39 / 89
魔の森 旅編
7話
しおりを挟むフェレーナが居て、魔獣に襲ってこられては面倒な為(また、『わたくしを助けて下さって大好きですー!』と言われるのが嫌な為)、身体から少し魔力を放出して、強めの魔獣が来ないようにして歩いていると、茂みから強さが分からないゴブリンが5体出て来て、襲いかかって来た。
ダダダダっ
「「「「「キィキィーー!!」」」」」
「ひぃっ」
「はぁ、雑魚が」
ザシュッ
魔力刀にウィンドの魔力を流して、魔力の長い刃を作ってゴブリンを5体一気に始末した。
「え、すごいっ(カッコイイ…)」
「ふぅ、〔ゴブリンって、いるところある?〕」
〔うーん…、耳かな〕
〔耳?〕
〔うん。討伐した証拠として冒険者ギルドに持ってくとちょっとだけお金もらえるよ。〕
〔じゃあ、耳だけ〕
ザシュッ
〔ハル、死体燃やして〕
〔なんで?〕
〔このままにしとくと強い魔獣がこの浅い所にまで来ちゃうから。〕
〔分かった。〕
ハルは、アキの指示通りに土に穴を掘って、ゴブリンを入れて燃やした。最後に土を被せた。
「よし」
「なんで、燃してるの?」
「死体を残しとくと、お腹の空いた魔獣が集まって来る可能性があるので、燃しました。」
「な、なるほど…。」
「では、行きますか。」
「は、はい!」
少し歩いて先程ゴブリンに襲われた所から少し離れたら、落ち着いたのか、フェレーナが改めてハルにお礼をした。
「王子様、ありがとうございます!」
「…いえ。」
「ねぇねぇ、王子様!」
「……」
「もお!暗くなってきたけど、どうするの!?」
「ん?あ、ホントだ。」
フェレーナを気にしないようにぼーっとしながら歩いてたら、森が暗くなってきた。
「そろそろ、今日の寝床を準備しないとですね。」
「へ?え、ま、まさか、野宿………?」
「もちろん。この辺少し開けてるから此処で休みましょう。」
「っ、あ、はい…。」
「では、準備するので、その辺で待っててください。」
「え、あ、はい…。」
ハルは、開けた場所を見つけ、周りに危険な気配が無いか確認して、安全だと結果が出た為、寝る為に準備を始めた。
〔さて、アキちゃん。〕
〔なーにー?〕
〔なにを出しても大丈夫かな?〕
〔うーん、とりあえず、木や枯れ葉を自力で集めて、火を付ける。〕
〔え、うん。〕
〔テーブルとイスは出さない方がいいから、その辺の倒れてる木にでも座りな。〕
〔えー〕
〔わがまま言わないの。〕
〔はぁーい…。とりあえず、火つける。〕
ハルは、渋々自分の手で燃えそうな木や枯れ葉を集めて火を付けた。
(ふぅ、神域に居た頃は2人だったからなんでも魔法でやってたけど、流石に人が居ると自力でやらないと変に思われるからなー。ハルにも良い刺激になるでしょ。ちょっとわがままだけど。まあ、わがままってほどでもないし、今までわがまま言ったこと無いだろうから別に良いけど。
まあ、女の人に冷たくあたるのはって感じだけど、あの子がうるさいから仕方ないかなー。そのうち色んな人と出会ってもあのままならちょっと言うけど今のところはいいかなー。うーん、)
ハルが火を付けてるあいだ、アキは、色々考えて居た。
ちなみに、フェレーナは、ハルに言われた通りに近くにあった切り株に座って準備が出来るまで待っている。ハルが、木を集めに行く時は不安そうにハルの方を見てるが、流石について行くのは怖いのか黙って待っている。
ハルが離れてる時は、アキがちゃんと周りを警戒している。
0
お気に入りに追加
262
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
RD令嬢のまかないごはん
雨愁軒経
ファンタジー
辺境都市ケレスの片隅で食堂を営む少女・エリカ――またの名を、小日向絵梨花。
都市を治める伯爵家の令嬢として転生していた彼女だったが、性に合わないという理由で家を飛び出し、野望のために突き進んでいた。
そんなある日、家が勝手に決めた婚約の報せが届く。
相手は、最近ケレスに移住してきてシアリーズ家の預かりとなった子爵・ヒース。
彼は呪われているために追放されたという噂で有名だった。
礼儀として一度は会っておこうとヒースの下を訪れたエリカは、そこで彼の『呪い』の正体に気が付いた。
「――たとえ天が見放しても、私は絶対に見放さないわ」
元管理栄養士の伯爵令嬢は、今日も誰かの笑顔のためにフライパンを握る。
大さじの願いに、夢と希望をひとつまみ。お悩み解決異世界ごはんファンタジー!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。
これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。
それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる