猫ちゃんの異世界、旅日記。

椿姫哀翔

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魔の森 旅編

3話

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〔くぁー…、んんー…、ふぅ、はぁふぅ…んん…〕
「んんぅ…、あ…、アキちゃん、おはよ。」
〔おはよー、ハルー…。〕
「ふふっ、うん、おはよ。まだ、眠い?」
〔うん…、〕

今日は、2人同時に起きた。
結界が張ってあるといっても、神域ではないから少し気を張ってたのか、深く眠れなかったらしく、アキはずっとあくびをしている。
ハルは、眠りが浅くても大丈夫みたいで、起きてすぐに顔を洗った。

「ふぅ、アキちゃん、そろそろ起きてー。」
〔ぅん…、〕
「もぉー…(でも、気張ってたみたいだし、急ぐ旅でもないから、いっか。)」

ハルは、二度寝をしようとしているアキを起こす事を諦めて、テントを出て、素振りを始めた。

「ふっ、ふっ、ふっ、」

「ーーー」

「ふっ、……ん?なんか、声がした?《気配察知》《聴力強化》」

「……ぃゃ、…、たす、け………、きゃっ!」

「っ、《ダッシュ!》」

ダダダダダッ

ハルが素振りを始めて20分程経った頃、かなり遠くの方で声がした。
今、ハル達が居るのは、魔の森の中間より少し深めな場所な為、人間の気配はしていなかったが、中間より町に近い辺りで声がした。

「なんで、こんなとこにっ!」

ハルは急いで声のした方へ走って行った。

「あっ!アキちゃんに何も言わずに出て来ちゃった!どうしよ…、そだ!
〔アキちゃん!聞こえる!〕」
〔んんー…、ハルー?なーにー?てか、ハルが念話使うなんて、初めてだねー…。〕
〔そんな事言ってる場合じゃない!〕

二度寝中のアキは、ハルの念話で起きたが、まだ寝惚けてる。
ハルに怒鳴られて何かあった事が分かり、目がしっかり覚めた。

〔どーした?〕
〔テントから20㌔程離れた所で叫び声が聞こえた!今向かってる!アキちゃんに声掛けるの忘れたから、念話した!〕
〔そっか。了解。ちなみに声ってどんな声?〕
〔多分、人間の女の人!〕
〔分かった。ケガしてたら、回復魔法使わないで連れて戻ってきな。〕
〔え!?死んだらどーするの!?〕
〔死にそうなケガなら使っても良いけど、意識しっかりしてて、重症じゃなければ何もしないで連れて帰ってきな。連れて帰ってくる時は教えて。テント片付けて、かまど崩すから。〕
〔了解!〕

ハルは、アキに声を掛け忘れたことを思い出して、使った事の無い念話を初めて使って、走りながら状況を説明した。

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