34 / 103
第一章
狐獣人③
しおりを挟む
「リーディア会長! 本日はこのような素晴らしい席にお招きいただき、本当にありがとうございます!」
そう言いながら、美味しそうに料理を食べているのはエムレス商会会長の長子ナバール様。
初めてお会いした時は、端正な彫りの深いお顔の大人の魅力溢れる方とお見受けしましたが、今はその面影がありませんわね。
「いや、本当に美味しいです。この、サンドイッチ……でしたか? 色んな具材を楽しめて、しかもほとんど手を汚さなくて済むなんて、凄いですよ! こんな料理はラジール王国にもありません! 本当に素晴らしいですよ!」
眼を輝かせながら、両手にサンドイッチを持って豪快にかぶりつく姿は、どちらかと言えば育ち盛りの少年のようですわね。
これはこれで可愛らしくありますけど。
それにしても、こんな料理があるなんて想像も出来ませんでしたわ。
サンドイッチ。
四角い型で作った白パンを薄く切って、肉や魚や野菜、卵料理に果てはフルーツまで挟んだ手掴みでも食べられる料理。
最初に聞いた時は、正直半信半疑でしたけど、実際に試食してみて驚きましたわ。
「この揚げた肉を挟んだカツサンドとやらは、実に美味い! 揚げたての肉など熱くて、とても手では食べられないのに、これなら熱々の肉を手掴みで食べられる! しかも、濃厚な黒いソースと合わさって、この美味さは正に絶品だ!」
「いやいや! こっちのたまごサンドの方が美味いに決まっている! 細かく刻んだ茹で卵と、クリーミーな白いソースが合わさって、それを柔らかい白パンが優しく包み込んで、それを一緒に食べると堪らないのだ! これなら何個でも食える!」
「私はこっちのレタスサンドがいいわ。葉野菜と赤唐柿、それにチーズの組み合わせは最高よ! あっさりしてるし、ヘルシーだし、美味しいし、言うことないわ!」
商会の方々の評判も上々。
こんなに喜んでくださるなんて思ってもみませんでした。
というより、どれだけ食べるのか心配になってくるくらいです。
足りるか心配ですわ。
「リーディア会長」
「あっ、これはエムレス会長。失礼しました。どうかなさいましたか?」
新しく取引をするエムレス商会の現会長、エムレス・ロック様。
御歳60は越えておられるのに、ガッチリとした体格で、全く老いを感じさせない佇まいは、さすが一代でラジール王国有数の大商会を作り上げた御仁なだけあります。
初めてお会いした時は、堂々とした姿が少し怖かったですけど、今はもう怖くありません。
だって、ナバール様と同じように、両手に料理をお持ちなんですから。
「いえ、このような素晴らしい席を設けていただいた事に感謝を申し上げたくて参ったのです」
「それは光栄ですわ。エムレス会長から直々にお褒めの言葉を頂けるなんて、料理人一同に代わって御礼申し上げます」
エムレス会長にも満足していただけたようで、会食は大成功。
これで取引は安泰、なんの問題もない。
ただ、一つだけ悔しい事がある。
この会食の成功は全てリョウさんの手柄です。
サンドイッチのレシピだけでなく、盛り付けの仕方や、会場設営のアドバイスなど、この会食のコンサルタントを全てしてくださったんですから。
でも、それを口にしてはいけないのが悔しいんです。
『サンドイッチの作り方をお教えする条件は、俺の事を表に出さない事です。それだけは絶対に守ってください』
どうしてですの?
どうして貴方は自分を隠そうとするのですか?
貴方には素晴らしい才能があります。
素材採取の腕も、料理の腕も素晴らしいですが、何より困っている人を決して見捨てない愛情の深さ。
それが貴方の最大の魅力なのです。
だってそうでしょう?
表に出たくないなら、私なんか見捨てておけばよかったんです。
なのに、貴方は助けてくれた。
そんな貴方を、私は……
「リーディア会長」
「は、はい! なんでしょうか? エムレス会長」
「この会食でリーディア商会、ひいてはリーディア会長のお人柄がよくわかりました。貴女とは良きパートナーとなれそうです」
「それは光栄ですわ。エムレス会長。これからも、よろしくお願い致します」
「しかし、残念な事が一つだけあります」
エムレス会長が不満気な顔で視線を逸らした。
何か失礼があった?
言えないとはいえ、リョウさんの成功に私が泥を塗るわけにはいかない。
なんとしても挽回しないと!
「何か失礼がありましたでしょうか? 不手際でしたらお詫び致します」
「いやいや! そうではありません。ただ、貴女の商会とは末永くお付き合いさせていただきたく思いまして、これを機にうちの倅をどうかと思ったのです」
「倅……と仰いますと?」
「ラジール王国のエムレス商会、ヴァルト王国のリーディア商会が一つになれば、国家を跨いだ一大商会となるでしょう。二国の商圏を掌握し、ゆくゆくは他の国々にも商圏を拡げ、大陸一の大々商会となれる事は疑いようもありません! そして、親バカかもしれませんが、倅はそれなりに美男子ですし、商才もあると思います。リーディア会長は独身とお聞きしましたので、如何かと考えたのです」
……まさか政略結婚の申し出とは思いませんでした。
確かにエムレス商会とリーディア商会が一つになれば、大商会となる事は間違いない。
エムレス会長が顔を真っ赤にして、興奮しながら話すのも、それこそが、会長自身の夢だからでしょう。
私の夢もヴァルト王国一の大商会でしたから、気持ちはわかりますわ。
きっと少し前の私なら、今すぐにでも、この申し出を受けたでしょう。
でも、今の私は……私には……
「ですが、それは止めておきましょう」
「えっ? あ、あの……」
急に穏やかになったエムレス会長の言葉に、私の思考は完全に停止してしまいました。
さっきまであんなに熱く語っておられたのに、それをあっさり覆すなんて。
「会長、それはどうして……」
「貴女には想い人がおられる。だからですよ」
「想い人……なっ!」
言われてすぐにリョウさんの顔が思い浮かんでしまった私は、急に全身がカッと熱くなった。
な、なんで! いきなり出てくるんですのっ!?
「か、会長! べ、別に私はあんな冴えない男なんか……っ!」
「はははっ、リーディア会長がそのようなお顔をされるとは少々意外でした。普段の凛とした御姿もお美しいですが、今の熟れた桃のようなお顔も実に可愛らしい!」
「か、会長! 揶揄わないでください!」
「はははっ、失礼。ですが、商人として相手の望まぬものを提供する事は出来ません。さっきの事は年寄の独り言と思って、聞き流してください」
会長はなんとも爽やかな笑顔でそう言った。
誠実な方だ。
この誠実さは商売人としては少し不安ですが、買い手の立場になれば何とも安心感があります。
良いものを安定して供給できる。
これがエムレス商会の強みですか、見習うべき点がありますわね。
「さて、私はそろそろ失礼させていただきます。あっ、御結婚の際には是非、御一報ください。盛大にお祝いをさせていただきますので。では」
会長が笑顔で去っていった。
意外でしたわね、会長があんな事を言う方だったなんて。
でも、とりあえず会食は成功したようでホッとしましたわ。
安心したら少しお腹が空きましたわね。
私もサンドイッチを頂こう。
「御結婚……かぁ」
さっきのエムレス会長の言葉を考える。
そりゃ、私にだって結婚願望くらいあります。
お相手は今のところいません。
候補ならいますけど。
あの表に出てこない朴念仁をどうにかしない事には、私に結婚の未来はない。
「どうしましょう……」
考えながら、テーブルの上にあったサンドイッチを食べる。
本当に美味しい。
このテリヤキチキンサンドは絶品です。
甘辛いソースとマヨネーズなる調味料たっぷりなのに、手を汚さずに食べられる。
本当に画期的なアイデアです。
これだけの具材が入っていても、手が汚れないのは、パンがしっかり中の具材を挟んみ込んで逃さないからなんですね。
挟み込んで逃がさない……
逃がさない……そうですわ。
これです! 要はあの方の逃げ場がないように包み込んでしまえば良いんですわ!
このサンドイッチのように!
「ふふふっ、リョウさん。ありがとうございます。サンドイッチ、本当に素敵なアイデアですわ。絶対に逃しません事よ!」
さぁ、明日から忙しくなりますわ。
狼獣人やエルフ、巨人族の女達も油断できませんからね。
でも、私はこの王国一の大商人となる女。
狙った獲物は絶対に逃しませんわ!
そう言いながら、美味しそうに料理を食べているのはエムレス商会会長の長子ナバール様。
初めてお会いした時は、端正な彫りの深いお顔の大人の魅力溢れる方とお見受けしましたが、今はその面影がありませんわね。
「いや、本当に美味しいです。この、サンドイッチ……でしたか? 色んな具材を楽しめて、しかもほとんど手を汚さなくて済むなんて、凄いですよ! こんな料理はラジール王国にもありません! 本当に素晴らしいですよ!」
眼を輝かせながら、両手にサンドイッチを持って豪快にかぶりつく姿は、どちらかと言えば育ち盛りの少年のようですわね。
これはこれで可愛らしくありますけど。
それにしても、こんな料理があるなんて想像も出来ませんでしたわ。
サンドイッチ。
四角い型で作った白パンを薄く切って、肉や魚や野菜、卵料理に果てはフルーツまで挟んだ手掴みでも食べられる料理。
最初に聞いた時は、正直半信半疑でしたけど、実際に試食してみて驚きましたわ。
「この揚げた肉を挟んだカツサンドとやらは、実に美味い! 揚げたての肉など熱くて、とても手では食べられないのに、これなら熱々の肉を手掴みで食べられる! しかも、濃厚な黒いソースと合わさって、この美味さは正に絶品だ!」
「いやいや! こっちのたまごサンドの方が美味いに決まっている! 細かく刻んだ茹で卵と、クリーミーな白いソースが合わさって、それを柔らかい白パンが優しく包み込んで、それを一緒に食べると堪らないのだ! これなら何個でも食える!」
「私はこっちのレタスサンドがいいわ。葉野菜と赤唐柿、それにチーズの組み合わせは最高よ! あっさりしてるし、ヘルシーだし、美味しいし、言うことないわ!」
商会の方々の評判も上々。
こんなに喜んでくださるなんて思ってもみませんでした。
というより、どれだけ食べるのか心配になってくるくらいです。
足りるか心配ですわ。
「リーディア会長」
「あっ、これはエムレス会長。失礼しました。どうかなさいましたか?」
新しく取引をするエムレス商会の現会長、エムレス・ロック様。
御歳60は越えておられるのに、ガッチリとした体格で、全く老いを感じさせない佇まいは、さすが一代でラジール王国有数の大商会を作り上げた御仁なだけあります。
初めてお会いした時は、堂々とした姿が少し怖かったですけど、今はもう怖くありません。
だって、ナバール様と同じように、両手に料理をお持ちなんですから。
「いえ、このような素晴らしい席を設けていただいた事に感謝を申し上げたくて参ったのです」
「それは光栄ですわ。エムレス会長から直々にお褒めの言葉を頂けるなんて、料理人一同に代わって御礼申し上げます」
エムレス会長にも満足していただけたようで、会食は大成功。
これで取引は安泰、なんの問題もない。
ただ、一つだけ悔しい事がある。
この会食の成功は全てリョウさんの手柄です。
サンドイッチのレシピだけでなく、盛り付けの仕方や、会場設営のアドバイスなど、この会食のコンサルタントを全てしてくださったんですから。
でも、それを口にしてはいけないのが悔しいんです。
『サンドイッチの作り方をお教えする条件は、俺の事を表に出さない事です。それだけは絶対に守ってください』
どうしてですの?
どうして貴方は自分を隠そうとするのですか?
貴方には素晴らしい才能があります。
素材採取の腕も、料理の腕も素晴らしいですが、何より困っている人を決して見捨てない愛情の深さ。
それが貴方の最大の魅力なのです。
だってそうでしょう?
表に出たくないなら、私なんか見捨てておけばよかったんです。
なのに、貴方は助けてくれた。
そんな貴方を、私は……
「リーディア会長」
「は、はい! なんでしょうか? エムレス会長」
「この会食でリーディア商会、ひいてはリーディア会長のお人柄がよくわかりました。貴女とは良きパートナーとなれそうです」
「それは光栄ですわ。エムレス会長。これからも、よろしくお願い致します」
「しかし、残念な事が一つだけあります」
エムレス会長が不満気な顔で視線を逸らした。
何か失礼があった?
言えないとはいえ、リョウさんの成功に私が泥を塗るわけにはいかない。
なんとしても挽回しないと!
「何か失礼がありましたでしょうか? 不手際でしたらお詫び致します」
「いやいや! そうではありません。ただ、貴女の商会とは末永くお付き合いさせていただきたく思いまして、これを機にうちの倅をどうかと思ったのです」
「倅……と仰いますと?」
「ラジール王国のエムレス商会、ヴァルト王国のリーディア商会が一つになれば、国家を跨いだ一大商会となるでしょう。二国の商圏を掌握し、ゆくゆくは他の国々にも商圏を拡げ、大陸一の大々商会となれる事は疑いようもありません! そして、親バカかもしれませんが、倅はそれなりに美男子ですし、商才もあると思います。リーディア会長は独身とお聞きしましたので、如何かと考えたのです」
……まさか政略結婚の申し出とは思いませんでした。
確かにエムレス商会とリーディア商会が一つになれば、大商会となる事は間違いない。
エムレス会長が顔を真っ赤にして、興奮しながら話すのも、それこそが、会長自身の夢だからでしょう。
私の夢もヴァルト王国一の大商会でしたから、気持ちはわかりますわ。
きっと少し前の私なら、今すぐにでも、この申し出を受けたでしょう。
でも、今の私は……私には……
「ですが、それは止めておきましょう」
「えっ? あ、あの……」
急に穏やかになったエムレス会長の言葉に、私の思考は完全に停止してしまいました。
さっきまであんなに熱く語っておられたのに、それをあっさり覆すなんて。
「会長、それはどうして……」
「貴女には想い人がおられる。だからですよ」
「想い人……なっ!」
言われてすぐにリョウさんの顔が思い浮かんでしまった私は、急に全身がカッと熱くなった。
な、なんで! いきなり出てくるんですのっ!?
「か、会長! べ、別に私はあんな冴えない男なんか……っ!」
「はははっ、リーディア会長がそのようなお顔をされるとは少々意外でした。普段の凛とした御姿もお美しいですが、今の熟れた桃のようなお顔も実に可愛らしい!」
「か、会長! 揶揄わないでください!」
「はははっ、失礼。ですが、商人として相手の望まぬものを提供する事は出来ません。さっきの事は年寄の独り言と思って、聞き流してください」
会長はなんとも爽やかな笑顔でそう言った。
誠実な方だ。
この誠実さは商売人としては少し不安ですが、買い手の立場になれば何とも安心感があります。
良いものを安定して供給できる。
これがエムレス商会の強みですか、見習うべき点がありますわね。
「さて、私はそろそろ失礼させていただきます。あっ、御結婚の際には是非、御一報ください。盛大にお祝いをさせていただきますので。では」
会長が笑顔で去っていった。
意外でしたわね、会長があんな事を言う方だったなんて。
でも、とりあえず会食は成功したようでホッとしましたわ。
安心したら少しお腹が空きましたわね。
私もサンドイッチを頂こう。
「御結婚……かぁ」
さっきのエムレス会長の言葉を考える。
そりゃ、私にだって結婚願望くらいあります。
お相手は今のところいません。
候補ならいますけど。
あの表に出てこない朴念仁をどうにかしない事には、私に結婚の未来はない。
「どうしましょう……」
考えながら、テーブルの上にあったサンドイッチを食べる。
本当に美味しい。
このテリヤキチキンサンドは絶品です。
甘辛いソースとマヨネーズなる調味料たっぷりなのに、手を汚さずに食べられる。
本当に画期的なアイデアです。
これだけの具材が入っていても、手が汚れないのは、パンがしっかり中の具材を挟んみ込んで逃さないからなんですね。
挟み込んで逃がさない……
逃がさない……そうですわ。
これです! 要はあの方の逃げ場がないように包み込んでしまえば良いんですわ!
このサンドイッチのように!
「ふふふっ、リョウさん。ありがとうございます。サンドイッチ、本当に素敵なアイデアですわ。絶対に逃しません事よ!」
さぁ、明日から忙しくなりますわ。
狼獣人やエルフ、巨人族の女達も油断できませんからね。
でも、私はこの王国一の大商人となる女。
狙った獲物は絶対に逃しませんわ!
12
お気に入りに追加
560
あなたにおすすめの小説

幸子ばあさんの異世界ご飯
雨夜りょう
ファンタジー
「幸子さん、異世界に行ってはくれませんか」
伏見幸子、享年88歳。家族に見守られ天寿を全うしたはずだったのに、目の前の男は突然異世界に行けというではないか。
食文化を発展させてほしいと懇願され、幸子は異世界に行くことを決意する。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。

異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた
甘党羊
ファンタジー
唐突に異世界に飛ばされてしまった主人公。
降り立った場所は周囲に生物の居ない不思議な森の中、訳がわからない状況で自身の能力などを確認していく。
森の中で引きこもりながら自身の持っていた能力と、周囲の環境を上手く利用してどんどん成長していく。
その中で試した能力により出会った最愛のわんこと共に、周囲に他の人間が居ない自分の住みやすい地を求めてボヤきながら異世界を旅していく物語。
協力関係となった者とバカをやったり、敵には情け容赦なく立ち回ったり、飯や甘い物に並々ならぬ情熱を見せたりしながら、ゆっくり進んでいきます。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*無断転載、無断翻訳を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる