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4章 ナイトフォール編
VSゾルガン③
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魔人化。
おそらくエーテルバフみたいなものだろう。
第二席のそれは、おぞましい以外の何物でもない。
悪魔を象る闇エネルギーを纏ったゾルガンはもう見た目も迫力も魔王に匹敵するほどの圧力を放っている。
「いくぞ 」
……!?
10メートルは離れていたであろうゾルガンがもうすでに傍まで移動してきており、俺に向かって拳を振り抜いてくる。
「……ぐっ! 」
なんとか構えることはできたが、彼の打撃をマトモに喰らってしまった。
そして俺は受け身をとるひまもなく、真っ直ぐ後方の壁に激突した。
もう動体視力うんぬんは関係ないほどの実力差が開いている。
ゾルガンは壁にめり込んだ俺にゆっくり近づいてきて、
「もうそのまま大人しく死ね 」
そう言って、拳に闇エネルギーを蓄積している。
あのエネルギーを直接ぶち当てられたらさすがに木っ端微塵になるかもしれないな。
……さすがに最終手段を使うしかない。
本当はマルコスと戦う時に披露するつもりだったが、そんな悠長なこと言ってる暇はないようだ。
まずはこの状況を抜け出すっ!
「聖属性神級魔法【 アトミックパージ⠀】」
俺は性急にそう唱えた。
俺の身体から聖属性エネルギーが発され、それが部屋全体に拡がっていく。
これで以前ヴォルガンを倒すことができたが……。
「聖属性魔法……使えるのか 」
ゾルガンはそう言って大きく後方へ退いた。
しかしこの魔法は部屋全体へとエネルギーが行き渡るため、避けきれはしない。
後方へ退いた彼にもちょうど聖属性エネルギーの拡大が行き届いたところだ。
だがその寸前、闇エネルギーにより自身の周りをドーム状に覆い隠した。
果たしてそれで守れるのか?
この部屋から聖属性エネルギーが消え去った後、すぐにゾルガンは闇エネルギーの中から姿を現した。
見かけ上はほとんど無傷だ。
まぁ倒せるとは思っていなかった。
元々の目的は俺から距離を離すことだったわけだし、充分及第点ではある。
「俺にその程度の聖属性魔法は通用しない 」
「やっぱり化け物だな 」
よし、今のうちに最終手段実行だ。
まずは以前アークスカイでイメージした通りに魔力を取り込んでいく。
あの時は仮の名として『闇の力』と呼んでいたが、本来正しい呼び方があったんだな。
そして魔力を取り込んでいる姿を見たゾルガンが初めて表情を歪めた。
「お前……その姿は……!? 」
「あぁ、お前達の中で呼んでいた『魔人化』ってやつだ! 」
自分で自分の姿が見えるわけもないが、おそらくイメージ通りに魔力が取り込めたのなら俺は今、やつと同じように闇エネルギーを纏った状態になっているはずだ。
しかもそのエネルギーは悪魔の形を模している。
「いや、お前のそれはただの魔人化ではない 」
「どういう意味だ? 」
「闇のエネルギーの他にも別の魔力を感じるからだ 」
少しやつの言っている意味が分からなかったが、自分の身体をみえる範囲だけ目を通してみた。
確かに闇のエネルギーを纏うことができている。
しかしそれだけではない、これは無属性のエネルギーだ。
纏ったエネルギーが常に身体を循環しているが、黒、白、黒、白と交互に流れていた。
どうやら俺は無意識に二つのエネルギーを同時に纏っていたらしい。
なんか色合いだけ見たらシマウマみたいで嫌だな……。
まぁ戦い中にそんなことも言ってられない。
実際、今まで感じたことないほどの力が溢れている。
「ゾルガン! 次こそ決着だ! 」
やつは今までになく真剣な顔をして、戦闘態勢に入った。
おそらくエーテルバフみたいなものだろう。
第二席のそれは、おぞましい以外の何物でもない。
悪魔を象る闇エネルギーを纏ったゾルガンはもう見た目も迫力も魔王に匹敵するほどの圧力を放っている。
「いくぞ 」
……!?
10メートルは離れていたであろうゾルガンがもうすでに傍まで移動してきており、俺に向かって拳を振り抜いてくる。
「……ぐっ! 」
なんとか構えることはできたが、彼の打撃をマトモに喰らってしまった。
そして俺は受け身をとるひまもなく、真っ直ぐ後方の壁に激突した。
もう動体視力うんぬんは関係ないほどの実力差が開いている。
ゾルガンは壁にめり込んだ俺にゆっくり近づいてきて、
「もうそのまま大人しく死ね 」
そう言って、拳に闇エネルギーを蓄積している。
あのエネルギーを直接ぶち当てられたらさすがに木っ端微塵になるかもしれないな。
……さすがに最終手段を使うしかない。
本当はマルコスと戦う時に披露するつもりだったが、そんな悠長なこと言ってる暇はないようだ。
まずはこの状況を抜け出すっ!
「聖属性神級魔法【 アトミックパージ⠀】」
俺は性急にそう唱えた。
俺の身体から聖属性エネルギーが発され、それが部屋全体に拡がっていく。
これで以前ヴォルガンを倒すことができたが……。
「聖属性魔法……使えるのか 」
ゾルガンはそう言って大きく後方へ退いた。
しかしこの魔法は部屋全体へとエネルギーが行き渡るため、避けきれはしない。
後方へ退いた彼にもちょうど聖属性エネルギーの拡大が行き届いたところだ。
だがその寸前、闇エネルギーにより自身の周りをドーム状に覆い隠した。
果たしてそれで守れるのか?
この部屋から聖属性エネルギーが消え去った後、すぐにゾルガンは闇エネルギーの中から姿を現した。
見かけ上はほとんど無傷だ。
まぁ倒せるとは思っていなかった。
元々の目的は俺から距離を離すことだったわけだし、充分及第点ではある。
「俺にその程度の聖属性魔法は通用しない 」
「やっぱり化け物だな 」
よし、今のうちに最終手段実行だ。
まずは以前アークスカイでイメージした通りに魔力を取り込んでいく。
あの時は仮の名として『闇の力』と呼んでいたが、本来正しい呼び方があったんだな。
そして魔力を取り込んでいる姿を見たゾルガンが初めて表情を歪めた。
「お前……その姿は……!? 」
「あぁ、お前達の中で呼んでいた『魔人化』ってやつだ! 」
自分で自分の姿が見えるわけもないが、おそらくイメージ通りに魔力が取り込めたのなら俺は今、やつと同じように闇エネルギーを纏った状態になっているはずだ。
しかもそのエネルギーは悪魔の形を模している。
「いや、お前のそれはただの魔人化ではない 」
「どういう意味だ? 」
「闇のエネルギーの他にも別の魔力を感じるからだ 」
少しやつの言っている意味が分からなかったが、自分の身体をみえる範囲だけ目を通してみた。
確かに闇のエネルギーを纏うことができている。
しかしそれだけではない、これは無属性のエネルギーだ。
纏ったエネルギーが常に身体を循環しているが、黒、白、黒、白と交互に流れていた。
どうやら俺は無意識に二つのエネルギーを同時に纏っていたらしい。
なんか色合いだけ見たらシマウマみたいで嫌だな……。
まぁ戦い中にそんなことも言ってられない。
実際、今まで感じたことないほどの力が溢れている。
「ゾルガン! 次こそ決着だ! 」
やつは今までになく真剣な顔をして、戦闘態勢に入った。
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