猫ちゃんの異世界、旅日記。

椿姫哀翔

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ロング帝国 ルーク

11話

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「そうだ、エイミーさん」
「なんでしょうか?」
「アルバンさんってどんな人ですか?」
「アルバンさんですか?」
「はい。さっき、声掛けてくれたんですけど、依頼があるってすぐに行ってしまったので、エイミーさんに聞こうかな、と」
「なるほど。そうですね…。うーん、……、凄い人ですね。」
「すごい人…。」
「はい。私、ギルドの受付、3年程なのでそこまで詳しくないんですが、アルバンさんは、ソロプレイヤーで唯一のAランクなんです。」
「そうなんですか!?」
「はい。剣がメインだと聞いています。」
「そうなんだ…。」
「すみません、これぐらいしか分からないですね…。」
「大丈夫です。ありがとうございます。」
「いえ。」
「あの、エイミーさんって、いくつなんですか?」
「へ、私ですか?」
「はい。3年働いてるって言ってたから…。」
「にゃー!〔女性に年齢聞くのはダメだよ〕」
「え、そうなの!?ごめん!
エイミーさん、ごめんなさい…。」
「え、なにが?」
「女性に年齢聞くのはダメだって。」
「アキちゃんが言ったんですか?」
「はい。」
「動物の声が分かるんですか?」
「アキちゃんの声は分かります。」
「そうか、ハルくんはテイマーですもんね。」
「そうです。」
「契約してれば分かるか…。」
「エイミーさん…?」
「あ、ごめんなさいね。私の年齢でしたね。私は、別に年齢聞かれて怒るタイプじゃないから大丈夫よ。私は18歳。15歳の時からここで働いてるの。」
「そうなんですね。教えてくれてありがとうございます。」
「いえ。今日はこのあとどうしますか?依頼受けますか?」
「いえ、とりあえず町を見てみます。昨日来たばかりでまだ町を見てないので。」
「そうですか。では、いってらっしゃい。」
「はい。いってきます!」
「にゃうー!」

ハルとアキは、エイミーに手を振りギルドを出ていった。



「あんたさ、調子乗らないでよね」

ハルがギルドから出たのを確認してから隣りの受付に居た妖艶なお姉さん、ケイトがエイミーを睨みながらドスの効いた声でエイミーに声を掛けた。

「え?ケイト、さん…?」
「あの子に気に入られたとか思わないことね。」
「は、はあ…、」
「ちっ…。」

ケイトがエイミーにキレて突っかかっていると、エイミーに声を掛けてきた人がいた。

「あのー、」
「はい。
あれ、ハルくん。どうしたの?」
「もうひとつお願いしたい事あったの思い出して戻って来ました。」
「そうですか。なんでしょうか?」
「お肉を食べやすいように解体してほしいんです。」
「そう、分かりました。解体にお願いしますね。」
「一緒に行ってもいいですか?」
「え、解体作業場に行く気ですか?」
「はい。」
「大丈夫?」
「なにがですか?」
「色々な解体してるから血なまぐさいと思いますけど。」
「それなら大丈夫です。昨日も行きましたから。」
「そう、なら大丈夫ですね。じゃあ、行きましょうか。」
「はい。お願いします。」

ハルがエイミーの所に戻ってきた。
エイミーはケイトから離れたいがためにハルからの申し出を受けて、連絡をして解体の人を呼ぶのではなく、ハルを解体作業場に連れて行く事にしてハルと一緒に向かった。

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