猫ちゃんの異世界、旅日記。

椿姫哀翔

文字の大きさ
上 下
27 / 89
魔の森

22話

しおりを挟む


それからハルはアキと約束した通り毎日1時間やったら15分休憩をしながら魔法を身体に馴染ませ、アキに覚えておいた方がいいと言われて、《結界》《サーチ》《魔力探知》《悪意察知》のスキルを覚えた。
魔法と並行して身体を動かす事もやった。
アキに、『ヴィオ様から貰ったんだけど、私には使えないから』と魔力刀と魔力銃を貰って使えるようになるために毎日触って身体に馴染ませていった。

ハルがアキの根城に来てから2ヶ月程経ったある日、アキがハルにある物をプレゼントした。

〔ハルー、お疲れ様。〕
「アキちゃん、お疲れ様。どうかした?」
〔これ、開けてみて。〕
「ん?うん。」

ハルが身体を動かしてる時に話しかけて、ハルが抱えても大きい箱をプレゼントした。

「わあ、外套とブーツだ。」
〔プレゼント。あげる。〕
「へ?なんで?ぼく、プレゼント貰えるような事した?」
〔うん、だって、今日は、ハルの誕生日でしょ?〕
「誕生日…?」
〔うん。そうだよ。忘れてた?〕
「あ、そっか、そうだった。忘れてた…。」
〔13歳おめでとう。これ着て一緒に魔の森出て旅しよ?〕
「ありがとう。そうだね、うん!これ着て一緒に行く。」
〔うん!13歳なら冒険者登録が出来るから13歳になったら此処を出ようと思ってたんだ。〕
「そうだったんだ。」
〔うん。それ、着てみてよ。〕
「うん!」

ハルは箱から外套とブーツを出して着てみた。

「うわぁ、しっかりしてるのに軽い。黒なのもカッコイイ。」
〔うん、似合うね。よかった。〕
「アキちゃん、ありがとう!すっごい嬉しい!」
〔気に入ってもらえてよかった。
ちなみに、その外套とブーツにエンチャント付けといたから。〕
「え、エンチャント付けたの……?怖すぎるんだけど…。」
〔なんで怖いのよ。〕
「だって、アキちゃんだよ!なにするか分からないじゃん!」
〔ひ、酷い……。ひんひん、ハルは、酷いよぉ…。〕
「嘘泣き止めて。可愛くない。」
〔それこそ酷い!〕
「ちなみに、どんなエンチャント付けたの?」
〔よくぞ聞いてくれた!
ブラックベアーの皮で作った外套には、『自動修復』、『自動回復』、『自動体温調節』、『軽量化』を付けて、
ブラックベアーの皮で作ったブーツには、『自動修復』、『軽量化』、『スピードアップ』を付けたよー。〕
「……、うん、分かってたけど、酷い。」
〔えー、なんでよぉー。良いの付けたじゃんー。〕
「良いの付けすぎなんだよ。誰かに盗られたらどうするの?」
〔大丈夫!使用者固定にしてあるから。〕
「はぁ、」
〔そんなに、嫌がらないでよぉ…、ハルが喜ぶと思って作ったのにぃ……。〕
「ごめんね、アキちゃん。嬉しいんだけど、凄すぎて怒っちゃった、ほんとにごめん…。」
〔ビックリ、し過ぎただけ…?〕
「うん。ほんとにごめんね。すっごく嬉しい。本当にありがとう。」
〔えへへへー、どういたしましてー。〕

ハルが怒ってしまうぐらいすごい外套とブーツだった。
基本的にエンチャントを付ける場合は、1つ。2つ付いてると国宝級にあたる。
エンチャント自体が特殊なスキルで、持ってる人もあまり居らず、エンチャントを付けられたとしても1つが限界なため。
ハルが怒るのも無理はない。

ちなみに、ハルは知らないが、ハルが着ているシャツとズボンは、シルバースパイダーと呼ばれる魔物から採れる超高級品の糸を使用している。
シャツのエンチャントは、『自動修復』、『自動回復』で、ズボンのエンチャントは、『自動修復』、『スピードアップ』である。ベストは、シルバースパイダーの糸とブラックベアーの皮で作った超強度品。ブラックベアーも皮製品を作るのに使用するには超高級品である。ちなみに、ベストのエンチャントは、『自動修復』、『自動回復』である。

アキが初めてエンチャント付けた時にやり過ぎてハルに怒られた為、どうゆう服なのか伝えずにあげた。
ちなみに、外套とブーツと同じで使用者固定をしてある。

しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

RD令嬢のまかないごはん

雨愁軒経
ファンタジー
辺境都市ケレスの片隅で食堂を営む少女・エリカ――またの名を、小日向絵梨花。 都市を治める伯爵家の令嬢として転生していた彼女だったが、性に合わないという理由で家を飛び出し、野望のために突き進んでいた。 そんなある日、家が勝手に決めた婚約の報せが届く。 相手は、最近ケレスに移住してきてシアリーズ家の預かりとなった子爵・ヒース。 彼は呪われているために追放されたという噂で有名だった。 礼儀として一度は会っておこうとヒースの下を訪れたエリカは、そこで彼の『呪い』の正体に気が付いた。 「――たとえ天が見放しても、私は絶対に見放さないわ」 元管理栄養士の伯爵令嬢は、今日も誰かの笑顔のためにフライパンを握る。 大さじの願いに、夢と希望をひとつまみ。お悩み解決異世界ごはんファンタジー!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果

てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。 とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。 「とりあえずブラッシングさせてくれません?」 毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。 そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。 ※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。

一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご
ファンタジー
 アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。  最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。  だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。  女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。  猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!! 「私はスローライフ希望なんですけど……」  この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。  表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!

古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。 そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は? *カクヨム様で先行掲載しております

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

悪役令嬢は始祖竜の母となる

葉柚
ファンタジー
にゃんこ大好きな私はいつの間にか乙女ゲームの世界に転生していたようです。 しかも、なんと悪役令嬢として転生してしまったようです。 どうせ転生するのであればモブがよかったです。 この乙女ゲームでは精霊の卵を育てる必要があるんですが・・・。 精霊の卵が孵ったら悪役令嬢役の私は死んでしまうではないですか。 だって、悪役令嬢が育てた卵からは邪竜が孵るんですよ・・・? あれ? そう言えば邪竜が孵ったら、世界の人口が1/3まで減るんでした。 邪竜が生まれてこないようにするにはどうしたらいいんでしょう!?

処理中です...