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知らない人
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僕は、1匹で森の中に住んでいる、子リスのリタ。
お母さんとお父さんは都会に働きに出ていて、ほとんど家では1匹、いわゆる長期間の留守番だ。だから、実質一人暮らしと言っても過言では無いのだ。
しかも、僕が住んでいるところは王都とは遠いところにある家で、普段は森の中の動物たちと遊んだりして暮らしてる。
ーーーだから、僕の家は基本「コンコン」と扉が叩かれることは無いんだ。
母さんと父さんだって、鍵は持ってるし、帰ってくるのはあと一ヶ月も先だし。
それなのに扉が叩かれるということは、……ふ、ふしんしゃ??
戸惑った僕は、森の動物に被害が被るのは避けたかったから、フライパンを片手に戦ってみることにした。
ーーーコンコン。
僕が脅えてフライパンを手にしたところで、またノックされた。
「だ、だれ?」
震える声で言いながらそっと扉を開ける。
フライパンを構える僕の前に現れたのは……いつもの子達だった。
「ふふ、君たちだったんだね……よかったぁ……」
安心したら、涙目になってしまった。
そこで、日が雲に隠れた時のように、僕は影に覆われた。
不思議に思って上を見てみると……そこには、凛々しいオオカミさんがいた……。
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
『悪いやつじゃないから安心して!』
『警戒しないであげて!』
リタは、先程全力で言われたことを反芻する。
突然知らないオオカミが現れたものだから家に逃げようとしたのに、必死になってオオカミを庇う動物くんたちを見て、信頼してもいいかなとリタは思った。
ーーーしかし、なんであの子達はオオカミさんを知ってるんだろう。僕はこの人知らないよ??
リタはそう思いながら、机を挟んで向こう側のソファに座る大きなオオカミさんを見た。
ーーー改めて見ても、やっぱりかっこいいなぁ。
本当の最初は、小動物の本能が働いたのかオオカミさんが怖かったけど……
灰色の美しい毛並みに、綺麗な青い瞳。
こんな綺麗な色、見たことないよ……
「ーーーかっこいぃ……」
「っ!」
「っは!」
リタは、思ったことをそのまま声に出してしまった。
事実を述べたとはいえ、そんなに驚かれると恥ずかしいと思う。オオカミさんは驚いてしまったのか固まって動かない。
申し訳なく思い、向こう側のソファに座るオオカミさんに近づいて謝る。
「ご、ごめんなさい、驚いちゃった……?」
「っは!!……あ、…………大丈夫、だ。」
「そ、そう?」
そういう割には、固まってたよね?それはもう、時が止まってしまったかのように。オオカミさんの目がかわいてしまうと思ったよ。
「ーーーオオカミさん、名前、なんて言うの?」
「……ソウという名だ」
「ソウさんですね!僕は、リタです」
「ーーーしってる」
「え?」
声が小さくて聞こえなかった。
なんて言いたかったのだろう?しかし、もう一度!と聞き直してみてもそれ以上は言わないみたいだった。
しばし沈黙が訪れてから、ソウさんの一言が発せられた。僕の顔を緊張した顔でじっと見ている。それは……
「……リ、リタ!!!すきだ!!!」
「っぅえええぇえええ!!!」
告白だったのだ!
き、急だなぁ!急に告白されちゃうたよ!
でも、何がとは言われてない。思い上がるな、僕!
「な、何がですか……?」
「もちろん、リタのことだ!」
え、まだ会って間もない初対面だよね?どこかにそんな要素あったっけ?……ないよねぇ?
でも、こんなイケメンにこんなふうに告白されて、悪い気はしない。むしろ……。
そう思ったら、急に顔が熱くなった。なんで?
熱の時よりも熱い気がする。
基本一人だからTシャツを1枚しか着ていない僕の体は汗に濡れ、火照り出した。
腰の力が抜けた僕は、床にペタンと座りこんだ。
「な、なんで……」
「大丈夫か!!」
驚きすぎて気を失った僕に、そう言って慌てて手を差し伸べてくれたソウさんは、僕をベッドまで僕を運んでくれたらしい。
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
「ーーーーーーん、ぁ」
頭がぼーっとする。
目が開き、辺りをまだ覚醒してない身体で確認する。
ここは……僕の家だよね?
なんで人が………………ああ。そうか。オオカミさん、ソウさんが来ていたのだった。
だったら、なぜ僕と一緒にベッドの上に、しかも、あそこが臨戦態勢になっているの?
そして僕も、なんであそこがたっているの。
非日常の連続に頭が混乱する。
ーーー運命の番。
そんな言葉が僕の頭の中で浮かんだ。
これはリタが母に教えてもらったこと。
それは、運命の番は、一目会った瞬間に発情してしまうほどに強力な結び付きで結ばれているんだ、というものだった。
しかし、僕は、ソウさんとあったばかりの頃は発情していなかった。やっぱり、運命じゃないのかな?
そう思ったリタは下腹部を見てみると、まだたっていた。心もなんだかソワソワする。
…………あれ、コレって、……発情??
お母さんとお父さんは都会に働きに出ていて、ほとんど家では1匹、いわゆる長期間の留守番だ。だから、実質一人暮らしと言っても過言では無いのだ。
しかも、僕が住んでいるところは王都とは遠いところにある家で、普段は森の中の動物たちと遊んだりして暮らしてる。
ーーーだから、僕の家は基本「コンコン」と扉が叩かれることは無いんだ。
母さんと父さんだって、鍵は持ってるし、帰ってくるのはあと一ヶ月も先だし。
それなのに扉が叩かれるということは、……ふ、ふしんしゃ??
戸惑った僕は、森の動物に被害が被るのは避けたかったから、フライパンを片手に戦ってみることにした。
ーーーコンコン。
僕が脅えてフライパンを手にしたところで、またノックされた。
「だ、だれ?」
震える声で言いながらそっと扉を開ける。
フライパンを構える僕の前に現れたのは……いつもの子達だった。
「ふふ、君たちだったんだね……よかったぁ……」
安心したら、涙目になってしまった。
そこで、日が雲に隠れた時のように、僕は影に覆われた。
不思議に思って上を見てみると……そこには、凛々しいオオカミさんがいた……。
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
『悪いやつじゃないから安心して!』
『警戒しないであげて!』
リタは、先程全力で言われたことを反芻する。
突然知らないオオカミが現れたものだから家に逃げようとしたのに、必死になってオオカミを庇う動物くんたちを見て、信頼してもいいかなとリタは思った。
ーーーしかし、なんであの子達はオオカミさんを知ってるんだろう。僕はこの人知らないよ??
リタはそう思いながら、机を挟んで向こう側のソファに座る大きなオオカミさんを見た。
ーーー改めて見ても、やっぱりかっこいいなぁ。
本当の最初は、小動物の本能が働いたのかオオカミさんが怖かったけど……
灰色の美しい毛並みに、綺麗な青い瞳。
こんな綺麗な色、見たことないよ……
「ーーーかっこいぃ……」
「っ!」
「っは!」
リタは、思ったことをそのまま声に出してしまった。
事実を述べたとはいえ、そんなに驚かれると恥ずかしいと思う。オオカミさんは驚いてしまったのか固まって動かない。
申し訳なく思い、向こう側のソファに座るオオカミさんに近づいて謝る。
「ご、ごめんなさい、驚いちゃった……?」
「っは!!……あ、…………大丈夫、だ。」
「そ、そう?」
そういう割には、固まってたよね?それはもう、時が止まってしまったかのように。オオカミさんの目がかわいてしまうと思ったよ。
「ーーーオオカミさん、名前、なんて言うの?」
「……ソウという名だ」
「ソウさんですね!僕は、リタです」
「ーーーしってる」
「え?」
声が小さくて聞こえなかった。
なんて言いたかったのだろう?しかし、もう一度!と聞き直してみてもそれ以上は言わないみたいだった。
しばし沈黙が訪れてから、ソウさんの一言が発せられた。僕の顔を緊張した顔でじっと見ている。それは……
「……リ、リタ!!!すきだ!!!」
「っぅえええぇえええ!!!」
告白だったのだ!
き、急だなぁ!急に告白されちゃうたよ!
でも、何がとは言われてない。思い上がるな、僕!
「な、何がですか……?」
「もちろん、リタのことだ!」
え、まだ会って間もない初対面だよね?どこかにそんな要素あったっけ?……ないよねぇ?
でも、こんなイケメンにこんなふうに告白されて、悪い気はしない。むしろ……。
そう思ったら、急に顔が熱くなった。なんで?
熱の時よりも熱い気がする。
基本一人だからTシャツを1枚しか着ていない僕の体は汗に濡れ、火照り出した。
腰の力が抜けた僕は、床にペタンと座りこんだ。
「な、なんで……」
「大丈夫か!!」
驚きすぎて気を失った僕に、そう言って慌てて手を差し伸べてくれたソウさんは、僕をベッドまで僕を運んでくれたらしい。
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
「ーーーーーーん、ぁ」
頭がぼーっとする。
目が開き、辺りをまだ覚醒してない身体で確認する。
ここは……僕の家だよね?
なんで人が………………ああ。そうか。オオカミさん、ソウさんが来ていたのだった。
だったら、なぜ僕と一緒にベッドの上に、しかも、あそこが臨戦態勢になっているの?
そして僕も、なんであそこがたっているの。
非日常の連続に頭が混乱する。
ーーー運命の番。
そんな言葉が僕の頭の中で浮かんだ。
これはリタが母に教えてもらったこと。
それは、運命の番は、一目会った瞬間に発情してしまうほどに強力な結び付きで結ばれているんだ、というものだった。
しかし、僕は、ソウさんとあったばかりの頃は発情していなかった。やっぱり、運命じゃないのかな?
そう思ったリタは下腹部を見てみると、まだたっていた。心もなんだかソワソワする。
…………あれ、コレって、……発情??
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