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道中
2話
しおりを挟む「出来たー。」
「にゃー?〔なにが?〕」
「ふふふっ〔ぼくの、偽ステータス!〕」
町に向かって歩いていると、ハルがいきなり声を上げた。
それまで、ハルはやっとアキを下ろして、眉間に皺を寄せて唸りながら歩いていた。
〔なんか考え事してると思ったら、ステータス作ってたの?〕
〔うん!見て見て!〕
〔はいはい。〕
ステータス
名前:ハル
種族:人
性別:男
生命力:72,362
魔力 :56,371
素早さ:84,293
攻撃力:53,328
幸運 :83,528
属性:風
魔法:生活魔法・攻撃魔法・防御魔法
スキル:気配感知・魔力感知・テイム
「どう?」
〔うん、まあ、良いんじゃない。〕
〔なんか、煮え切らない感じだねー。〕
〔いや、平均でって言ったけど、平均だけど、この平均は、大人の平均だから、子供だと高いかなって思って。〕
〔でもさ、魔の森から出てきたのバレたら、これぐらい高くないと説明付かなくない?〕
〔まあ、そうなんだけど…。〕
〔だめ?やり直す?〕
〔ううん、大丈夫だよ。〕
〔ホントに?〕
〔うん。森を抜けるのに頑張って戦ったから強くなったのかもって思われると思うし。〕
〔じゃあ、これで〕
〔うん、良いと思う。〕
〔よかった…。またやり直しだと、また考えるの大変だなって思ったから。〕
〔そうね、考えるのは、大変だよね。〕
〔うん、どのくらいあげて良いか分かんないし。〕
〔そうねー、てか、テイムは表に出しとくの?〕
〔うん。アキちゃんは魔獣じゃないけど、普通の動物でも悪さする子は居るから、他の人にアキちゃんも悪い子だと思われて変に離されてもヤダから。ぼくがテイム持ってれば、調子こいてちょっかい出してくる奴、追い返せそうでしょ。〕
〔なるほど、変に誤解して離そうとする奴らは出てきそうだね。〕
〔でしょ。だからテイムは出しとく。〕
〔了解。〕
それからまた、ゆっくりのんびり2人で歩いていく。
周りが草原になっているため、弱いスライムやゴブリン等が居るが、ハルが魔力刀を振って倒していく。
倒した証拠は持ってあとは燃やしていく。
〔そろそろ、野宿の準備する?〕
〔そうだね。もう暗くなってくるからそこの木の下で良いんじゃない?〕
〔そうだね、周りに嫌な気配ないしここにしよう。〕
〔うん。〕
野宿する場所を決めたハルは、火を起こす為の木と枯葉を集めた。
集め終わったあと、周りに魔獣用と悪人用と結界を張った。
「ふぅ、出来た。」
〔ハル、火付けるの早くなったね。〕
〔ホント!?あの人と一緒に居たから魔法使えなかったから自力でやらなきゃだったからそれが効いたのかも。〕
〔どうゆうこと?〕
〔んー、火の付ける手順を自分自身でやってみて、こうなってたのかっていうのが分かったから、魔法で付ける時も、イメージしやすかった。〕
〔なるほど。〕
〔でも、もう自力で付けるのはやりたくない。〕
〔なんでよ。〕
〔面倒くさい…。〕
〔そうねー、まあ、2人きりの時はいいよ。でも、〕
〔うん、他に人が居る場合は、自力で付ける。〕
〔うん。〕
〔じゃあ、ご飯!〕
〔はいはい、何がいい?〕
〔お腹いっぱい食べられる美味しいお肉!〕
〔了解。〕
アキは、インベントリからビックバードの肉を出して、大きめにカットして、ステーキみたいにした。
醤油と砂糖で甘じょっぱいソースを上からかけた。
アキは、200g位の大きさで、ハルには300g位の大きさの肉を5枚用意した。
お米を炊いて、サラダとコンソメスープを作った。
〔ハル、出来たよ。〕
「やった!もう、お腹ぺこぺこー。早く食べよ!」
〔はいはい。〕
「では、〔いただきます。〕」
パクッ
「んんー!んまぁい!最高ー!」
〔分かったから、食べながら喋らないの。〕
〔はーい。〕
(食べながら喋らないでとは言ったけど、念話…。もお…。)
そのあとは2人とも無言で食べた。
「ふぅ、美味しかった!ごちそうさま!」
〔なら、よかった。〕
流石に肉の量が多かったのか、2枚残した。
〔アキちゃん、残してごめんね。〕
〔全然良いよ。残るの想定して作ったし。〕
〔そうなの?〕
〔うん。ハルがどのくらい食べるか分からなかったから、大きいままドンッとあげるんじゃなくて、大きいけど、1枚で食べ切れる大きさにして何枚も用意したの。2枚が限界かなって思ったけど、3枚いったか。(まあ、3枚でも、900gはあるからな…。)〕
〔だって、すっごく美味しかった!〕
〔なら、よかった。〕
〔このソース、大好き。また作って!〕
〔分かった。〕
〔やった!〕
〔じゃ、片付けて寝よ。〕
〔うん!〕
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