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33話

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ルシファーはカーラの斬撃を躱しながら打撃を加える
カーラはうまく柄や刃を使って打撃を防ぐ

一進一退の攻防が続く中、アンテがスキルを使う

「光あれ!」

光の柱がカーラとルシファーを包むと強く輝きルシファーが焼かれていく

「ぐぅぅ…神聖魔法か」

カーラは女神の加護を受けているため光の攻撃スキルは無効化されておりより攻撃が激しくなっていく、徐々に傷を負うルシファーは焦りカーラを蹴り飛ばして距離を取る

たった一度の攻防ですさまじいダメージを負ってしまった

「ふふ、楽しいよ。これで最後にしよう」

ルシファーは唱える

「沈め、ゆらゆらと。堕ちよ、するすると。震えよ、ふるふると。猛れよ、ごうごうと。汝が敵は汝が隣人!吐けよ偽り安寧のために!疑え友を貶めるために!恐れよ己の成した功を!見よ!友は炎と共に消えるだろう!疑え!偽れ!恐れ!殺せ!友を焼く火は汝の炎!」

黒い十字架が3人に襲い掛かる。カーラは十字架を斬り逃れたが、ラミアとアンテは黒い十字架に貫かれると炎に包まれた
アンテとラミアの声にならない悲鳴が響き渡るバタバタと動き回り苦しそうに崩れ落ちる

カーラは二人に見向きもせず鋭く踏み込むとスキルを使う

”光の剣”

大きく輝くアンテの剣がルシファーに突き刺さる

「これは…父王を殺した技か…」

アンテとラミアの火が消え、十字架も消える
ルシファーは笑みを浮かべながら話し出す

「ハハ、こんなに戦えたのは久しぶりだ。伝説になるかな…」
「こんな事のためにボクたちと一緒にいたの…」
「そうだよ」

カーラは悲しそうに倒れこむルシファーを眺め、涙を流した

「あーぁ、死ぬとは思ってなかった…俺の権能教えなきゃよかった」
「死ぬ…の?」
「楽しかった、俺もお前たちが好きだったよ。育てなきゃよかった」

ルシファーは光と共に消えた

「ボクもルーシーに会わなきゃこんなに悲しくならなかったのに…」



勇者たちは各国から祝われ、英雄として称えられた
現世に残った魔物たちは次第に数を減らして人間達は繁栄を極めた

魔界では魔王と勇者の激しい戦いが語り継がれ、新しい魔王を争う激しい戦いが毎日のように繰り広げられている
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