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ロング帝国 ルーク
29話
しおりを挟むハルがアキと念話で話してるとアルバンが恐る恐る話しかけてきた。
ハルは傍から見るとぼんやりと何処かを見ていて微動だにせず椅子に座っているように見えた。
「ハル、大丈夫、か……?」
「……ん?アルバンさんどうかしましたか?」
「あ、いや、急に無言になったからどうかしたのかと思ってな。」
「あ、ごめんなさい。アキちゃんと話してました。」
「アキと話す?無言でか?」
「無言……?ちゃんと話してますけど……?」
「え、っと、ハルはテイマーか?」
「あ、はい。そうです。」
「なるほど。分かった。」
「?なにがですか?」
「あ、わりぃ、1人で納得しちゃって。」
「いえ」
「どうゆう原理か知らないが、テイマーは何故か無言でテイムした相手と話せるらしいんだ。」
「へー」
「へーって、ハルもやってるだろ。」
「まあ、そうですね。でもぼくだけかと思っていました。」
「そういや、他であったテイマーもそんな事言ってたな。」
「へー」
アルバンと話しているとルーシーが野菜炒めを持ってきた。
「ハル君お待たせ。」
「ありがとうございます。」
ハルはルーシーにお礼を言うとすぐに野菜炒めを食べ始めた。
「いただきます。」
パクッ
モグモグ
「うまっ」
野菜炒めも美味しかったのか、またも無言で食べ進めていった。
10分程で食べ終わり一息ついた。
「はふぅ、美味しかった。」
「にゃ」
「アキちゃんも食べ終わった?」
「にゃん」
「そっか。美味しかったね。」
「にゃー」
「ハルは、食うの早いな。」
「そうですかね?」
「あぁ、早いと思うぞ。」
「へー。
あ、アルバンさん、話し変わるんですが、明日ってなにか予定とかあったりしますか?」
「予定?今の所無いけど。なんで?」
「いえ、今日、剣を買ったんです。練習するのにギルドに訓練スペースがあるって聞いたので明日そこでならそうと思ったんですけど、1人で振ってもいいんですけど、相手がいるとやりやすいので。お願い出来ないかなと思いまして。」
「いいぞ。」
「ほんとですか!?」
「あぁ。」
「ありがとうございます。」
「明日ギルドに9:00とかでいいか?もっと早い方がいいか?」
「いえ、それで大丈夫です。お願いします。」
「はいよ。じゃあまた明日な。」
「はい!」
アルバンは、ハルとの明日の約束を決めるとすぐに食堂をあとにした。
〔良かったー〕
〔良かったね。〕
〔うん。……でも、アルバンさん、急いでいたのかな?〕
〔なんで?〕
〔ぼくがご飯食べ終わるまで待っててくれた見たいで。お話し終わったらすぐ帰っちゃったから。〕
〔どうだろう?ハルが来るより前にご飯終わってたって言ってたからお酒飲んでただけならすぐ帰ってもおかしくなさそうだけど。〕
〔それもそうだね。〕
〔じゃあ、私達もそろそろ行こうか。〕
〔うん〕
ハルは、結界を解きリュックを背負いアキを抱っこして席を立ち、モリーに声を掛けお金を払い明日のお昼のお弁当を頼んで、部屋へ戻った。
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