97 / 129
4章 ナイトフォール編
カイルVSドレア①
しおりを挟む
「闇魔法【 シャドウ 】」
再び同じ魔法か。
さっきと同じくらいの数。
みんな同じ顔をしているから本物がどれか分からなくなるな。
「そんな数……どうやって対処すればいいっ! あ、そういえば…… 」
ふと思い出した。
空間を通ったあと、あいつの魔法解けていたような……。
もしかしたら他の空間を介すると物体を維持できないとか?
理屈は分からんが。
「ふっふっふ! 時空間魔法【 ディメンション・エリア 】 さぁ、こいっ! 」
「なんだ? 誘ってるのか? 罠だろうが、影にはダメージはない! いけぇぇぇっ! 」
とはいえ、この仮説が間違っていれば命が危ういわけだが。
しかしだ、これくらいのピンチ越えられぬ程度じゃ春陽とは肩を並べることなんてできない。
彼の旅についてきた意味だってないのだ。
なんのために、ここまで一緒に旅をしてきた?
なんのために、力を与えてもらった?
全て春陽のためだろ?
彼と対等な友であり続けるため。
安心して背中を預けてもらえるような、そんな存在になりたいと思ったからだ。
そして彼が創り出した影達は、俺の周りに死角なく創りこまれた異次元空間(多分この近辺と繋がっている)に突っ込んでくるなり、姿を消していった。
その後、本来なら設定した近くの場所に同じ空間が現れて、出てくるはずだが姿を現さない。
つまり仮説が正しかった、そういうことだ。
「俺の魔法は次元を跨げば消えてしまうのか 」
ドレアは初めての経験だったようで、フムフムと自身にインプットをしている。
「そういうことだ! つまり君の攻撃は怖くないっ! 」
少し強がってみたが、彼はダークオーダーという組織の上位魔族らしい。
こんな簡単なわけがないのは俺でも分かっている。
「ならこれはどうだっ! 闇魔法【 シャドウ・シーム 】」
なんだ?
地に潜むあらゆる影が彼の一言で呼び覚まされたような。
俺がそう思ったのは、その影達は具現化し、地から浮き出ているからだ。
その形は全て大きな縫い針のように鋭利なもので、伸縮自在、現在は俺の身長の3倍以上になっている。
ざっとその数……う~ん、分からんっ!
100?200?つまりそれだけ多いのだ。
「この数の影をお前は避けられるかな? アハハハハッ! 」
「ハハハ……。 どうだろうか 」
たしかに自信はない。
しかし速さが特徴のものを俺は持っている。
以前ならば避けられなかっただろうが、強化された今ならどうだ。
きっとできる……気がする。
「雷神級エーテルバフ発動! 」
俺は得意の雷魔法によるエーテルバフを発動した。
すると魔力により発生した雷エネルギーが身体中を纏う。
これにより身体能力は向上し、雷の性質を得ることができるのだ。
雷の性質とは、そう『速さ』。
「ほう、質の濃い雷エネルギー。 さすが魔族に刃向かうほどではあるな。 だが、この数は避けれまいっ! くらえ――っ! 」
向かってきた。
ドレアの合図で向かってきたのだ。
その数百はくだらない影の刃が。
さっきは俺の身長の倍程度だったが、さすが伸縮自在、いくらでも伸びて向かってくる。
前方からきたものは難なく避けた。
そして後方。
さすが伸縮神級のエーテルバフ、纏っている雷エネルギーが多大すぎるため、広範囲へと拡がっている。
そのおかげで後方からきたものは、自身の雷エネルギーに影が触れることで位置を把握し、避けることができた。
「へっ! どうだ! 避けて見せているぞ! 」
この通り、避けながらもやつに語りかけるくらいは余裕がある。
「いつまでその強がりがもつかなっ! 」
確かにこのまま避け続けるわけにはいかない。
どこかで隙をみてあいつに近づく方法を考えないと……。
「くそ――っ! どうする…… 」
心なしか避けるのもキツくなってきた。
ここは一度、時空間魔法を使って……いやその隙に串刺しになりそうだ。
しかし他に方法も思いつかんっ!
「そろそろ避けるのもキツいんじゃないか? アハハハッ! 」
やつめ、呑気に笑ってやがる。
ここは一か八かだっ!
「時空間魔法【 ディメンション・ウェイブ 】うぐっ! 」
「ひやぁっ! 刺さった刺さったっ! そのまま串刺しだ――っ! 」
グサグサッ――
再び同じ魔法か。
さっきと同じくらいの数。
みんな同じ顔をしているから本物がどれか分からなくなるな。
「そんな数……どうやって対処すればいいっ! あ、そういえば…… 」
ふと思い出した。
空間を通ったあと、あいつの魔法解けていたような……。
もしかしたら他の空間を介すると物体を維持できないとか?
理屈は分からんが。
「ふっふっふ! 時空間魔法【 ディメンション・エリア 】 さぁ、こいっ! 」
「なんだ? 誘ってるのか? 罠だろうが、影にはダメージはない! いけぇぇぇっ! 」
とはいえ、この仮説が間違っていれば命が危ういわけだが。
しかしだ、これくらいのピンチ越えられぬ程度じゃ春陽とは肩を並べることなんてできない。
彼の旅についてきた意味だってないのだ。
なんのために、ここまで一緒に旅をしてきた?
なんのために、力を与えてもらった?
全て春陽のためだろ?
彼と対等な友であり続けるため。
安心して背中を預けてもらえるような、そんな存在になりたいと思ったからだ。
そして彼が創り出した影達は、俺の周りに死角なく創りこまれた異次元空間(多分この近辺と繋がっている)に突っ込んでくるなり、姿を消していった。
その後、本来なら設定した近くの場所に同じ空間が現れて、出てくるはずだが姿を現さない。
つまり仮説が正しかった、そういうことだ。
「俺の魔法は次元を跨げば消えてしまうのか 」
ドレアは初めての経験だったようで、フムフムと自身にインプットをしている。
「そういうことだ! つまり君の攻撃は怖くないっ! 」
少し強がってみたが、彼はダークオーダーという組織の上位魔族らしい。
こんな簡単なわけがないのは俺でも分かっている。
「ならこれはどうだっ! 闇魔法【 シャドウ・シーム 】」
なんだ?
地に潜むあらゆる影が彼の一言で呼び覚まされたような。
俺がそう思ったのは、その影達は具現化し、地から浮き出ているからだ。
その形は全て大きな縫い針のように鋭利なもので、伸縮自在、現在は俺の身長の3倍以上になっている。
ざっとその数……う~ん、分からんっ!
100?200?つまりそれだけ多いのだ。
「この数の影をお前は避けられるかな? アハハハハッ! 」
「ハハハ……。 どうだろうか 」
たしかに自信はない。
しかし速さが特徴のものを俺は持っている。
以前ならば避けられなかっただろうが、強化された今ならどうだ。
きっとできる……気がする。
「雷神級エーテルバフ発動! 」
俺は得意の雷魔法によるエーテルバフを発動した。
すると魔力により発生した雷エネルギーが身体中を纏う。
これにより身体能力は向上し、雷の性質を得ることができるのだ。
雷の性質とは、そう『速さ』。
「ほう、質の濃い雷エネルギー。 さすが魔族に刃向かうほどではあるな。 だが、この数は避けれまいっ! くらえ――っ! 」
向かってきた。
ドレアの合図で向かってきたのだ。
その数百はくだらない影の刃が。
さっきは俺の身長の倍程度だったが、さすが伸縮自在、いくらでも伸びて向かってくる。
前方からきたものは難なく避けた。
そして後方。
さすが伸縮神級のエーテルバフ、纏っている雷エネルギーが多大すぎるため、広範囲へと拡がっている。
そのおかげで後方からきたものは、自身の雷エネルギーに影が触れることで位置を把握し、避けることができた。
「へっ! どうだ! 避けて見せているぞ! 」
この通り、避けながらもやつに語りかけるくらいは余裕がある。
「いつまでその強がりがもつかなっ! 」
確かにこのまま避け続けるわけにはいかない。
どこかで隙をみてあいつに近づく方法を考えないと……。
「くそ――っ! どうする…… 」
心なしか避けるのもキツくなってきた。
ここは一度、時空間魔法を使って……いやその隙に串刺しになりそうだ。
しかし他に方法も思いつかんっ!
「そろそろ避けるのもキツいんじゃないか? アハハハッ! 」
やつめ、呑気に笑ってやがる。
ここは一か八かだっ!
「時空間魔法【 ディメンション・ウェイブ 】うぐっ! 」
「ひやぁっ! 刺さった刺さったっ! そのまま串刺しだ――っ! 」
グサグサッ――
0
お気に入りに追加
392
あなたにおすすめの小説
半分異世界
月野槐樹
ファンタジー
関東圏で学生が行方不明になる事件が次々にしていた。それは異世界召還によるものだった。
ネットでも「神隠しか」「異世界召還か」と噂が飛び交うのを見て、異世界に思いを馳せる少年、圭。
いつか異世界に行った時の為にとせっせと準備をして「異世界ガイドノート」なるものまで作成していた圭。従兄弟の瑛太はそんな圭の様子をちょっと心配しながらも充実した学生生活を送っていた。
そんなある日、ついに異世界の扉が彼らの前に開かれた。
「異世界ガイドノート」と一緒に旅する異世界
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。
現世で惨めなサラリーマンをしていた……
そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。
その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。
それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。
目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて……
現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に……
特殊な能力が当然のように存在するその世界で……
自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
マスターズ・リーグ ~傭兵王シリルの剣~
ふりたけ(振木岳人)
ファンタジー
「……あの子を、シリルの事を頼めるか? ……」
騎士王ボードワンが天使の凶刃に倒れた際、彼は実の息子である王子たちの行く末を案じたのではなく、その後の人類に憂いて、精霊王に「いわくつきの子」を託した。
その名はシリル、名前だけで苗字の無い子。そして騎士王が密かに育てようとしていた子。再び天使が地上人絶滅を目的に攻めて来た際に、彼が生きとし生ける者全ての希望の光となるようにと。
この物語は、剣技にも魔術にもまるで秀でていない「どん底シリル」が、栄光の剣を持って地上に光を与える英雄物語である。
なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!
日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」
見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。
神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。
特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。
突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。
なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。
・魔物に襲われている女の子との出会い
・勇者との出会い
・魔王との出会い
・他の転生者との出会い
・波長の合う仲間との出会い etc.......
チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。
その時クロムは何を想い、何をするのか……
このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……
マギアクエスト!
友坂 悠
ファンタジー
異世界転生ファンタジーラブ!!
気がついたら異世界? ううん、異世界は異世界でも、ここってマギアクエストの世界だよ!
野々華真希那《ののはなまきな》、18歳。
今年田舎から出てきてちょっと都会の大学に入学したばっかりのぴちぴちの女子大生!
だったんだけど。
車にはねられたと思ったら気がついたらデバッガーのバイトでやりこんでたゲームの世界に転生してた。
それもゲーム世界のアバター、マキナとして。
このアバター、リリース版では実装されなかったチート種族の天神族で、見た目は普通の人族なんだけど中身のステータスは大違い。
とにかく無敵なチートキャラだったはずなんだけど、ギルドで冒険者登録してみたらなぜかよわよわなEランク判定。
それも魔法を使う上で肝心な魔力特性値がゼロときた。
嘘でしょ!?
そう思ってはみたものの判定は覆らずで。
まあしょうがないかぁ。頑張ってみようかなって思ってフィールドに出てみると、やっぱりあたしのステイタスったらめちゃチート!?
これはまさか。
無限大♾な特性値がゼロって誤判定されたって事?
まあでも。災い転じて福とも言うし、変に国家の中枢に目をつけられても厄介だからね?
このまま表向きはEランク冒険者としてまったり過ごすのも悪く無いかなぁって思ってた所で思わぬ事件に巻き込まれ……。
ってこれマギアクエストのストーリークエ?「哀しみの勇者ノワ」イベントが発動しちゃった? こんな序盤で!
ストーリーモードボス戦の舞台であるダンジョン「漆黒の魔窟」に降り立ったあたしは、その最下層で怪我をした黒猫の子を拾って。
って、この子もしかして第六王子? ってほんとどうなってるの!?
ハズレ職業のテイマーは【強奪】スキルで無双する〜最弱の職業とバカにされたテイマーは魔物のスキルを自分のものにできる最強の職業でした〜
平山和人
ファンタジー
Sランクパーティー【黄金の獅子王】に所属するテイマーのカイトは役立たずを理由にパーティーから追放される。
途方に暮れるカイトであったが、伝説の神獣であるフェンリルと遭遇したことで、テイムした魔物の能力を自分のものに出来る力に目覚める。
さらにカイトは100年に一度しか産まれないゴッドテイマーであることが判明し、フェンリルを始めとする神獣を従える存在となる。
魔物のスキルを吸収しまくってカイトはやがて最強のテイマーとして世界中に名を轟かせていくことになる。
一方、カイトを追放した【黄金の獅子王】はカイトを失ったことで没落の道を歩み、パーティーを解散することになった。
男女比1/100の世界で《悪男》は大海を知る
イコ
ファンタジー
男女貞操逆転世界を舞台にして。
《悪男》としてのレッテルを貼られたマクシム・ブラックウッド。
彼は己が運命を嘆きながら、処刑されてしまう。
だが、彼が次に目覚めた時。
そこは十三歳の自分だった。
処刑されたことで、自分の行いを悔い改めて、人生をやり直す。
これは、本物の《悪男》として生きる決意をして女性が多い世界で生きる男の話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる