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道中
7話
しおりを挟む静かになった男達と歩いているが、やはり町には着かずに、日が暮れてしまった。
「さて、町には着きませんでしたので、野宿になります。」
「「はい…。」」
「貴方達には、パン2つと飲み水とバケツ1杯分の水を1人ずつにあげます。」
「「あ、ありがとうございます!」」
「ただし、寝袋と毛布は、ぼくの分しかないので諦めて下さい。」
「「分かった。」」
「周りに結界張るので、休んでください。縄も外しますね。」
「「ありがとうございます!!」」
ハル達は、野宿する為に、開けた野原に来た。
魔獣や悪人の気配が無いため、此処で野宿する事にした。
ハルは、自分達と男達との生活空間を離して結界を張った。
ハル達の方の結界には、中が見えないようにスモークと防音を掛けた。
「ふぅー……。」
〔おつかれ。〕
「うん、アキちゃんも、おつかれさまー。」
〔ありがとう。〕
「はぁー……。」
〔………。〕
かなり疲れているハルに声を掛けずに夕飯の準備に取り掛かる。
(ずっとパンとかばっかりで、ちゃんとした物食べてないからしっかり食べさせよう。
うーん、なににしようかな…、ハルがかなり疲れてるから、元気出るように食べた事無いものにしようかな…。なにが良いかなー…。
うーん…、あ、エビチリにしよう。ハルはまだ海老も辛いのも経験無いと思うからびっくりしそう。よし、決まり。
あ、でも、辛いのダメだった時のために、エビマヨも作ろう。あと、デザートも作ってあげよう。)
献立が決まった所で、料理スタート。
(さて、海老は、ヴィオ様から貰ったやつ使おう。どのくらいあれば足りるかなー…?よし、エビチリを6個とエビマヨを20個作ろう。残ったら、今日みたいにおやつにしてあげよう。
サラダは、サツマイモが食べたくなったから、サツマイモのフレッシュサラダにしよ。サツマイモとリンゴと玉ねぎとハムを薄切りにして、オリーブオイルとレモン汁と黒胡椒で味してっと。
スープは、やっぱり、コンソメスープかなー。玉ねぎをサラダに使ったから、具は、じゃがいもにしよう。あと、ご飯が炊ければ完成ー。
デザートにプリンも作ったし、よし、出来たー。)
40分程掛けて、夕飯が出来た。
〔ハルー。〕
「……zzz」
〔ありゃ、寝ちゃった…。〕
ハルは、野原に座ったまま寝てしまっていた。
(起こすの可哀想だけど、せっかくじゃ、出来たて食べて欲しいから起こすか。)
ピョン
アキは、ハルの膝の上に乗りハルのお腹に頭を付けて甘えながら起こした。
〔うぅーん、ハルー。起きて、ご飯食べよ。〕
「………ん、あれ、アキちゃん…?」
〔うん。おはよ。寝てたのに起こしてごめんね。夜ご飯出来たから一緒に食べよ?〕
「あ、うん。食べるー。」
ハルはアキを降ろして手を洗い、テーブルに着いた。
アキは、ハルの隣りに着いた。
〔では、「いただきまーす」〕
パクッ
「んっ!これ、辛い…。」
〔それは、エビチリ。辛いのダメそう?〕
「うん…、この、エビチリ?ぷりぷりしてて美味しいけど、辛い…。」
〔そっか、じゃあ、こっちの白っぽい方食べてみて。〕
「これ…?」
〔うん。〕
「………、よしっ、……パクッ」
〔……どう、かな?〕
「ううーん!これ、美味しい!」
〔良かったー。それは、エビマヨ。海老をマヨネーズで和えたもの。〕
「海老?」
〔うん。海の幸だよ。この辺じゃ取れないからヴィオ様から貰ったやつ使ったの。〕
「初めて食べたけど、ぷりぷりしてて美味しい!」
〔なら、良かった。〕
「この、エビチリ?も美味しいよ。」
〔無理に食べなくて良いよ。〕
「ほんと…?」
〔うん。私が、久しぶりに辛いの食べたくなったから作ったんだ。ハルは初めての辛い物かな?〕
「うん。初めて食べた。」
〔やっぱり。なるべくピリ辛を目指したんだけど、ダメだったか。〕
「ごめんね…。」
〔ううん。そのうち大きくなったら辛いの食べられるようになると思うし、ハルが絶対気に入ると思ったエビマヨは、気に入ってもらえたから良かったよ。〕
「うん!エビマヨ美味しい!あと、サラダも美味しいよ!」
〔良かった。ちょっといつもと違う感じにしてみたからどうかなって思ってたんだ。〕
「すっごい美味しい!また作って!」
〔もちろん。〕
「やった!」
それからハルは、エビチリ2個とエビマヨとサラダとコンソメスープをほとんど食べた。アキは、エビマヨ4個とエビチリ4個とサラダとコンソメスープを食べた。
ハルには辛い物はまだ早かったのかもしれない。
「ごちそうさまでしたー。」
〔ハルー?〕
「んー?」
〔もうお腹いっぱい?〕
「ん?うーん、うん?」
〔ふふっ、今日は、デザートがあるんだよ。〕
「デザート!!って何?」
〔ふふっ、デザートっていうのは、食後に食べる甘い物の事。〕
「甘い物!」
〔うん。食べる?〕
「食べるー!」
〔ふふっ、はーい、どうぞー。〕
片付けをして、少しお腹が落ち着いた頃、アキがプリンを出した。
「うわぁー、なにこれー、美味しそ。」
〔ふふっ、これは、プリン。どうぞ。〕
「い、いただきます…。」
パクッ
「んーー!」
1口食べたハルは、スプーンを、持っていない左手をブンブン振った。
「うっまっ!」
満面の笑みを浮かべて残りのプリンも食べた。
アキは、そんなハルを嬉しそうに見ていた。
「うーん、ごちそうさまー。美味しかったー!」
〔良かった。〕
「アキちゃんは、食べないの?」
〔私は、今お腹いっぱいだから、明日のおやつにでもするよ。〕
「そっかー。めちゃくちゃ美味しかった!また作って!」
〔分かった、分かった。〕
「ふふっ、最高だったなー。」
ハルは、プリンを食べ終わったあと、隣りの席に居たアキを抱っこして嬉しそうに抱き締めて左右に揺れてる。
「ねぇ、アキちゃん、」
〔んー?〕
「この最高な気分のまま寝たいので、ベット出してくれませんか?」
〔ふふっ、良いよ。私も、ベットで寝たい。〕
「やった!」
アキは、テントとベットを出した。
「じゃあ、アキちゃん、おやすみー。」
〔はーい、おやすみー。〕
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