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第二章
異動
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「そうですか。そんな事があったんですね」
久しぶりにやって来た元帥府で、俺は昨日の事をウォーレイク元帥閣下に報告した。
うーん、ちょいと二日酔い気味だ。
オフィリアンのやつめ、意外と酒が強いじゃないか。
3本も空けやがって、釣られて呑むんじゃなかったよ。
「冒険者組合からは先日の内に詫び状が届いていました。これを警備隊に回せばこの件は落ち着くでしょう。それより、そのオフィリアンという人、なかなか興味深い人物のようですね」
「はい。おそらく戦闘能力だけで言えばかなりのものです。ですが、それよりも強さを見せない隙のなさが彼の一番恐ろしいところかと」
「そうですね。良い関係を築けたのは幸いと言えるでしょうが、油断はしないようにしてくださいね」
油断しないようにか。
確かにあいつが敵対勢力に属する者である可能性はあるし、こちらの情報を取ることが目的かもしれない。
迂闊な事はしないようにしよう。
「それと以前言われていたオスカー・ファーレンハイト大尉ですが、近々監査部から異動になるとの事です」
「えっ? 大尉がですか?」
「ええ。前線に送られる補給物資の量と消費された量に差がある事を上申したそうです」
ん? それって輸送中の何処かで物資が減ってるってことか?
盗み……いや、横流しか?
あれ? でも、それを見つけたんならお手柄じゃないか。
「それは栄転ですか?」
「いえ、残念ながら左遷でしょう」
はぁ!? どういう事だよ!
「それは何故ですかっ!? 大尉は不正を上申したのでしょ? 何故、左遷されなければならないのですかっ!?」
「大尉は前線に送られる貴重な物資が横流しされていると上に報告したのです。ですが、それが輸送隊に対する侮辱発言ととられ、後方支援参謀が軍令部に手を回したようです」
後方支援参謀……あっ! ファーレンハイト大尉を後方支援部から追い出したクソ野郎だ!
ヴォルドン派閥だって言ってたし、また大尉に嫌がらせしてやがるんだな!
「ヴォルドンのやつ……ロクな部下がいないな」
「軍隊司令長官を呼び捨てにするのは、この場だけにしておいてください。それに悪いことばかりではありませんよ」
「何かあるんですか?」
「彼は監査部からの異動は決まったのですが、次の所属が決まっていなかったのです」
「……それっていい事なんですか?」
「所属が決まってないという事は、何処の部署でも扱いに困っているという事です。なら、受け入れるという部署があればそこに転属させる事も可能という事です」
うーん、よくわからない。
どういう意味だろ?
「つまり、彼をこの元帥府に転属させられるってことです」
おぉおおおお!
そういう事かっ!
久しぶりにやって来た元帥府で、俺は昨日の事をウォーレイク元帥閣下に報告した。
うーん、ちょいと二日酔い気味だ。
オフィリアンのやつめ、意外と酒が強いじゃないか。
3本も空けやがって、釣られて呑むんじゃなかったよ。
「冒険者組合からは先日の内に詫び状が届いていました。これを警備隊に回せばこの件は落ち着くでしょう。それより、そのオフィリアンという人、なかなか興味深い人物のようですね」
「はい。おそらく戦闘能力だけで言えばかなりのものです。ですが、それよりも強さを見せない隙のなさが彼の一番恐ろしいところかと」
「そうですね。良い関係を築けたのは幸いと言えるでしょうが、油断はしないようにしてくださいね」
油断しないようにか。
確かにあいつが敵対勢力に属する者である可能性はあるし、こちらの情報を取ることが目的かもしれない。
迂闊な事はしないようにしよう。
「それと以前言われていたオスカー・ファーレンハイト大尉ですが、近々監査部から異動になるとの事です」
「えっ? 大尉がですか?」
「ええ。前線に送られる補給物資の量と消費された量に差がある事を上申したそうです」
ん? それって輸送中の何処かで物資が減ってるってことか?
盗み……いや、横流しか?
あれ? でも、それを見つけたんならお手柄じゃないか。
「それは栄転ですか?」
「いえ、残念ながら左遷でしょう」
はぁ!? どういう事だよ!
「それは何故ですかっ!? 大尉は不正を上申したのでしょ? 何故、左遷されなければならないのですかっ!?」
「大尉は前線に送られる貴重な物資が横流しされていると上に報告したのです。ですが、それが輸送隊に対する侮辱発言ととられ、後方支援参謀が軍令部に手を回したようです」
後方支援参謀……あっ! ファーレンハイト大尉を後方支援部から追い出したクソ野郎だ!
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「ヴォルドンのやつ……ロクな部下がいないな」
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「……それっていい事なんですか?」
「所属が決まってないという事は、何処の部署でも扱いに困っているという事です。なら、受け入れるという部署があればそこに転属させる事も可能という事です」
うーん、よくわからない。
どういう意味だろ?
「つまり、彼をこの元帥府に転属させられるってことです」
おぉおおおお!
そういう事かっ!
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