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ロング帝国 ルーク
32話
しおりを挟む「…………くぁ~……んん……んー」
太陽が顔を出す頃、ハルが目を覚ました。
寝ぼけながら顔を洗い、冒険する用にした黒い服を身に付けて、シキを持ち、宿の裏にある少し開けている場所に行き、朝の鍛錬を始めた。
昨夜、夕飯の代金を払った時にモリーから許可をもらい早速使用した。
ストレッチをしてから1時間タイマーを掛けてシキを降り始めた。
「ふっ、はっ、ふっ、はっ、」
無心でシキを振っていると、
ピリリリーーー!
「はっ、……ふぅ、」
ピリリ、ピッ……
「もう1時間か、もう1時間やりたいけど、今日はこのあとアルバンさんと鍛錬だからとりあえず良いかなー。あー、アキちゃん起きたかな……?」
持ってきてたタオルで汗を拭きながら部屋に戻って行った。
ガチャ
「ふぅ、ただいま。」
部屋を出る時に掛けた結界を外し中に入り、ドアの鍵を掛けてからまた結界を張った。
クリーンを掛けてからベッドに向かいアキを見るとまだ眠っていた。
「まだぐっすりだなー。どうしようかなー」
ぐぅ……
お腹が空いてアキを起こしたいが、凄く気持ちよさそうに寝ているため、起こすのを悩んでいると、
「んにゃぁ……」
「あ、」
「んにゃぁーー」
アキが目を覚ました。
「アキちゃんっ」
「んにゃ………………」
「ちょ、まっ、」
目を覚ましたがまたすぐに目を閉じ、眠り始めた。
「うそー…………」
ぐぅーー
「1回声掛けるかー」
気持ち良さそうに眠っているアキの頭を優しく撫でながら起こし始めた。
「アキちゃーん」
「んにゃん……」
「アキちゃんーー」
「んんー、んにゃぁ?」
「あ、アキちゃん!」
「にゃ?にゃう?」
「アキちゃん?」
「にゃうにゃうにゃー」
「うーん?おはようアキちゃん。念話しないの?」
「にゃ、〔あー、ハル、おはよ……〕」
「おはようアキちゃん。」
〔さっきのは見なかったことにしてくれ……〕
「い、や!」
〔なっ!なんでー……〕
「え、可愛かったから!」
〔むー……〕
「膨れても可愛いだけだから。」
〔むぅ〕
「アキちゃん、ぼくお腹空いた。」
〔ん?今何時?〕
「6時頃。」
〔そっか、朝は食堂6時からだったっけ?〕
「うん。行こ。」
〔良いけどクリーンだけ掛けさせて。〕
「いいよー」
〔ありがとう《クリーン》〕
「あ、そうだ。ねぇ、アキちゃん。」
〔んー?〕
「昨日ホルダーズボンに付けたまま脱いだじゃん?」
〔そうね〕
「だからね、一人で履けた。」
〔良かったね〕
「うん。それで、1時間鍛錬してきたんだけど、使いやすかった。」
〔そっか。なら、良かったー。〕
「ありがとうね。」
〔いえいえー〕
「じゃあ、ご飯行こー」
〔はいはい。〕
ハルは、渋々そうなアキを抱っこして食堂に向かおうとした。
〔あ、ハル〕
「んー?」
〔ご飯食べるだけなら荷物置いていって結界張ったら?〕
「へ?」
〔食堂で結界張るより魔力使わないでしょ。〕
「そうだね。」
〔このあとアルバンさんと鍛錬だし、魔力残しといたら?使うか分からないけど。〕
「そうだねー。」
ハルは、背負ったリュックをアキを片手で抱っこしながら降ろして机の下に置き、リュックが見えなくなる結界を張ってから部屋の外に出て部屋全体に結界を張ってから鍵を閉めて食堂に向かった。
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