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ロング帝国 ルーク
6話
しおりを挟むハルは、ハドソンを見送ったあと、3階の部屋に行き、鍵を開けて中に入って、きちんと鍵を閉めた。
「《結界》《クリーン》」
ハルは念の為に部屋の中に結界を張ってから自分とアキにクリーンを掛けて綺麗にした。
「おぉー、綺麗。」
〔そうだねー。〕
部屋は、壁がクリーム色で、床はブラウンだった。
ベット、テーブル、イスが二脚、棚が置いてある。全て木、本来の色で置いてある。
「よっと、お、ふわふわ……。」
ハルは早速ベットに座り、感触を確かめている。
〔ほんと?……、おぉー、ほんとだー。〕
感動しているハルに触発されて、アキもベットに飛び乗った。
「ねぇ、アキちゃん、この後どうする?」
〔うーん、ギルドで結構時間使ったからもう夜ご飯の時間だからご飯にしよっか。〕
「そう言われるとお腹すいてきた…。」
グゥ……
〔ふふっ、宿では朝とお昼は出るって言ってたから夜ご飯は、食堂に行って、お金払って食べるかここで食べるか、どうする?〕
「うーん、食堂のご飯も気になる…、うーん、よし、ここで食べる!」
〔そう?気になるんじゃないの?〕
「気になるけど、今日は色々して疲れたから、食堂に行って絡まれでもしたらめんどくさい…。それに加減出来なさそう。」
〔それもそうだね。ここでのんびり食べよか。〕
「うん。お願いします。」
〔じゃあ、何がいい?〕
「うーん、お肉。」
〔やっぱり。〕
「あ、ダメだった?」
〔ううん。疲れてるしお肉にしてあげようかなって思ってたの。考えが一緒だったなって。それに、昨日海老だったし。〕
「そっか。」
〔どーゆー系が良い?〕
「うーん、お肉って、煮込んだりとか出来ないの?」
〔出来るよ。〕
「じゃあ、それで!味は任せる!サラダとスープも!」
〔はいはい。じゃあ、出来たら呼ぶから待ってて。〕
「はーい。」
アキは料理を作り始め、ハルはやることが無くてベットでゴロゴロしている。
〔ふぅ、完成。〕
1時間も掛からずに夕飯が完成した。
〔ハルー、出来たよー。〕
「すぅー……、んぅ……。」
〔ありゃ、寝ちゃってる。
(色々な人と関わったから疲れちゃったか。
それに、ローガンに対するあの反応…。似てるからってあんなに怯えるって事は、かなりのトラウマになってるんだろうな……。)
でも起こさないと。
おぉーい、ハルー、起きろー。〕
アキはベットに飛び乗りハルの頬っぺたを肉球でぺちぺち叩いた。
「んんぅ……、んぅ?アキ、ちゃん…?」
〔うん、おはよ。夕飯出来たから食べよ。〕
「寝てた…。うん、食べる。」
〔疲れたんでしょ。てか、寝起きで食べて大丈夫?〕
「大丈夫。」
〔そっか、じゃあ「いただきます。」〕
パクッ
もぐもぐ
〔……どう?〕
「美味しい!何これ!?」
〔ビックバードのお肉と野菜で作ったクリーム煮。〕
「めちゃくちゃ美味しい!」
〔なら、よかった。〕
「スープもサラダも全部美味しいよ!」
〔キノコたっぷりのスープにしてみた。サラダは今日は、クリーム煮が味濃いめだから普通の生サラダにドレッシング掛けただけだよ。〕
「でも、全部ほんとに美味しい!」
〔なら、よかった。〕
鍋いっぱい作ったクリーム煮とスープとボウルいっぱいに作ったサラダは、全て綺麗にハルが食べきった。
「ごちそうさまー、美味しかったー。」
〔なら、よかった。〕
アキは、洗い物をして、先にベットに入ったハルに続いてベットに入った。
「ねぇ、アキちゃん」
〔んー?〕
「クッション出してー。」
〔ん?寝ずらい?〕
「うーん、ちょっと…?」
〔じゃあ、ベット変える?〕
「え、」
〔このベット仕舞ったら多分出るよ。〕
「でも部屋いっぱいになっちゃうよ。」
〔それもそっか。〕
「いつものクッションとタオルケットがあれば大丈夫。」
〔わかった。〕
アキは、ベットを変えることを諦めて、タオルケットとクッション2個を取り出した。
〔はい〕
「ありがとう。じゃ、アキちゃん、おやすみ。」
〔うん、おやすみー。〕
さっき少し寝ていたが余程疲れていたのかハルはすぐに寝始めた。
〔ふふっ、おやすみ。〕
クッションを抱っこして寝ているハルに顔をほころばせてからクッションとハルの腕の間に入ってアキも寝始めた。
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