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魔の森
21話
しおりを挟む〔はい、どうぞ。飲んで〕
「ありがとう。」
泣いて落ち着いたアキは、インベントリから果実水を出して2人で飲み始めた。
「アキちゃん、これからは、魔法、沢山使いたくなるけど、必ず1時間したら休憩するようにするね。」
〔うん。じゃあ、1時間やって15分休憩とかにしようか。〕
「うん。でも、集中してやると時間を忘れちゃうのがなー」
〔じゃあ、私がタイマー作ってあげるよ。〕
「タイマーって、なに?」
〔時間を指定するとその時間を教えてくれるやつ〕
「すごい!そんなものあるんだね!」
〔うん、ハルは休憩してて。今から作るから。〕
「分かった。ありがとう。お願いします。」
アキは果実水を飲むのに座ってたテーブルから離れて地面に座り、《錬金》を使いタイマーを作っていく。
(うーん、前世にあったみたいな押して時間指定してくのだと面倒くさいよなー。うーん…、1時間のやつ作ればいいか。砂時計みたいにこの時間って固定されてる方が毎回1時間に合わせるのは大変だから。
そだ、1時間と30分と15分と作って、前世の押すやつも作ろう。なんかで使うかもしれないし。よし!)
〔……、ふう、……《錬金》〕
目をつぶり、頭の中で形や色、使い勝手を色々考えて《錬金》を使い作ったタイマーは、全部で5個出来た。
〔ふぅ、出来た…。〕
「もう出来たの!?」
〔あ、うん。〕
テーブルに着いたまま邪魔にならないように見ていたハルは、終わった様子のアキにビックリした顔で声を掛けた。
作るって言ってから出来上がるまでに30分ほどしか経っていなかった。
「すごい!早ーい!ビックリ!さすが、アキちゃん!」
〔え、あ、ありがとう…。そんなに褒められるとなんか、照れる…。〕
「ふふっ、アキちゃん可愛い!」
〔もう……。〕
あまり褒められ慣れてないアキは、照れてしまった。
「それで、アキちゃん、それ、どうやって使うの?」
〔あぁ、うん、今教えるね。〕
アキはハルが座ってるテーブルにタイマーを置いて、自分はハルの膝の上に座った。
「これが、タイマー?」
〔うん。まず、この赤いのが1時間のタイマー。真ん中にある黄色のボタンを押すとスタートする。〕
「うん。」
〔ボタンの上にある画面の数字がゼロになると音が鳴る。黄色のスタートボタンをもう一度押すと音が止まるから。〕
「うん。」
〔青いのと緑のは使い方は同じ。〕
「なにが違うの?」
〔青いのは15分測れて、緑は30分測れるの。〕
「うん、分かった。」
〔このオレンジの2つは、好きな時間を画面に入れて使うやつ。〕
「好きな時間?」
〔うん。画面の下にボタンが3つあるでしょ〕
「うん。」
〔1番左の水色のボタンが何分かを決める。〕
「うん。」
〔真ん中のピンクのボタンは秒数を決める。〕
「うん。」
〔決めたら、1番右の黄色のボタンがスタートボタン。押すとスタートする。〕
「分かった。ちなみにどんな音が鳴るの?」
〔オレンジの使ってやってみようか。〕
「うん。」
〔じゃあ、持って。〕
「はーい。」
〔1分30秒を測ってみよう。〕
「分かった。1分だから、水色を押す。30秒だと……?どうするの?」
〔秒数のボタンを何回も押して。〕
「うん。」
ピピピピ……
「1秒ずつ増えてくんだね。」
〔うん。分数も同じだから。〕
「分かったー。…、あ、出来た。」
〔じゃ、スタート押して。〕
「うん」
ピピ
「お、画面の数字が減ってく。」
〔1秒ずつ正確に減ってくから。〕
「すごい!」
1分30秒が経った。
ピリリリリーーー
「わー!すごい大きい音!」
〔このくらい大きくないとハル集中してると気付かないかなって思って。〕
「可能性は、ある…。」
〔止める時は、スタートボタンを押す。〕
「はーい。」
ピ
「ほっ、止まった…。」
〔これで時間を気にしないで魔法の勉強出来そう?〕
「うん。アキちゃんありがとう!」
〔いえいえ。〕
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