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第一章
開戦の一刀
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「くりかえすぞ! 抵抗は無駄だ! 大人しく投降すれば命だけは助けてやる!」
一番前にいた兜を脇に抱えた派手な鎧の男が降伏勧告をしてくる。
鎧姿だと階級がよくわからないけど、豪華そうな鎧を着てるし、近衛隊長かな?
階級章があるって話だけど、流石に今確認するのは無理だろうな。
それにしても『命だけは助けてやる』って、生きてるならいいと言うんだろうか?
家畜のように扱い、誇りも尊厳も奪っておきながらそれでいいと言うなら自分がそうなればいいのにね。
呆れてものも言えないよ。
「どうしたっ! 臆して声も出ぬか? 言っておくが屋敷の絨毯に染みを作るなよ?」
派手鎧の言葉に周りの兵士達が笑い声を上げた。
どうやら、恐怖で固まっていると勘違いしているようだ。
とりあえず情報が聞けるかもしれないから、話をしてみるか。
「これは何事ですか? 自分は斥候分隊の……」
「ふん! 鎧や書類は奪ったようだが、髪までは奪えなかったようだな。斥候に出た者達は皆、この地方の出身者ばかりだ。貴様のような黒髪も者は1人としておらんのだよ!」
あちゃ……髪の色か。
それはさすがに誤魔化しようがないな。
まさか、マルト少尉の髪の毛を全部毟って頭に植えるわけにもいかないもんなぁ。
「それに貴様が腰に帯びている異形の剣だ。そのような珍妙な形をした剣を扱う者などここにはおらん。つまり! 貴様はレヴァンス軍か中央軍の密偵という事だ! 大人しく降伏しろ!」
結構暴論のような気もするけど、一理はあるか。
それにしても、派手鎧のやつ。
絶対貴族のボンボンだな。
身体の締まりが無さすぎる。
なんだよ、あのぶよぶよの身体は。
あんな下膨れた鎧見た事ないぞ?
それで近衛隊長だもんなぁ。
階級で手に入れた地位って事だろう。
もう、いいか。
これ以上話しても有益な情報はなさそうだ。
俺はゆっくり派手鎧の方に近づいて行った。
派手鎧は薄ら笑いのまま腰の剣に手もかけていない。
後ろにいる兵達も未だにニヤニヤしているだけだ。
隊長が隊長なら兵士も兵士だな。
最低だよ、あんた達は。
派手鎧の眼前まで行ったが、それでも笑ったままこっちを見ているだけだった。
「よし、先ずは武器を捨ててから跪け! そして命乞いをしろ。その後で私達全員の靴を綺麗に舐め……」
俺は鞘から刀を抜き放ち、一刀の元に派手鎧の首を刎ねる。
胴体から離れた派手鎧の首はそのまま壁際に飛んで、ドンっとぶつかった後に廊下に転がった。
胴体からは派手に血の噴水が吹き上がり、唖然として固まったままの兵士達の鎧を血に染めていった。
「さぁ、尋常ではなくても勝負だ!」
俺は兵士達に向かって突っ込んだ。
一番前にいた兜を脇に抱えた派手な鎧の男が降伏勧告をしてくる。
鎧姿だと階級がよくわからないけど、豪華そうな鎧を着てるし、近衛隊長かな?
階級章があるって話だけど、流石に今確認するのは無理だろうな。
それにしても『命だけは助けてやる』って、生きてるならいいと言うんだろうか?
家畜のように扱い、誇りも尊厳も奪っておきながらそれでいいと言うなら自分がそうなればいいのにね。
呆れてものも言えないよ。
「どうしたっ! 臆して声も出ぬか? 言っておくが屋敷の絨毯に染みを作るなよ?」
派手鎧の言葉に周りの兵士達が笑い声を上げた。
どうやら、恐怖で固まっていると勘違いしているようだ。
とりあえず情報が聞けるかもしれないから、話をしてみるか。
「これは何事ですか? 自分は斥候分隊の……」
「ふん! 鎧や書類は奪ったようだが、髪までは奪えなかったようだな。斥候に出た者達は皆、この地方の出身者ばかりだ。貴様のような黒髪も者は1人としておらんのだよ!」
あちゃ……髪の色か。
それはさすがに誤魔化しようがないな。
まさか、マルト少尉の髪の毛を全部毟って頭に植えるわけにもいかないもんなぁ。
「それに貴様が腰に帯びている異形の剣だ。そのような珍妙な形をした剣を扱う者などここにはおらん。つまり! 貴様はレヴァンス軍か中央軍の密偵という事だ! 大人しく降伏しろ!」
結構暴論のような気もするけど、一理はあるか。
それにしても、派手鎧のやつ。
絶対貴族のボンボンだな。
身体の締まりが無さすぎる。
なんだよ、あのぶよぶよの身体は。
あんな下膨れた鎧見た事ないぞ?
それで近衛隊長だもんなぁ。
階級で手に入れた地位って事だろう。
もう、いいか。
これ以上話しても有益な情報はなさそうだ。
俺はゆっくり派手鎧の方に近づいて行った。
派手鎧は薄ら笑いのまま腰の剣に手もかけていない。
後ろにいる兵達も未だにニヤニヤしているだけだ。
隊長が隊長なら兵士も兵士だな。
最低だよ、あんた達は。
派手鎧の眼前まで行ったが、それでも笑ったままこっちを見ているだけだった。
「よし、先ずは武器を捨ててから跪け! そして命乞いをしろ。その後で私達全員の靴を綺麗に舐め……」
俺は鞘から刀を抜き放ち、一刀の元に派手鎧の首を刎ねる。
胴体から離れた派手鎧の首はそのまま壁際に飛んで、ドンっとぶつかった後に廊下に転がった。
胴体からは派手に血の噴水が吹き上がり、唖然として固まったままの兵士達の鎧を血に染めていった。
「さぁ、尋常ではなくても勝負だ!」
俺は兵士達に向かって突っ込んだ。
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