ソシャゲやりすぎて頭イカレたん?

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逆バニーと話してる時もTだったんよ。

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飛び立った鳩たちは、左へ旋回し
もう空のどこにも見当たらなくなってしまった。



「遅かったですね。ちゃんとポイして来ましたか?手洗いましたか?」


ファズは宿屋の入口で俺を待っていた。

まだ、彼との見えない心の距離を感じる。

廃材の長さ分の距離を。















鳩たちをクソデカボイスで
ビビり散らかした俺。
 

そして



俺を見る目が四つ

全てが丸いガラス玉のようだ。


なんて、格好良く行っただけ

本当は

呆れられているのだ。

大丈夫伝わってる。



「おい。ソイツ頭大丈夫か?」

追い打ちをかけるように
逆バニーがファズに問いかける

逆バニーの眉が片方上がって、右手の人差し指で、こめかみをツンツン指している。


(おう!メッチャ、ナメられとるやんけ!)


コッテコテにナメられてる。


ファズは逆バニーを睨んだまま
返事はしない。


(無視するって事だろうけど…無言は肯定とも捉えられるぞ!ファズ!何か言ったれ!!)


ファズは沈黙を続ける

そして逆バニーも黙る


黙る

誰も喋らん

えっ!ホントに?

本気でだんまり続けるん?


喧嘩で拗れるやつやん!

意外と話し始めたら何とかなるから
喋りぃな!

ほらっ!

お母さんそっぽ向いててあげるから!!

拗らせすぎて、脳内に謎のお節介母ちゃんキャラ出てきた!

因みに俺の母ちゃんでは無い。

ホンマに誰ぇ?!

お茶漬け出しといてー!!




俺は視線を
ファズと逆バニーへ行ったり来たり

まだ!まだ続けるん?!

この意地っ張りさん達!!



もう駄目…






「……………………………………っもう無理ぃ!!」


耐えられなかったのは俺でした。

そして選ばれたのは綾○でした。

ここに来てから緑茶飲んでないなぁ。
飲みたいな○鷹。





そこそこのデカボイスに


遠くの方で

『コッケコッッッ』

尻切れのニワトリの声がした


ちょいちょい声のボリュームおかしいんよ。
どうしたん俺の身体。


ファズも逆バニーも俺を見る。

ファズは困惑してるし。

逆バニーは腕組んでるし
足も逆側へと重心を変えた。


断言しよう。
逆バニーは飽きている!

間違いない!!


「ファズ!」

ファズの服を引っ張る

「はいっ?」

「この逆バニーどちら様?お友達?紹介よろ!!」

ふんふん!!

こういう時は勢いが大事、畳み掛ける。



「いや、友達では…」

歯切れの悪いファズ。


ならば
聞く人を変えよう


「オッス!オラ、エデ。ヨロシクな!逆バニーの兄ちゃん!!」


オラわくわくすっぞ!!

挨拶は元気が1番!

さぁ、アナタの番です。

ヘイ!カモン!!



「……………………」

逆バニーはなんとも言えない顔をしている。


一度、足元近くの廃材に目を移し、
 
ファズを見る

そして俺を見て、

また足元の廃材を見る


「おい。何で廃材を見るんだよ!武器を取る気か逆バニー!こちとら素手ゴロなんじゃい!」


よく見なくても分かるだろ!

ゴリマッチョとはいかないまでも
筋肉有りありの褐色逆バニーと

色素薄い型、角材で一撃食らったら折れそうなファズと

数発は耐えられる気がする男子高校生だぞ!
 
気を使え!!


筋肉に誇りを持て!武器を持つな!!

そのままの君が1番美しいんだ!!
何故分からない!


逆バニーもファズも困惑した顔をしてるが
知ったこっちゃない


1番わけ分からなくなってるのは俺だから!!

絶対この3人の中で1番最初に死ぬの俺だから!!



俺ファズが杖ぶん回して殴ったの見たし

数発は耐えられるって言ったけど

虚勢だから!
多分一撃で沈むから!

一般通行男子高校生なめんな!
ほぼ初期ステージの村人やぞ!!


パラメーターバグった宿屋の女性とかおるけど!
 

ああ!こんなことなら宿から出なければよかった。

助けて!宿屋の娘さーん!
金棒担いで走って来てー!!!!

客人がピンチですよー!!!!




俺が目ン玉ギュルギュル
顔真っ赤で、もうどこまで口走ったか分からない。
脳内だけだった気もするし、口に出してたかもしれない!




「………………………頭痛くなってきた。付き合ってられるか。」


逆バニーは左手で顔の上部を抑え天を仰ぐ。

そして、体を横に屈め、



「ほらよっ!欲しけりゃやる!受け取れ、わんころ!」


ブンッ


逆バニーは廃材を一掴みして俺に投げてきた。

え!?

…わんころ?

ワンコロ…

ワン、

犬?

犬っころ!!?!



はい?!


「犬じゃねーし、どちらかと言えば猫派だし、更に言えば猫より鳥派だし!!」


飛んできた廃材をキャッチする


(危ねぇーな!)


「ってか何だよこれ!」


廃材には小石でも付いてるのかボコボコしてる。


逆バニーは両手を肩幅に広げ
俺達側へクルッと回転してみせた。


?麻雀牌? 


俺は同じように廃材を手前に回転させた。










「「ぎぃやややややゃゃあァア!!!!!!!!!!!!!!」」




楳図○ずおが描く漫画の様な
俺とファズの悲鳴が空へ響く







あの逆バニー野郎









裏一面に

びっちりくっついた

ダンゴムシのおまけ付き廃材を

投げてよこしやがったのである。



てめぇ!!!?覚えてやがれ!


キサマの!

その、逆バニー服に!

スタッズみたいにフジツボ付けてやるからな!!

覚悟しろ!!!!



テメェは俺を怒らせた!!!!



「とりあえず、それポイして。宿の風呂場へ行きましょう。」


ファズは、いつの間にか俺と距離をとっている。

「そうね。」

俺の手には廃材がにぎられたままだ。


いつの間にか逆バニーも消えてた。


行き場のない怒りをぶつける為

俺は
廃材を握ったまま
ファズを追い掛け回した。


アイツ、マジで足速い。



そして宿屋の入口でファズと再会し、
冒頭の挨拶となるワケさ。


ファズ
お前、普通に俺を置いてったな。

3日位、ネチネチ言い続けてやるからな。
覚悟しとけ。






青暖簾の男湯にて、


「そんな気にしなくても、ちゃんと付いてるでしょ!」

ファズが苦笑する


だって!つい!

って違う、そっちじゃ無いのよ

こっちは言いたいことが2つあるんよ


風呂上がりの脱衣所。
隣に並ぶ俺とファズ。


まず1つ目

「ファズ下着は?パンツ…無い…の」

ファズ、ノーパン説

「ええ、そうなんです。履かないんです。僕」


「あ、そうなんだ。」

断言されたら頷くしかない。

ファズはノーパン族だった。
別に知りたくもなかった。


2つ目は
俺のパンツ問題だ。


「ねぇ。昨日ファズに預けた俺のパンツ、帰ってきた?」


そう、俺は昨日のツルツル騒ぎの前に


ファズが


『洗濯物は僕が回収して洗ったやつを次回までに用意しますので…』

『今日の、着替えのパンツはコチラを履いてくださいな。』

とファズから渡された下着を履いて
今日1日過ごしてたんだが、

俺の履いてるパンツ


ティーバックなんよ。

真っ赤なT字なんよ。


しかも、俺、風呂場でのぼせてて

朝起きたら、既に装着してたんよ。

ファズさん?どゆことー?


速く俺のボクサー返して。


収まりが…キニナル…


因みに初日から着てる学生服やカッターシャツはちゃんと乾いている。

何で?何でパンツ帰ってこない?

しかも、
カッターシャツに関しては
多分新品だ。

糊が効いてて首や顎周りが痛い。

だからパンツ…

「ああ、実は残念なお知らせと良いお知らせが有りまして…」


おい待て

残念なお知らせって

きっと、俺のパンツ帰ってこない的なヤツじゃん!!

いや、待て。
良いお知らせが
新しいボクサーパンツ用意出来ました!
とかじゃね?

だってカッターシャツ新品だったし!

きっとそう!そうに違いない!



ファズが口を開く

「残念なお知らせですが、パンツは…行方不明になりました。申し訳ございません。」


デスよねー!そんな気しましたもん!


「無いものはしゃーない、次!」

人生諦めも肝心よ。
新しい出会いに期待しましょう。


「はい続けます、良い知らせ…と言ってはなんですが、流石にエデをノーパンにさせるのは気が引けましたので、私が似合いそうなのを選びました。」


さあ、いでよ。新たなるボクサーよ!!

出来ればカッコイイ柄がほしいです。俺。


「今日は、コチラです。」


…………………



「いや!白のTバックやないかーい!!!」

しかもレースやないかーい!!

全然良くなーい!良いところ1つもなーい!


何事かと
脱衣所に居たオッサン達の視線が集まる。

ごめんなさい。
また声のボリューム馬鹿になってて!

オッサンに謝る俺。

散るオッサン達。


えっ?何。
俺このままTバックで過ごすの。

ノーパンかTバックの二択なの?


「申し訳ございません。なるべく可愛らしいデザインを選びますので…」


ファズは俺に
今日履く
白いレースのTバックを、そっと握らせる。


違う、違うよ。頑張る所間違ってるヨ。


ぐっ!

ファズは両手をグッと握り前に出す。



僕!頑張ります!!じゃないんよ!!


あと、君の場合、ソレ
ファイティングポーズだから!

心配してるふりして、喧嘩売ってんのか!?


ポカポカ!

俺は白レースTバックを握りしめながら
ファズをポカポカと殴った。


ファズはキャッキャしてた。

こちとら笑い事じゃねーわ!!!!

湯冷めするわ!!



ま、結局、履きますけど。

泣く泣く履いてますけど。

消去法だから!妥協案だから!

ひたすらに自分に言い聞かせる。

でも、腹は立つので

俺は浴衣に着替えた湯上がりファズに、またポカポカ殴りかかった。


くそぅ!
いつか店でパンツ見つかったら
履いてるやつ捨ててやるんだから!

ポカポカ

「あ~、もうちょっと右でお願いします。あ、ソコ!ソコです!」


肩叩きじゃ無いねん!!!!!!!!

凝ってますね!お兄さん!!!!!!


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