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お兄ちゃん、それは僕のちんぽこです。
しおりを挟む「あ!っんぁ!!~~っ」
「翔ちゃん、そんなに声出したら、お姉ちゃんにバレちゃうよ?」
「あ!そんなこと言うんだったらっ!おちんちんいじるのっ、やめ!っぅあ!!」
俺は、毎日遊びに来る姉ちゃんの彼氏に、何故か息子を、ぐちゅぐちゅといじられていた。
この人ーー奏多くんが何故こんな奇行に走ったのか、それは一ヶ月前に溯る……。
桜が舞い散る四月。俺は将来の夢とか高校でやりたいこととかがなかったので、取り敢えず姉の通っている高校に入ってみた。
校舎は5年前に新しく建てられたばかりで、とても綺麗なのだ。しかも校則が緩いため、この学校は気に入っている。
入学したての初々しい空気が流れる中、教室に風変わりな声が響いた。
「翔ちゃん、いるー?」
その透き通った声の持ち主は、この学校の三年生、先輩だ。
部活も始まってない中先輩が1年の教室に訪れることは珍しい。みんなが「翔」に目を向けた。
たくさんの目線が集まり、ちょっと焦った。いつもはこんなにたくさんの人に見つめられることがないので、逃げるように教室を出て、声をかけた本人の方に向かった。
「ちょっ!恥ずかしいからあんま大きな声で呼ばないでよー」
「え~?いいじゃん、俺と翔ちゃんの仲なんだし。つれないな~」
「紛らわしいっ」
毎日家に訪れる、いわば友達のような間柄なのに、その言い回しは誤解をうむ気がする。
「……今日も来るの?」
「もっちろん!せっかく同じ学校なんだし、一緒に行こうよ」
「姉ちゃんは?」
「俺は翔ちゃんと2人で帰りたい。それに、沙耶は帰る相手いるし」
それっていいのか?多分……奏多って姉ちゃんの彼氏だろ?
そうじゃなかったらどうして毎日のように俺ん家に来るんだ。
心にモヤモヤが残ったまま、放課後になった。
待ち合わせした校門へ向かうと、そこにはすでに奏多がいた。
......。
無言でスマホをいじる横顔をじーっと見ていると、ふいに目が合った。いくらか時間がたち、俺に気づいた奏多は柔らかく微笑んだ。
周りから黄色い悲鳴が上がる。やはり、奏多はイケメンなんだな...。
ぼっ!
や、俺何考えてるんだよ。そんなの当たり前の事で、今に始まったことじゃないではないか。なにをそんな、今更...。
心の中で、困惑する頭を整理しようとするものの、向こうから声をかけられるまでは混乱していた翔であった。
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