれしいが、謎だ。
できれば、料理中の女の子に抱き着いたりちょっかいをかけたいところだが、
怒って料理をやめられたら本末転倒なので、黙って見守るだけにした。
「できました~。友介さんお待たせしました」
そこには、友介の部屋ではついぞ見たことがない光景がひろがっていた。
・ソーセージとざく切り野菜のポトフ
・ジューシーハンバーグ
・野菜サラダ
・スタッフドバゲット
「簡単なものですが。お口に合えば」
「す、す、すっごいよ! 感激だ! 」
友介は歓声を上げ、喜んで食べはじめた。
「美味しい! 寒くなってきたからポトフの暖かさがうれしい!
ハンバーグ、これイチから作ったの?」
「はい……そんなことしてたら、時間かかっちゃいました」
「美味しいよ。それに、このパンが絶品」
「バゲットと言うの」
「ふーん。なんかその名前だけで、割増でおいしそう」
「友介さん、野菜とか足りなさそうだから、全体に野菜多めにしてみましたが、どうですか?」
「ありがとう! 肉好きだけど、これなら野菜も幾らでも食べられるよ」
猛烈な勢いで友介は食べ始めた。
「最初に聞けよって話だけど、今日はどうしてこんな料理を?」
「うちには、家政婦さんが土日は料理用に食材を用意してくれてるんです。
それが余りそうだったから、持ってきただけなの。」
「だけってことはない。それを使って調理してくれたのは、ミナの力だからね。
そもそもJKの手料理というだけでもポイント高いのに、こんなに美味しいなんて何倍増だろう。
スゲェよ」
友介は喜色満面であり、
既に食卓は綺麗さっぱりなくなっている。
美奈子が少し残しそうだった料理も、友介の腹の中だ。
美奈子は、自分の料理をこんなに喜んでペロリと平らげてもらい、
打算抜きで何とも言えない幸福を感じていた。
打算としては、既に13時となり、無事午前中は何もされずに済んで、計画通りだ。
「じゃあ、片付けますね」
「ボクもやるよ」
「いえ、その大きな体じゃ、かえって邪魔だから、大丈夫です」
「そうかい」
しょぼんとする友介
「あっ、それじゃあ、お湯を沸かしててください。紅茶持ってきましたから、食後のお茶にしましょう」
美奈子持参のクッキーと紅茶で、昼食に引き続きティータイムとなった。
「いやぁ、人と家でご飯食べるのなんて、久しぶりだな。大学時代以来かな」
「そうなんですか。お友達がいらしたりとかは……」
「いゃあ、さっぱりだね。学生時代の悪友たちも、みんな結婚して子供もいるからさ」
(さびしい生活なんだぁ……わたしには関係ないけど)
「だからか、こうやって食べるご飯は、冗談抜きでめちゃめちゃウマい !
ミナの料理も腕は、もちろんだけど、なんだろう。暖かい」
(確かに、わたしも家で自分で料理作って、ただ食べるより美味しかった気がする。
多分、気のせいと思うけれど)
「どういたしまして、ま」
「ま ? 」
「ま、まずくはなくてよかったです」
(危ない ! また作りますなんて言うところだった。
今日は、食材がたくさん余りそうだったから ! それだけ ! )
「待ってたよ~!」
またしても、ドアを開けると待ち構えている友介。
抱きすくめられるところだが
「あっ、ちょ、ちょっと。後でね」
美奈子は、もうそれを察していたので、するりと素早く横を抜けて、ダイニングに向かう。
「まずは、ここの掃除ね」
美奈子は、ダイニングキッチンの片付けと掃除をはじめた。
「何をして……わぉ、エプロンだぁ。
凄い、この部屋をエプロン姿JKがお掃除!!」
「友介さん、興奮しているヒマがあったらお手伝いお願いしますね」
「急に、どうしたの……むっ、これは……おぉ、野菜 ! 肉 ! まさかまさか」
「だから、興奮しないで。まずはここを綺麗にしないと、お料理ができないでしょ」
「ばんざーい! ミナの手料理だぁ……」
(キモっ ! )
「そのお料理をするためにキッチンが綺麗にならないと始まらないわ。
友介さんは、ガス台を磨いてください」
「おっおう......................................................................おぉっ、結構綺麗に」
「次は換気扇をお願いね」
「は、はい........................................................ふぅ~っ、疲れた。ここに来てはじめてやった」
「ありがとうございます。ダイニングテーブル片づけたから、拭いてくださ………
キャーッ! そのまま汚れた雑巾を使わないでっ!!」
「ごっ、ごめん」
「はい、この新しい布巾を使ってね」
「おっ……おう」
「ありがとうございます。そしたら、食器棚から食器を出してください。
あっ、全部出さなくても、それぞれ二人分ずつでいいです......
なんか意外とたくさんありますね」
「ここに越してきた時にセットで買って、そのままだよ」
「……この新しい布巾で、食器をひと通り拭いてください。」
「わるい..........................あと、何すれば」
「こちらは、もう大丈夫です。リビングの片付けでも、されたらいかがですか?」
友介はキッチンからリビングに放り出されてしまった。
が、片付けをするでもなく、飽きもせずキッチンで料理する美奈子の後ろ姿を眺めていた。
にまにましながら。キッチンの掃除をしてるうちに、もう11時近くになっていた。
にまにましながらも、友介の頭の中は疑問符でいっばいだ。
自分の部屋で美奈子が料理してくれている。
いったいどういう風の吹き回しなのか想像もつかない。
決して、指示やお願いしたわけでもないのに、食材持参で料理をはじめてくれるなんて !
うれしいが、謎だ。
できれば、料理中の女の子に抱き着いたりちょっかいをかけたいところだが、
怒って料理をやめられたら本末転倒なので、黙って見守るだけにした。
「できました~。友介さんお待たせしました」
そこには、友介の部屋ではついぞ見たことがない光景がひろがっていた。
・ソーセージとざく切り野菜のポトフ
・ジューシーハンバーグ
・野菜サラダ
・スタッフドバゲット
「簡単なものですが。お口に合えば」
「す、す、すっごいよ! 感激だ! 」
友介は歓声を上げ、喜んで食べはじめた。
「美味しい! 寒くなってきたからポトフの暖かさがうれしい!
ハンバーグ、これイチから作ったの?」
「はい……そんなことしてたら、時間かかっちゃいました」
「美味しいよ。それに、このパンが絶品」
「バゲットと言うの」
「ふーん。なんかその名前だけで、割増でおいしそう」
「友介さん、野菜とか足りなさそうだから、全体に野菜多めにしてみましたが、どうですか?」
「ありがとう! 肉好きだけど、これなら野菜も幾らでも食べられるよ」
猛烈な勢いで友介は食べ始めた。
「最初に聞けよって話だけど、今日はどうしてこんな料理を?」
「うちには、家政婦さんが土日は料理用に食材を用意してくれてるんです。
それが余りそうだったから、持ってきただけなの。」
「だけってことはない。それを使って調理してくれたのは、ミナの力だからね。
そもそもJKの手料理というだけでもポイント高いのに、こんなに美味しいなんて何倍増だろう。
スゲェよ」
友介は喜色満面であり、
既に食卓は綺麗さっぱりなくなっている。
美奈子が少し残しそうだった料理も、友介の腹の中だ。
美奈子は、自分の料理をこんなに喜んでペロリと平らげてもらい、
打算抜きで何とも言えない幸福を感じていた。
打算としては、既に13時となり、無事午前中は何もされずに済んで、計画通りだ。
「じゃあ、片付けますね」
「ボクもやるよ」
「いえ、その大きな体じゃ、かえって邪魔だから、大丈夫です」
「そうかい」
しょぼんとする友介
「あっ、それじゃあ、お湯を沸かしててください。紅茶持ってきましたから、食後のお茶にしましょう」
美奈子持参のクッキーと紅茶で、昼食に引き続きティータイムとなった。
「いやぁ、人と家でご飯食べるのなんて、久しぶりだな。大学時代以来かな」
「そうなんですか。お友達がいらしたりとかは……」
「いゃあ、さっぱりだね。学生時代の悪友たちも、みんな結婚して子供もいるからさ」
(さびしい生活なんだぁ……わたしには関係ないけど)
「だからか、こうやって食べるご飯は、冗談抜きでめちゃめちゃウマい !
ミナの料理も腕は、もちろんだけど、なんだろう。暖かい」
(確かに、わたしも家で自分で料理作って、ただ食べるより美味しかった気がする。
多分、気のせいと思うけれど)
「どういたしまして、ま」
「ま ? 」
「ま、まずくはなくてよかったです」
(危ない ! また作りますなんて言うところだった。
今日は、食材がたくさん余りそうだったから ! それだけ ! )
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