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4章 ナイトフォール編
双子戦開幕
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「なぁレイズ、ここどこだか分かるか? 」
「いや? 僕はこんなところ知らないよ、兄さん 」
よし、無事に逆転移はできたみたいでよかった。
(さすがに私の部屋は嫌だから外にさせてもらったわよ )
ミッドナイトにはナイトフォールの街外れに逆転移してもらった。
その方が人を巻き込まずに戦いやすいからだ。
「あ、お姉さんいた。 あれ君だけ? もう1人僕達をバカにしたやついたよね? 」
「ドレア兄さん、そいつ今きたみたいだよ 」
「ミア! 待たせたな! 」
「カイルくんっ! 」
よかった、さすがに上位魔族2人相手は無理がある。
「じゃあさっそく殺してやろうよ、レイズ! 」
「あぁ、仕事開始だね、ドレア兄さん! 」
さっそく戦闘開始らしい。
「レイズ! いきなりいくよ! 闇魔法【 シャドウ 】」
すると、地の至るところに禍々しい黒の魔法陣が描かれ始める。
それは十数個にものぼる数で、そこからはめんどくさいことに全く同じ見た目の美青年が現れた。
同じといっても、少し見慣れてきたのか兄の方が髪色がやや濃い青、弟の方が水色に近い青と、若干違うようだがこれだけの数がいればもう関係ない気がする。
「さすがドレア兄さん。 僕もいくね! 」
「いや、レイズ、お前は一旦見ていろ 」
「えーっ! 兄さんだけずるいや 」
「……ならトドメはくれてやるから、少し待ってろ 」
「もう……仕方ないなぁ、ドレア兄さんは。 大人しく待ってるよ 」
あれ、少し油断してくれてる?
これならカイルくんと協力すれば……。
「ほう! 可愛い顔した男だからもっとナヨナヨしたやつかと思っていたぞ! 見直したっ!! ミア、ここは俺が行こう! 2対1はやはり卑怯だからなっ! 」
もうっっっっ!
カイルくんのバカ――っ!
急に勝機が下がったよーーっ!
「え、カイルくん、ここは2人で戦った方が……。 あの、魔法で相手の数も増えているわけだしさ 」
「あぁ、心配してくれてありがとうな!ミア! 俺なら大丈夫だ! お前は弟の方を頼んだぞ! 」
全然聞いてないよ……。
そしてその弟くんもめっちゃこっち見てるしっ!
そりゃこんな大っきい声で言ったら聞こえるよね。
「ハハッ! レイズ、こいつめちゃくちゃおもろいぞっ! 自ら勝機を逃してやがるっ! 2対1なら1%くらいはあっただろうに 」
「兄さん、でも都合いいしさっさと片付けて、残り2人も殺してやろうよ 」
そうだ。
私は春陽さんと約束した。
無事に帰るって。
今までは助けてもらってばかりだったけど、今度こそは私が助けたい、そして対等な立場として春陽さんと一緒にいたいんだ。
いけない、弱気になるのは私の悪いクセ。
大丈夫。
私は強くなった。
精霊だってついている。
「そう簡単には春陽さんのところへは行かせませんっ! 」
「やる気になったところ悪いけどおねーさん、速攻で殺してあげるね 」
「カイルくんっ! 巻き添えにならないように移動できる? 」
「ん? もちろんできるぞ! この兄貴と移動すればいいのか? 」
「お願いっ! 」
「わかった! 時空間魔法【 リバース 】」
「なんだ、この魔法っ!? 」
カイルくんが唱えてすぐ、分身を含めた双子兄の真下に大きな時計模様の魔法陣が描かれてた。
「ドレア兄さん!? すぐそこから離れた方がっ…… 」
「レイズ、分かって……!? 」
「遅かったようだなっ! お前のお兄ちゃんは今、少し前の時間軸へ移動していった 」
「は!? そんなことができる人間なんて…… 」
「ただ、代償付きでな。 魔法を唱えた本人も同じ時間軸に…… 」
説明途中で突如カイルも姿を消した。
途中といってもだいたいの種明かしはしていたけども。
つまり対象を過去に飛ばせるけれども、自分も同じ時間軸に必ず移動されるってことか。
そりゃ相手だけ飛ばせるなら最強の魔法だ。
代償があってもおかしくはない。
「……くっそ!くっそ! 想定外じゃないか。 僕達は2人で1つなのにっ! もういい! さっさと死ねよ――っ! 」
弟くんの様子がおかしい。
さっきまでは爽やか美少年だったのが、突如険しい顔となり言葉も荒々しくなっている。
でもこれで周りを焼き払っても問題ないだろう。
「イフリートっ!! 」
(あぁ、一部始終は見せたぜ! )
彼は呼ぶとすぐ、私の隣に現れた。
ホントに心強いな。
「ありがとう、あの魔族を倒すの手伝って 」
(あいよ、ご主人っ! )
「いや? 僕はこんなところ知らないよ、兄さん 」
よし、無事に逆転移はできたみたいでよかった。
(さすがに私の部屋は嫌だから外にさせてもらったわよ )
ミッドナイトにはナイトフォールの街外れに逆転移してもらった。
その方が人を巻き込まずに戦いやすいからだ。
「あ、お姉さんいた。 あれ君だけ? もう1人僕達をバカにしたやついたよね? 」
「ドレア兄さん、そいつ今きたみたいだよ 」
「ミア! 待たせたな! 」
「カイルくんっ! 」
よかった、さすがに上位魔族2人相手は無理がある。
「じゃあさっそく殺してやろうよ、レイズ! 」
「あぁ、仕事開始だね、ドレア兄さん! 」
さっそく戦闘開始らしい。
「レイズ! いきなりいくよ! 闇魔法【 シャドウ 】」
すると、地の至るところに禍々しい黒の魔法陣が描かれ始める。
それは十数個にものぼる数で、そこからはめんどくさいことに全く同じ見た目の美青年が現れた。
同じといっても、少し見慣れてきたのか兄の方が髪色がやや濃い青、弟の方が水色に近い青と、若干違うようだがこれだけの数がいればもう関係ない気がする。
「さすがドレア兄さん。 僕もいくね! 」
「いや、レイズ、お前は一旦見ていろ 」
「えーっ! 兄さんだけずるいや 」
「……ならトドメはくれてやるから、少し待ってろ 」
「もう……仕方ないなぁ、ドレア兄さんは。 大人しく待ってるよ 」
あれ、少し油断してくれてる?
これならカイルくんと協力すれば……。
「ほう! 可愛い顔した男だからもっとナヨナヨしたやつかと思っていたぞ! 見直したっ!! ミア、ここは俺が行こう! 2対1はやはり卑怯だからなっ! 」
もうっっっっ!
カイルくんのバカ――っ!
急に勝機が下がったよーーっ!
「え、カイルくん、ここは2人で戦った方が……。 あの、魔法で相手の数も増えているわけだしさ 」
「あぁ、心配してくれてありがとうな!ミア! 俺なら大丈夫だ! お前は弟の方を頼んだぞ! 」
全然聞いてないよ……。
そしてその弟くんもめっちゃこっち見てるしっ!
そりゃこんな大っきい声で言ったら聞こえるよね。
「ハハッ! レイズ、こいつめちゃくちゃおもろいぞっ! 自ら勝機を逃してやがるっ! 2対1なら1%くらいはあっただろうに 」
「兄さん、でも都合いいしさっさと片付けて、残り2人も殺してやろうよ 」
そうだ。
私は春陽さんと約束した。
無事に帰るって。
今までは助けてもらってばかりだったけど、今度こそは私が助けたい、そして対等な立場として春陽さんと一緒にいたいんだ。
いけない、弱気になるのは私の悪いクセ。
大丈夫。
私は強くなった。
精霊だってついている。
「そう簡単には春陽さんのところへは行かせませんっ! 」
「やる気になったところ悪いけどおねーさん、速攻で殺してあげるね 」
「カイルくんっ! 巻き添えにならないように移動できる? 」
「ん? もちろんできるぞ! この兄貴と移動すればいいのか? 」
「お願いっ! 」
「わかった! 時空間魔法【 リバース 】」
「なんだ、この魔法っ!? 」
カイルくんが唱えてすぐ、分身を含めた双子兄の真下に大きな時計模様の魔法陣が描かれてた。
「ドレア兄さん!? すぐそこから離れた方がっ…… 」
「レイズ、分かって……!? 」
「遅かったようだなっ! お前のお兄ちゃんは今、少し前の時間軸へ移動していった 」
「は!? そんなことができる人間なんて…… 」
「ただ、代償付きでな。 魔法を唱えた本人も同じ時間軸に…… 」
説明途中で突如カイルも姿を消した。
途中といってもだいたいの種明かしはしていたけども。
つまり対象を過去に飛ばせるけれども、自分も同じ時間軸に必ず移動されるってことか。
そりゃ相手だけ飛ばせるなら最強の魔法だ。
代償があってもおかしくはない。
「……くっそ!くっそ! 想定外じゃないか。 僕達は2人で1つなのにっ! もういい! さっさと死ねよ――っ! 」
弟くんの様子がおかしい。
さっきまでは爽やか美少年だったのが、突如険しい顔となり言葉も荒々しくなっている。
でもこれで周りを焼き払っても問題ないだろう。
「イフリートっ!! 」
(あぁ、一部始終は見せたぜ! )
彼は呼ぶとすぐ、私の隣に現れた。
ホントに心強いな。
「ありがとう、あの魔族を倒すの手伝って 」
(あいよ、ご主人っ! )
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