美少女令嬢な元生徒会副会長を、キモオタな中年教師がNTRる話

小松 美堂

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第一章

絶体絶命

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ガラッ、律儀にも朝8時ちょうどに美奈子は旧校舎三階の文芸部と書かれた部屋のドアを開けた。



「やぁっ、ミナちゃんおはよう」

妙に明るい浜田先生の声が、八畳ほどの部室に響く。

両脇は、本棚で八割ほど本で埋まっている。

中央に机と折り畳み椅子、そして妙に新しいソファーがあった。

友介はそのソファーに腰を下ろしてタバコを吸って美奈子を迎えたのだ。

校内は喫煙ルーム以外は不可のはずなのに、風紀担当教師が堂々としていることに呆れる。

「おはようございます。ミナちゃんはやめてもらえませんか、葛城で結構です。

それと、こんなに本の多い部屋でタバコを吸うなんて非常識ですよ。」

「いやぁ、ごめんごめん。ひと汗かいたら一服したくなって」

友介は、ポケットから携帯灰皿を取り出して、タバコを始末した。

しかし既に部屋の中は、タバコの匂いが充満している。



元生徒会副会長は、すぐさま窓を開けに動いた。

外は、グラウンド特に陸上部が主にトレーニングしているエリアあたりがよく見える位置関係だ。

同級生の明日香が、引退後も後輩の朝練に付き合っているのが、遠目だがわかる。

ここからも、ストーキングされていたのかもしれないと、ゾクっとしたが、すぐに振り返った。



確かに、浜田先生は、この季節なのに朝から少し汗ばんでいる。

よく見れば、片隅にダンボールがまとめられている。

「先生、まさかこのソファーを運び込んだんですか?」

「いいだろー。昨夜、ゆうべ、ニットリに行って買ってきたんだよ。

この部屋、パイプ椅子しかないからさ。

これは、ほら。こうすれば簡易ベッドにもなるんだ。ソファーベッドっていうのかな」

美奈子は、頭がくらくらしてきた。

先生が何を考えてこうしたのか、十分に想像がついた。

「彼氏・彼女が語り合ったり、親交を深めるのにパイプ椅子は味気ないからね。気に入ってくれたかな」



「何考えてるんですか。私物を持ち込んで ! 」

「あぁ、これは備品の寄付だよ」

友介は涼しい顔で、取り合わない。

「そんなことより、さあ朝の挨拶をしよう」

友介は立ち上がり、両手を広げる。

「やっ!」

突然の行動に反応が遅れた美奈子は、半身を抱きすくめられてしまう。



「おはよぅ、ミナちゃん! 元気だった?今朝も可愛いね。カノジョとして、ちゃんと言いつけ通り来てくれて、うれしいよ」

友介は、美奈子をギュっと抱き締め、耳元で囁き、

そのまま、耳にキスを仕掛けてくる。

友介の唇と息が、美奈子の右耳を襲う。

チュッ!美奈子の耳穴に息も吹き込まれる。

ズン!突然の衝撃が耳から頭に抜け、ゾクっとして

「あっ……!」

不覚にも言葉が漏れる。

(なんなの、これ? ちょっと耳にキスされただけなのに、しかもこんな人に。力が抜ける感じもする)

「おやおや?敏感なんだね、かんじちゃった?」

美奈子が衝撃を受けた隙に、友介は正面から美奈子を抱き締める形に変わり、顔をのぞきこんできた。

「か、感じてなんかいません。びっくりしただけです」

「その割に、顔が赤いよ」

「これは、急に耳にキスされて怒ってるんです」

「ふーん、でも唇にはしてないよ。昨日は、額だっただけ。じゃあこっちかな」

友介は、美奈子の頸に顔を埋め、首筋にキスをする。

「あっ!」

美奈子は、またしても違う部分に、じーんとする衝撃を受ける。

どうしてか、浜田先生にキスされた部分が、カッと熱を持つような気がする。

友介は首筋をペロペロ舐めたり、時にはキスしたり、匂いをかぐように息を吸い込んだり繰り返す。

「ミナちゃんの肌は美味しいね。いい匂いもするし、ずーっと舐めていたい」

「ヘンタイっ!」

「くくっ、それは褒め言葉かな」

「何を……

もうっ、離してください。お話しがあるんです」

「ええっ、もっともっとミナちゃんを堪能したいのに。

まあ可愛いカノジョがお話ししたいと言うなら、ちゃーんと聞いてあげないとね。じゃあ、座ろう」

美奈子は、ようやく開放され、ソファに腰かける。

先生から、できるだけ距離を取るため端に寄る。

が、友介はドスンと横に距離を詰める。

「つれないなぁ。近くでお話ししようよ」

「近いし、暑苦しいです! 

ハァっ、時間がなくなるからもういいです」



「あのっ!」

美奈子は、浜田先生の身体を押しやるように、両手を胸について隙間をつくり、俯きながら話し始めた。

「昨日、お話のあった つ、付き合うというお話です。

卒業式までの間まで、浜田先生とお付き合いすること、わかりました。

ただ、その、周りには、人にはわからないようにしてください……」

「まあ、ボクは自慢したいけど、教師と生徒だし色々とマズイからね。

ふたりだけのヒミツの関係ということだね。 ひ・み・つ かぁ、いいね」

美奈子はホッとしながらも、友介の不気味な反応に一層の不快感を覚えた。

が、そこは気を取り直し、顔をあげ笑みを浮かべる不気味な浜田先生の顔を
上目遣いでじっと見上げながら、できるだけ可愛らしく告げた。

「それとっ! 付き合うということなら、お休みの日にデートするとか、電話で話すとか、LIMEするとか、そういうことでいいんですよね。

私は、まだ高校生だし、その……」

「うん? こんなボクとデートしてくれるんだ、うれしいなぁ。嫌がられるかと思ったよ」

美奈子は、それなら言わなければよかった、という思いがよぎったが、次の言葉で瞬時に固まった

「デートの終わりは、もっと深く付き合わないとね。

それに、休みのデート以外でも、こうして毎日会える場所を用意したから、ココでもっ、ねっ」

にやぁと、口角を上げ、細い目を一層細めて喜色満面の友介だ。



「深くって...」

「もちろんセックスだよ! セ・ッ・ク・ス!! 彼氏彼女なら、エッチの相性も大事だよ」

女性と付き合ったことなど一度もないのに、友介は偉そうに告げ、更に

「あぁ、ボクはセックスの経験豊富だから、優しくするよ。安心して。」

と畳みかける。風俗での経験だけは、豊富な友介だ。

「ミナちゃん、念のため確認しておくけど、しょ 処女だよね!」



「当たり前です! だから……

だから、セックスはなしにしてください」

美奈子は訴える。

だが、友介はそれを無視して

「よかったー!!

北条アキラの奴に、ボクのミナちゃんが汚されていなくて、本当によかった。信じていたよ」

と、ひとりで盛り上がる。
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