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第六章
暴走
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な、なんだ!?
何が起こってるんだ?
身体が重い……押し潰されそうだ。
それに大渦の中にいるみたいで身体が捩じ切られそうだ……
こ、こんな状態が続いたら……っ!?
「うわぁああああ!!」
今度はなんだっ!?
か、身体の中で何かが爆発して、全身から血が噴き出し始めた!
しかも、渦が鋭利な刃物みたいになって全身を切り刻んできやがる!
どうなってんだ……このままじゃ、い、意識が……
「何してるの! 早く魔力を抑えなよ!」
必死な声に途切れかけた意識を奮い起こして、視線を下に向けると俺の胸に顔を埋めるようにして、苦悶の表情ながら必死に俺の身体にしがみつくフォルネアがいた。
「フォ、フォルネア……?」
「君は今、自分の魔力に押し潰されそうになってるんだよ! 魔殻が抑えていた魔力が一気に噴き出して、君の身体の内と外で暴れ回ってるんだ! だから早く魔力を抑えて制御しないと、自分の魔力に飲み込まれて死んじゃうよ!」
こ、これが俺の魔力だと?
こんなの俺の魔力量じゃないぞ!
今までの全開が10だとしたら、今は軽く1000以上はある!
「早く抑えて! 抑圧されてた魔力が魔殻を破った反動で一時的に出力が増して魔力暴走を引き起こしてるんだ! でも、これは君の魔力には違いない! 制御できないわけはないんだ!」
「そ、そんな事言ったって……うぐぅ……」
だ、駄目だ……
荒れ狂う大津波と猛烈な暴風を止めようとしてるみたいで、何をどうしたらいいのかわからない。
そ、それに血が流れ過ぎてたせいか、意識が朦朧としてきた……くそ……
「ううう……くぅ……」
ま、まずい!
このままじゃフォルネアにまで俺の犠牲になる!
「フォルネア!? お、俺から早く離れろ! お前まで巻き込まれるぞ!」
「生意気な事を言うな! これでも今はなんとか僕の魔力で抑えてるんだぞ! 僕が離れたら君なんかあっという間に死んじゃうんだぞ!?」
「だ、だけど……このままじゃ、フォルネアまで!」
「泣き言を言ってる暇があったらさっさと魔力を制御しなよ! イメージして! 自分の魔力で自分の魔力を覆うように!」
ぐぅううう……くそぅ!
抑えようとしたら余計に反発してきやがるし、何より魔力が大き過ぎてこっちが力負けする!
げ、限界だ……
「フォ、フォルネア! いいから俺から離れろ! このままじゃ共倒れになる! せめてお前だけでも!」
「ば、馬鹿にしないでよ……そ、そんな事できるわけないでしょ……うっ!」
「フォルネア!?」
ち、ちくしょう……こ、こんな所で俺は何をやってるんだよ!
せっかく助けてもらったのに、命の恩人を巻き込んで、恩返しもできないまま死ぬなんて……情けねぇ……め、目の前が暗くなっていく…………
「リクト!? もう! しっかりしなよ! そんな奴はこうしてやるんだから!」
っ!? 首に何か巻きついてきて、く、口からも何か入ってきたっ!?
口の中を這いずり回るように動き回って、し、舌にまで絡みついてきて、生温かいネットリとした感触がする……き、気持ち悪くはない……かな?
しかも、何かいい匂いがするようで……
これは何だ?
目が開く……って、うわぁああああ!!
「ぶはぁ!! フォ、フォルネアぁあああああ!!」
「えへへ……深くて濃厚なキスの味はどうだい? 童貞君?」
「ふ、ふ、ふ、ふ、ふざけんなぁあああああああああああああああああ!!」
顔から全身から火が噴き出したかのように何かが俺の中で大きく弾けるのがわかった。
何が起こってるんだ?
身体が重い……押し潰されそうだ。
それに大渦の中にいるみたいで身体が捩じ切られそうだ……
こ、こんな状態が続いたら……っ!?
「うわぁああああ!!」
今度はなんだっ!?
か、身体の中で何かが爆発して、全身から血が噴き出し始めた!
しかも、渦が鋭利な刃物みたいになって全身を切り刻んできやがる!
どうなってんだ……このままじゃ、い、意識が……
「何してるの! 早く魔力を抑えなよ!」
必死な声に途切れかけた意識を奮い起こして、視線を下に向けると俺の胸に顔を埋めるようにして、苦悶の表情ながら必死に俺の身体にしがみつくフォルネアがいた。
「フォ、フォルネア……?」
「君は今、自分の魔力に押し潰されそうになってるんだよ! 魔殻が抑えていた魔力が一気に噴き出して、君の身体の内と外で暴れ回ってるんだ! だから早く魔力を抑えて制御しないと、自分の魔力に飲み込まれて死んじゃうよ!」
こ、これが俺の魔力だと?
こんなの俺の魔力量じゃないぞ!
今までの全開が10だとしたら、今は軽く1000以上はある!
「早く抑えて! 抑圧されてた魔力が魔殻を破った反動で一時的に出力が増して魔力暴走を引き起こしてるんだ! でも、これは君の魔力には違いない! 制御できないわけはないんだ!」
「そ、そんな事言ったって……うぐぅ……」
だ、駄目だ……
荒れ狂う大津波と猛烈な暴風を止めようとしてるみたいで、何をどうしたらいいのかわからない。
そ、それに血が流れ過ぎてたせいか、意識が朦朧としてきた……くそ……
「ううう……くぅ……」
ま、まずい!
このままじゃフォルネアにまで俺の犠牲になる!
「フォルネア!? お、俺から早く離れろ! お前まで巻き込まれるぞ!」
「生意気な事を言うな! これでも今はなんとか僕の魔力で抑えてるんだぞ! 僕が離れたら君なんかあっという間に死んじゃうんだぞ!?」
「だ、だけど……このままじゃ、フォルネアまで!」
「泣き言を言ってる暇があったらさっさと魔力を制御しなよ! イメージして! 自分の魔力で自分の魔力を覆うように!」
ぐぅううう……くそぅ!
抑えようとしたら余計に反発してきやがるし、何より魔力が大き過ぎてこっちが力負けする!
げ、限界だ……
「フォ、フォルネア! いいから俺から離れろ! このままじゃ共倒れになる! せめてお前だけでも!」
「ば、馬鹿にしないでよ……そ、そんな事できるわけないでしょ……うっ!」
「フォルネア!?」
ち、ちくしょう……こ、こんな所で俺は何をやってるんだよ!
せっかく助けてもらったのに、命の恩人を巻き込んで、恩返しもできないまま死ぬなんて……情けねぇ……め、目の前が暗くなっていく…………
「リクト!? もう! しっかりしなよ! そんな奴はこうしてやるんだから!」
っ!? 首に何か巻きついてきて、く、口からも何か入ってきたっ!?
口の中を這いずり回るように動き回って、し、舌にまで絡みついてきて、生温かいネットリとした感触がする……き、気持ち悪くはない……かな?
しかも、何かいい匂いがするようで……
これは何だ?
目が開く……って、うわぁああああ!!
「ぶはぁ!! フォ、フォルネアぁあああああ!!」
「えへへ……深くて濃厚なキスの味はどうだい? 童貞君?」
「ふ、ふ、ふ、ふ、ふざけんなぁあああああああああああああああああ!!」
顔から全身から火が噴き出したかのように何かが俺の中で大きく弾けるのがわかった。
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