美少女令嬢な元生徒会副会長を、キモオタな中年教師がNTRる話

小松 美堂

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第一章

アニメ鑑賞で、おうちデート

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一枚頼むともう一枚ついてくるサービスのピザを頼んだ。



ピザを待つ間、ラノベをめくりながら美奈子は考えていた。

(どうして、こんな馴れ合いしてるんだろう。

脅迫されて呼び出されて、好き勝手なことされたのに。

太っているし、臭いし、顔は全然好みじゃない人なのに。

担任教師で、先生としては悪い人じゃないから?

推薦について、少し揉めた時に一生懸命対応してくれたから?



違う。多分違う。



そんな事で、印象が変わるはずない。

ずっと見てたとか、ストーカーだし。



……気持ち良くされたから。

きっとそう。

アキラくんとキスしたみたいな幸福感は、ない。

でも、あんな感覚初めて。頭が真っ白になるのも。

イクって、あんな感じなんだ。

自分で慰めても、あんなにはならない。



それで、憎くて大嫌いな悍ましい存在 だけじゃなくなるって……

最低だ、わたし。

あさましい。こんな人間だったんだ。



自分は、清廉潔白で正しい人間だと思って生きてきた。

おばあ様からも、母親からも、"葛城家の娘"として

「周囲の模範となり、清く正しく」あれと教えられてきた。

それを息苦しく思いながらも、納得していた。

それなのに……わたしには、無理だったのかな



アキラくん、ごめんなさい。

わたし、汚れちゃった。



やっぱり先生が出て来る前に帰ればよかったかなぁ)



ピザが届くと、

友介のコレクションしているアニメBDを見ながら食べた。



友介が急にまた饒舌に語りだす。

「こ、この三話からは、ちゃんと見て欲しい。

 ここから本格的なストーリーが急展開していくんだ」

先ほどから流している魔法少女モノのアニメについて、いやに熱く語る。

(女児向けの魔法少女アニメを流すなんて、いかにもオタクだなぁと適当にOKしたけれど、

こんな始まったばかりでお話がシリアスになるんだ。

子どもの頃見ていた日曜朝の魔女っ娘ものでも、そういう話があったような気がする。

ただ、もっと最終回とかのころじゃないの?)



ピザの残りをつまみながら、少しだけ頭をそちらに振り向けて見る。

すると、華麗に戦っていたキャラが、あっさりブラーンとなってしまった。

「わっ、何ですかこれ?

 昔は、子どもにこんな刺激的シーン見せてたんですか? 信じられない」

「ナニ言ってるの、これは深夜アニメで大人向けだよ。

 さっき言ったじゃない。ブームになったし、名前は知ってるでしょ?」

「知らなーい。だいたい、いつのアニメ?」

「えぇっ、知らないの ? 2011年かな」

「わたし、小学生じゃないですか。大人向けアニメのブームなんて、知らないですよ」

「うぉっ、そーかぁ。そうだね。年齢差を感じるなぁ」

と、友介が妙にガックリきているのを、不思議に美奈子は見つめた。

その姿が面白くて、そんなに話題だった作品ならと、美奈子もつき合って

ちゃんと見ることにした。

途中からストーリーに引き込まれ、結局最後まで見た。



秋も深まる季節ゆえ、気づけば外はもう、とっぷりと暮れていた。

「この後に、劇場版総集編と新作劇場版があって……」

「ううっ、それは見たいですけど……見たらどれくらいかかります?」

「全部で、5時間くらい……」

「……帰ります。残念ですが」

「うーん。そーだね、暗くなっちゃったしね」

友介は、あっさり承諾した。



(あれ? 意外とスムーズ。結局午後はアニメ見ただけなのに)



アニメ上映中、友介はあれこれ説明はしたが、特に身体にちっょかいは出してこなかった。

それどころか

「いやー、ミナちゃんと大好きなアニメを部屋で見る、最高のデートだね!! 」

と、にこやかに笑ってる。

相変わらず細い目が線になり、口元がだらしなく緩んだ感じだが、

それでも無邪気に笑うと、少しはかわいげがあるかなぁ、などと考えながら、

美奈子は立ち上がった。



玄関まで、友介がついてきて、パンプスをはいたところで

「あっ」と声をかけてきた。

振り向くと、すかさず、キスをされた。

唇と唇が触れ合うだけのバードキスだ。

「今日こそは、お別れのキスができた。へへっ。

これで無事、おうちデートは終了! 」

ひとり友介は上機嫌だ。



あっけに取られた美奈子だが、

「それじゃ、さようなら」

と告げて外に出た。

「また明日」の声を背に、

なぜか、こころもち紅くなった顔を伏せながら。



(おうちデートと言われて、今日の午前中の事を思い出したら、急に恥ずかしくなっちゃった)



ふとスマホを見れば、暫く前にアキラくんからLIMEが入っていた。

(いけない、アニメに気を取られてたわ)



「シフト終わり。ミナは?」

急に現実に戻された気分だが、

「出かけて疲れちゃった」とだけ返信を返した。



昨日と同様、会いに行けない距離ではないが、さすがに今日朝からの一日で

疲れていたことと、また先生に気づかれたらと思うと、

無理する気にはなれなかった。

(それに、こんな色んな体験したあとで、とてもアキラくんの顔を見れないわ……)



友介は、その頃、にまにましながらビデオのチェックをしていた。

もちろん、リビングでの今日の情事は録画していたのだ。

文芸部室にセットしたビデオカメラとは別に、もう二台がこの部屋には

設置されていた。



「お風呂場でああなるのは、予想してなかったよな。もったいない。

 ミナちゃんのイキ顔撮りたかったなー。

 防水仕様のカメラ買うか……

 まあ、でもメインデッシュはミナちゃんのヌードだ ! これは極上 ! 」

テレビ画面には4K動画のヴィーナスのヌードが映し出されている。



「この恥ずかしそうに隠している表情、めちゃめちゃ可愛い。

 目がいいんだよ、ぱっちりして黒目がちで。

 目は優しいけど、眉毛はキリッとしてるんだよな。

 その目元が潤んでいてそそる。



 少しぷっくりした頬。これが紅潮していて色っぽいんだこれ。

 ちっちゃな鼻と口。あの口を、ついにたっぷり味わえたんだ。

 甘い唾だった。ずーっと飲んでいたかった。

 くふっ、ボクの唾も飲んでくれたんだ。

 舌と舌の触れ合いも、とろけそうで気持ちよかった。



 肩が華奢だよなぁ。

 鎖骨から肩のラインはまだ中学生じゃないかと思える。

 折れてしまいそうなところがたまらん.....」

美奈子賛美の独演会が、食事も取らずに延々と続いて夜が更けていった。
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