2 / 22
プロローグ
神様は過保護 sideシルビー
しおりを挟む
俺の大好きな人、佐藤大輝はとても無防備だ。俺が、大輝の祖父に『あいつは危なっかしいから守ってやってくれ』と言われるくらいには。
大輝は、男に性的な目で見られている事に気がついていない。ツヤツヤな髪の毛に大きな瞳。見てしまえば一瞬で男達を虜にする笑顔。俺も虜にされた男のうちの一人だ。が、大輝の祖父に『大輝の護衛』として大輝のそばにいる事を許されているのだ。
大輝は性行為を知らない為、性的に襲われても過度なスキンシップとしか捉えない。だから、俺が守ってやるんだ、どんな奴からも、どんな事からも…
そう思っていた矢先に、事件は起きた。
高校の入学式後、大輝と歩いていた時のこと。大輝の百面相が可愛くて見入ってしまい、こちらへ向かってきている車に気付くのが遅くなり、大輝と共に轢かれた。
と思ったら、白い空間にいた。
そこには大輝の祖父がいて、とても呆れたような顔をしていた。
「大輝を守るという約束、破ってしまい申し訳ございませんでした」
俺が土下座をしながらそう言うと、ため息が聞こえ顔を上げる。
「もうよい」
呆れた声。なんとか挽回したいが、もう術はない。
「いや、あるぞ」
「へ」
「私はあらゆる世界の創造主でな、お前を転生させることになっているんだ」
「…」
「それでな、もう一度お前に機会を与え、大輝のそばに転生させる事にした。大輝の命は断たれても魂が壊れたわけではないからそこに関してはあまり怒っていない。しかし、お前は大輝に好意を抱いていると言うのに当の本人には全く気づかれず…とても不憫だったからな」
「俺が大輝に好意を抱いていた事…気づいていたのですか」
「ああ。勿論、大樹の護衛は継続だぞ?それでな、大輝をより守れるように加護を与えることにしたのだ。大輝にも勿論与えるつもりではあるが、心配だからな」
「有難うございます」
「大輝の転生先は第四王子のティーニー。ゲームの中では悪役で嫌われ者ではあるが、まあ、大輝の性格ならみんなに嫌われる事はないだろう。誰よりも人の悪意を知らない奴だからな。大輝は、お前よりも7年後に転生してくる。それまでに鍛えてな」
「はい!!」
俺が転生した先は伯爵家の五男、シルビーだった。よく大輝の姉に『シルビーに似てる』と言われ絵を見せられていたので、すぐに分かった。
大輝の転生するティーニーの三人の兄達は、それぞれ1歳差ずつでティーニーだけ大分年が離れていると言う感じだ。第三皇子が俺と同い年だ。
俺の生まれた伯爵家は大騎士一族と呼ばれ、男は皆騎士に、女も騎士関連の職業についている。強制ではないのに、何故か皆そうなるらしい。
そんなところに生まれた俺は王族との交流が多く、ティーニーを守るのに最適なところに生まれたんだなと思った。王宮騎士とか、護衛騎士とかがいるし。神がそう仕向けてくれたんだろう。
ティーニーの兄達は目が死んでいて、これからこの国は、大輝は大丈夫なのか心配になったが、大輝が生まれると目に光が宿り安心した。しかし、近親婚&同性婚が許されているこの国ではティーニーは兄達からも襲われる可能性は十分にある為、逆に不安材料が増えたようにも感じた。
大輝は、男に性的な目で見られている事に気がついていない。ツヤツヤな髪の毛に大きな瞳。見てしまえば一瞬で男達を虜にする笑顔。俺も虜にされた男のうちの一人だ。が、大輝の祖父に『大輝の護衛』として大輝のそばにいる事を許されているのだ。
大輝は性行為を知らない為、性的に襲われても過度なスキンシップとしか捉えない。だから、俺が守ってやるんだ、どんな奴からも、どんな事からも…
そう思っていた矢先に、事件は起きた。
高校の入学式後、大輝と歩いていた時のこと。大輝の百面相が可愛くて見入ってしまい、こちらへ向かってきている車に気付くのが遅くなり、大輝と共に轢かれた。
と思ったら、白い空間にいた。
そこには大輝の祖父がいて、とても呆れたような顔をしていた。
「大輝を守るという約束、破ってしまい申し訳ございませんでした」
俺が土下座をしながらそう言うと、ため息が聞こえ顔を上げる。
「もうよい」
呆れた声。なんとか挽回したいが、もう術はない。
「いや、あるぞ」
「へ」
「私はあらゆる世界の創造主でな、お前を転生させることになっているんだ」
「…」
「それでな、もう一度お前に機会を与え、大輝のそばに転生させる事にした。大輝の命は断たれても魂が壊れたわけではないからそこに関してはあまり怒っていない。しかし、お前は大輝に好意を抱いていると言うのに当の本人には全く気づかれず…とても不憫だったからな」
「俺が大輝に好意を抱いていた事…気づいていたのですか」
「ああ。勿論、大樹の護衛は継続だぞ?それでな、大輝をより守れるように加護を与えることにしたのだ。大輝にも勿論与えるつもりではあるが、心配だからな」
「有難うございます」
「大輝の転生先は第四王子のティーニー。ゲームの中では悪役で嫌われ者ではあるが、まあ、大輝の性格ならみんなに嫌われる事はないだろう。誰よりも人の悪意を知らない奴だからな。大輝は、お前よりも7年後に転生してくる。それまでに鍛えてな」
「はい!!」
俺が転生した先は伯爵家の五男、シルビーだった。よく大輝の姉に『シルビーに似てる』と言われ絵を見せられていたので、すぐに分かった。
大輝の転生するティーニーの三人の兄達は、それぞれ1歳差ずつでティーニーだけ大分年が離れていると言う感じだ。第三皇子が俺と同い年だ。
俺の生まれた伯爵家は大騎士一族と呼ばれ、男は皆騎士に、女も騎士関連の職業についている。強制ではないのに、何故か皆そうなるらしい。
そんなところに生まれた俺は王族との交流が多く、ティーニーを守るのに最適なところに生まれたんだなと思った。王宮騎士とか、護衛騎士とかがいるし。神がそう仕向けてくれたんだろう。
ティーニーの兄達は目が死んでいて、これからこの国は、大輝は大丈夫なのか心配になったが、大輝が生まれると目に光が宿り安心した。しかし、近親婚&同性婚が許されているこの国ではティーニーは兄達からも襲われる可能性は十分にある為、逆に不安材料が増えたようにも感じた。
16
お気に入りに追加
165
あなたにおすすめの小説

婚約者の側室に嫌がらせされたので逃げてみました。
アトラス
恋愛
公爵令嬢のリリア・カーテノイドは婚約者である王太子殿下が側室を持ったことを知らされる。側室となったガーネット子爵令嬢は殿下の寵愛を盾にリリアに度重なる嫌がらせをしていた。
いやになったリリアは王城からの逃亡を決意する。
だがその途端に、王太子殿下の態度が豹変して・・・
「いつわたしが婚約破棄すると言った?」
私に飽きたんじゃなかったんですか!?
……………………………
たくさんの方々に読んで頂き、大変嬉しく思っています。お気に入り、しおりありがとうございます。とても励みになっています。今後ともどうぞよろしくお願いします!
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。


囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?

そして全てが奪われた
ニノ
BL
僕の大切なものは全部お隣の男の子に全部取られてしまう。
おじいちゃんから貰った、外国製のブリキのおもちゃ、おばあちゃんが作ってくれた刺繍入りのポーチ、大好きなヒーローのお人形――――、そして愛してくれていた筈の両親。
だから大切なものは作っちゃいけない。どうせ全部あの子に取られてしまうから。
※主人公は中々可哀想な目に会います。地雷な方はご注意を!
※一応完結、需要があればその後を更新予定です。
※ムーンノベルズさんでも更新してます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる