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27話
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今朝もカーラが自室へ来る
「ルーちーん、きたよー!」
「るーちん、きたよぉ」
「今日はアンテも一緒か。入って」
カーラとアンテがいつからか勝手に部屋に持ち込んだボードゲームで遊び始める。ルーシーは二人が遊んでいる様子を眺めているだけで参加しない
二人の掛け合いが面白いから見ているだけだ
コンコン
カーラとアンテはいるのに来客がきた。珍しい、他に誰が来るというのだ
「どうぞ」
扉が開くとラミアが現れ、不安そうな表情をしていた
「ルーシー、ベルゼが3日前くらいから顔をださないんですの。心当たりはありませんこと?」
「ベルゼが?うーん、何も聞いてないな…」
「そうですか…わかりましたわ」
そういうとラミアは静かに扉を閉じて去っていく
カーラとアンテがルーシーを見る
「ベルゼ3日前に学園の外行くの見たよー?」
「まだ帰ってないんですかぁ…何してるんでしょうねぇ」
ルーシーは腕を組み、ベルゼの行動を思い出す
(あいつが姿を消すときはだいたいロクでもない事してる。城乗っ取ったりとか)
ルーシーはため息交じりに立ち上がる
「ふぅ、探しに行くか」
「ベルゼ探しに行くの?ボクもいくー」
「おもしろそうですわぁ!わたくしもいきますぅ」
…
3人で城を出てしばらく歩いた後、ルーシーは索敵呪文を唱えた
…
「ん、みっけ。パントの街にいるみたい」
カーラとアンテが話し出す
「なつかしいねー、ダンジョン行った街かぁ」
「オークの素材横取りされた思い出の街ですねぇ」
「ほんと懐かしいな、でもあいつ何してるんだろ。見に行くか」
「「さんせーい」」
…
パントの街
ベルゼがいるらしき建物の側にきた
街はずれにある小汚い小屋にいるようだ
小屋には看板が出ていたので読んでみると”行列ができる魔法相談所”と書いてある
大層な看板掲げているが一人も並んでいない
「あいつ…」
「あの店にベルゼいるのー?」
カーラは目を輝かせて小屋を見ている、アンテも興味津々だ
「あ、うん。どうせロクでもない事考えてるぞ」
「えー、ちょっと気になるなぁ。ボク行ってきていい?」
「わたくしもカーラの次に並びますぅ!」
「…楽しそうだな…」
…
カランカラン
カーラがフードをかぶって店に入るとベルゼらしき女が黒いとんがり帽子と黒いローブ、口元にはベールを巻いて机に座り、手元には水晶を置いて両手をかざし、せわしなく動かしている
「いらっしゃい」
「あ、あの…」
「皆まで言わなくていい…あんた悩んでるんだろ?」
「いえ、その…」
「じゃあ…困ってるんだろ?」
「あ、はい」
「そうだろう、水晶はみんな教えてくれる…」
「それで…ボク魔法が得意じゃなくて…」
「大丈夫、私に全て任せておきな。どんな魔法が使いたいんだい?」
「本当になんでもいいんです。魔力はあるらしいんですけど、小さな火さえ出せなくて…」
「それは呪いだね」
「呪いですか…」
「ああ、間違いない。この薬を一日一本ずつ、三日間飲んでみな。そしたらその胸は大きくなる」
ガシャーン
「呪い関係ねーしおっぱいの事は大きなお世話だ!!」
ルーシーのところにカーラが戻ってきた、早足で怒りをあらわにしている
「どうしたんだ?」
カーラは小さな胸を押さえながら口をとがらせ不機嫌そうにしている
「なんでもないよ!」
…
カランカラン
アンテがフードを深く被り、小屋に入ると鼻血を垂らした魔女風の女が水晶を磨いている
「いらっしゃい」
「こんにちわぁ」
魔女風の女はアンテの大きな胸を見て話し出す
「うん、あんた…呪われてるね?」
「え?わたくし呪われてるんですかぁ?」
「あぁ、肩が重いんだろう?」
「え、どうしてわかるんですかぁ…」
「私の水晶はなんでも教えてくれる、このツボを買って部屋に飾るんだ。三日間磨き続ければ、その大げさなぽっちゃりがスリムになるはずさ」
ガシャーン
「わたくしデブじゃありませんわぁ!」
ルーシーのところへアンテが戻ってきた、早足で胸が上下にブルンブルン揺れている
「よく前が見えるな」
「なんの事ですかぁ?」
カーラが爪を噛みながらギリギリと音を立ててアンテの胸を見つめている
「俺も行ってみるか」
…
カランカラン
ルーシーがフードを深く被り小屋に入ると鼻血を垂らし顔が腫れた女が涙を流しながら座っている
「い、いらっしゃい」
「人を探している」
「それは呪いですね…この札を買えば…」
「ベルゼという女でな、ちょうど俺の目の前にいる」
ルーシーはフードを脱ぎ、顔を晒すと魔女風の女はドン引きした
「勇者が怪しい商売で金巻き上げてんじゃねーよ」
「い、いいじゃないですか!私はもう帰る場所がないんですよ!この商売で元手を稼いで貴族に取り入りどこかの国の王をたぶらかして私の傀儡にするんです!」
ベルゼは開き直り猛抗議している
ルーシーはベルゼが渡した札を手に持った
「ふぅ…じゃあこの札をお前の全財産で買え。そしたら俺が城をくれてやる」
ベルゼは信じられないような顔をしながら右へ左へと目を泳がせる
「ほ、ほんとですか…?こ、この小さな宝箱に全部入ってます…」
ルーシーは小さな宝箱を開けると中を確認する
(意外といっぱいあるな…いつの間にため込んだんだ)
「取引成立だ。お前には魔王城をくれてやるわ」
ベルゼは立ち上がり猛抗議した
「それ私帰れないやつじゃないですかー!騙すなんてひどいですよー!根にもってるんですかぁぁぁぁぁ!!」
「当たり前だろ」
ベルゼは信じられないと言った表情を浮かべて小さくつぶやいた
「ちっさ…」
「は?」
「ルーちーん、きたよー!」
「るーちん、きたよぉ」
「今日はアンテも一緒か。入って」
カーラとアンテがいつからか勝手に部屋に持ち込んだボードゲームで遊び始める。ルーシーは二人が遊んでいる様子を眺めているだけで参加しない
二人の掛け合いが面白いから見ているだけだ
コンコン
カーラとアンテはいるのに来客がきた。珍しい、他に誰が来るというのだ
「どうぞ」
扉が開くとラミアが現れ、不安そうな表情をしていた
「ルーシー、ベルゼが3日前くらいから顔をださないんですの。心当たりはありませんこと?」
「ベルゼが?うーん、何も聞いてないな…」
「そうですか…わかりましたわ」
そういうとラミアは静かに扉を閉じて去っていく
カーラとアンテがルーシーを見る
「ベルゼ3日前に学園の外行くの見たよー?」
「まだ帰ってないんですかぁ…何してるんでしょうねぇ」
ルーシーは腕を組み、ベルゼの行動を思い出す
(あいつが姿を消すときはだいたいロクでもない事してる。城乗っ取ったりとか)
ルーシーはため息交じりに立ち上がる
「ふぅ、探しに行くか」
「ベルゼ探しに行くの?ボクもいくー」
「おもしろそうですわぁ!わたくしもいきますぅ」
…
3人で城を出てしばらく歩いた後、ルーシーは索敵呪文を唱えた
…
「ん、みっけ。パントの街にいるみたい」
カーラとアンテが話し出す
「なつかしいねー、ダンジョン行った街かぁ」
「オークの素材横取りされた思い出の街ですねぇ」
「ほんと懐かしいな、でもあいつ何してるんだろ。見に行くか」
「「さんせーい」」
…
パントの街
ベルゼがいるらしき建物の側にきた
街はずれにある小汚い小屋にいるようだ
小屋には看板が出ていたので読んでみると”行列ができる魔法相談所”と書いてある
大層な看板掲げているが一人も並んでいない
「あいつ…」
「あの店にベルゼいるのー?」
カーラは目を輝かせて小屋を見ている、アンテも興味津々だ
「あ、うん。どうせロクでもない事考えてるぞ」
「えー、ちょっと気になるなぁ。ボク行ってきていい?」
「わたくしもカーラの次に並びますぅ!」
「…楽しそうだな…」
…
カランカラン
カーラがフードをかぶって店に入るとベルゼらしき女が黒いとんがり帽子と黒いローブ、口元にはベールを巻いて机に座り、手元には水晶を置いて両手をかざし、せわしなく動かしている
「いらっしゃい」
「あ、あの…」
「皆まで言わなくていい…あんた悩んでるんだろ?」
「いえ、その…」
「じゃあ…困ってるんだろ?」
「あ、はい」
「そうだろう、水晶はみんな教えてくれる…」
「それで…ボク魔法が得意じゃなくて…」
「大丈夫、私に全て任せておきな。どんな魔法が使いたいんだい?」
「本当になんでもいいんです。魔力はあるらしいんですけど、小さな火さえ出せなくて…」
「それは呪いだね」
「呪いですか…」
「ああ、間違いない。この薬を一日一本ずつ、三日間飲んでみな。そしたらその胸は大きくなる」
ガシャーン
「呪い関係ねーしおっぱいの事は大きなお世話だ!!」
ルーシーのところにカーラが戻ってきた、早足で怒りをあらわにしている
「どうしたんだ?」
カーラは小さな胸を押さえながら口をとがらせ不機嫌そうにしている
「なんでもないよ!」
…
カランカラン
アンテがフードを深く被り、小屋に入ると鼻血を垂らした魔女風の女が水晶を磨いている
「いらっしゃい」
「こんにちわぁ」
魔女風の女はアンテの大きな胸を見て話し出す
「うん、あんた…呪われてるね?」
「え?わたくし呪われてるんですかぁ?」
「あぁ、肩が重いんだろう?」
「え、どうしてわかるんですかぁ…」
「私の水晶はなんでも教えてくれる、このツボを買って部屋に飾るんだ。三日間磨き続ければ、その大げさなぽっちゃりがスリムになるはずさ」
ガシャーン
「わたくしデブじゃありませんわぁ!」
ルーシーのところへアンテが戻ってきた、早足で胸が上下にブルンブルン揺れている
「よく前が見えるな」
「なんの事ですかぁ?」
カーラが爪を噛みながらギリギリと音を立ててアンテの胸を見つめている
「俺も行ってみるか」
…
カランカラン
ルーシーがフードを深く被り小屋に入ると鼻血を垂らし顔が腫れた女が涙を流しながら座っている
「い、いらっしゃい」
「人を探している」
「それは呪いですね…この札を買えば…」
「ベルゼという女でな、ちょうど俺の目の前にいる」
ルーシーはフードを脱ぎ、顔を晒すと魔女風の女はドン引きした
「勇者が怪しい商売で金巻き上げてんじゃねーよ」
「い、いいじゃないですか!私はもう帰る場所がないんですよ!この商売で元手を稼いで貴族に取り入りどこかの国の王をたぶらかして私の傀儡にするんです!」
ベルゼは開き直り猛抗議している
ルーシーはベルゼが渡した札を手に持った
「ふぅ…じゃあこの札をお前の全財産で買え。そしたら俺が城をくれてやる」
ベルゼは信じられないような顔をしながら右へ左へと目を泳がせる
「ほ、ほんとですか…?こ、この小さな宝箱に全部入ってます…」
ルーシーは小さな宝箱を開けると中を確認する
(意外といっぱいあるな…いつの間にため込んだんだ)
「取引成立だ。お前には魔王城をくれてやるわ」
ベルゼは立ち上がり猛抗議した
「それ私帰れないやつじゃないですかー!騙すなんてひどいですよー!根にもってるんですかぁぁぁぁぁ!!」
「当たり前だろ」
ベルゼは信じられないと言った表情を浮かべて小さくつぶやいた
「ちっさ…」
「は?」
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