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魔の森
24話
しおりを挟む〔さて、明日の準備って言ったけど、とりあえずハルに旅の荷物を一式渡さないと始まらないよね。〕
「はい、お手数お掛けします…。」
〔なに、かしこまって。〕
「いや、ぼく、此処に来てからずっとアキちゃんから貰ったもので生活してるなーって改めて思って…。」
〔そう言われてみればそうだねー〕
「でしょ…。」
〔なに?気にしてるの?〕
「ちょっとだけ…。」
〔もお、そんなの意味ないでしょ。何も持たずに魔の森に来たんだから〕
「そうだけど…。」
〔はい!この話はもう終わり。準備するよ。〕
「うん。分かった。」
お昼ご飯の片付けを終えた2人はテーブルに着いて準備を始めた。
〔とりあえず、荷物入れるリュックね。〕
「ありがとう。でも少し小さい?」
〔んー?まあ、旅するには小さいけど、今のハルにはちょっと大きいんじゃない?それに大丈夫だよ、収納量増やしといたから。〕
「え!?なんで!?」
〔なんでって、ハル、私と違ってインベントリ持ってないからリュックは必須だと思って。沢山入れば良いかなって思ってマジックバックみたいにしといた。軽量化も付けといたからどんなに荷物入れても重くならないよ。〕
「…、ありがとう。」
〔いえいえー。じゃあ、中に入れる物テーブルな出してこうか。〕
「うん。」
〔じゃあ、とりあえずタオルでしょ。大中小と1枚ずつ入れて、毛布、タオルケットもいるでしょ。縄とかもあると良いと思うから1mと3mと5mと、非常事態の時のために鍋とフライパン小さいのあるといいでしょ。食器と非常食と。あと、結界石と火打石も一応入れといて、たらいと桶も入れとこう。〕
「そんなにいる?」
〔うーん、要らないかもだけど、無いより越したことはないでしょ?〕
「まあ、入るならいいよー。重くならないらしいし。」
〔じゃあ、入れてー。〕
「うん。」
アキのインベントリからテーブルに出した荷物をあまり使わなそうな順番に入れてった。
〔次はお金ね。〕
「お金!?ぼくに持たせてくれるの!?」
〔もちろん。猫である私がお金出すのもマズイでしょ。〕
「そうだけど…。」
〔この巾着使ってー。〕
「この巾着なに?」
〔この巾着、使用者固定と収納量増やしといたからこれにお金いれて。〕
「それなら、盗られたりしないですみそう。」
〔それなら持っててくれる?〕
「うん。預かっとくね。」
〔はーい。今持ってるお金の3分の1ぐらい入れとくね。〕
「はーい。」
〔じゃあはい、金貨50枚と銀貨100枚と銅貨200枚ね。〕
「………、いや!?ま、待って、多すぎない!?」
〔多くないよー。さっき言ったじゃん、3分の1って。〕
「…、一応聞くけど、なんで、そんなに持ってるの?」
〔もちろん、ヴィオ様からだよ。〕
「……。」
〔言いたいこと分かるけど、ヴィオ様は過保護だから仕方ないよー。〕
「もう、諦めてる…。」
〔だって、いちいち驚いてたら疲れるし…。〕
「あぁー…、理解した。」
〔理解してくれた?〕
「うん。驚いて疲れるのはアキちゃん見てて分かるから。」
〔……、なんか、ごめん…。〕
「ふふっ、」
〔あ、今の、わざと言ったでしょー。〕
「ふふっ、分かった?」
〔分かったよぉー。もぉー。〕
「ふふふっ」
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