ステータス最弱かつ瀕死状態で転生した私は、異世界最強で最恐で最凶の森で生き延びます。

鮒捌ケコラ

文字の大きさ
上 下
16 / 19

9-2.黒獣

しおりを挟む

「(タタッ)……あいつか。」
 “「グァ……」“

 目標の数十メートル手前で止まって、対象をよく観察する。

 あれは……イノシシか?随分デカいな。しかも、真っ黒だ。

 目測で3メートルぐらいか?

 距離は大分あるな。けど、いつ襲って来るかわからない。

"「プギッ?」"
「?」
“「ブモォォォォォッ!!(ドドドドッ)」"

 イノシシがこちらに向かって来る。どうやら、気付かれた様だ。

"「(バキッ!グシャッ!!バッキャァァンッ!)」"

 周囲の遮蔽物を薙ぎ倒しながら突進して来る。

「(スッ)」

 何故気付かれたかはさておき、取り敢えず押し止めるか。両手を突き出し衝撃に備える。

 "「ブギャァァァッ!(ゴッ)」"
「っ…(ゴキッゴキゴキゴキッ)」

 流石に、キツイな。身体中の骨が鳴りまくってる。これ絶対クラッキングの音じゃないよな。

「ごふっ…(ポタポタポタ……)」

 どうやら、さっきので内臓も破裂したっぽい。

"「プギッ!(グッ…ググッ)」"

 しかもコイツ、いまだに物凄く押して来る。……どうしたものか。

 “「プギィッ!!(グググググッ)」"

 よし、突き飛ばして後ろのあの木に叩きつけてやるか。

「……(スゥッ)」

 そう思って力を込めた。

「(グッ)」

 やや強めに。

“「(ゴキッ)…プギャ……」"
「……へ?」

 なんの音…

“「ブ…グ……(ブチッブチブチッ)」"
「は?」

 首が裂け…えっ……?

"「(ブッシュゥゥゥッ!!)」"
「んぶっ…(ゴボゴボゴボ……)」

 恐らく、やや上に押し上げる様にしてしまったからだろう。イノシシの首が上にひしゃげて首の皮膚の裂け目から吹き出した血で溺れた。さながら鯖折サバオリ……ボアだけど。

 我ながら酷い構文だな。内容も構成も。

“「……ギ……ブ……(ドサッ)」"
「…ゲホッ…ゴホッゴホッ………(…ボタッ…ボタボタ……)」

 結構飲んでしまった気がする。本当は無傷で捕獲しようと思ったんだけどな。猪を鯖折したなんて聞いたことない。

 まぁ、撃退は出来たんだし結果オーライ……って、言えるかなぁ……これ。

 〈ビチャッ…ベチャベチャッボトボトッ〉

 支えを無くして倒れたイノシシの首からは相変わらず血と臓物が溢れかえっている。

 やばいな。相当グロい。

 けど、まぁ……向かって来たのはこいつの方だし、これについては血抜きが手早く出来たと考える事にしよう。

 そうしよう。

「………」

 それにしても…あの薬、相変わらずエグい効力だな。絶対人に向けて使えない。

「………(ポタポタ)」

 最近ちょくちょく感じている気配はこいつで間違いないだろう。だが、こいつ一体だけとも限らない。最近になって、森の治安が悪化している様に感じる。
 定期的にこうなるものなのだろうか?それとも、これまで例を見ない異常なのだろうか?

 まぁ、いつも通り被害を受けた動物達の治療を……

“「…グルゥグ………」“
「ん?」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされ、生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれてしまった、ベテランオッサン冒険者のお話。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~

芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。 駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。 だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。 彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。 経験値も金にもならないこのダンジョン。 しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。 ――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *無断転載、無断翻訳を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。  そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。  しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。  そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。  この死亡は神様の手違いによるものだった!?  神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。  せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!! ※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中

処理中です...