22 / 303
第13章 道化師は奪還し、刃を立てる
第282話 策謀と一撃
しおりを挟む
勝負はある意味一瞬の出来事であった。遠方から飛んできた魔法で出来た弾丸はクラウンに直撃し、その硬直に響が聖剣で思いっきりクラウンを貫く。
クラウンは響にもたれかかるようにして、脱力していく。そして、響が聖剣を引き抜くと戦士としての矜持か右手に刀を持ったまま地面に倒れ込んだ。
クラウンから血が流れだしていく。それが地面に広がり、瞬く間に地面を赤く染めあげていく。血の臭いが辺りに充満していく。
響は辛そうな顔で地面に倒れて動かないクラウンを見た。聖剣はクラウンの鮮血によって濡れ、地面へとポタポタと滴っていく。
動かないことを確認すると響は聖剣の血を振り払い、鞘へと納める。そして、正門の方からやってくる気配へと体の向きを変える。
「なんというか随分とあっさり決着がついたものですね~。しかし、死んでいるのはどうやら本当らしい。生命力が感じられない」
「それが目的だったからな」
響は無機質な瞳を背後にいる教皇へと向けた。レグリアの姿はいつも見ていた白い法衣を着た好々爺のような人物だ。
しかし、それが偽物の姿だとわかっている。いや、このような談義はもはや今更。レグリアは本当の敵なのだ。
「というと?」
「仁が奥の手を持っていることぐらい予想がつく。そして、囚われの魔族を救うためにできる限り、いや教皇様を殺すためにできる限り取っておきたいと思うのはもはや必然的に考えられることだ。仁は教皇様を憎んでいたからな。だから、奥の手が使われる前に殺すことが先決だった」
「だから、正々堂々を装って死角から襲撃したと?」
「仁は何だかんだで場に流されやすいからね。いわば様式美ってやつだ。僕がこうして一人で立っていれば、周りの仲間は手出しをしないと勝手に思ってくれる。もっとも、今までの仁だと無理だったから、ある意味仁の近くにいた人達には感謝しないとね」
「くくく、なんというかあまりにも呆気ない勇者と魔王の幕引きなのですが、いやはやこうさせてしまったのはもはや私の責任かもしれませんね~。響君をコントロールするためにやった行動は存外にもあなたの精神に大きく影響を与えてしまった。私が思っているよりもとっくに――――――壊れていたのですね」
「僕は全て仲間を助けるためにやったことだ。一人と約三十人のクラスメイトを天秤にかけてどちらを取るかなんて、最初っから答えが決まっていたようなものだ。けど、僕はしょうもないプライドのために悩む必要のないことを悩んでいた。むだに精神をすり減らしていた。バカだったよ、本当に」
「しかしまあ、これも本来の絶望と狂乱の中で出来上がった人間の在り方なのかもしれませんね。大抵の人は見たくもない現実を突きつけられて、惑い悩み苦しみ歪み破滅していく。とはいえ、人間は唯一環境に順応しようとする生き物です。確かに、このような環境に順応する例がいてもおかしくありませんね」
「もはや狂う狂わないとか、壊れる壊れないとかはどうでもいいんだ。僕は勇者という重責からただ逃れたかった。人を殺さない世界で一生を過ごしたかった。だけど、もうそれが無理だとわかった以上、あがいて無駄に苦しむことなんてないな、と思っただけだ。他意はない」
「くくく、とてもよく仕上がっていますね。辛い状況に置かれることでそれを打破するかしないかで、人の成長は大きく関わっていくと聞きますが.......よもや逃げた先で落ちるに堕ちて、一周回って強くなったう感じですか。その先にはたとえ破滅しか見えなかろうとその全てがどうでもいい」
「ああ、どうでもいい。もう疲れたんだ。楽になりたいんだ。どう思ったっていいだろ。僕だって人間なんだ。どうしていつまでも他人の思いを背中でしょい続けなければいけない。どうして自分の思いは誰にも背負ってくれない。手を差し伸べてくれる存在がいないなら、こちらから手を差し伸べる道理もないだろ。勝手に助かればいい。僕も自分の力で勝手に助かる」
「かつては一緒に背負ってくれる仲間もいたのに、自分で切り捨ててしまいましたからね。しかも、生きていたにもかかわず、もう二度までもその手にかけるとは......いやはや人間とは実に業が深い生き物ですね。ですが、これで世界が救われるなら本望でしょう」
「白々しいことばっかいいやがって。一体誰のせいでこんなことになっていると思っているんだ。僕は一度たりとも自分の意思で殺そうと思っていない。今だってそうだ。俺はお前に脅されて言われた通りに殺しただけ。そこには僕の意思はなにもない」
「安っぽい言葉を並べますね。その剣を振り下ろしたのは何を言おうあなた自身ではないですか。確かに、あなたを脅し、命令した。しかし、強制力はあっても実行力はない。最終的に最愛の友を手にかけたのははなた自身の判断によるもの。罪からも逃げようだなんて、さすがにそれは欲深いですよ」
「どう言ってもやはり認める気はないんだな。お前のことだ、どうせ言ったとしても『ならば強襲した時点で剣を突き立てなければよかったじゃないですか』とでも言いそうだ。そんな選択肢すらこちらにないというのに、あくまで実行させた罪意識だけをこちらに被せる。まさにクソ野郎だな」
「くくく、あなたからそのような言葉を聞くのは初めてですね。どうにもそこに倒れている反逆者の口調と似ているような気がするんですが気のせいでしょうか?」
「気のせい......じゃないかもな。変わった仁の血の気の多さに当てられたのかもしれない。けど、この口調は存外悪くない気分になるもんだな。ハッタリ上等の強気の口調とわかっていても、なんだか自分が強いような気分になってくる」
「そういうのは一種の自己暗示ですからね。言っていればそれだけ刷り込みが強くなり、体もその言葉が本当だと認識して現象として現れることなんでざらにあります。しかし、それはあくまで長期の話。たったそこらで戦ったあなたがそのような口調で強気になって私に戦おうと思ったら痛い目に遭いますよ?」
「......やめておく。それは僕の役目じゃない。僕はもう疲れたんだ。これでクラスメイトの呪いは解けたことになっているはずだ。嘘だったら承知しないぞ?」
「くくく、怖いですね。そう言えば、参考程度に聞いておきたいのですが、そもそもこれはどのような作戦だったのでしょうか?」
「そうだな。もうこの場にいる時点でお前には通じないし、たとえ仁が復活したとしても意味がないからバラしてもいいか」
「ぜひぜひお聞かせください。あなたの犯行を」
「......僕が立てた作戦は単純だ。うちには優秀な狙撃手と賢者がいるからな。まず初めに今ある陣形で一対一で戦うと錯覚させる。そして、僕も本当にそうだと思わせるために死に物狂いで戦う。本当に死にそうだったけどね」
「それでは狙撃手が放った銃弾が明らかに左側から来ていたにも関わらず、反逆者が右側を向いた理由は? そして、狙撃手が撃ったのはなんですか?」
「仁が右側を向いたのはそう仕向けたからさ。人間に利き目があってそっちの方が振り向きやすいように、賢者の雪姫が<反面鏡>という魔法で左側から来ている銃弾を右側から来ている錯覚させる。そして、死角から銃弾に直撃した。狙撃手の朱里は狙った場所には百発百中でね。そして、錬金術師の仲間にもとの世界で有名な拳銃っていうのを作ってもらったんだ。弾までは無理だったから魔法銃だけどね」
「なるほどなるほど。それはとても興味深いですね。あなたは自分に注意を引きつけ、大きく隙を作る。そして、友の癖を利用して決定的な一撃を叩き込む瞬間を作る。くくく、ははははは! これでは全くもって報われない死に方ですね! いや~、実に素晴らしく面白い!」
「.......」
「―――――と、もっと高らかに笑いたいところなんでしょうが、一つお聞きしてもよろしいですか? どうして敵大将が討ち取られたというのに、敵は一向に減らないのでしょうか?」
レグリアが見据える先には響と倒れたクラウンがいて、その周りにクラスメイト、そして、茜色の空に染まる竜の軍勢。
それはまるでレグリア対響達プラス竜の軍勢と思えなくもない構図であった。こちらの手のひらで動いてりるはずなのに、動いていない感じ。レグリアは僅かに冷汗を感じる。
なんというか異様に感じるのだ、その光景が。妙に体中に纏わりつような不安が拭えない。全部全部上手くいっているはずなのに。
勇者たちが反逆者と対面して会話からの戦いの流れ、そして決着まで全て見ていた。その上で予定通り進んでいるから勇者の前に現れた。
それにもかかわらず、どこかで相手の行動を読み間違えたとか、どこかのシナリオでけつまずいたとかそんな不安が脳裏に過る。
おかしい。おかしいのだ。上手くいっている。ただ目の前に広がる光景がそう思わせているだけ。こうなることも全て計算していた。
――――――なら、なぜ勇者の目は死んでいない?
勇者は辛い二択を迫られ精神が崩壊しかけ、禁忌の力を手に入れるまでに至らしめたはず。確かに、人間は順応する生き物だと言ったが、精神が不安定でどう順応するというのか。
順応する前に破滅するに決まっている。順応できてもまずまともな思考回路には戻らないだろう。それなのに、しっかりと作戦を考え、相手の癖を利用してまでなんて.......そんなことが本当にあり得るのだろうか?
嫌な感覚が止まらない。なぜだか無性に冷やせをかいてくる。気のせいだと思いたいが、これは恐らく気のせいじゃない。
「さあ、気のせいじゃないかな?」
レグリアの質問に勇者はあっけらかんとした感じで答えた。そして、聖剣が収まった鞘を真上に思いっきり投げる。
その不審な行動にレグリアは思わず視線が釣られてしまった。
――――――一刀流奥義 燕の型 緋閃牙突
咄嗟に視線を元に戻すと瞬く間に黒い影が横を通り抜けた。そして、レグリアの視界はグルグルと振り回されたかのように浮いていく。
そして、そのまま――――――地面に落ちた。その状態で視界に映ったのは黒い死神であった。
クラウンは響にもたれかかるようにして、脱力していく。そして、響が聖剣を引き抜くと戦士としての矜持か右手に刀を持ったまま地面に倒れ込んだ。
クラウンから血が流れだしていく。それが地面に広がり、瞬く間に地面を赤く染めあげていく。血の臭いが辺りに充満していく。
響は辛そうな顔で地面に倒れて動かないクラウンを見た。聖剣はクラウンの鮮血によって濡れ、地面へとポタポタと滴っていく。
動かないことを確認すると響は聖剣の血を振り払い、鞘へと納める。そして、正門の方からやってくる気配へと体の向きを変える。
「なんというか随分とあっさり決着がついたものですね~。しかし、死んでいるのはどうやら本当らしい。生命力が感じられない」
「それが目的だったからな」
響は無機質な瞳を背後にいる教皇へと向けた。レグリアの姿はいつも見ていた白い法衣を着た好々爺のような人物だ。
しかし、それが偽物の姿だとわかっている。いや、このような談義はもはや今更。レグリアは本当の敵なのだ。
「というと?」
「仁が奥の手を持っていることぐらい予想がつく。そして、囚われの魔族を救うためにできる限り、いや教皇様を殺すためにできる限り取っておきたいと思うのはもはや必然的に考えられることだ。仁は教皇様を憎んでいたからな。だから、奥の手が使われる前に殺すことが先決だった」
「だから、正々堂々を装って死角から襲撃したと?」
「仁は何だかんだで場に流されやすいからね。いわば様式美ってやつだ。僕がこうして一人で立っていれば、周りの仲間は手出しをしないと勝手に思ってくれる。もっとも、今までの仁だと無理だったから、ある意味仁の近くにいた人達には感謝しないとね」
「くくく、なんというかあまりにも呆気ない勇者と魔王の幕引きなのですが、いやはやこうさせてしまったのはもはや私の責任かもしれませんね~。響君をコントロールするためにやった行動は存外にもあなたの精神に大きく影響を与えてしまった。私が思っているよりもとっくに――――――壊れていたのですね」
「僕は全て仲間を助けるためにやったことだ。一人と約三十人のクラスメイトを天秤にかけてどちらを取るかなんて、最初っから答えが決まっていたようなものだ。けど、僕はしょうもないプライドのために悩む必要のないことを悩んでいた。むだに精神をすり減らしていた。バカだったよ、本当に」
「しかしまあ、これも本来の絶望と狂乱の中で出来上がった人間の在り方なのかもしれませんね。大抵の人は見たくもない現実を突きつけられて、惑い悩み苦しみ歪み破滅していく。とはいえ、人間は唯一環境に順応しようとする生き物です。確かに、このような環境に順応する例がいてもおかしくありませんね」
「もはや狂う狂わないとか、壊れる壊れないとかはどうでもいいんだ。僕は勇者という重責からただ逃れたかった。人を殺さない世界で一生を過ごしたかった。だけど、もうそれが無理だとわかった以上、あがいて無駄に苦しむことなんてないな、と思っただけだ。他意はない」
「くくく、とてもよく仕上がっていますね。辛い状況に置かれることでそれを打破するかしないかで、人の成長は大きく関わっていくと聞きますが.......よもや逃げた先で落ちるに堕ちて、一周回って強くなったう感じですか。その先にはたとえ破滅しか見えなかろうとその全てがどうでもいい」
「ああ、どうでもいい。もう疲れたんだ。楽になりたいんだ。どう思ったっていいだろ。僕だって人間なんだ。どうしていつまでも他人の思いを背中でしょい続けなければいけない。どうして自分の思いは誰にも背負ってくれない。手を差し伸べてくれる存在がいないなら、こちらから手を差し伸べる道理もないだろ。勝手に助かればいい。僕も自分の力で勝手に助かる」
「かつては一緒に背負ってくれる仲間もいたのに、自分で切り捨ててしまいましたからね。しかも、生きていたにもかかわず、もう二度までもその手にかけるとは......いやはや人間とは実に業が深い生き物ですね。ですが、これで世界が救われるなら本望でしょう」
「白々しいことばっかいいやがって。一体誰のせいでこんなことになっていると思っているんだ。僕は一度たりとも自分の意思で殺そうと思っていない。今だってそうだ。俺はお前に脅されて言われた通りに殺しただけ。そこには僕の意思はなにもない」
「安っぽい言葉を並べますね。その剣を振り下ろしたのは何を言おうあなた自身ではないですか。確かに、あなたを脅し、命令した。しかし、強制力はあっても実行力はない。最終的に最愛の友を手にかけたのははなた自身の判断によるもの。罪からも逃げようだなんて、さすがにそれは欲深いですよ」
「どう言ってもやはり認める気はないんだな。お前のことだ、どうせ言ったとしても『ならば強襲した時点で剣を突き立てなければよかったじゃないですか』とでも言いそうだ。そんな選択肢すらこちらにないというのに、あくまで実行させた罪意識だけをこちらに被せる。まさにクソ野郎だな」
「くくく、あなたからそのような言葉を聞くのは初めてですね。どうにもそこに倒れている反逆者の口調と似ているような気がするんですが気のせいでしょうか?」
「気のせい......じゃないかもな。変わった仁の血の気の多さに当てられたのかもしれない。けど、この口調は存外悪くない気分になるもんだな。ハッタリ上等の強気の口調とわかっていても、なんだか自分が強いような気分になってくる」
「そういうのは一種の自己暗示ですからね。言っていればそれだけ刷り込みが強くなり、体もその言葉が本当だと認識して現象として現れることなんでざらにあります。しかし、それはあくまで長期の話。たったそこらで戦ったあなたがそのような口調で強気になって私に戦おうと思ったら痛い目に遭いますよ?」
「......やめておく。それは僕の役目じゃない。僕はもう疲れたんだ。これでクラスメイトの呪いは解けたことになっているはずだ。嘘だったら承知しないぞ?」
「くくく、怖いですね。そう言えば、参考程度に聞いておきたいのですが、そもそもこれはどのような作戦だったのでしょうか?」
「そうだな。もうこの場にいる時点でお前には通じないし、たとえ仁が復活したとしても意味がないからバラしてもいいか」
「ぜひぜひお聞かせください。あなたの犯行を」
「......僕が立てた作戦は単純だ。うちには優秀な狙撃手と賢者がいるからな。まず初めに今ある陣形で一対一で戦うと錯覚させる。そして、僕も本当にそうだと思わせるために死に物狂いで戦う。本当に死にそうだったけどね」
「それでは狙撃手が放った銃弾が明らかに左側から来ていたにも関わらず、反逆者が右側を向いた理由は? そして、狙撃手が撃ったのはなんですか?」
「仁が右側を向いたのはそう仕向けたからさ。人間に利き目があってそっちの方が振り向きやすいように、賢者の雪姫が<反面鏡>という魔法で左側から来ている銃弾を右側から来ている錯覚させる。そして、死角から銃弾に直撃した。狙撃手の朱里は狙った場所には百発百中でね。そして、錬金術師の仲間にもとの世界で有名な拳銃っていうのを作ってもらったんだ。弾までは無理だったから魔法銃だけどね」
「なるほどなるほど。それはとても興味深いですね。あなたは自分に注意を引きつけ、大きく隙を作る。そして、友の癖を利用して決定的な一撃を叩き込む瞬間を作る。くくく、ははははは! これでは全くもって報われない死に方ですね! いや~、実に素晴らしく面白い!」
「.......」
「―――――と、もっと高らかに笑いたいところなんでしょうが、一つお聞きしてもよろしいですか? どうして敵大将が討ち取られたというのに、敵は一向に減らないのでしょうか?」
レグリアが見据える先には響と倒れたクラウンがいて、その周りにクラスメイト、そして、茜色の空に染まる竜の軍勢。
それはまるでレグリア対響達プラス竜の軍勢と思えなくもない構図であった。こちらの手のひらで動いてりるはずなのに、動いていない感じ。レグリアは僅かに冷汗を感じる。
なんというか異様に感じるのだ、その光景が。妙に体中に纏わりつような不安が拭えない。全部全部上手くいっているはずなのに。
勇者たちが反逆者と対面して会話からの戦いの流れ、そして決着まで全て見ていた。その上で予定通り進んでいるから勇者の前に現れた。
それにもかかわらず、どこかで相手の行動を読み間違えたとか、どこかのシナリオでけつまずいたとかそんな不安が脳裏に過る。
おかしい。おかしいのだ。上手くいっている。ただ目の前に広がる光景がそう思わせているだけ。こうなることも全て計算していた。
――――――なら、なぜ勇者の目は死んでいない?
勇者は辛い二択を迫られ精神が崩壊しかけ、禁忌の力を手に入れるまでに至らしめたはず。確かに、人間は順応する生き物だと言ったが、精神が不安定でどう順応するというのか。
順応する前に破滅するに決まっている。順応できてもまずまともな思考回路には戻らないだろう。それなのに、しっかりと作戦を考え、相手の癖を利用してまでなんて.......そんなことが本当にあり得るのだろうか?
嫌な感覚が止まらない。なぜだか無性に冷やせをかいてくる。気のせいだと思いたいが、これは恐らく気のせいじゃない。
「さあ、気のせいじゃないかな?」
レグリアの質問に勇者はあっけらかんとした感じで答えた。そして、聖剣が収まった鞘を真上に思いっきり投げる。
その不審な行動にレグリアは思わず視線が釣られてしまった。
――――――一刀流奥義 燕の型 緋閃牙突
咄嗟に視線を元に戻すと瞬く間に黒い影が横を通り抜けた。そして、レグリアの視界はグルグルと振り回されたかのように浮いていく。
そして、そのまま――――――地面に落ちた。その状態で視界に映ったのは黒い死神であった。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー
紫電のチュウニー
ファンタジー
第四部第一章 新大陸開始中。 開始中(初投稿作品)
転生前も、転生後も 俺は不幸だった。
生まれる前は弱視。
生まれ変わり後は盲目。
そんな人生をメルザは救ってくれた。
あいつのためならば 俺はどんなことでもしよう。
あいつの傍にずっといて、この生涯を捧げたい。
苦楽を共にする多くの仲間たち。自分たちだけの領域。
オリジナルの世界観で描く 感動ストーリーをお届けします。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる