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魔の森
17話
しおりを挟む〔んんー、くぁー…、……、はふぅ…。〕
次の日、先に起きたのはアキだった。
〔ふわぁー、よく寝たぁー。ハルはどうだろう。〕
ハルを見たアキは固まってしまった。
〔え、………はぁ?まっ、え、なん、は…?〕
パニックになって、少し動いたのかアキの下に居るハルが目を覚ました。
「んん…、ん?くぁー…、んぅ…、アキちゃん、おはよぉー…。どうかした?なんか、慌ててる…?」
〔あ、ハル、おはよ…。と、とりあえず、私、鏡持ってるから、自分の顔見てみて。〕
「んー?うん…、分かったぁ…。」
まだ寝惚けてるハルにアキはインベントリから手鏡を出してハルに渡した。
「んー?ん?え、なん、へ?」
〔でしょ?〕
「え、これって、どうゆう事!?なんで、髪の毛が白くなってる!」
〔それ、白じゃなくて、銀ね。〕
「どっちでも、いいよ!どうゆうこと!?」
起きたらハルの髪の毛が茶色から銀色に変わっていた。
少し時間が経ったため、アキは落ち着いてきて原因が分かったみたいである。
〔ハル、その髪の毛の変化は、魔力解放によるものだと思う。〕
「どうゆうこと?」
〔元々のハルの髪の毛は銀色だったんだと思う。でも、魔力が詰まってて、頭の先から足の先まで魔力が巡ってなかったから髪の毛が茶色になってたんだと思う。それで、昨日魔力解放をして、寝てる間に身体を魔力が巡ったから髪の毛が元の色に戻ったんだと思う。〕
「え、でも、ぼくの元家族に銀色なんていなかったよ。」
〔多分、魔力が多いと銀色になるみたいな事だとは思うけど、流石に分かんないや。ごめんね…。〕
「ううん。なんとなくでも分かってよかった。ありがとう。」
〔いえいえ。〕
「ねえ、お腹空いたから朝ごはん食べよ!」
〔はいはい。今作るから顔洗って待ってて。〕
「はーい。」
〔朝ごはんさ、パンとお米どっちがいい?〕
「お米!今日、いっぱい魔法使いたいからお腹にたまる方がいい!」
〔了解。〕
テントから出てきて、アキは《クリーン》で顔を洗い、お米を研いで、炊飯器に入れてご飯を炊き始めた。
〔さて、ご飯にするなら、やっぱり、味噌汁でしょー。主菜は何にしようかな…。うーん…、〕
「アキちゃん、顔洗ってきたよ。」
〔んー……、あ、うん…。〕
「どうかした?」
〔ん?あー、いや、朝ごはん何にしようかなって〕
「なにって?」
〔ご飯だからスープは味噌汁にしようと思うんだけど、おかずはなにがいいかなって〕
「お肉がいいな」
〔お肉?別にいいけど、昨日の夜もお肉だったし、朝からお肉はキツくない?大丈夫?〕
「うん。大丈夫。」
〔そ?なら、野菜炒めにしよっか?〕
「野菜炒め?」
〔うん。私は、朝からお肉だけだと流石に少しキツイから野菜沢山入れてお肉と一緒に炒めるの。どう?〕
「うん!美味しそう!それで!」
〔分かった。ちょっと待ってて。〕
「うん!」
アキは、手早く味噌汁と野菜炒めを作り、お皿に移してご飯をよそり、テーブルの上に並べた。
2人は対面に座ってご飯を食べ始めた。
〔はい、おまたせ。〕
「わぁー、美味しそう!食べよ、食べよ!」
〔はいはい。では、「いただきます。」〕
「んんー!今日のご飯も美味しい!アキちゃん最高だね!」
〔いつもいつも喜んでもらって嬉しいよ。〕
「毎日、こんなに美味しいご飯沢山食べたら太っちゃうね。」
〔ハルは痩せすぎなんだから少しぐらい太っても大丈夫だよ。〕
「そうかな…。」
〔そうそう。それに私、美味しそうにもりもり食べてるハル好きだし。〕
「そっ、か、…、なら、いっぱいたべる!」
〔無理しては食べないでよ。〕
「うん!」
「ふう、ごちそうさまでした。美味しかった!」
〔ふふっ、なら、よかった。〕
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