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第二章
エルフとダークエルフ③
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市場は人でごった返していた。
変だな?
市場が活気づくのはだいたいは朝なんだけど、昼でもこんなに人がいるのは珍しい。
なにかあったのかな?
「リョウちゃん、なんか大物が獲れたらしいよ!」
「周りの人の話だと、シーサペントだって。よく獲れたね」
シーサペント?
海に棲んでるでっかい海蛇ってイメージしかないんだけど、それが獲れたからって嬉しいのか?
俺は海蛇を食べたいと思った事はないし、当然食べた事もない。
美味いのか?
「それって、美味しいの?」
「いや、食べないよ! シーサーペントは漁場を荒らすから討伐対象の魔物だよ!」
「でも、素材は使い道がたくさんあるんだよ。鋭い牙は武器に硬い鱗は防具に、内腑は薬の材料になるんだ。僕も肝はちょっと欲しいね」
食べれないのか。
なら、興味はないな。
俺は腹が減ってるんだし、食えない物に構っている暇はない。
幸い、みんながシーサーペントに夢中で店は空いてるから、今のうちに買い物を済ませてしまおう。
「俺は買い出しに行くけど、二人は見たいんだったら行ってきていいよ?」
「ううん。死んだ獲物には興味ないから。仕事じゃないしね」
「僕も。解体はまだみたいだし、肝も競売にかけられるだろうから、僕じゃ手に入れられないよ」
それならって事で、俺達は市場の店を見て回った。
しかし、本当にシーサーペントって珍しいんだろうな。
店主のいない店がいくつかあるぞ。
不用心だなぁ。
おやっ? あそこでボケっとしてる店主の店に並んでるのはアレか?
「ちょっと見させてもらうぞ」
「あぁ、好きにしな。だが、今日は魚は無いぞ。シーサーペントの運搬せいで魚が船に入らなかったからな。他の店も似たようなもんだぜ」
それは残念だけど、代わりに良いものがあるじゃ無いか。
うおっ! まだ生きてる!
活きがいいのは鮮度がいい証拠!
こいつに決めた!
「ほんじゃ、こいつを……うん、あるだけくれ」
「なに? 本当にこんな小っさいのを買ってくれるのか?」
「別に小さくないだろ?」
「何言ってんだ? 普段ならもっとデカいのを置いてるぜ。こいつは元々餌用に獲ってたやつだからな」
デカいの? ああ、アレか。
デカいと調理が面倒だからこれくらいのサイズでちょうどいいんだよ。
「気にしないでいいよ。全部くれ」
「おう! だったら大サービスだ! 全部で小銀貨5枚と言いたいが、3枚でいいぜ!」
おっと! こいつは豪気だな!
天然物が30匹で3000円はお得だろ!
俺は店主に金を払って、商品を受け取った。
箱の中でゴソゴソと動いているのがわかる。
これは絶対美味いだろ!
「二人とも、良いのが手に入った。早く帰って……」
「おっと、待ちな。兄ちゃん。こいつもオマケにやるよ」
そう言って店主が出してきたのは、箱の中をうねうねと蠢く細長い生き物だった。
こ、こいつは……ま、まさかっ!?
「うわっ! 何これっ!? シーサーペントの子ども? 気色悪いな」
「美味しくなさそう……もしかして、処分しようとしてない?」
「な、生臭さはあるけどよ。それなり味はいいんだぜ? べ、別に押しつけようってわけじゃ……」
「……こせ」
「あん? なんだって、兄ちゃん?」
「全部寄越せぇえええええ!!」
俺は半ば奪い取るかのように箱を店主から受け取った。
こいつは間違いない!
アレだ! 俺の好物のアレだ!
まさか、この世界にもあったなんて!
「リョ、リョウちゃん? 本当にコレも食べるの? ちょっと私は苦手かも……」
「う、うーん、私も。毒ありそうだし」
毒はある。
それでも食う!
ちゃんと料理すれば問題などない!
当初の予定とは少し変わって、メニューも統一性が無くなったけど構うもんか!
俺はどうしても食べたいんだ!
「今日の飯は創作中華と伝統和食のコラボにする! そうと決まれば早く帰るぞ!」
「えっ? ちょ、ちょっと待って! リョウちゃん!」
「は、速いっ!?」
俺は【跳躍】したい気持ちを必死に抑えて、脱兎の勢いで市場を後にして家へと向かった。
なんせ下拵えに時間がかかる食材だからな。
でも、味は最高だ!
今から涎が溢れてきちまう!
変だな?
市場が活気づくのはだいたいは朝なんだけど、昼でもこんなに人がいるのは珍しい。
なにかあったのかな?
「リョウちゃん、なんか大物が獲れたらしいよ!」
「周りの人の話だと、シーサペントだって。よく獲れたね」
シーサペント?
海に棲んでるでっかい海蛇ってイメージしかないんだけど、それが獲れたからって嬉しいのか?
俺は海蛇を食べたいと思った事はないし、当然食べた事もない。
美味いのか?
「それって、美味しいの?」
「いや、食べないよ! シーサーペントは漁場を荒らすから討伐対象の魔物だよ!」
「でも、素材は使い道がたくさんあるんだよ。鋭い牙は武器に硬い鱗は防具に、内腑は薬の材料になるんだ。僕も肝はちょっと欲しいね」
食べれないのか。
なら、興味はないな。
俺は腹が減ってるんだし、食えない物に構っている暇はない。
幸い、みんながシーサーペントに夢中で店は空いてるから、今のうちに買い物を済ませてしまおう。
「俺は買い出しに行くけど、二人は見たいんだったら行ってきていいよ?」
「ううん。死んだ獲物には興味ないから。仕事じゃないしね」
「僕も。解体はまだみたいだし、肝も競売にかけられるだろうから、僕じゃ手に入れられないよ」
それならって事で、俺達は市場の店を見て回った。
しかし、本当にシーサーペントって珍しいんだろうな。
店主のいない店がいくつかあるぞ。
不用心だなぁ。
おやっ? あそこでボケっとしてる店主の店に並んでるのはアレか?
「ちょっと見させてもらうぞ」
「あぁ、好きにしな。だが、今日は魚は無いぞ。シーサーペントの運搬せいで魚が船に入らなかったからな。他の店も似たようなもんだぜ」
それは残念だけど、代わりに良いものがあるじゃ無いか。
うおっ! まだ生きてる!
活きがいいのは鮮度がいい証拠!
こいつに決めた!
「ほんじゃ、こいつを……うん、あるだけくれ」
「なに? 本当にこんな小っさいのを買ってくれるのか?」
「別に小さくないだろ?」
「何言ってんだ? 普段ならもっとデカいのを置いてるぜ。こいつは元々餌用に獲ってたやつだからな」
デカいの? ああ、アレか。
デカいと調理が面倒だからこれくらいのサイズでちょうどいいんだよ。
「気にしないでいいよ。全部くれ」
「おう! だったら大サービスだ! 全部で小銀貨5枚と言いたいが、3枚でいいぜ!」
おっと! こいつは豪気だな!
天然物が30匹で3000円はお得だろ!
俺は店主に金を払って、商品を受け取った。
箱の中でゴソゴソと動いているのがわかる。
これは絶対美味いだろ!
「二人とも、良いのが手に入った。早く帰って……」
「おっと、待ちな。兄ちゃん。こいつもオマケにやるよ」
そう言って店主が出してきたのは、箱の中をうねうねと蠢く細長い生き物だった。
こ、こいつは……ま、まさかっ!?
「うわっ! 何これっ!? シーサーペントの子ども? 気色悪いな」
「美味しくなさそう……もしかして、処分しようとしてない?」
「な、生臭さはあるけどよ。それなり味はいいんだぜ? べ、別に押しつけようってわけじゃ……」
「……こせ」
「あん? なんだって、兄ちゃん?」
「全部寄越せぇえええええ!!」
俺は半ば奪い取るかのように箱を店主から受け取った。
こいつは間違いない!
アレだ! 俺の好物のアレだ!
まさか、この世界にもあったなんて!
「リョ、リョウちゃん? 本当にコレも食べるの? ちょっと私は苦手かも……」
「う、うーん、私も。毒ありそうだし」
毒はある。
それでも食う!
ちゃんと料理すれば問題などない!
当初の予定とは少し変わって、メニューも統一性が無くなったけど構うもんか!
俺はどうしても食べたいんだ!
「今日の飯は創作中華と伝統和食のコラボにする! そうと決まれば早く帰るぞ!」
「えっ? ちょ、ちょっと待って! リョウちゃん!」
「は、速いっ!?」
俺は【跳躍】したい気持ちを必死に抑えて、脱兎の勢いで市場を後にして家へと向かった。
なんせ下拵えに時間がかかる食材だからな。
でも、味は最高だ!
今から涎が溢れてきちまう!
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