25 / 103
第一章
エルフとミノタウロス 後編
しおりを挟む
「待ってよぉおおおお! もう殴りに行くの止めるから、私もウランとテンプル食べるぅうう!」
「お前は何を食う気だ? うどんとテンプラな? 物騒な間違えはやめてくれ」
追い縋ってきたヴァイオレットの言い間違いをしっかり訂正してから、俺達はオルテガに案内されてギルドの調理場へとやって来た。
なんでギルドに調理場が? って、思ったら、以前にミューさん達と使った商談用の個室では、打ち合わせが長くなった時には軽食を出す事もあるそうで、そのための調理場があるらしい。
軽食しか出さないとはいえ、さすがはギルドの施設だ。
設備も器材も十分揃っている。
これなら問題なく料理できるぞ。
「ここにある必要な物はなんでも使っていいぞ」
「食材も使っていいのか? できれば魚も欲しいんだが」
「魚は保存が効かないから普段は置いて無いな。だが、無いなら買いに行かせればいい。おい、誰か市場に行って魚を買ってこい!」
「はい! 私が行ってきます!」
買い出しを名乗り出たのは、あの大声を上げた若い職員だった。
悪い事をした自覚があったのかな?
「じゃあ、悪いけど白身の魚を頼む。あとは手頃なサイズの海老があれば」
「はい! すぐに!」
オルテガから金を受け取った後に、元気な返事をしてから若者は外へ飛び出して行った。
若いって素晴らしいね。
さて、ここから市まではそう遠くないし、すぐに帰ってくるだろうから、今の内に他の食材の下拵えでもしておくか。
紫瓜という茄子のような野菜は、縦に切って腹に切り込みを入れてから水にさらしておく。
南瓜のような固瓜は種とワタをとって薄切りにしておく。
それにしても、この世界って瓜が多いな。
俺の知ってる茄子はナス科でウリ科じゃないんだけどね。
まぁ、そんな細かい事は異世界には関係ないか。
おっと、そうだ。
天ぷらをカラッと揚げるために必要なアレを作らないとね。
卵黄に塩と酢を合わせて、それをもちゃっとするまでしっかりかき混ぜる。
もちゃっとしてきたら、油を少しずつ加えながら混ぜて、白くなってきたらマヨネーズの完成だ!
天ぷらを揚げる衣に混ぜると、マヨネーズの油分が衣の水分をよく飛ばしてカラッと揚がるそうだ。
「買ってきました!」
若い職員が息を切らせて帰ってきた。
どんなのを買ってきたのか……おっ!
めっちゃ鱚っぽい!
海老もいい感じじゃないか。
さすがはギルド職員だ、素材の目利きに慣れてるみたいだな。
よし! とりあえず捌いていくか!
「先ずは魚から。鱗をとってから、頭を落としてっと。内臓を取り出して、腹の中を綺麗に洗う。あとは背から切り込みを入れて開いて、背骨と腹骨を取る。うん、なかなかきれいにできた。この調子でどんどんやっていくか」
「ほう、見事なもんだ。お前、解体班でも仕事できるんじゃないか?」
俺が魚を捌くのを後ろで見ていたオルテガが感心しているようだが、それは大袈裟というものだ。
これぐらいは漁師町の女達ならお手のものだろう。
魚はだいたい終わったから、次は海老だ。
殻を剥いて、背と腹のワタを取ってから、腹に軽く切れ目を入れておく。
「リョウちゃん、お腹とか結構切っちゃってるけど、大丈夫なの?」
「ああ、大丈夫だよ。これは揚げた時に丸まらないための細工だから」
「へぇ、リョウちゃんって本当に料理上手なんだね。お嫁さんは私みたいに料理出来ない人でも大丈夫ね!」
いや、それは出来る方がいいぞ?
さぁて、海老も全部終わったから、あとは衣の準備だけだ。
大きめの椀にさっきのマヨネーズを入れて、【調整】で冷やした冷水を混ぜながら加えていく。
そこにふるいにかけた小麦粉を入れて、さっくりと混ぜる。
あんまり混ぜすぎてもいけないだったよな?
よし、天ぷらの下準備は終わったから、次はうどんだ。
うどんは以前に作ったものを【収納】に既に入っているから、あとは取り出して茹でるだけでいい。
じゃあ、仕上げにかかるか。
鍋を二つ用意して、一つには水を張って【調整】で沸かしたら、うどんを投入!
もう一個、鍋には油を入れて【調整】で高温にしたら、衣をつけた具材を揚げていく!
【調整】使うと、油の温度管理が楽だし、【鑑定】を使えば、うどんの茹で加減も天ぷらの揚げ加減もばっちりわかる。
うーん、これは料理チートだな。
「さぁ、ボチボチいい加減だな。上げていくぞ!」
揚がった天ぷらをどんどん皿に乗せていく。
うどんは大きめの木桶に茹で湯ごと移して、最後に俺特製のつゆを【収納】から出せば完成だ!
「出来たぞ。釜揚げうどんと天ぷらの盛り合わせだ」
「やったぁあああ! リョウちゃんの料理、久しぶりだぁあああ!」
「ふむ、どれも見たこともない料理だな」
ヴァイオレットの歓喜は別として、オルテガが不思議そうに見るのも当たり前だ。
うどんや天ぷらなんて、この世界には流通してないからね。
揚げるといえばフライだろうし、麺といえばパスタだからな。
「大丈夫よ、オルテガ! リョウちゃんの料理が不味かった事なんて一度もないんだから!」
「確かに不味そうには見えないな。しかし、どうやって食べればいいんだ?」
「うどんは掬って、このつゆにつけて食べるだけ。天ぷらは塩か、そのつゆに付けて食べてくれ」
2人は迷わずフォークを持って、器用にうどんを掬うと、つゆが溢れるのも気にせずにジャボンとつけてから口に運んだ。
粋じゃないのは仕方ないか。
「うーん! 美味しい! この麺、つるつるとしてるのに歯応えがあって、それが甘い汁と一緒になって、もう最高!」
「これはすごいな! 柔らかそうなのに、軽く歯を押し返してくる弾力! 絹の如きなめらかさと絶妙に舌に残る旨味! これだけシンプルなのに、なんと奥深い味わいだ!」
確かに美味いんだけど、ちょっと大袈裟過ぎ。
でも、久しぶりのうどんは美味いなぁ。
パスタもいいけど、きっと日本人の血がうどんを求めているんだろうな。
ちょっと日本が懐かしい、かな?
「うにゃああ! な、なに、これ!?」
ヴァイオレット……人が望郷の念を募らせているというのに、無粋な声をあげやがって。
いつの間にか、魚の天ぷら食ってるし。
「サ、サックサクのふっわふわ! これ、本当に揚げ物? 全然油っぽくなくて、すんごい美味しいよ!」
「美味い! 美味い! 美味い! なんて事だ!? こんな揚げ物があったとは!? 紫瓜も固瓜も、そしてこの海老も! なんて美味さだ! 素晴らしいぞ!」
「ちょ、ちょっと! オルテガ! 食べ過ぎよ! 私はまだ白雪魚のしか食べてないんだから!」
次々頬張るオルテガに負けじと、ヴァイオレットも天ぷらに手を伸ばし始めた。
それにしても鱚って、こっちでは白雪魚って言うのか。
これは覚えておこう……って、天ぷらの無くなる早さが尋常じゃねぇ!
「美味い! 天ぷらで口の中が少し油っぽくなっても、うどんがそれを洗い流し、さっぱりさせる。すると、また天ぷらが食べたくなる! これは、無限に食える組み合わせだ!」
「つるつるのうどん、サクサクの天ぷら! もう最高だね!」
「ああっ! 海老の天ぷら、全部食べやがったなっ!? 俺はまだ一個も食べてなかったんだぞ!」
皿から天ぷらが消えていく。
俺は必死に箸を伸ばすが、2人は俺が掴む前に次々と天ぷらを平らげていった。
うどんもいつの間にか、そこが見えるくらいになっている。
こ、こいつら……遠慮ってものを知らないのか!
「ふぅ、食った食った! 俺は満足だ!」
「オルテガ食べ過ぎ! 私はまだ少し物足りないんだけどっ!」
「俺は全然食べてねぇよ!」
空になった皿は俺の空虚な心そのものだ。
あれだけ手間暇かけたのに、俺が食べたのは天ぷら一個、うどん一杯だけ……
「お前らとは同じ釜の飯を食ったとは言えないな」
「なんだ、それは?」
「俺の故郷では、同じ釜の飯を食うほど親しい仲間ってのがあるんだよ」
「じゃあ、私達はみんな同じ釜の飯を食った仲間だね! リョウちゃんとヴァイオレットは仲良しだ! えへへっ、嬉しいな!」
「お前らなんか仲間じゃねぇえええ! 俺の天ぷら返せぇえええ!」
俺の心の叫びは、空になった皿のように空虚に響くだけだった。
もう二度と、外では作らん!
「お前は何を食う気だ? うどんとテンプラな? 物騒な間違えはやめてくれ」
追い縋ってきたヴァイオレットの言い間違いをしっかり訂正してから、俺達はオルテガに案内されてギルドの調理場へとやって来た。
なんでギルドに調理場が? って、思ったら、以前にミューさん達と使った商談用の個室では、打ち合わせが長くなった時には軽食を出す事もあるそうで、そのための調理場があるらしい。
軽食しか出さないとはいえ、さすがはギルドの施設だ。
設備も器材も十分揃っている。
これなら問題なく料理できるぞ。
「ここにある必要な物はなんでも使っていいぞ」
「食材も使っていいのか? できれば魚も欲しいんだが」
「魚は保存が効かないから普段は置いて無いな。だが、無いなら買いに行かせればいい。おい、誰か市場に行って魚を買ってこい!」
「はい! 私が行ってきます!」
買い出しを名乗り出たのは、あの大声を上げた若い職員だった。
悪い事をした自覚があったのかな?
「じゃあ、悪いけど白身の魚を頼む。あとは手頃なサイズの海老があれば」
「はい! すぐに!」
オルテガから金を受け取った後に、元気な返事をしてから若者は外へ飛び出して行った。
若いって素晴らしいね。
さて、ここから市まではそう遠くないし、すぐに帰ってくるだろうから、今の内に他の食材の下拵えでもしておくか。
紫瓜という茄子のような野菜は、縦に切って腹に切り込みを入れてから水にさらしておく。
南瓜のような固瓜は種とワタをとって薄切りにしておく。
それにしても、この世界って瓜が多いな。
俺の知ってる茄子はナス科でウリ科じゃないんだけどね。
まぁ、そんな細かい事は異世界には関係ないか。
おっと、そうだ。
天ぷらをカラッと揚げるために必要なアレを作らないとね。
卵黄に塩と酢を合わせて、それをもちゃっとするまでしっかりかき混ぜる。
もちゃっとしてきたら、油を少しずつ加えながら混ぜて、白くなってきたらマヨネーズの完成だ!
天ぷらを揚げる衣に混ぜると、マヨネーズの油分が衣の水分をよく飛ばしてカラッと揚がるそうだ。
「買ってきました!」
若い職員が息を切らせて帰ってきた。
どんなのを買ってきたのか……おっ!
めっちゃ鱚っぽい!
海老もいい感じじゃないか。
さすがはギルド職員だ、素材の目利きに慣れてるみたいだな。
よし! とりあえず捌いていくか!
「先ずは魚から。鱗をとってから、頭を落としてっと。内臓を取り出して、腹の中を綺麗に洗う。あとは背から切り込みを入れて開いて、背骨と腹骨を取る。うん、なかなかきれいにできた。この調子でどんどんやっていくか」
「ほう、見事なもんだ。お前、解体班でも仕事できるんじゃないか?」
俺が魚を捌くのを後ろで見ていたオルテガが感心しているようだが、それは大袈裟というものだ。
これぐらいは漁師町の女達ならお手のものだろう。
魚はだいたい終わったから、次は海老だ。
殻を剥いて、背と腹のワタを取ってから、腹に軽く切れ目を入れておく。
「リョウちゃん、お腹とか結構切っちゃってるけど、大丈夫なの?」
「ああ、大丈夫だよ。これは揚げた時に丸まらないための細工だから」
「へぇ、リョウちゃんって本当に料理上手なんだね。お嫁さんは私みたいに料理出来ない人でも大丈夫ね!」
いや、それは出来る方がいいぞ?
さぁて、海老も全部終わったから、あとは衣の準備だけだ。
大きめの椀にさっきのマヨネーズを入れて、【調整】で冷やした冷水を混ぜながら加えていく。
そこにふるいにかけた小麦粉を入れて、さっくりと混ぜる。
あんまり混ぜすぎてもいけないだったよな?
よし、天ぷらの下準備は終わったから、次はうどんだ。
うどんは以前に作ったものを【収納】に既に入っているから、あとは取り出して茹でるだけでいい。
じゃあ、仕上げにかかるか。
鍋を二つ用意して、一つには水を張って【調整】で沸かしたら、うどんを投入!
もう一個、鍋には油を入れて【調整】で高温にしたら、衣をつけた具材を揚げていく!
【調整】使うと、油の温度管理が楽だし、【鑑定】を使えば、うどんの茹で加減も天ぷらの揚げ加減もばっちりわかる。
うーん、これは料理チートだな。
「さぁ、ボチボチいい加減だな。上げていくぞ!」
揚がった天ぷらをどんどん皿に乗せていく。
うどんは大きめの木桶に茹で湯ごと移して、最後に俺特製のつゆを【収納】から出せば完成だ!
「出来たぞ。釜揚げうどんと天ぷらの盛り合わせだ」
「やったぁあああ! リョウちゃんの料理、久しぶりだぁあああ!」
「ふむ、どれも見たこともない料理だな」
ヴァイオレットの歓喜は別として、オルテガが不思議そうに見るのも当たり前だ。
うどんや天ぷらなんて、この世界には流通してないからね。
揚げるといえばフライだろうし、麺といえばパスタだからな。
「大丈夫よ、オルテガ! リョウちゃんの料理が不味かった事なんて一度もないんだから!」
「確かに不味そうには見えないな。しかし、どうやって食べればいいんだ?」
「うどんは掬って、このつゆにつけて食べるだけ。天ぷらは塩か、そのつゆに付けて食べてくれ」
2人は迷わずフォークを持って、器用にうどんを掬うと、つゆが溢れるのも気にせずにジャボンとつけてから口に運んだ。
粋じゃないのは仕方ないか。
「うーん! 美味しい! この麺、つるつるとしてるのに歯応えがあって、それが甘い汁と一緒になって、もう最高!」
「これはすごいな! 柔らかそうなのに、軽く歯を押し返してくる弾力! 絹の如きなめらかさと絶妙に舌に残る旨味! これだけシンプルなのに、なんと奥深い味わいだ!」
確かに美味いんだけど、ちょっと大袈裟過ぎ。
でも、久しぶりのうどんは美味いなぁ。
パスタもいいけど、きっと日本人の血がうどんを求めているんだろうな。
ちょっと日本が懐かしい、かな?
「うにゃああ! な、なに、これ!?」
ヴァイオレット……人が望郷の念を募らせているというのに、無粋な声をあげやがって。
いつの間にか、魚の天ぷら食ってるし。
「サ、サックサクのふっわふわ! これ、本当に揚げ物? 全然油っぽくなくて、すんごい美味しいよ!」
「美味い! 美味い! 美味い! なんて事だ!? こんな揚げ物があったとは!? 紫瓜も固瓜も、そしてこの海老も! なんて美味さだ! 素晴らしいぞ!」
「ちょ、ちょっと! オルテガ! 食べ過ぎよ! 私はまだ白雪魚のしか食べてないんだから!」
次々頬張るオルテガに負けじと、ヴァイオレットも天ぷらに手を伸ばし始めた。
それにしても鱚って、こっちでは白雪魚って言うのか。
これは覚えておこう……って、天ぷらの無くなる早さが尋常じゃねぇ!
「美味い! 天ぷらで口の中が少し油っぽくなっても、うどんがそれを洗い流し、さっぱりさせる。すると、また天ぷらが食べたくなる! これは、無限に食える組み合わせだ!」
「つるつるのうどん、サクサクの天ぷら! もう最高だね!」
「ああっ! 海老の天ぷら、全部食べやがったなっ!? 俺はまだ一個も食べてなかったんだぞ!」
皿から天ぷらが消えていく。
俺は必死に箸を伸ばすが、2人は俺が掴む前に次々と天ぷらを平らげていった。
うどんもいつの間にか、そこが見えるくらいになっている。
こ、こいつら……遠慮ってものを知らないのか!
「ふぅ、食った食った! 俺は満足だ!」
「オルテガ食べ過ぎ! 私はまだ少し物足りないんだけどっ!」
「俺は全然食べてねぇよ!」
空になった皿は俺の空虚な心そのものだ。
あれだけ手間暇かけたのに、俺が食べたのは天ぷら一個、うどん一杯だけ……
「お前らとは同じ釜の飯を食ったとは言えないな」
「なんだ、それは?」
「俺の故郷では、同じ釜の飯を食うほど親しい仲間ってのがあるんだよ」
「じゃあ、私達はみんな同じ釜の飯を食った仲間だね! リョウちゃんとヴァイオレットは仲良しだ! えへへっ、嬉しいな!」
「お前らなんか仲間じゃねぇえええ! 俺の天ぷら返せぇえええ!」
俺の心の叫びは、空になった皿のように空虚に響くだけだった。
もう二度と、外では作らん!
20
お気に入りに追加
463
あなたにおすすめの小説
幸子ばあさんの異世界ご飯
雨夜りょう
ファンタジー
「幸子さん、異世界に行ってはくれませんか」
伏見幸子、享年88歳。家族に見守られ天寿を全うしたはずだったのに、目の前の男は突然異世界に行けというではないか。
食文化を発展させてほしいと懇願され、幸子は異世界に行くことを決意する。
ボッチの少女は、精霊の加護をもらいました
星名 七緒
ファンタジー
身寄りのない少女が、異世界に飛ばされてしまいます。異世界でいろいろな人と出会い、料理を通して交流していくお話です。異世界で幸せを探して、がんばって生きていきます。
異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
異世界でホワイトな飲食店経営を
視世陽木
ファンタジー
定食屋チェーン店で雇われ店長をしていた飯田譲治(イイダ ジョウジ)は、気がついたら真っ白な世界に立っていた。
彼の最後の記憶は、連勤に連勤を重ねてふらふらになりながら帰宅し、赤信号に気づかずに道路に飛び出し、トラックに轢かれて亡くなったというもの。
彼が置かれた状況を説明するためにスタンバイしていた女神様を思いっきり無視しながら、1人考察を進める譲治。
しまいには女神様を泣かせてしまい、十分な説明もないままに異世界に転移させられてしまった!
ブラック企業で酷使されながら、それでも料理が大好きでいつかは自分の店を開きたいと夢見ていた彼は、はたして異世界でどんな生活を送るのか!?
異世界物のテンプレと超ご都合主義を盛り沢山に、ちょいちょい社会風刺を入れながらお送りする異世界定食屋経営物語。はたしてジョージはホワイトな飲食店を経営できるのか!?
● 異世界テンプレと超ご都合主義で話が進むので、苦手な方や飽きてきた方には合わないかもしれません。
● かつて作者もブラック飲食店で店長をしていました。
● 基本的にはおふざけ多め、たまにシリアス。
● 残酷な描写や性的な描写はほとんどありませんが、後々死者は出ます。
【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~
みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】
事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。
神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。
作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。
「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。
※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる