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第二章
重なる嘘
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「あーっ、俺やっちゃったか?」
と、言いながらも友介は、美奈子と一体になってイけたことで、大いに満足していた。
一方の美奈子は、いつもの人気のないトイレに入り、ハンカチを濡らして必死に点々とついたザーメンをふき取っていた。
「もうっ、これからは制服での素股は禁止ね」
何とか、シミがわからない程度にはなった。
(あれ? なんでわたし、素股またする前提で考えてるの ? ……
それに何だか、満足している……)
前夜、悶々として眠り、今朝目覚めても、実はあまりすっきりしないまま
学校に登校していたのだが、今は全快している。
(わたし、やっぱりおかしくなってる。
今朝も、朝から自分でも変だった。どうして、素直にシちゃったんだろう……
どんどんエッチになって、先生にされることが、そこまで嫌じゃなくなってる ?……)
「そんなことないっ! 」
頭をぶんぶん振って、自分に言い聞かせながら、教室に向かった。
幸い、今日はまだ余裕を持てる時間だ。
午前中、普通に授業を受け、昼休みは陽菜と明日香といういつものメンバーで中庭で過ごした。
「今日は、美奈子ご機嫌だね、週末は何かいいことあった?」
明日香に尋ねられる。
「そーかな、いつもと変わらないよ」
「ふーん、そうなんだ。なんかいつもよりキラキラてしる気がしたんだぁ。
あっ、じゃあ私はお花を摘んでから帰るから、先に教室行っててね」
と、思わせぶりな言葉を残して、明日香は去って行った。
すかさず、陽菜が聞いてくる
「ねえ、そういうけど週末は北条くんとデートしたからでしょ?」
陽菜は、美奈子がアキラと付き合っていることを知っている。
「うん。バイトあるから、少しだけどね」
「ふーん。少しの時間を惜しんで、濃厚なやつかな。昨日でしょ」
「あっ、うん」
美奈子は曖昧にうなずく
そこで陽菜が少し声を潜めて
「もしかしてだけどさ、北条くんってタバコ吸ってない?
真面目な元生徒会長の柄じゃないけど。
美奈子から、少しだけタバコの臭いがするんだよね。
美奈子が吸うわけないし、ご家族はいまいらっしゃらないでしょ。
消去法で彼かなって。
うちは、前まではパパが吸ってたからさ。
さっき話していて、パパの匂いだ ! って思っちゃった。へへ」
ドキン !
美奈子は心臓が飛び出るかと思った。
陽菜は、こういった勘というか感覚が鋭いのだ。
「えーっ、アキラくんが吸うわけないじゃない。
陽菜の勘違いじゃないの……
あっ、いけない。私もお花摘みだったぁ」
「でも匂ったよっ……早っ!」
(まずいまずいわ。
先生のタバコの臭い、最初はあんなに臭くて嫌だったのに、
昨日はずーっとさらされてたから、わたしが慣れてしまってたんだ)
美奈子は、自分の腕や髪の匂いを確認しながら、必死に言い訳を考えていた。
放課後、帰りがけに、そういえばという風を装って美奈子は、陽菜に話しかけた。
「そういえば、昼休みに匂いについて言ってたじゃない。
多分、日曜日におじい様のところに行ったせいかな。
あとは、最近お香を始めたから、それもあるかも」
「そーなんだ。おじい様って、あの理事のおじいちゃんだよね。
確かにパイプ咥えてるイメージある。クスッ」
(おじい様、ごめんなさい。美奈子は心の中で手を合わせた)
「それじゃ、私は塾だから、先に帰るね。
あっ、今度お香教えてね~」
「.....うん、バイバイ」
ふぅっ、美奈子はため息をつくと同時に、何とか説明がついて胸をなでおろした。
(確か、お香の道具は、亡くなったおばあ様のをお母さんが受け継いだはず。
「高価なものらしいけど、私が持っていても宝の持ち腐れかしら」とか
言って、しまいこんだのを覚えてる。探してみよう)
「はぁっ、嘘ばかり増えてくし」
(「葛城家」の娘として、ひと様に迷惑をかけることのないようにとか、
嘘をついてはいけないとか、清く正しくとか、おばあ様には厳しく言われたっけ。
おばあ様、ごめんなさい)
放課後は、また文芸部室に行かなければならない。
すぐに行かなくても大丈夫だろうが、逃げることはできない。
クラスメートが次々と帰る中、美奈子は今後どうすべきか考えていた。
三年生の大半は、一般入試があるため、今は追い込みの真っ最中。
ひきかえ、美奈子は時間だけはたっぷりある。
もともとは、その時間を生かして、英会話スクールか、ポルトガル語教室に
通うつもりだったのだ。
ポルトガル語は、父が盛んにブラジル留学を勧めるためだが。
その分の時間を浜田先生に明け渡すのは、何とも悔しい。
しかし、今後のアキラとの交際を盤石にするために、自分が我慢すると決めたのだ。
(年が明けて、1月下旬に推薦の入学手続きができるようになる。
それが終わったら、アキラくんに全てを話して許しを願おう。
許してくれないかもしれないけれど、少なくとも彼の人生設計はある程度守れるわ。
それまでは、それまでは先生の機嫌をできるだけ損なわないように、
そしてこの関係がバレないようにしなくちゃ。
先生が写真や動画をアキラくんに見せたり、
彼が先生とわたしの関係に気づいたりしたら、
正義感が強い彼は、自分の人生とか関係なくきっと暴れてしまう。)
あらためて自分の気持ちを確かめて、美奈子は文芸部室に向かった。
と、言いながらも友介は、美奈子と一体になってイけたことで、大いに満足していた。
一方の美奈子は、いつもの人気のないトイレに入り、ハンカチを濡らして必死に点々とついたザーメンをふき取っていた。
「もうっ、これからは制服での素股は禁止ね」
何とか、シミがわからない程度にはなった。
(あれ? なんでわたし、素股またする前提で考えてるの ? ……
それに何だか、満足している……)
前夜、悶々として眠り、今朝目覚めても、実はあまりすっきりしないまま
学校に登校していたのだが、今は全快している。
(わたし、やっぱりおかしくなってる。
今朝も、朝から自分でも変だった。どうして、素直にシちゃったんだろう……
どんどんエッチになって、先生にされることが、そこまで嫌じゃなくなってる ?……)
「そんなことないっ! 」
頭をぶんぶん振って、自分に言い聞かせながら、教室に向かった。
幸い、今日はまだ余裕を持てる時間だ。
午前中、普通に授業を受け、昼休みは陽菜と明日香といういつものメンバーで中庭で過ごした。
「今日は、美奈子ご機嫌だね、週末は何かいいことあった?」
明日香に尋ねられる。
「そーかな、いつもと変わらないよ」
「ふーん、そうなんだ。なんかいつもよりキラキラてしる気がしたんだぁ。
あっ、じゃあ私はお花を摘んでから帰るから、先に教室行っててね」
と、思わせぶりな言葉を残して、明日香は去って行った。
すかさず、陽菜が聞いてくる
「ねえ、そういうけど週末は北条くんとデートしたからでしょ?」
陽菜は、美奈子がアキラと付き合っていることを知っている。
「うん。バイトあるから、少しだけどね」
「ふーん。少しの時間を惜しんで、濃厚なやつかな。昨日でしょ」
「あっ、うん」
美奈子は曖昧にうなずく
そこで陽菜が少し声を潜めて
「もしかしてだけどさ、北条くんってタバコ吸ってない?
真面目な元生徒会長の柄じゃないけど。
美奈子から、少しだけタバコの臭いがするんだよね。
美奈子が吸うわけないし、ご家族はいまいらっしゃらないでしょ。
消去法で彼かなって。
うちは、前まではパパが吸ってたからさ。
さっき話していて、パパの匂いだ ! って思っちゃった。へへ」
ドキン !
美奈子は心臓が飛び出るかと思った。
陽菜は、こういった勘というか感覚が鋭いのだ。
「えーっ、アキラくんが吸うわけないじゃない。
陽菜の勘違いじゃないの……
あっ、いけない。私もお花摘みだったぁ」
「でも匂ったよっ……早っ!」
(まずいまずいわ。
先生のタバコの臭い、最初はあんなに臭くて嫌だったのに、
昨日はずーっとさらされてたから、わたしが慣れてしまってたんだ)
美奈子は、自分の腕や髪の匂いを確認しながら、必死に言い訳を考えていた。
放課後、帰りがけに、そういえばという風を装って美奈子は、陽菜に話しかけた。
「そういえば、昼休みに匂いについて言ってたじゃない。
多分、日曜日におじい様のところに行ったせいかな。
あとは、最近お香を始めたから、それもあるかも」
「そーなんだ。おじい様って、あの理事のおじいちゃんだよね。
確かにパイプ咥えてるイメージある。クスッ」
(おじい様、ごめんなさい。美奈子は心の中で手を合わせた)
「それじゃ、私は塾だから、先に帰るね。
あっ、今度お香教えてね~」
「.....うん、バイバイ」
ふぅっ、美奈子はため息をつくと同時に、何とか説明がついて胸をなでおろした。
(確か、お香の道具は、亡くなったおばあ様のをお母さんが受け継いだはず。
「高価なものらしいけど、私が持っていても宝の持ち腐れかしら」とか
言って、しまいこんだのを覚えてる。探してみよう)
「はぁっ、嘘ばかり増えてくし」
(「葛城家」の娘として、ひと様に迷惑をかけることのないようにとか、
嘘をついてはいけないとか、清く正しくとか、おばあ様には厳しく言われたっけ。
おばあ様、ごめんなさい)
放課後は、また文芸部室に行かなければならない。
すぐに行かなくても大丈夫だろうが、逃げることはできない。
クラスメートが次々と帰る中、美奈子は今後どうすべきか考えていた。
三年生の大半は、一般入試があるため、今は追い込みの真っ最中。
ひきかえ、美奈子は時間だけはたっぷりある。
もともとは、その時間を生かして、英会話スクールか、ポルトガル語教室に
通うつもりだったのだ。
ポルトガル語は、父が盛んにブラジル留学を勧めるためだが。
その分の時間を浜田先生に明け渡すのは、何とも悔しい。
しかし、今後のアキラとの交際を盤石にするために、自分が我慢すると決めたのだ。
(年が明けて、1月下旬に推薦の入学手続きができるようになる。
それが終わったら、アキラくんに全てを話して許しを願おう。
許してくれないかもしれないけれど、少なくとも彼の人生設計はある程度守れるわ。
それまでは、それまでは先生の機嫌をできるだけ損なわないように、
そしてこの関係がバレないようにしなくちゃ。
先生が写真や動画をアキラくんに見せたり、
彼が先生とわたしの関係に気づいたりしたら、
正義感が強い彼は、自分の人生とか関係なくきっと暴れてしまう。)
あらためて自分の気持ちを確かめて、美奈子は文芸部室に向かった。
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