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第一章
勝負の始まり
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フードを脱いだ2人の女性が中将の横に並んだ。
「帝国軍大尉、アリシア・フォン・ヴォルガング。帝国建国時より続く名家ヴォルガング子爵家が当主、ラングリッド・フォン・ヴォルガングの娘だ」
「帝国軍少尉っ! ファンティーヌ・フォン・リンテール! リンテール子爵家の出ですぅ。よろしくねぇ」
ヴォルガング大尉とリンテール少尉。
こ、これは度肝を抜かれた。
2人ともジェニングス中将に勝るとも劣らない美女と美少女だ。
大尉は長身スレンダー体型に長髪ストレートの黒髪、切れ長目のキリッとした端麗な顔立ち。
冷たい雰囲気はするが、その鋭い美しさが更に見る者の心を魅了しそうだ。
対して少尉は一見して子供のように見える。
大きな瞳にあどけなさが残る顔、金髪のツインテールが更に幼さを感じさせる。
しかし、背は俺より低いはずなのに育つところは育っている!
顔と身体のアンバランスさは否めないが、それが不思議な魅力を醸し出している。
顔と身体をコートで隠していたのはこのせいか。
中将に加えてこの2人が揃っていたら、間違いなく男達が群がってくるからな。
「どうだ? リクト軍曹。この2人と立ち合って見せよ。安心しろ、ここにいるアンダーソン大佐は元衛生兵であり、回復魔法を嗜んでいる。死にはせん」
中将がそう言って、隣にいた大佐を紹介してくれる。
回復魔法の使い手とは珍しい。
いや、いる事はいるんだけど、最近は魔法薬が安価で出回っているから、回復魔法のなり手は少ないと聞いたんだけどな。
「待て! 中将! まさか、リクト軍曹1人でヴォルガング大尉とリンテール少尉の2人と戦わせる気かっ!」
「そうだ。何か問題があるのか?」
ダウスター男爵が語気を強めて抗議するのを、中将は涼しげに流している。
男爵の様子から見て、もしかしてこの2人って結構やばいんじゃない?
「ヴォルガング大尉はあのヴォルガング大佐の御息女であろう! ヴォルガング流剣術を若干16歳で修め、帝都の剣術大会で優勝した事もある天才剣士ではないかっ! それにリンテール少尉もあの魔法教官であるリンテール准将の御息女で、幼き頃から魔法を操り、古代魔法の解明にも成功した才女ではないかっ!」
うわぁい!
想像を遥かに超えた人達だった!
こっちは田舎の平民出身で、平凡な両親からボロボロの古文書と胡散臭い魔法書で剣と魔法を覚えただけなんだぞ。
やり過ぎでしょ!
「落ち着け、ダウスター卿。何も2人を相手に勝てとは言わないさ。力量を図るだけだよ」
「そういう事です。ダウスター卿。我々も領軍の軍曹相手に本気など出しませんよ。リクト軍曹、貴官も帝国軍人ならば嫌だとは言わないだろうしな」
「そうだよねぇ! そうだぁ! ねぇねぇ、軍曹が勝ったら私もお願い聞いてあげちゃうよぉ! なんだったらお嫁さんになってあげてもいいよぉ~」
「それは面白いな。ファンティーヌ。いいだろう。このアリシア・フォン・ヴォルガングに勝てたら貴官の望みを叶えてやるぞ。どうだ?」
『どうだ?』と言われてもねぇ。
絶対無理だと思ってニヤついてるじゃないか。
ちょっとイラっとするなぁ。
それに、ここまで言われたら俺にも自尊心がある。
嫁はまだ要らんけど、やってやるぞ!
「了解しました」
「よし! それでいい。ならばダウスター卿、練兵場を借りるぞ。それと人払いを頼みたい」
「ぬぅ……いいだろう。だが、その前に一つ確認したい。ジェニングス中将。これはあくまで力量を測るための立ち合いだな?」
ダウスター男爵が中将に詰め寄って低い声で問う。
ちょっと怒ってる感じはするけど、殺気は感じられないな。
「当然だ。私も有能な者を失いたい訳ではない。有能な者ならな」
それって無能と判断したら失ってもいいって意味かな?
中将って意外と性格は悪そうだな。
男爵も苦虫を噛み潰したような顔をしているが、その後はなにも言わなかった。
「では、武器を持ってすぐに練兵場に来い。面倒だから防具は無しだ! 武器のみとする! 解散!」
中将の号令でみんなが部屋から出て行く。
俺は元から刀を腰に下げてるので、そのまま練兵場に向かうとするか。
やれやれ、痛いのは嫌なんだけどなぁ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「では、両者準備はいいな?」
大尉と少尉が並んで俺と対峙している練兵場に中将の声が響き渡った。
でも、おかしいぞ?
あ男爵と上級曹長の姿が見えない。
それに大佐もいないみたいだけど、どうしたんだろ?
「では! 始め!」
「えっ? ちょ、ちょっと……」
俺の準備を待たずに開始を宣言する中将。
少尉は後方で構えており、大尉はすでにこちらに向かってきている。
大尉の獲物は長剣だが、刀身に刻まれた魔法文字が、普通の長剣ではない事を物語っている。
所謂魔法武器ってやつか。
初めて見たよ。
更に後方に待機している少尉は魔法の詠唱を始めている。
そういや、少尉は魔法の才女だっけ?
獲物は両手杖だが、これもでっかい魔法石が組み込まれているから、これも魔法武器なんだろうな。
「ごめんねぇ。閣下の命令なんだぁ! なるべく死なないようにするからねぇ! 火炎短槍!」
げっ! 無数の炎の槍が前方を走る大尉を避けながら放射線を描いて俺に襲いかかってきた!
謝りながら撃つにしては随分と容赦がない攻撃だな!
ちっ、炎の槍が横からも放射状に迫ってきやがる!
後ろに下がるしかない!
すると、先程より速度を上げて大尉が剣を振りかぶって突進してくる。
「武器も抜けないとは情けない! だが、容赦はせん! 一刀の元に斬り捨てる!」
切り捨てって、殺す気か!
大尉にしても少尉にしても加減する気も毛頭ないし、中将も最初からそのつもりだったのか!
あっ! だから男爵と上級曹長がいないんだっ!
この野郎! やることがせこいぞ!
「はぁあああああああっ!」
大尉が気合と共に振り下ろしてくる剣をギリギリで躱して横に転がって距離をとったが、少尉の放った火炎短槍は執拗に俺だけを狙って迫ってくる。
くそっ、このままじゃ躱しきれない!
仕方ない、あれを使うか!
俺は腰に下げた刀の柄を握りながら、魔力を刀に込める。
「あれは……まさかっ!」
俺の構えを見た大尉が驚いた声を上げたが、気にしてる場合じゃない!
「いくぞっ!」
鞘から刀を勢いよく抜き放つ。
抜き放たれた刀身からは突如として風が巻き起こり、荒ぶる風は竜巻となって全てをなぎ倒さんと暴れ狂った。
練兵場の砂は巻き上がり、木々が激しくしなっては、ミシミシと悲鳴を上げる。
荒ぶる風は少尉の火炎短槍を全て吹き飛ばして、近くにいた大尉の身体をも吹き飛ばした。
そして何事もなかったように風は去っていった。
吹き飛ばされながらも、空中で体勢を整えた大尉が地面に膝をつく。
少尉は油断していたのか風に煽られて仰向けに地面に転がされていた。
そして、その後ろで突然の事に目を見開いたまま固まる中将。
これが親父から教わった剣術だ!
「暴剣・狂飆。さぁ、仕切り直しですよ」
俺は刀を鞘に戻して、構え直してからそう宣言した。
「帝国軍大尉、アリシア・フォン・ヴォルガング。帝国建国時より続く名家ヴォルガング子爵家が当主、ラングリッド・フォン・ヴォルガングの娘だ」
「帝国軍少尉っ! ファンティーヌ・フォン・リンテール! リンテール子爵家の出ですぅ。よろしくねぇ」
ヴォルガング大尉とリンテール少尉。
こ、これは度肝を抜かれた。
2人ともジェニングス中将に勝るとも劣らない美女と美少女だ。
大尉は長身スレンダー体型に長髪ストレートの黒髪、切れ長目のキリッとした端麗な顔立ち。
冷たい雰囲気はするが、その鋭い美しさが更に見る者の心を魅了しそうだ。
対して少尉は一見して子供のように見える。
大きな瞳にあどけなさが残る顔、金髪のツインテールが更に幼さを感じさせる。
しかし、背は俺より低いはずなのに育つところは育っている!
顔と身体のアンバランスさは否めないが、それが不思議な魅力を醸し出している。
顔と身体をコートで隠していたのはこのせいか。
中将に加えてこの2人が揃っていたら、間違いなく男達が群がってくるからな。
「どうだ? リクト軍曹。この2人と立ち合って見せよ。安心しろ、ここにいるアンダーソン大佐は元衛生兵であり、回復魔法を嗜んでいる。死にはせん」
中将がそう言って、隣にいた大佐を紹介してくれる。
回復魔法の使い手とは珍しい。
いや、いる事はいるんだけど、最近は魔法薬が安価で出回っているから、回復魔法のなり手は少ないと聞いたんだけどな。
「待て! 中将! まさか、リクト軍曹1人でヴォルガング大尉とリンテール少尉の2人と戦わせる気かっ!」
「そうだ。何か問題があるのか?」
ダウスター男爵が語気を強めて抗議するのを、中将は涼しげに流している。
男爵の様子から見て、もしかしてこの2人って結構やばいんじゃない?
「ヴォルガング大尉はあのヴォルガング大佐の御息女であろう! ヴォルガング流剣術を若干16歳で修め、帝都の剣術大会で優勝した事もある天才剣士ではないかっ! それにリンテール少尉もあの魔法教官であるリンテール准将の御息女で、幼き頃から魔法を操り、古代魔法の解明にも成功した才女ではないかっ!」
うわぁい!
想像を遥かに超えた人達だった!
こっちは田舎の平民出身で、平凡な両親からボロボロの古文書と胡散臭い魔法書で剣と魔法を覚えただけなんだぞ。
やり過ぎでしょ!
「落ち着け、ダウスター卿。何も2人を相手に勝てとは言わないさ。力量を図るだけだよ」
「そういう事です。ダウスター卿。我々も領軍の軍曹相手に本気など出しませんよ。リクト軍曹、貴官も帝国軍人ならば嫌だとは言わないだろうしな」
「そうだよねぇ! そうだぁ! ねぇねぇ、軍曹が勝ったら私もお願い聞いてあげちゃうよぉ! なんだったらお嫁さんになってあげてもいいよぉ~」
「それは面白いな。ファンティーヌ。いいだろう。このアリシア・フォン・ヴォルガングに勝てたら貴官の望みを叶えてやるぞ。どうだ?」
『どうだ?』と言われてもねぇ。
絶対無理だと思ってニヤついてるじゃないか。
ちょっとイラっとするなぁ。
それに、ここまで言われたら俺にも自尊心がある。
嫁はまだ要らんけど、やってやるぞ!
「了解しました」
「よし! それでいい。ならばダウスター卿、練兵場を借りるぞ。それと人払いを頼みたい」
「ぬぅ……いいだろう。だが、その前に一つ確認したい。ジェニングス中将。これはあくまで力量を測るための立ち合いだな?」
ダウスター男爵が中将に詰め寄って低い声で問う。
ちょっと怒ってる感じはするけど、殺気は感じられないな。
「当然だ。私も有能な者を失いたい訳ではない。有能な者ならな」
それって無能と判断したら失ってもいいって意味かな?
中将って意外と性格は悪そうだな。
男爵も苦虫を噛み潰したような顔をしているが、その後はなにも言わなかった。
「では、武器を持ってすぐに練兵場に来い。面倒だから防具は無しだ! 武器のみとする! 解散!」
中将の号令でみんなが部屋から出て行く。
俺は元から刀を腰に下げてるので、そのまま練兵場に向かうとするか。
やれやれ、痛いのは嫌なんだけどなぁ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「では、両者準備はいいな?」
大尉と少尉が並んで俺と対峙している練兵場に中将の声が響き渡った。
でも、おかしいぞ?
あ男爵と上級曹長の姿が見えない。
それに大佐もいないみたいだけど、どうしたんだろ?
「では! 始め!」
「えっ? ちょ、ちょっと……」
俺の準備を待たずに開始を宣言する中将。
少尉は後方で構えており、大尉はすでにこちらに向かってきている。
大尉の獲物は長剣だが、刀身に刻まれた魔法文字が、普通の長剣ではない事を物語っている。
所謂魔法武器ってやつか。
初めて見たよ。
更に後方に待機している少尉は魔法の詠唱を始めている。
そういや、少尉は魔法の才女だっけ?
獲物は両手杖だが、これもでっかい魔法石が組み込まれているから、これも魔法武器なんだろうな。
「ごめんねぇ。閣下の命令なんだぁ! なるべく死なないようにするからねぇ! 火炎短槍!」
げっ! 無数の炎の槍が前方を走る大尉を避けながら放射線を描いて俺に襲いかかってきた!
謝りながら撃つにしては随分と容赦がない攻撃だな!
ちっ、炎の槍が横からも放射状に迫ってきやがる!
後ろに下がるしかない!
すると、先程より速度を上げて大尉が剣を振りかぶって突進してくる。
「武器も抜けないとは情けない! だが、容赦はせん! 一刀の元に斬り捨てる!」
切り捨てって、殺す気か!
大尉にしても少尉にしても加減する気も毛頭ないし、中将も最初からそのつもりだったのか!
あっ! だから男爵と上級曹長がいないんだっ!
この野郎! やることがせこいぞ!
「はぁあああああああっ!」
大尉が気合と共に振り下ろしてくる剣をギリギリで躱して横に転がって距離をとったが、少尉の放った火炎短槍は執拗に俺だけを狙って迫ってくる。
くそっ、このままじゃ躱しきれない!
仕方ない、あれを使うか!
俺は腰に下げた刀の柄を握りながら、魔力を刀に込める。
「あれは……まさかっ!」
俺の構えを見た大尉が驚いた声を上げたが、気にしてる場合じゃない!
「いくぞっ!」
鞘から刀を勢いよく抜き放つ。
抜き放たれた刀身からは突如として風が巻き起こり、荒ぶる風は竜巻となって全てをなぎ倒さんと暴れ狂った。
練兵場の砂は巻き上がり、木々が激しくしなっては、ミシミシと悲鳴を上げる。
荒ぶる風は少尉の火炎短槍を全て吹き飛ばして、近くにいた大尉の身体をも吹き飛ばした。
そして何事もなかったように風は去っていった。
吹き飛ばされながらも、空中で体勢を整えた大尉が地面に膝をつく。
少尉は油断していたのか風に煽られて仰向けに地面に転がされていた。
そして、その後ろで突然の事に目を見開いたまま固まる中将。
これが親父から教わった剣術だ!
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愚父→ぐふ
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