天使と言われている僕は公爵家のメイドになります。

こんぶ

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色々起こる王国祭

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話は飛んで王国祭の日になった。
ずっとあの村に住んでいて一歩も外に出たことがなかったから、五日馬車に乗るのはキツかったかな。未だにお尻痛いもん。多分筋肉痛だね。お風呂の後マッサージしないとなぁ。

珍しい食べ物が沢山あったから、とりあえず買ってお兄ちゃんと分けてるよ!
今は、細長くてきゅうりみたいな形をしたお肉が棒に刺さっている物を頬張ってる。って言うらしい。肉汁たっぷりで美味しいな……もう一個食べたい。

お兄ちゃんは沢山の食べ物を持ちながら、器用に雲を食べている。厳密には雲ではなく飴らしいんだけど、僕にはそう見えない。
どうやったら飴がこんなふわふわになるんだろう?

そんなことを考えていたら、お兄ちゃんの先輩に遭遇した。


「おー、ライリーじゃねぇか!久しぶりだな!そこにいるのが噂の天使か?」
「……(天使?)」
「先輩!久しぶりです!そうなんですよ、この子が僕の幼なじみで天使のようなアルルです。アルル、この人は僕の先輩のサイアさんだ。」
「!っ、ふふんふふふ(初めまして)!ふふんふふ(アルルです)!ふふんふふうふんふふふふふ(いつもお兄ちゃんがお世話に……)……んっ
!けほっ、けほ」
「あははっ慌てなくてもいいよ」

お肉が口に入っていた僕は聞き取れない挨拶をした。しかもむせちゃって情けなすぎる……。
うぅ、お兄ちゃんの先輩への挨拶なのにこんな変な挨拶しちゃった~!こんな挨拶でも笑ってくれるなんて、なんていい人なんだ!
 実は、都会の人は怖い人という風の噂を聞いたことがあったから、どうなるのかと思ってたけど。サイアさんといい、さっきのおまけをくれた屋台の人と言い……噂は気にしない方がいいんだね!

「うぅ…ふふんふはい(ごめんなさい)……」
「「っ!!!」」

サイアさんの優しさに打ちひしがれてる僕は、涙目になって謝った。
なんて優しい人なんだろう、僕には到底真似出来ないよって思った。こういう優しい人が騎士になるんだね。納得─────────?



『やめて!はなして!』



和やかな空気の中お肉を頬張っていた僕は、どこからか悲鳴が聞こえたのを感じた。お兄ちゃん達は聞こえなかったらしく突然表情の変わった僕に戸惑っていた。
が、そんなことは気にせず、お肉を思いっきり食いちぎって、申し訳ないけど食べかけのお肉をお兄ちゃんに託した。誰かが困ってる!助けないと!

「ごめん!ちょっと行ってくるね!」 
「っえ?!どこ行くんだよ!!」

僕がお肉を食いちぎった瞬間顔を青ざめて股間を押さえたお兄ちゃん達を置いて駆け出した。
人の波を掻き分けて走っていると、さっきの声がもっと大きくなった。

その声の方を向くと男の子が悪そうな人達に絡まれていたんだ。
その時僕は失態を犯した事に気づいた。

「あっ!なんでお兄ちゃん達置いてきちゃったんだろ、騎士の方が強いのに!」

でも、そんなことは気にしてられない。悪い人達が男の子を路地裏に連れて行ってしまう。他の人たちは怖くて見て見ぬふりをしている。僕は一瞬お兄ちゃんを連れてこようかと迷ったものの、男の子を助けるのが最善だと考えて悪い人達について行った。





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