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第7章 道化師は攻略する
第152話 兵器の屋敷 ウェポノイド#1
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「カムイ兄さん、これが兄さんが持っていた名刀『氷絶』。なんとか直せたよ。まあ、これもドワーフとの交易が回復したおかげなんだけどね」
「いや、たとえそうだったとしても、ここまで直すことは出来なかっただろう。それに、俺の手にもしっかり馴染む感じはカルマにしか再現出来ないだろうな」
「そう言ってくれるならそう思うことにするよ。僕も兄さんの刀がカムイ兄さんに渡せたことが嬉しく感じる」
カムイはカルマから受け取った刀をまじまじと見つめる。その刀身はカムイの持つ「炎滅」の白き刀身とは違い、ややライトブルーの刀身をしていた。
そしてさらに、その刀身からは若干の冷気を感じる。まるで氷の魔法が付与されているみたいに。
カムイはその刀身を黒に近い青色の鞘に収めると一旦開けた場所へと移動していく。その後ろをカルマと興味本位のクラウン達が続いていった。
それから、カムイがクラウン達から距離を取って左腰に携えている二つの刀を引き抜いた。右手には「炎滅」、左手には「氷絶」と持って。
カムイはそれぞれの刀の性質を見比べるようにそれぞれ交互に振るっていく。
右手で振るわれた「炎滅」からは空気を燃やし尽くすような熱量を有した炎が地面を燃やすように抉っていき、左手で振るわれた「氷絶」からは肌を刺すような冷気を放ちながら地面に氷の山を作り上げる。
その氷に炎の斬撃を当てれば氷は溶けていき、逆に炎に氷を当てれば炎は消えていく。
「マジか、一度放った炎が消えないから『炎滅』って言うのに『氷絶』だとその炎が消えるぞ」
「まあ、本来その『炎滅』と『氷絶』は表裏一体だからね。『氷絶』も一度放った氷が溶けないからそういう名前なんだけど、実際にそうなったら使う人によればすぐに死の土地に変化してしまうからね。そうならないための保険って感じだよ。だから、その刀が代々受け継がれた時はそれぞれ違う人物に渡したそうだよ。それも良心的な人にね」
「なるほどな、確かにこれで暴れ回ったらこの世界はたちまち炎と氷の世界だ。良心的という意味もうなづける。だが、だったら俺に渡しても良かったのか?」
カムイは炎を纏う白き刀と白い冷気を放つライトブルーの刀を持ちながら、後ろにいるカルマへと尋ねた。すると、カルマは問題なさそうな表情でカムイに答えていく。
「大丈夫、カムイ兄さんなら信じれるから。それに、それは兄さんの意思が宿っている気がするんだ。そして、その意志を受け継げるのはカムイ兄さんだけだと思うから。だから、どうか兄さんの無念を解放してください」
「そんなかしこまらなくてもいいぞ。そんなことは当たり前だからな」
カムイは自信に溢れたような顔でニコッと笑顔を作る。その笑みにカルマも思わず笑ってしまう。
その光景を見ていたリリスは思わず呟いた。
「いい感じに収まったわね。それと朱里は表情が緩みすぎよ」
「へ!? そ、そんなつもりはあれー?」
朱里はリリスに指摘されたことに驚きつつも自身の頬に触れていく。すると、頬は随分と高くまで上がっていて口元はにこやか。これはこれはなんとも恥ずかしい。
そんな二人をクラウンは横目に見ながら告げていく。
「これで準備は整った。時間をあまりかけている暇はない。神殿の攻略に向かうぞ」
***********************************************
「ここが神殿......なのか?」
「まあ、そうなるな。師匠もそう言ってたし」
現実、クラウン達は神殿の目の前に来ていた。カムイの刀が出来上がるまでの一日の間に神殿へ行くことは伝えてあるので、各々準備は万全である。
そして、いざ神殿に来てみるとこれまでとは一風変わっていてその見た目は神社そのものだった。
これまでの神殿は全て石で作られたような感じであったので酷く違いがダイレクトに伝わってくる。
この神殿を見る限りやはりこの神殿を作った人物は同じ世界の人物ということになる。それが誰であるか目星はあるもののまだ仲間には伝えてない。
すると、この神殿を見た朱里と雪姫はそれぞれ言葉を呟いていく。
「な、なんというか......いや、一言で言えば和風だよね」
「うん、随分と親しみを感じるけど......仁達が攻略してきた神殿はこうじゃなかったんでしょ?」
「そうなるな。俺もこの神殿を見るのは初めてだ。予想するに俺たちよりもはるか前の同じ世界の誰かが作った感じだろう......それよりも、お前らも本当に来るつもりか?」
クラウンは後ろを振り返るとその二人に聞いた。その声は少し高圧的で遠回しに「ついてくるな」と言っているような感じであった。
それはクラウンがこの神殿は危険であると思っているのと同時にまだ何も解決していない二人を死なせないためでもある。
単純に足でまといを減らすためでもあるし、それによって仲間の危険に陥るリスクを減らすためでもあるので、その言葉を聞いていたリリス達からすれば複雑な気持ちであることが伝わってきた。
だが、ここで「ついてくるな」とハッキリ言わなくなったのは良い傾向なのだろうか。そもそもここまで連れてくる時点で考え方が少し甘くなっているような気がするが。
クラウンの言葉を聞いた二人は一度顔を合わせるとアイコンタクトで互いの気持ちを伝え合う。そして何かを一致させたのか示し合わせたようにうなづくとクラウンに告げる。
「足でまといになるかもしれないけど、今の仁に出来ることは少ないかもしれないけど、私はまだ仁との約束を守りたい。だから、どうか私も行かせて」
「朱里も同じ気持ちだよ。それにいざとなったら海堂君からもらったこの銃と......あれでなんとか乗り切るから」
「はあ、なんとなくわかっていたが、やはりそう答えてくるか。仕方ない、俺はお前らをもう助けるつもりはないからな」
クラウンはそう告げると神殿の入口へと向かっていく。その言葉になんともシンパシーを感じたリリス。
その本人は頭を傾げて不思議に思っているが、他のベル、エキドナ、カムイはリリスを生暖かい目で見つめていた。
入口を抜けるとそのまま今まで通りの神殿で――――ではなかった。てっきり外装だけの姿だと思えば、その内部も和風の作りであった。
目の前に広がるのは木の床のような地面に両端にズラーッと並ぶふすまの扉の廊下。天井も木が組み合わさって縦に少し長い。
本物の木が使われているのかほのかに周囲から木の匂いが漂ってくる。ちょっと古めお屋敷みたいな感じだ。
すると、前方から人型の何かが歩いてくる。それは兜をかぶって全身に甲冑を身に着けている人であった。
その人物の顔は白いひげを生やした赤いお面のようなものをつけていて見ることができない。だが、まるで武士さながらに両手で握った刀の先を真上へと向けながら上段に構えている。
そして、わずかに上下に開いて出ていた右足を地面に思いっきり踏み込んだ。その瞬間、周囲にドシンッ! と大きく音を鳴らしながら地面を揺らした。
また同時に――――その武士の姿は目の前から消えていた。
「全員、衝撃に備えろ!」
クラウンは背後にいる全員にそう呼びかけると自身は一気に前へと前進。左手で鞘を持ち、親指で鍔を持ちあげると右手で一気に抜刀、シュッと短い音を立てながら横なぎに振るった。
すると、クラウンが刀を振るうと同時に武士が現れ、その武士が振り下ろした刀とクラウンが横に振った刀が交じり合い甲高い金属音と火花、それからぶつかり合った時の衝撃が周囲へと駆け巡っていく。
その衝撃はクラウンの背後にいたリリスたちも襲っていき、耐えかねた朱里と雪姫はロキによって吹き飛ばされるのを防いでもらった。
一方、クラウンは鍔迫り合いをしている武士に対して苦虫を噛んでいた。それは甲冑の隙間や全身を覆うような衣服の隙間から見えるわずかな中身。
やはりというべきか、カムイの言っていることが正しいというべきかその武士は機械じみた、つまりはロボットのような感じであった。
そして、その武士は自身の重さを生かすように刀を押してくる。それに対し、クラウンは〈剛脚〉で思いっきり腹部に膝蹴りする。それから、一瞬できたわずかな隙間に膝蹴りした足をもう一度ねじ込んで蹴り飛ばした。
その武士は空中でうまく体勢を立て直しながら、刀を地面に突き立て飛ばされる勢いを殺していく。そして、すぐさま反撃に出向くがその前にはすでにクラウンが眼前へと接近していて頭を斬り飛ばした。
クラウンは斬った首の切断面へとすぐに視線を移す。するとそこには、たくさんの配線コードのようなものがあった。ロボットであることには変わりないらしい。
「エキドナ、この世界のゴーレムについて聞きたい。通常ゴーレムというのはどういうものなんだ?」
「そうね......多方は土人形かしら。ボテっとして上半身が大きく、下半身が小さい感じ。他に違うとなれば材質ぐらいじゃないかしら。だから、正直そのゴーレムは初めて見るわよ」
「そうか。まあ、もとより情報が少ないからそこは仕方ないかもしれないな」
クラウンは刀をさやに収めると吹き飛ばした頭の方へと歩いていく。リリス達も首から下のゴーレムが気になったのか見に集まり始めた。
そして、ゴーレムの頭にたどり着くとその頭についているお面へと手を伸ばし、引き剥がした。
すると、その頭には人らしき顔が。もっと言えば、なぜかその頭の首の断面にはコードが繋がるような部分が見当たらなかった。
簡単に言えばマネキンの頭にロボットの胴体をくっつけている感じだろうか。
何故このようなデザインかは分からないが薄気味悪いことこの上ない。
これも神の使徒の思惑なのか。はたまた全く別の意図で作られたのか。
ともかく、それは考えながら先に進もうとクラウンが全員に声をかけようとしたその時、ロボット武士はけたたましい警告音を発し――――両側のふすまから一気に二丁のサブマシンガンが飛び出してきた。
その銃機は生き物のように動いてクラウン達を射程に収めると一気に銃撃を開始した。
「いや、たとえそうだったとしても、ここまで直すことは出来なかっただろう。それに、俺の手にもしっかり馴染む感じはカルマにしか再現出来ないだろうな」
「そう言ってくれるならそう思うことにするよ。僕も兄さんの刀がカムイ兄さんに渡せたことが嬉しく感じる」
カムイはカルマから受け取った刀をまじまじと見つめる。その刀身はカムイの持つ「炎滅」の白き刀身とは違い、ややライトブルーの刀身をしていた。
そしてさらに、その刀身からは若干の冷気を感じる。まるで氷の魔法が付与されているみたいに。
カムイはその刀身を黒に近い青色の鞘に収めると一旦開けた場所へと移動していく。その後ろをカルマと興味本位のクラウン達が続いていった。
それから、カムイがクラウン達から距離を取って左腰に携えている二つの刀を引き抜いた。右手には「炎滅」、左手には「氷絶」と持って。
カムイはそれぞれの刀の性質を見比べるようにそれぞれ交互に振るっていく。
右手で振るわれた「炎滅」からは空気を燃やし尽くすような熱量を有した炎が地面を燃やすように抉っていき、左手で振るわれた「氷絶」からは肌を刺すような冷気を放ちながら地面に氷の山を作り上げる。
その氷に炎の斬撃を当てれば氷は溶けていき、逆に炎に氷を当てれば炎は消えていく。
「マジか、一度放った炎が消えないから『炎滅』って言うのに『氷絶』だとその炎が消えるぞ」
「まあ、本来その『炎滅』と『氷絶』は表裏一体だからね。『氷絶』も一度放った氷が溶けないからそういう名前なんだけど、実際にそうなったら使う人によればすぐに死の土地に変化してしまうからね。そうならないための保険って感じだよ。だから、その刀が代々受け継がれた時はそれぞれ違う人物に渡したそうだよ。それも良心的な人にね」
「なるほどな、確かにこれで暴れ回ったらこの世界はたちまち炎と氷の世界だ。良心的という意味もうなづける。だが、だったら俺に渡しても良かったのか?」
カムイは炎を纏う白き刀と白い冷気を放つライトブルーの刀を持ちながら、後ろにいるカルマへと尋ねた。すると、カルマは問題なさそうな表情でカムイに答えていく。
「大丈夫、カムイ兄さんなら信じれるから。それに、それは兄さんの意思が宿っている気がするんだ。そして、その意志を受け継げるのはカムイ兄さんだけだと思うから。だから、どうか兄さんの無念を解放してください」
「そんなかしこまらなくてもいいぞ。そんなことは当たり前だからな」
カムイは自信に溢れたような顔でニコッと笑顔を作る。その笑みにカルマも思わず笑ってしまう。
その光景を見ていたリリスは思わず呟いた。
「いい感じに収まったわね。それと朱里は表情が緩みすぎよ」
「へ!? そ、そんなつもりはあれー?」
朱里はリリスに指摘されたことに驚きつつも自身の頬に触れていく。すると、頬は随分と高くまで上がっていて口元はにこやか。これはこれはなんとも恥ずかしい。
そんな二人をクラウンは横目に見ながら告げていく。
「これで準備は整った。時間をあまりかけている暇はない。神殿の攻略に向かうぞ」
***********************************************
「ここが神殿......なのか?」
「まあ、そうなるな。師匠もそう言ってたし」
現実、クラウン達は神殿の目の前に来ていた。カムイの刀が出来上がるまでの一日の間に神殿へ行くことは伝えてあるので、各々準備は万全である。
そして、いざ神殿に来てみるとこれまでとは一風変わっていてその見た目は神社そのものだった。
これまでの神殿は全て石で作られたような感じであったので酷く違いがダイレクトに伝わってくる。
この神殿を見る限りやはりこの神殿を作った人物は同じ世界の人物ということになる。それが誰であるか目星はあるもののまだ仲間には伝えてない。
すると、この神殿を見た朱里と雪姫はそれぞれ言葉を呟いていく。
「な、なんというか......いや、一言で言えば和風だよね」
「うん、随分と親しみを感じるけど......仁達が攻略してきた神殿はこうじゃなかったんでしょ?」
「そうなるな。俺もこの神殿を見るのは初めてだ。予想するに俺たちよりもはるか前の同じ世界の誰かが作った感じだろう......それよりも、お前らも本当に来るつもりか?」
クラウンは後ろを振り返るとその二人に聞いた。その声は少し高圧的で遠回しに「ついてくるな」と言っているような感じであった。
それはクラウンがこの神殿は危険であると思っているのと同時にまだ何も解決していない二人を死なせないためでもある。
単純に足でまといを減らすためでもあるし、それによって仲間の危険に陥るリスクを減らすためでもあるので、その言葉を聞いていたリリス達からすれば複雑な気持ちであることが伝わってきた。
だが、ここで「ついてくるな」とハッキリ言わなくなったのは良い傾向なのだろうか。そもそもここまで連れてくる時点で考え方が少し甘くなっているような気がするが。
クラウンの言葉を聞いた二人は一度顔を合わせるとアイコンタクトで互いの気持ちを伝え合う。そして何かを一致させたのか示し合わせたようにうなづくとクラウンに告げる。
「足でまといになるかもしれないけど、今の仁に出来ることは少ないかもしれないけど、私はまだ仁との約束を守りたい。だから、どうか私も行かせて」
「朱里も同じ気持ちだよ。それにいざとなったら海堂君からもらったこの銃と......あれでなんとか乗り切るから」
「はあ、なんとなくわかっていたが、やはりそう答えてくるか。仕方ない、俺はお前らをもう助けるつもりはないからな」
クラウンはそう告げると神殿の入口へと向かっていく。その言葉になんともシンパシーを感じたリリス。
その本人は頭を傾げて不思議に思っているが、他のベル、エキドナ、カムイはリリスを生暖かい目で見つめていた。
入口を抜けるとそのまま今まで通りの神殿で――――ではなかった。てっきり外装だけの姿だと思えば、その内部も和風の作りであった。
目の前に広がるのは木の床のような地面に両端にズラーッと並ぶふすまの扉の廊下。天井も木が組み合わさって縦に少し長い。
本物の木が使われているのかほのかに周囲から木の匂いが漂ってくる。ちょっと古めお屋敷みたいな感じだ。
すると、前方から人型の何かが歩いてくる。それは兜をかぶって全身に甲冑を身に着けている人であった。
その人物の顔は白いひげを生やした赤いお面のようなものをつけていて見ることができない。だが、まるで武士さながらに両手で握った刀の先を真上へと向けながら上段に構えている。
そして、わずかに上下に開いて出ていた右足を地面に思いっきり踏み込んだ。その瞬間、周囲にドシンッ! と大きく音を鳴らしながら地面を揺らした。
また同時に――――その武士の姿は目の前から消えていた。
「全員、衝撃に備えろ!」
クラウンは背後にいる全員にそう呼びかけると自身は一気に前へと前進。左手で鞘を持ち、親指で鍔を持ちあげると右手で一気に抜刀、シュッと短い音を立てながら横なぎに振るった。
すると、クラウンが刀を振るうと同時に武士が現れ、その武士が振り下ろした刀とクラウンが横に振った刀が交じり合い甲高い金属音と火花、それからぶつかり合った時の衝撃が周囲へと駆け巡っていく。
その衝撃はクラウンの背後にいたリリスたちも襲っていき、耐えかねた朱里と雪姫はロキによって吹き飛ばされるのを防いでもらった。
一方、クラウンは鍔迫り合いをしている武士に対して苦虫を噛んでいた。それは甲冑の隙間や全身を覆うような衣服の隙間から見えるわずかな中身。
やはりというべきか、カムイの言っていることが正しいというべきかその武士は機械じみた、つまりはロボットのような感じであった。
そして、その武士は自身の重さを生かすように刀を押してくる。それに対し、クラウンは〈剛脚〉で思いっきり腹部に膝蹴りする。それから、一瞬できたわずかな隙間に膝蹴りした足をもう一度ねじ込んで蹴り飛ばした。
その武士は空中でうまく体勢を立て直しながら、刀を地面に突き立て飛ばされる勢いを殺していく。そして、すぐさま反撃に出向くがその前にはすでにクラウンが眼前へと接近していて頭を斬り飛ばした。
クラウンは斬った首の切断面へとすぐに視線を移す。するとそこには、たくさんの配線コードのようなものがあった。ロボットであることには変わりないらしい。
「エキドナ、この世界のゴーレムについて聞きたい。通常ゴーレムというのはどういうものなんだ?」
「そうね......多方は土人形かしら。ボテっとして上半身が大きく、下半身が小さい感じ。他に違うとなれば材質ぐらいじゃないかしら。だから、正直そのゴーレムは初めて見るわよ」
「そうか。まあ、もとより情報が少ないからそこは仕方ないかもしれないな」
クラウンは刀をさやに収めると吹き飛ばした頭の方へと歩いていく。リリス達も首から下のゴーレムが気になったのか見に集まり始めた。
そして、ゴーレムの頭にたどり着くとその頭についているお面へと手を伸ばし、引き剥がした。
すると、その頭には人らしき顔が。もっと言えば、なぜかその頭の首の断面にはコードが繋がるような部分が見当たらなかった。
簡単に言えばマネキンの頭にロボットの胴体をくっつけている感じだろうか。
何故このようなデザインかは分からないが薄気味悪いことこの上ない。
これも神の使徒の思惑なのか。はたまた全く別の意図で作られたのか。
ともかく、それは考えながら先に進もうとクラウンが全員に声をかけようとしたその時、ロボット武士はけたたましい警告音を発し――――両側のふすまから一気に二丁のサブマシンガンが飛び出してきた。
その銃機は生き物のように動いてクラウン達を射程に収めると一気に銃撃を開始した。
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