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序章
ショタ、それは至高の存在うんぬんかんぬん
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ショタ、それは至高の存在である。
私の言いたい事はこの一文に集約されていて、それ以上に語る事はない。
けれど敢えて説明しろと言われたならば私は以後一万文字超に渡り説明する事が出来る自信がある。
そんな私の中の衝動に対してそんなに甘くないのが現実というものだ。
最近はその風潮が薄れてきたとはいえ男同士が恋愛的な意味でお近づきになれる確率はそうそう高くない。
子供の頃なら良いだろう、合法的にお友達になれるし一緒の空間で親睦を深めることも出来る。
けど大人になった今はどうだ、自らの子供かもしくは教職員系の仕事につかなければそうそう触れ合う機会はないのだ。
幼い男児にしか情欲を示せない私のような存在に女性と家庭を築くという事は双方にとって幸せになり難い事だろう。
教職員になるとういう手段にしたって、いつ私が暴走して全国ニュースに流れる事になるか分かったもんじゃ無かった。
当初は絶望したものだ、そして何となく周囲に合わせて女子と絡み、肉体関係だって少ないながらも経験する事になる。まあ、中々下に熱を集められなかった私は相手に呆れられたが。
そんな何となくを積み重ね、凡庸な生活を送っていたけれど、ついにある時私の情熱は爆発する。何としてでも少年とお近づきになろうとしたのだ。
ああ、安心してほしい、何も犯罪に手を染めようという訳ではない。あくまで健全な方法でだ。
「……これは、健全か?」
……いや、今思うと健全とは言い難いかもしれない、我ながらトチ狂った事をしたなという自覚もある。
まず前提条件として、私の皆目はどちらかといえば麗しい部類に入っていたと自負している、そして童顔でもあった。
産まれて初めて化粧道具の専門店に行き、更にはエステサロンというものにも通う。
私は、女装をしたのだ。とはいえ見苦しいものではないはず、男の娘と形容出来るだけのクオリティではある……よな?
いや、あるはずだ。私は目の前の鏡に映った自分を見てそう意気込む。
「よしっ」
何だかんだこうして女装をして外に出るのはこれが初めて。緊張する。
けど女声の練習もしたし、今の私は女性にしか見えないだろう。万が一知り合いに見られようものなら末代までの恥だけれどそんな事気にしてたら何も成せない。
男性よりも女性のほうが敷居が低いのは現代社会の理だ。何の敷居かだって? 少年とお近づきになれる敷居だよ。
男で男の子に話しかけると職質される可能性があるから恐ろしい。職質どころか公園に立ち寄ってベンチに座るだけで不審者情報として地域の小中学校に出回る時代、男性にはあまりにも不利である。
少しで良いんだ、少年と一緒の空間にいたい。それにもしかしたら向こうから話しかけてくれるかもしれない。
狙い目は近所の公園だ、ここら辺は住宅街で子供も比較的多い地区。小学校だって近くにあるし、少し進めば中学校もある。
必然的に公園には子供が多い。元気な姿を遠目からチラ見するのが精いっぱいだったけど、今日ついに私は新たな一歩を踏み出す。
特に特徴が感じられない黒い鞄の中には最近流行りのゲーム機と携帯電話、ノートパソコンを忍ばせ、わざわざ今日は有休まで取ったのにお弁当も作った。
時間はちょうどお昼時、多くの社ビルや飲食店が立ち並んでいる西側から公園に入れば、きっとお昼休憩に昼食を取りに来た一般女性社会人に見てくれるはずだ。
暴走してこちらから声をかけない限りは問題ない。
私は決意を胸に、高揚した心を言葉にしながらドアノブに手をかける。
「いざゆかん! 新天地へ!」
『そうだねー、おいでよ新天地へー』
「は?」
扉の向こうは虚空だった、何を言っているのかわからないと思うが私だってわからない。
中性的な声が聞こえたと思ったと同時に身体全体を気持ちの悪い浮遊感に襲われて、勢いよくドアから飛び出した私はそのまま勢いよく虚空へと身を投げ出す。
意識はそのまま真っ黒に塗りつぶされた。
──
私がショタコンであるという事を自覚したの小学校六年生の時だった。
最初から兆候はあったんだ。昔から女の子を見ても何とも思わなくて、逆に男の子の事ばっかり気になったのだ。
「あの子可愛いな」の対象が、そもそも女性へではなく男性へだった私は、そもそも浮いていたのだと思う。
小学校六年生の時の行事で、みんなで学校に泊まるというイベントがあった。いわゆるお泊り会というそのイベント。
まだ明確に自分がゲイのショタコンであるという自覚がなかったあの頃、夜の時間になり、私は特に仲が良かった友達の一人と一緒の布団で寝ることになった。
今思い出してもあの子はとっても可愛らしい容姿をしていたと思う。クリクリの瞳、柔らかそうなほっぺ、そして活発そうな日焼け後と八重歯。
お互いにくっつきあって話して、やがて話すことも無くなってお互いに黙りこくって寝ようと努力する。
でも私は妙にドキドキして眠れなかった。そんな時、隣から声が聞こえたんだ。
「……ねえ、寝ちゃった?」
「……」
私は返事をしなかった。早く寝たかったし、自分でもよくわからないドキドキのせいで一回でも返事をしてしまうとどう足掻いても眠れなくなってしまいそうだったから。
けどそんな私に友達は何度も話しかけてくる。そうして無視をし続ける私に本当に寝たと判断したのか彼はいつしか話しかけてくるのをやめた。
代わりに不思議な音と、空気を多く含んだ声が聞こえ始める。
それはとても小さな、一緒の布団で寝ていないと気が付かないほどの音量で、私の耳を侵食し始めた。
「……ん、んふっ、くふっ……!」
小さな小さな呻き声は徐々に小さな小さな喘ぎ声に代わっていって。空気が漏れる甲高い声は普段の彼とは似ても似つかぬ淫靡な響きを伴っていた。
何をしているのか、幼いながらも年ごろであり、精通も済ませていた私は驚くほど素早く事態を把握、同時におかしな緊張感に包まれる。
途中から聞こえ始めた水音と、より荒くなった息遣い。背を向けて寝ていた私は状況を見ることは叶わないが、むしろそれが私の妄想を加速させ更なる興奮をもたらしていた。
「ん、んぃ……ダイちゃん……っ」
「……っ!?」
私をそのあだ名で呼ぶのは彼だけで、そんな行為の中私の名前を呼ぶとはどういう事か。混乱の極みに達していた私にはまったくの理解不能だったけれど、それは良いことだったのか勿体ないことだったのか。
正しく理解していたら、勇気を振り絞りきっと寝たふりをやめていた。向けた背中の裾から差し込まれた汗ばんだ手の意味に、私に直に触れていた彼の行動に答えていたかもしれない。
「んくぅ……!」
切なそうな声と、手から伝わった強張りに達したことを私は察した。そして同時に感じるのは、きっと彼も同じく感じていたであろう虚しさ。
完全に頭がショートしてしまっていた私にも余裕が戻ってきて、私は少しだけ好奇心といたずらの混じった思考に変わる。
「ん、んん……」
「!?」
あからさまな私は寝ていますよアピール、寝言を装った声をあげながら私は寝返りを打った。
まだ背中に突っ込まれたままだった彼の手を巻き込んで、そうして寝返ると必然的に彼の腕に包まれるような恰好に変わる。
「っぁ、だ、ダイちゃん……起きてる……?」
「……すぅ……」
「よかったぁ……」
起きてるよ。そう言ったらどうなってたんだろう。今でも後悔が襲い来る私のヘタレ具合。
すぐ近くに感じる彼の上がった鼻息と、一緒に遊んでいてもあまり意識したことがなかった薄い体臭、おしっこに似て非なる雄の匂い。
私のものも反応し、小さいながらもギンギンになっていたけどきっと彼は気が付かなかったのか。私はもしかすると気が付いてほしかったのかもしれない。
そうして何も手を出されないまま、汚れた手と滑る陰部を洗う事も許さぬまま彼に身体を預け続けた。
どんなに興奮していても、子供の身体は限界がある。眠気に負けてようやく意識を落としたのは夜がさらに回ってから。
寝起きですぐにトイレに行った彼の姿は、恥ずかしそうな表情は。今でも目に焼き付いている。
『君は、その時の事を後悔しているかい?』
「ああ、私は……」
悔やんでも悔やみきれない。あの事件から私の中のショタコンは完全に目を覚ましたんだ。
私の歪んだ性癖のルーツ。もう一度チャンスがあったのならば……そう何度妄想し、自家発電に費やしたことか。
『やり直したいと思うかい?』
思うに決まっている。思わないはずがない。
『あははっ、そっかそっかー、そうだよねー』
そもそもこの声の主は誰なんだ。暗闇に揺蕩う私に沸いたそんな疑問は、暗闇の中に溶けて結びつくことがなかった。
ただ声の主に、この中性的な美声の誘うがままに。それしか考えられない。
『我はねー、探してたんだー? ぴったりな人材をさー』
人材……何にピッタリだろう。私は言葉を発することもなく、気持ちのいい無気力のまま言葉を待った。
『我の世界にピッタリなー、我に辿り着くようなそんな人。
君の趣味趣向は我の望むものそのまんま、渇望も情愛も、その際限の無さや情熱まで全て期待できるねー』
私の、趣味趣向……。
『ショタコンって言うんだっけ? 君の性癖。
それは良いんだけど、でも過去の君のヘタレさだけは良くないなぁ。だからテスト』
「て……す……?」
『そうさー?』
とても楽しそうに、弾んだ声で彼、もしくは彼女が言う。
『さあ、我が再現してあげよう。見事その後悔を晴らして、ヘタレじゃないとこ見せておくれー?』
揺蕩う意識が急激に何かに流される。濁流のような激しい本流に意識は飲み込まれて私は再び意識が塗りつぶされた。
塗りつぶされる最中に聞こえた楽しそうな笑い声。
それは、紛れもなく少年の笑い声だった。
私の言いたい事はこの一文に集約されていて、それ以上に語る事はない。
けれど敢えて説明しろと言われたならば私は以後一万文字超に渡り説明する事が出来る自信がある。
そんな私の中の衝動に対してそんなに甘くないのが現実というものだ。
最近はその風潮が薄れてきたとはいえ男同士が恋愛的な意味でお近づきになれる確率はそうそう高くない。
子供の頃なら良いだろう、合法的にお友達になれるし一緒の空間で親睦を深めることも出来る。
けど大人になった今はどうだ、自らの子供かもしくは教職員系の仕事につかなければそうそう触れ合う機会はないのだ。
幼い男児にしか情欲を示せない私のような存在に女性と家庭を築くという事は双方にとって幸せになり難い事だろう。
教職員になるとういう手段にしたって、いつ私が暴走して全国ニュースに流れる事になるか分かったもんじゃ無かった。
当初は絶望したものだ、そして何となく周囲に合わせて女子と絡み、肉体関係だって少ないながらも経験する事になる。まあ、中々下に熱を集められなかった私は相手に呆れられたが。
そんな何となくを積み重ね、凡庸な生活を送っていたけれど、ついにある時私の情熱は爆発する。何としてでも少年とお近づきになろうとしたのだ。
ああ、安心してほしい、何も犯罪に手を染めようという訳ではない。あくまで健全な方法でだ。
「……これは、健全か?」
……いや、今思うと健全とは言い難いかもしれない、我ながらトチ狂った事をしたなという自覚もある。
まず前提条件として、私の皆目はどちらかといえば麗しい部類に入っていたと自負している、そして童顔でもあった。
産まれて初めて化粧道具の専門店に行き、更にはエステサロンというものにも通う。
私は、女装をしたのだ。とはいえ見苦しいものではないはず、男の娘と形容出来るだけのクオリティではある……よな?
いや、あるはずだ。私は目の前の鏡に映った自分を見てそう意気込む。
「よしっ」
何だかんだこうして女装をして外に出るのはこれが初めて。緊張する。
けど女声の練習もしたし、今の私は女性にしか見えないだろう。万が一知り合いに見られようものなら末代までの恥だけれどそんな事気にしてたら何も成せない。
男性よりも女性のほうが敷居が低いのは現代社会の理だ。何の敷居かだって? 少年とお近づきになれる敷居だよ。
男で男の子に話しかけると職質される可能性があるから恐ろしい。職質どころか公園に立ち寄ってベンチに座るだけで不審者情報として地域の小中学校に出回る時代、男性にはあまりにも不利である。
少しで良いんだ、少年と一緒の空間にいたい。それにもしかしたら向こうから話しかけてくれるかもしれない。
狙い目は近所の公園だ、ここら辺は住宅街で子供も比較的多い地区。小学校だって近くにあるし、少し進めば中学校もある。
必然的に公園には子供が多い。元気な姿を遠目からチラ見するのが精いっぱいだったけど、今日ついに私は新たな一歩を踏み出す。
特に特徴が感じられない黒い鞄の中には最近流行りのゲーム機と携帯電話、ノートパソコンを忍ばせ、わざわざ今日は有休まで取ったのにお弁当も作った。
時間はちょうどお昼時、多くの社ビルや飲食店が立ち並んでいる西側から公園に入れば、きっとお昼休憩に昼食を取りに来た一般女性社会人に見てくれるはずだ。
暴走してこちらから声をかけない限りは問題ない。
私は決意を胸に、高揚した心を言葉にしながらドアノブに手をかける。
「いざゆかん! 新天地へ!」
『そうだねー、おいでよ新天地へー』
「は?」
扉の向こうは虚空だった、何を言っているのかわからないと思うが私だってわからない。
中性的な声が聞こえたと思ったと同時に身体全体を気持ちの悪い浮遊感に襲われて、勢いよくドアから飛び出した私はそのまま勢いよく虚空へと身を投げ出す。
意識はそのまま真っ黒に塗りつぶされた。
──
私がショタコンであるという事を自覚したの小学校六年生の時だった。
最初から兆候はあったんだ。昔から女の子を見ても何とも思わなくて、逆に男の子の事ばっかり気になったのだ。
「あの子可愛いな」の対象が、そもそも女性へではなく男性へだった私は、そもそも浮いていたのだと思う。
小学校六年生の時の行事で、みんなで学校に泊まるというイベントがあった。いわゆるお泊り会というそのイベント。
まだ明確に自分がゲイのショタコンであるという自覚がなかったあの頃、夜の時間になり、私は特に仲が良かった友達の一人と一緒の布団で寝ることになった。
今思い出してもあの子はとっても可愛らしい容姿をしていたと思う。クリクリの瞳、柔らかそうなほっぺ、そして活発そうな日焼け後と八重歯。
お互いにくっつきあって話して、やがて話すことも無くなってお互いに黙りこくって寝ようと努力する。
でも私は妙にドキドキして眠れなかった。そんな時、隣から声が聞こえたんだ。
「……ねえ、寝ちゃった?」
「……」
私は返事をしなかった。早く寝たかったし、自分でもよくわからないドキドキのせいで一回でも返事をしてしまうとどう足掻いても眠れなくなってしまいそうだったから。
けどそんな私に友達は何度も話しかけてくる。そうして無視をし続ける私に本当に寝たと判断したのか彼はいつしか話しかけてくるのをやめた。
代わりに不思議な音と、空気を多く含んだ声が聞こえ始める。
それはとても小さな、一緒の布団で寝ていないと気が付かないほどの音量で、私の耳を侵食し始めた。
「……ん、んふっ、くふっ……!」
小さな小さな呻き声は徐々に小さな小さな喘ぎ声に代わっていって。空気が漏れる甲高い声は普段の彼とは似ても似つかぬ淫靡な響きを伴っていた。
何をしているのか、幼いながらも年ごろであり、精通も済ませていた私は驚くほど素早く事態を把握、同時におかしな緊張感に包まれる。
途中から聞こえ始めた水音と、より荒くなった息遣い。背を向けて寝ていた私は状況を見ることは叶わないが、むしろそれが私の妄想を加速させ更なる興奮をもたらしていた。
「ん、んぃ……ダイちゃん……っ」
「……っ!?」
私をそのあだ名で呼ぶのは彼だけで、そんな行為の中私の名前を呼ぶとはどういう事か。混乱の極みに達していた私にはまったくの理解不能だったけれど、それは良いことだったのか勿体ないことだったのか。
正しく理解していたら、勇気を振り絞りきっと寝たふりをやめていた。向けた背中の裾から差し込まれた汗ばんだ手の意味に、私に直に触れていた彼の行動に答えていたかもしれない。
「んくぅ……!」
切なそうな声と、手から伝わった強張りに達したことを私は察した。そして同時に感じるのは、きっと彼も同じく感じていたであろう虚しさ。
完全に頭がショートしてしまっていた私にも余裕が戻ってきて、私は少しだけ好奇心といたずらの混じった思考に変わる。
「ん、んん……」
「!?」
あからさまな私は寝ていますよアピール、寝言を装った声をあげながら私は寝返りを打った。
まだ背中に突っ込まれたままだった彼の手を巻き込んで、そうして寝返ると必然的に彼の腕に包まれるような恰好に変わる。
「っぁ、だ、ダイちゃん……起きてる……?」
「……すぅ……」
「よかったぁ……」
起きてるよ。そう言ったらどうなってたんだろう。今でも後悔が襲い来る私のヘタレ具合。
すぐ近くに感じる彼の上がった鼻息と、一緒に遊んでいてもあまり意識したことがなかった薄い体臭、おしっこに似て非なる雄の匂い。
私のものも反応し、小さいながらもギンギンになっていたけどきっと彼は気が付かなかったのか。私はもしかすると気が付いてほしかったのかもしれない。
そうして何も手を出されないまま、汚れた手と滑る陰部を洗う事も許さぬまま彼に身体を預け続けた。
どんなに興奮していても、子供の身体は限界がある。眠気に負けてようやく意識を落としたのは夜がさらに回ってから。
寝起きですぐにトイレに行った彼の姿は、恥ずかしそうな表情は。今でも目に焼き付いている。
『君は、その時の事を後悔しているかい?』
「ああ、私は……」
悔やんでも悔やみきれない。あの事件から私の中のショタコンは完全に目を覚ましたんだ。
私の歪んだ性癖のルーツ。もう一度チャンスがあったのならば……そう何度妄想し、自家発電に費やしたことか。
『やり直したいと思うかい?』
思うに決まっている。思わないはずがない。
『あははっ、そっかそっかー、そうだよねー』
そもそもこの声の主は誰なんだ。暗闇に揺蕩う私に沸いたそんな疑問は、暗闇の中に溶けて結びつくことがなかった。
ただ声の主に、この中性的な美声の誘うがままに。それしか考えられない。
『我はねー、探してたんだー? ぴったりな人材をさー』
人材……何にピッタリだろう。私は言葉を発することもなく、気持ちのいい無気力のまま言葉を待った。
『我の世界にピッタリなー、我に辿り着くようなそんな人。
君の趣味趣向は我の望むものそのまんま、渇望も情愛も、その際限の無さや情熱まで全て期待できるねー』
私の、趣味趣向……。
『ショタコンって言うんだっけ? 君の性癖。
それは良いんだけど、でも過去の君のヘタレさだけは良くないなぁ。だからテスト』
「て……す……?」
『そうさー?』
とても楽しそうに、弾んだ声で彼、もしくは彼女が言う。
『さあ、我が再現してあげよう。見事その後悔を晴らして、ヘタレじゃないとこ見せておくれー?』
揺蕩う意識が急激に何かに流される。濁流のような激しい本流に意識は飲み込まれて私は再び意識が塗りつぶされた。
塗りつぶされる最中に聞こえた楽しそうな笑い声。
それは、紛れもなく少年の笑い声だった。
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