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ぶらり途中下車したい旅。

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俺とダスティのツッコミをモロに受けたリージュ。
音が良いだけでダメージはそんなに無い。

「何故ダスティまで…………は!!そうですね!折角なので3人で…「「ふざけんのも大概にしろ!」」」
すぱぁあああん!!!!!!
俺達は、もう一撃喰らわした。


「俺、リージュがワカラナイ。もっとマシな人だと思ってたのに…通常時もヤバい奴なの?」
スリッパを握りながらダスティに聞く
「いや、普通はもっとマシなんだが……ワンコロオマエ、リージュの体液接種しただろ…」
「え……うん…」
(リージュの精液飲んじゃったな…)
「淫魔には体液、血液に催淫効果があるからな。多分オマエにあてられてリージュのブーストが掛かっちまってんだろうさ。」
「本人も掛かっちゃうのか…まぁ、確かに。」
以前の行為で目がお互い♡マークになった事を思いだす。

「確かに。じゃねえ!」
ぐぅ!
(だから鼻掴むのやめろ!)
「オマエ自身にもリージュの催淫効果が残ってんだぞ!無闇に人に近づくなよ!!」

「え?そうなの!!?俺エロくなっちゃってるの?」
(あらやだ!怖い。)
思わず自身の身体を抱き締める。

「まあ、ワンコロが発情したって……………あの眼鏡は置いといて…………オレ達には余り効きはしないが、普通の人間にはそれなりに効果があるからな!くれぐれも近付きすぎるなよ!!」

「なるほど」
脳裏にドリーの顔が浮かぶ
(あの時、ドリーは俺の催淫効果にあてられて
たのか?)

「オマエ…まさか……もう…」
ダスティが信じられないものを見るように俺を見る

「大丈夫!無問題!ナニモナイ!!」
俺は全力でダスティに首を横に振る

「ソレは何かあったヤツのセリフだろうがぁぁぁああ!!!!!!!!」
すぱぁあああんん!!!!!!!!!!!!

ダスティのスリッパは
本日3回目となる会心の一撃を奏でた


「神様ってさ、懐広すぎん。部下に魔族いても大丈夫なん?リージュ浄化されない?」
ぽいっ
「はいっ」
俺はリージュに身体を向ける。
「はい…………む。魔族は不浄な者ではありませんよ。まぁ、清く正しくは生きていませんが……………どうぞ」
リージュはダスティに身体を向ける。
「あのクソ上司は『生きとし生けるもの全ては我が子。皆愛しています。』ってな感じだからな。生きてりゃ何でも良いんだろ。…………おっ!アガリ!」
ぽいっ
「またダスティ1抜けかよ」
「強くてスマンな」
「ぬぬ…今度こそ負けませんよエデ。」
「いや、多分俺が勝つよ。」

「コッチ!」
「あっ」
ぽいっ!俺は最後のカードを捨てる。
「2ばーん!」
「くぅぅぅ…」
俺達は何故か3人でババ抜きをしていた。

ゴメンなリージュ。
最初っから手札全部眼鏡に反射してバッチリ映ってるんだ。
多分ダスティも気付いてる。
「も、もう一回!!」
リージュはトランプを掻き集める
結局夕方までやったがリージュは最後までドベだった。
俺もダスティも一切何も言わなかったし、手は抜かなかった。
(すまんなリージュ。これは真剣勝負だから………………あれ?何の話をしてたんだっけ?ま、いっか!)




「…………よぉ。マイブラザー…」
「おわっ!?びっくりした…何その頬…」
夜食後ブラブラと宿屋の廊下の窓から外を眺めてると、暗闇からヌッとランド兄ちゃんが現れた。
「いや、聞くまい。次…頑張ろう!」
「いや聞けよ。俺こんな状態よ?聞くでしょ普通」
「傷口抉らないほうが良いかなと思って…」
「くそっ!負け戦前提かよ!」
「じゃあ勝ったん?」
「負けたよ!圧倒的大差で負けたよ!むしろ試合にならなかったわ!」
「どゆこと?」
ランド兄ちゃんは俺の横に立ち
闇夜に照らされた街の灯りを見る

「あの一つ一つにカップルがいるんだな……爆発しねぇかな…」
(大分やさぐれている…1人世帯だってあるだろ流石に)

「合コンで何かあったの?」
「それがよ…………」

ランド兄ちゃんの話によると

朝、話ていた(推定2次元)彼女持ちの友人が今回も合コンに来てて、
しかも彼女同伴だったらしい。

「実在したんか…」
「ああ。リアルに居た。紙じゃ無かった。」

「何が『一度合コンに行きたい♡って彼女が言ってたから連れてきちゃった!てへっ!』だよ!連れてくんなよ!!こちとら戦場だぞ!」
「はぁ」

そして、その友人のカノジョさんが本当に
ピンク髪のナイスバディなエロ娘だったらしく、兄ちゃん以外の男性はソッチばかりに気が行って女性陣ブチギレ。

男性全員、頬にビンタ喰らって帰ってきた…らしい。

「俺は何とかしようと頑張って話振ったりしてたのに…何で俺まで…」
ランド兄ちゃんは打たれた頬を撫でる
「ピンク髪のナイスバディエロ娘の胸や尻は見なかった…と?」
「見ました。バッチリ見ました。」
「では、仕方がありませぬな。」
ふむっ、それはギルティー!


カノジョさんはカレシがぶっ叩かれてるのを
『マジウケるー♡』と手を叩いて笑っていたらしい。

女性って…怖っ


「アイツがあんな美女と付き合えるのはオカシイ!きっと詐欺だ!壺か宝石買わされるヤツだ!!騙されて一文無しになったら…………また飲みに連れてってやる。」
「ランド兄ちゃん…………何だかんだ言って優しいね。きっと兄ちゃんの良さを分かってくれる人は居るよ。」
ギュッ!と抱き着く。

ありがとな!マイブラザー!!と
ランド兄ちゃんも抱き返してくれたが
(あだだだだ…二つ折りから分裂しちゃう!親機と子機になっちゃう!!)

ランド兄ちゃん…力加減何とかならんか?



翌日ランド兄ちゃんが一番風呂入るか?
と聞いてきたので有り難くファズと入浴する。

ぽちゃん

「え?健康診断?」

「はい。本当はもう少し前にするはずだったのですが、伸び伸びになってしまってて…いい加減受けろと言われまして…」
(健康診断なんてあるの?実はホワイトなのか?)
「約1週間ほど僕が居なくなるのですが…エデがやはり心配なので今回は辞めようかと…」
「大丈夫だよ!行ってきなよ。健康が1番大事だよ。」
「しかし…」
「ランド兄ちゃんもいるし!大丈夫。文字もお金も少しずつだけど兄ちゃんに習ってるし!心配しないで行ってきなって!」
ランド兄ちゃんは俺とファズにちょいちょい気を使って話し掛けてくれてる。
ファズも俺が街に出掛けるのも以前ほど不安には感じないようだ。
「…………では、受けてきますね。」
渋々だ。
「うん。そうしなよ。」


「では、コレを」
「…………」
「僕がいない間のエデの替え用下着です。」
ワサァッ!
両手に持たされる俺の下着達
「…………うわぁ、イロトリドリだぁ……」
暫くパンツには困らなそうだ。





「…………では行ってきます。エデあまり遠くに行かないように!ランドさんエデを宜しくお願い致します。」
ファズはランド兄ちゃんに頭を下げる
「おう。まかせとけ」
「いってらっしゃーい。」
俺達はファズに向かって手を振る


「…………アイツ、まだ手ぇ振ってんだけど…」
「…………うん」

ファズは視界から消えるまで俺達に手を振り続けていた。
(前見て!前!)



「俺はこれから畑に行くが、どうする?」
ランド兄ちゃんは普段は畑仕事をしている。
(だからあんな立派な筋肉がついてるのかも…)
「んー、また街ブラしてるよ。夕方には帰るから。行ってきまーす!」

「あいよ。気を付けてな。国境付近じゃあ人攫いもあるみたいだからな。ま、この街は警備兵がいるし大丈夫だろ…………ってもう行っちまったか。…………さて、今日は何を植えますかねー」



街を歩く。
もう大体の店の配置は覚えた。庭のようだ。

「このお花ください。」

小さい女の子が花を一本買っている。綺麗な薔薇だ。

「はい。どうぞ。誰かへのプレゼントかな?」
店員の女子がラッピングした薔薇を女の子にわたす。

「うん。今日はお母さんの誕生日なの!」
嬉しそうに薔薇を見る。手を振って店員と別れた。
(花か…………薔薇だよなこれ?こっちの世界にも同じ様な花があるんだな。)
美しい薔薇を見る

「いらっしゃいませ~。プレゼントですか?」
「あ、ごめんなさい。見てただけです…」
俺は居たたまれず花屋を離れる


 
この道の奥は舗装されていない田舎道しかない

「いや!離して!!」
「静かにしろ!!」
「そっち押さえてろ!!」
道の奥から子供の声と男の声がする
(さっきの女の子だ!)
男2人に抱えられ荷馬車に載せられそうな女の子が見えた
「おい!お前ら何してる!!」
「!!?!しまった、警備兵!?じゃねぇや、お前!ぶっ叩け!!!!!!」

ガッ!!!!!!
頭に衝撃が走る

ドザァッ!!
地面に叩きつけられる俺

走り去る小さな靴が見えた
「あっ!逃げたぞっ?!」
「いい!追うな!さっさと引き上げるぞ!」
「…………コイツ、どうする?」
「ちっ、仕方ねぇ。取り敢えず連れてく。金になるかもしれねぇからな。」
「どの道手ぶらじゃ帰れねぇ…あの貴族に顔見せして気に入らなければ他に流す。」
「そうだな。それがいい。」
「兄貴の依頼は子供限定だからな、少し育ち過ぎか…」
「じゃあ弟の方はどうだ?老いてなければイケるんじゃなかったか?」
「ああ、確かに。稚児趣味も加虐趣味も大概だな。兄弟揃って気持ち悪い没落貴族様だぜ。」
「早く積み込め!行くぞ!」
「はいよ!っと」
グッと身体が持ち上げられる。

俺の視線の先には
土の上に落ち
女の子が母親へ渡すはずだった
美しく咲いた薔薇が1つ残されていた。






ガタガタ
台車が揺れる。

俺は手と足を縛られ、口に布を噛まされ頭まで布をかけられている。

そして、
「いや~助かりましたわ♡」
そんな状態とは知らない女性が俺の頭を撫でながら話す。
「バーチュタまでとは。歩くにしても少し遠すぎやしませんかね?」
俺を攫った男Aが話す

「何処かで足を捕まえる予定でしたの♡でも、全然人通りがなくて…」
「ソコに俺達がやってきた!と」
俺を攫った男Bが話す

「ええ♡なので皆様には感謝していますわ♡」
「へへっソッチ狭くないか?コッチに来ればいい」
俺を攫った男Cが話す

「いえ大丈夫です♡ほら弟クンも具合が悪そうですし。ワタシ弟クンについていますので♡」
女性は俺を撫でながら話す

そう、俺は奴等の弟。男性Dとして女性に紹介されていた。


「具合悪い?大丈夫?もうすぐサヨナラだけど…………大丈夫きっとまた会えるから…それまでの我慢よ。我慢出来る?」
女性は小声で話す
コクンっ
「良い子ね♡」
女性が頭を撫でる。


そして途中の橋で彼女は降りた。
「本当にあんな場所で降ろして大丈夫なんすか?」
人攫いBが言う。
「仕方ねぇだろ。本人がココでいいって言うんだから」
人攫いAは言う。
「寂しい」
人攫いCが言う。
「ほら!そろそろアノ気色わりい貴族様の屋敷に着くぞ!シャキッとしろ!」
「「はーい」」
人攫いBCの声が揃う

人攫いAが馬にムチを入れ加速した。





「私は頼んでいないが?」
「いえ!その…結構イイ感じのヤツでして、顔だけでも見ていかれませんか?」
人攫いAが両手をする
「…………朝、兄がお前達に何か話してるのは見てたが…貴様達、兄への品を確保できず代案で替えの商品を私に持ってきたのではないか?」
「ばれてら」
人攫いBが口を滑らす
「はぁ…」
 

「わかった。見るだけだ。不要な場合は他の物好きに回せ」
「は、はい!勿論!」
「よっと」
人攫いCに布を取られる

(眩しっ!)

俺の前に男性が1人。その後ろに男2人。馬車の横には布をもった男が1人。

ぐっ…!
男性に顎を掴まれる少し上に向かされる。
「ふん。黒か…………たまには良いかもな。」
そのまま右、左へと軽く傾けられる。
「良いだろう。幾らだ。」

手が離され、人攫い達へ男性が歩き出す。

「へい。毎度あり。」

人攫いAは自分の両手を揉んでいる

俺はこの男性に買われたらしい。

(あれーヤバくねー?ってかここ何処ー?!)

























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