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第七章
秘伝の技
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「フォルネア殿、部下の不備は申し訳ありません」
ウォーレイク閣下がフォルネア殿に頭を下げた。
私のせいで、何たる失態だ。
「それで、何がいけなかったのでしょうか? 中将が素晴らしい力を手に入れたのは間違いない事です。しかし、それでは足りないとはどういう事なのですか?」
「その力を使いこなせてないのが問題なんだよ。わかりやすく言えば、この子は今、筋肉がたくさんついてるだけで、その筋肉の使い方がまるっきりわかってない筋肉お馬鹿ちゃんなんだよ。つまり、単純に力が強いだけ、それが戦いの役に立つと思うかい?」
そうだったのか。
私は魔力が大幅に増えた事に気を取られて、それを使いこなす事を怠っていたのか。
踊らされたのだ、自分自身の魔力に。
これでは権力を握っただけの、クズ貴族と同じでないかっ!
なんという醜態を晒してしまったのだ。
情けない……
「なるほど。わかりやすい説明をありがとうございます。では、中将は下地は出来ているわけですね。あとはその使い方を知れば、使い物になる。そういう事でよろしいでしょうか?」
「うん? まぁ、そういう見方もあるね。でも、すぐ使い物になるレベルまで持っていける? アマナ王国の再侵攻まで、あと一ヶ月もないんだよ?」
「わかっています。むしろ好都合ですよ。実戦に勝る訓練はありません。彼女達には最前線で戦ってもらいます。それで、使い方を習得できなければ、それまでの人材だったと言う事です」
閣下、ありがとうございます。
こんな私に働き場所と死に場所を用意してくださって。
このまま醜態を晒し続けるくらいなら、いっそ死中に活路を見出し、出来なければ潔く散るのみ。
「へぇ、意外にクールだね。リクトから聞いた印象とは違うけど、嫌いじゃないよ」
「ありがとうございます。では、そういう事で……」
「でも、それは困る。あの丸薬はそれなりに貴重なものなんだ。それを無碍にされた上に、粗末に扱われたんじゃもったいない。残りの期間で、僕が戦い方を教えてやるよ。実践形式でね」
「ほ、本当かっ!? いえ、本当ですか? ありがとうございます! このシャーロット・フォン・ジェニングス、この御恩は一生忘れません!」
「はいはい、別に忘れてもいいよ。あぁ、そうだ。他の子にも丸薬あげたんだよね? まとめて面倒見てあげるから、連れておいでよ」
なんという僥倖だ!
この恥を濯ぐ機会をくれるとは、フォルネア殿には感謝しかない。
魔族にも慈悲深き者がいるのだな。
「わかりました! では、時が惜しいので、早速他の者達を……」
「お待ちください」
アリシア達を呼びに行こうとした私を止めたのは、ルーストレームだった。
今さら何の用があるというのだ?
「何か?」
「貴女に用はありません。あるのは、其方の魔族様です」
「魔族様? 僕のこと?」
「はい。よくはわかりませんでしたが、何やら秘伝の技を持って、彼女達を強くしたとお見受け致しました。非礼は承知の上で、それを私にもお与えくださいますよう、伏してお願い致します」
ルーストレームが膝をついて、額を床につけるように頭を垂れた。
この女、強さを得るためなら、そこまでやるのか!?
ウォーレイク閣下がフォルネア殿に頭を下げた。
私のせいで、何たる失態だ。
「それで、何がいけなかったのでしょうか? 中将が素晴らしい力を手に入れたのは間違いない事です。しかし、それでは足りないとはどういう事なのですか?」
「その力を使いこなせてないのが問題なんだよ。わかりやすく言えば、この子は今、筋肉がたくさんついてるだけで、その筋肉の使い方がまるっきりわかってない筋肉お馬鹿ちゃんなんだよ。つまり、単純に力が強いだけ、それが戦いの役に立つと思うかい?」
そうだったのか。
私は魔力が大幅に増えた事に気を取られて、それを使いこなす事を怠っていたのか。
踊らされたのだ、自分自身の魔力に。
これでは権力を握っただけの、クズ貴族と同じでないかっ!
なんという醜態を晒してしまったのだ。
情けない……
「なるほど。わかりやすい説明をありがとうございます。では、中将は下地は出来ているわけですね。あとはその使い方を知れば、使い物になる。そういう事でよろしいでしょうか?」
「うん? まぁ、そういう見方もあるね。でも、すぐ使い物になるレベルまで持っていける? アマナ王国の再侵攻まで、あと一ヶ月もないんだよ?」
「わかっています。むしろ好都合ですよ。実戦に勝る訓練はありません。彼女達には最前線で戦ってもらいます。それで、使い方を習得できなければ、それまでの人材だったと言う事です」
閣下、ありがとうございます。
こんな私に働き場所と死に場所を用意してくださって。
このまま醜態を晒し続けるくらいなら、いっそ死中に活路を見出し、出来なければ潔く散るのみ。
「へぇ、意外にクールだね。リクトから聞いた印象とは違うけど、嫌いじゃないよ」
「ありがとうございます。では、そういう事で……」
「でも、それは困る。あの丸薬はそれなりに貴重なものなんだ。それを無碍にされた上に、粗末に扱われたんじゃもったいない。残りの期間で、僕が戦い方を教えてやるよ。実践形式でね」
「ほ、本当かっ!? いえ、本当ですか? ありがとうございます! このシャーロット・フォン・ジェニングス、この御恩は一生忘れません!」
「はいはい、別に忘れてもいいよ。あぁ、そうだ。他の子にも丸薬あげたんだよね? まとめて面倒見てあげるから、連れておいでよ」
なんという僥倖だ!
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「はい。よくはわかりませんでしたが、何やら秘伝の技を持って、彼女達を強くしたとお見受け致しました。非礼は承知の上で、それを私にもお与えくださいますよう、伏してお願い致します」
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