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第3章 道化師は嘆く
第61話 怪獣大乱闘#2
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時は少し遡り、リリス達がアンキロサウルスに突っ込んだ一方で、クラウンもゴーレムの方へと向かっていった。
クラウンは<天翔>を使ってゴーレムの顔面へと飛んでいくと手に持ったヨーヨーを振るった。そのヨーヨーは真っ直ぐとゴーレムの顔面へと向かっていき、その一部を容易に破壊した。しかし、ゴーレムはそんなことは関係なしとばかりに、クラウンに向かって瓦礫でできた拳を振るう。
その拳はその巨体にしてはかなり早かった。そして、その拳が振るわれた後には激しい気流が発生した。しかし、それだけではクラウンに当たるはずはない。クラウンは右手のヨーヨーを引き戻すと体を反転させながら、左手のヨーヨーを振るった。
そして、そのヨーヨーがゴーレムの振るった腕の上まで来ると指を僅かに引いて、一気に下に降ろした。その瞬間、ヨーヨーからはギザギザとした刃が現れ、そのヨーヨーの回転に合わせて高速回転し始めた。さながら、チェーンソーのように。それから、そのヨーヨーはその腕を切断するように切り込み始めた。
「邪魔だ」
クラウンがそのヨーヨーを引き戻した時には、その腕は砂漠へと落下していった。それから続けざまに、両方のヨーヨーを振るうと自身の周りでヨーヨーの結界を作るように振るい始めた。そして、ヨーヨーの糸は自身の魔力で作られた糸のために、その糸を次第に伸ばしていく。
やがてクラウンは自身を中心とした半径10メートルの結界を作りだすとその結界を壊さんとばかりにごーゴーレムはもう片方の拳を振るってきた。だが、その拳は結界によって細々と裁断されていく。そして、クラウンは一度ヨーヨーを引き戻すと二つのヨーヨーを一気に上空へと投げた。
「おらあああああ!」
クラウンはその二つのヨーヨーをゴーレムの顔面へと思いっきり振り下ろした。すると、その攻撃によって、ゴーレムの頭は音を立てながら崩れていく。
「がっ!」
その時、クラウンの真下から大量の瓦礫が飛び上がってきた。まるで、重力が逆転したみたいに。そして同時に、クラウンには立っていられないほどの超重力が全身にのしかかった。それによって、クラウンは真下へと落ちていく。
それからやがて、下に向かうクラウンと上に上る瓦礫とが加速した状態のまま激突した。クラウンは超重力で体が動かせなかったため、その瓦礫の衝突をもろに受け、血反吐をぶちまけた。そして、クラウンの全身にはその瓦礫の一部が刺さっている。
しかし、これで終わりではなかった。クラウンが切り落とした腕、裁断した拳、破壊した頭、その全ての瓦礫がクラウンを襲った。そして、その勢いはどんどん加速していき、砂漠へと叩きつけられた。
ゴーレムは地面へと張り付いたままのクラウンに向かって、もとの腕へと再生させた瓦礫を思いっきり叩きつけた。その勢いと風圧でその場に轟音と砂塵が吹き荒れる。
「あぶねぇな」
クラウンはその砂塵の中から外へと出ると思わず呟いた。それはゴーレムの拳が飛んでくる直前、突如として超重力が解除されたのだ。それからわかることは、超重力は能力が高い分、他とは同時に使えない。たとえそれがただの殴りであっても。
加えて、これは攻撃を食らう前の話だが、超重力がかかっている時、砂漠には円形の独特の模様が出来ていた。おそらくその円はその超重力がかかる範囲を示しているのだろう。そして、その範囲はあまり広くない。ただ、その円の範囲ならたとえ上空にいたとしても捕らえられてしまう。
クラウンはその考えをまとめると砂漠に突き立てた拳に向かって走り出した。そして、その拳に乗るとそのまま駆け上がって行く。すると、ゴーレムは自分の腕ごと超重力をかけてきた。だが、クラウンはその範囲が自分を中心とした範囲で超重力をかけているとわかっていたので、その範囲から素早く離れる。
クラウンの予想通り、その腕はクラウンを巻き込まず崩壊した。それさえわかってしまえば、避けることは難しくない。しかし、そうなると次なる問題が発生した。それはこのゴーレムの核がどこにあるかということ。
頭を破壊して止まらなかった以上、どこにあるかはだいたいの予想はつく。しかし、その核を見ていない以上、行き過ぎた憶測による行動は死を招く。仮に、なかった場合のことも考えとかなければならない。
「だがまずは、その胴体をさらせ」
クラウンは腕を駆け上り、肩辺りまで来るとゴーレムの胸元へと飛んだ。そして、その胸元目掛けてヨーヨーを振るう。そのヨーヨーは真っ直ぐ胸の中心まで向かって瓦礫へと激突した。しかし、その部分は他の部位に比べて明らかに破損が少なく、頑丈であった。つまりは、そこだけはなんとしても護らなければならない場所だということ。
それが分かるとクラウンはヨーヨーを引き戻し、一旦後ろへと飛んだ。それはクラウン目掛けて発生した超重力を避けるため。そして、ゴーレムは避けられたとわかると両手を大きく広げて、クラウンを叩き潰そうと両手を合わせ始めた。
しかし、クラウンはそれをヨーヨーを左右に飛ばした破壊し、同時に自身はゴーレムの中心へと駆けていった。それから、中心へと辿り着くとその固い瓦礫に向かって<極震>を伴った跳び蹴りを食らわせた
る。すると、ゴーレムの体はそこを中心として激しく体を震わせた。
「チッ!」
そして、そのゴーレムに追撃をしようと動こうとした瞬間、四方八方から瓦礫が一斉に向かってきた。クラウンはそれを容易に避けていくが、その瓦礫は避けられるとすぐに方向を変えて、まるで生きているかのように再びクラウンに向かった。
そのことに舌打ちを鳴らしながら、ヨーヨーを使ってそれを砕いていく。すると、その砕かれた瓦礫はさらにクラウンを襲った。「このままでは余計にきつくなるだけだ」とすぐさま判断したクラウンは避けることだけに専念し始める。
「ごふぉ!」
その時であった。突如としてクラウンの体は正面に吸い寄せられ、否、正面に落ちていった。しかも、体は軋むような痛みを走らせながらも動くことは出来ない。つまりは、先ほど食らった超重力。それが横に働いたのだ。
そのことにクラウンは思わず目を見開いた。だが、すぐに自分の愚かさに気付く。それは相手が重力を操れるなら、なにも方向は上や下とは限らないということ。そのことは先ほどの瓦礫の軌道が教えていたことだ。
クラウンは自分自身の愚かさ呪った。しかし、今はそんなことを考えても仕方ない。そして、クラウンは横に落ちていく勢いでゴーレムの振りかぶった頭突きに直撃した。その直後、超重力は解除されクラウンは吹き飛ばされ――――――――
「なめんな、愚物が!それで俺が狩れると思うなよ!」
―――――――ることはなかった。それはクラウンが横に落ちていく中でゴーレムの両肩に飛ばした糸。その糸はクラウンによって自由自在にできており、対象物にくっつけることも出来る。それを活かしてその勢いを殺した。正直、その勢いでクラウンの腕は千切れかけ、その腕からは血管が切れたようで腕から大量に血が噴き出たが、そんなことはクラウンには関係ない。
クラウンは<超回復>で回復させながら、その糸を一気に引き戻し、ゴーレムの頭へと突貫した。そして、その頭を<剛脚>で蹴り飛ばすと一旦その蹴りの反動で離れ、糸をもう一度引き寄せた。それから再び、ゴーレムの中心部分に向かって<極震>を使って蹴り込む。
すると、ゴーレムの中心部分に亀裂が入った。そして、バランスを崩したのか後ろへと倒れ込んでいく。その時初めて、痛みを上げるようなガガガガガという音を鳴らした。
ゴーレムはその体を後ろに倒れさせるとそこにいたアンキロサウルスに直撃した。クラウンはその光景を見ながら、リリス達の方を一瞥する。すると丁度、アンキロサウルスに止めを刺したいるところであった。すると、アンキロサウルスは口から大量の煙を吐き出しながら、少し暴れてやがて沈黙した。
それを見たクラウンは思わず口角を上げ、口元を歪ませる。そして、不敵な目をゴーレムに向けた。その時、ゴーレムは再びガガガガガという音を立てながら、自壊してその全ての瓦礫をクラウンのもとへと放った。
「うざってぇ!」
クラウンは思わず愚痴をこぼしながらも、その瓦礫を避け中心部分の瓦礫へと向かっていった。そして、クラウンがその瓦礫に近づいた時、まるで近づけさせまいとばかりにクラウンに超重力をかけて、弾き飛ばす。
それからやがて、ゴーレムだった瓦礫は空中に漂うとまるで隕石かのように全方位に振り下ろした。その攻撃に思わずクラウンは苦虫を噛み潰したような顔をした。それはその攻撃が砂漠の国も攻撃範囲内に入っているということ。
別に義理立てするつもりではないが、あの国には武器を作ってくれたドワーフがいる。あのドワーフはいい腕をしていた。となれば、またどこかで利用する機会がくるかもしれない。なら、この場で勝手に死なれるのは困る。まだ利用しつくしていないから。
「お前ら......」
クラウンが咄嗟に砂漠の国の方へと向かおうと体の向きを変えた時、その近くにはすで仲間達が立っていた。まるでこちらの心中を察したかのように。すると、そこにいたリリスがクラウンに向かってジェスチャーした。
未だ上空にあったゴーレムの中心部分に対して指を突き刺して、そこから親を指を立てながら、それを下に向け振り下ろした。つまりは「ここは私達に任せて、さっさと撃墜しちゃいなさい」ということ。そんな言葉がクラウンには伝わってきた。
「.......」
クラウンはそのジェスチャーに何も返すことはなかった。しかし、先ほどよりより深い不敵な笑みを浮かべていた。そして、その笑みを浮かべたままゴーレムの中心部分に向かって飛んでいく。
ゴーレムはクラウンに向かって先ほど飛ばした瓦礫の一部を引き寄せていった。しかし、クラウンはヨーヨーの結界を張りながら全てを破壊していく。致命傷さえ防げば、もう避ける必要はない。今必要なのは前に進む力のみ。
そして、クラウンがそのゴーレムに近づくとそのゴーレムは砕かれた瓦礫を引き戻して、先ほどよりも少し小さいが確かな人型を作り上げた。それから、その振り上げた拳をクラウンに叩きつける。しかし、それはクラウンが前方に投げたヨーヨーに向かって破壊される。
「一刀流狼の型.......砕牙!」
クラウンはヨーヨーを引き戻してしまい、ゴーレムの中心部分に近づくとその亀裂の入った部分に刀を突き立てた。そして、その柄を両手で思いっきり振り上げた。その瞬間、ゴーレムの中心部分は核とともに一刀両断され、その中から光る玉を出しながら落ちていった。
「これで攻略だ」
クラウンは宝玉を掴むとその落ちていく瓦礫を見下ろした。
**********************************************
「ん?寝坊助のグロちゃんと強化したようなゴーレムが両方ともやられたネ」
ある森の一番高い木に寝そべっていたダルそうな顔をしている男は、砂漠の国がある方向に顔を向けながら、そんなこと独り言ちた。そして、上体を起こすと大きく伸びをした。
「あー、めんどくさいネ。でも、やらなきゃいけないじゃ仕方ないネ」
その男はダルそう立ち上がるとダルそうにあくびした。
クラウンは<天翔>を使ってゴーレムの顔面へと飛んでいくと手に持ったヨーヨーを振るった。そのヨーヨーは真っ直ぐとゴーレムの顔面へと向かっていき、その一部を容易に破壊した。しかし、ゴーレムはそんなことは関係なしとばかりに、クラウンに向かって瓦礫でできた拳を振るう。
その拳はその巨体にしてはかなり早かった。そして、その拳が振るわれた後には激しい気流が発生した。しかし、それだけではクラウンに当たるはずはない。クラウンは右手のヨーヨーを引き戻すと体を反転させながら、左手のヨーヨーを振るった。
そして、そのヨーヨーがゴーレムの振るった腕の上まで来ると指を僅かに引いて、一気に下に降ろした。その瞬間、ヨーヨーからはギザギザとした刃が現れ、そのヨーヨーの回転に合わせて高速回転し始めた。さながら、チェーンソーのように。それから、そのヨーヨーはその腕を切断するように切り込み始めた。
「邪魔だ」
クラウンがそのヨーヨーを引き戻した時には、その腕は砂漠へと落下していった。それから続けざまに、両方のヨーヨーを振るうと自身の周りでヨーヨーの結界を作るように振るい始めた。そして、ヨーヨーの糸は自身の魔力で作られた糸のために、その糸を次第に伸ばしていく。
やがてクラウンは自身を中心とした半径10メートルの結界を作りだすとその結界を壊さんとばかりにごーゴーレムはもう片方の拳を振るってきた。だが、その拳は結界によって細々と裁断されていく。そして、クラウンは一度ヨーヨーを引き戻すと二つのヨーヨーを一気に上空へと投げた。
「おらあああああ!」
クラウンはその二つのヨーヨーをゴーレムの顔面へと思いっきり振り下ろした。すると、その攻撃によって、ゴーレムの頭は音を立てながら崩れていく。
「がっ!」
その時、クラウンの真下から大量の瓦礫が飛び上がってきた。まるで、重力が逆転したみたいに。そして同時に、クラウンには立っていられないほどの超重力が全身にのしかかった。それによって、クラウンは真下へと落ちていく。
それからやがて、下に向かうクラウンと上に上る瓦礫とが加速した状態のまま激突した。クラウンは超重力で体が動かせなかったため、その瓦礫の衝突をもろに受け、血反吐をぶちまけた。そして、クラウンの全身にはその瓦礫の一部が刺さっている。
しかし、これで終わりではなかった。クラウンが切り落とした腕、裁断した拳、破壊した頭、その全ての瓦礫がクラウンを襲った。そして、その勢いはどんどん加速していき、砂漠へと叩きつけられた。
ゴーレムは地面へと張り付いたままのクラウンに向かって、もとの腕へと再生させた瓦礫を思いっきり叩きつけた。その勢いと風圧でその場に轟音と砂塵が吹き荒れる。
「あぶねぇな」
クラウンはその砂塵の中から外へと出ると思わず呟いた。それはゴーレムの拳が飛んでくる直前、突如として超重力が解除されたのだ。それからわかることは、超重力は能力が高い分、他とは同時に使えない。たとえそれがただの殴りであっても。
加えて、これは攻撃を食らう前の話だが、超重力がかかっている時、砂漠には円形の独特の模様が出来ていた。おそらくその円はその超重力がかかる範囲を示しているのだろう。そして、その範囲はあまり広くない。ただ、その円の範囲ならたとえ上空にいたとしても捕らえられてしまう。
クラウンはその考えをまとめると砂漠に突き立てた拳に向かって走り出した。そして、その拳に乗るとそのまま駆け上がって行く。すると、ゴーレムは自分の腕ごと超重力をかけてきた。だが、クラウンはその範囲が自分を中心とした範囲で超重力をかけているとわかっていたので、その範囲から素早く離れる。
クラウンの予想通り、その腕はクラウンを巻き込まず崩壊した。それさえわかってしまえば、避けることは難しくない。しかし、そうなると次なる問題が発生した。それはこのゴーレムの核がどこにあるかということ。
頭を破壊して止まらなかった以上、どこにあるかはだいたいの予想はつく。しかし、その核を見ていない以上、行き過ぎた憶測による行動は死を招く。仮に、なかった場合のことも考えとかなければならない。
「だがまずは、その胴体をさらせ」
クラウンは腕を駆け上り、肩辺りまで来るとゴーレムの胸元へと飛んだ。そして、その胸元目掛けてヨーヨーを振るう。そのヨーヨーは真っ直ぐ胸の中心まで向かって瓦礫へと激突した。しかし、その部分は他の部位に比べて明らかに破損が少なく、頑丈であった。つまりは、そこだけはなんとしても護らなければならない場所だということ。
それが分かるとクラウンはヨーヨーを引き戻し、一旦後ろへと飛んだ。それはクラウン目掛けて発生した超重力を避けるため。そして、ゴーレムは避けられたとわかると両手を大きく広げて、クラウンを叩き潰そうと両手を合わせ始めた。
しかし、クラウンはそれをヨーヨーを左右に飛ばした破壊し、同時に自身はゴーレムの中心へと駆けていった。それから、中心へと辿り着くとその固い瓦礫に向かって<極震>を伴った跳び蹴りを食らわせた
る。すると、ゴーレムの体はそこを中心として激しく体を震わせた。
「チッ!」
そして、そのゴーレムに追撃をしようと動こうとした瞬間、四方八方から瓦礫が一斉に向かってきた。クラウンはそれを容易に避けていくが、その瓦礫は避けられるとすぐに方向を変えて、まるで生きているかのように再びクラウンに向かった。
そのことに舌打ちを鳴らしながら、ヨーヨーを使ってそれを砕いていく。すると、その砕かれた瓦礫はさらにクラウンを襲った。「このままでは余計にきつくなるだけだ」とすぐさま判断したクラウンは避けることだけに専念し始める。
「ごふぉ!」
その時であった。突如としてクラウンの体は正面に吸い寄せられ、否、正面に落ちていった。しかも、体は軋むような痛みを走らせながらも動くことは出来ない。つまりは、先ほど食らった超重力。それが横に働いたのだ。
そのことにクラウンは思わず目を見開いた。だが、すぐに自分の愚かさに気付く。それは相手が重力を操れるなら、なにも方向は上や下とは限らないということ。そのことは先ほどの瓦礫の軌道が教えていたことだ。
クラウンは自分自身の愚かさ呪った。しかし、今はそんなことを考えても仕方ない。そして、クラウンは横に落ちていく勢いでゴーレムの振りかぶった頭突きに直撃した。その直後、超重力は解除されクラウンは吹き飛ばされ――――――――
「なめんな、愚物が!それで俺が狩れると思うなよ!」
―――――――ることはなかった。それはクラウンが横に落ちていく中でゴーレムの両肩に飛ばした糸。その糸はクラウンによって自由自在にできており、対象物にくっつけることも出来る。それを活かしてその勢いを殺した。正直、その勢いでクラウンの腕は千切れかけ、その腕からは血管が切れたようで腕から大量に血が噴き出たが、そんなことはクラウンには関係ない。
クラウンは<超回復>で回復させながら、その糸を一気に引き戻し、ゴーレムの頭へと突貫した。そして、その頭を<剛脚>で蹴り飛ばすと一旦その蹴りの反動で離れ、糸をもう一度引き寄せた。それから再び、ゴーレムの中心部分に向かって<極震>を使って蹴り込む。
すると、ゴーレムの中心部分に亀裂が入った。そして、バランスを崩したのか後ろへと倒れ込んでいく。その時初めて、痛みを上げるようなガガガガガという音を鳴らした。
ゴーレムはその体を後ろに倒れさせるとそこにいたアンキロサウルスに直撃した。クラウンはその光景を見ながら、リリス達の方を一瞥する。すると丁度、アンキロサウルスに止めを刺したいるところであった。すると、アンキロサウルスは口から大量の煙を吐き出しながら、少し暴れてやがて沈黙した。
それを見たクラウンは思わず口角を上げ、口元を歪ませる。そして、不敵な目をゴーレムに向けた。その時、ゴーレムは再びガガガガガという音を立てながら、自壊してその全ての瓦礫をクラウンのもとへと放った。
「うざってぇ!」
クラウンは思わず愚痴をこぼしながらも、その瓦礫を避け中心部分の瓦礫へと向かっていった。そして、クラウンがその瓦礫に近づいた時、まるで近づけさせまいとばかりにクラウンに超重力をかけて、弾き飛ばす。
それからやがて、ゴーレムだった瓦礫は空中に漂うとまるで隕石かのように全方位に振り下ろした。その攻撃に思わずクラウンは苦虫を噛み潰したような顔をした。それはその攻撃が砂漠の国も攻撃範囲内に入っているということ。
別に義理立てするつもりではないが、あの国には武器を作ってくれたドワーフがいる。あのドワーフはいい腕をしていた。となれば、またどこかで利用する機会がくるかもしれない。なら、この場で勝手に死なれるのは困る。まだ利用しつくしていないから。
「お前ら......」
クラウンが咄嗟に砂漠の国の方へと向かおうと体の向きを変えた時、その近くにはすで仲間達が立っていた。まるでこちらの心中を察したかのように。すると、そこにいたリリスがクラウンに向かってジェスチャーした。
未だ上空にあったゴーレムの中心部分に対して指を突き刺して、そこから親を指を立てながら、それを下に向け振り下ろした。つまりは「ここは私達に任せて、さっさと撃墜しちゃいなさい」ということ。そんな言葉がクラウンには伝わってきた。
「.......」
クラウンはそのジェスチャーに何も返すことはなかった。しかし、先ほどよりより深い不敵な笑みを浮かべていた。そして、その笑みを浮かべたままゴーレムの中心部分に向かって飛んでいく。
ゴーレムはクラウンに向かって先ほど飛ばした瓦礫の一部を引き寄せていった。しかし、クラウンはヨーヨーの結界を張りながら全てを破壊していく。致命傷さえ防げば、もう避ける必要はない。今必要なのは前に進む力のみ。
そして、クラウンがそのゴーレムに近づくとそのゴーレムは砕かれた瓦礫を引き戻して、先ほどよりも少し小さいが確かな人型を作り上げた。それから、その振り上げた拳をクラウンに叩きつける。しかし、それはクラウンが前方に投げたヨーヨーに向かって破壊される。
「一刀流狼の型.......砕牙!」
クラウンはヨーヨーを引き戻してしまい、ゴーレムの中心部分に近づくとその亀裂の入った部分に刀を突き立てた。そして、その柄を両手で思いっきり振り上げた。その瞬間、ゴーレムの中心部分は核とともに一刀両断され、その中から光る玉を出しながら落ちていった。
「これで攻略だ」
クラウンは宝玉を掴むとその落ちていく瓦礫を見下ろした。
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「ん?寝坊助のグロちゃんと強化したようなゴーレムが両方ともやられたネ」
ある森の一番高い木に寝そべっていたダルそうな顔をしている男は、砂漠の国がある方向に顔を向けながら、そんなこと独り言ちた。そして、上体を起こすと大きく伸びをした。
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