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4章 ナイトフォール編

いざナイトフォールへ

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 皆準備ができ、庭に集合した。
 ここでミッドナイトを呼び出し、ナイトフォールへ向かう。

 そしてアリア様とはお別れだ。
 さすがに彼女も魔族から狙われている身。
 ここウォーターグレイスは特殊な霧に包まれており、狙われる心配はないみたいだ。

 ならここでティアも……と思ったが、やはりついて来るらしい。
 俺はノクティス様から力を引き継いだ。
 実質神ということになるため、攻撃も当たるはず。
 それなら以前、人が神と戦える秘策があると言っていたが、それも必要ないんじゃないかと思った。

 しかしティアは、
「その秘策は神と戦えるようになるだけじゃなくて、春陽の力の底上げにもなるんだよ? だからボクは行くんだっ! 」

 と、強く押し切られてしまった。

「皆さん、準備はいいですか? 」

「おう 」
「うん 」
「いけるよ 」

 各自了承したところで、ミアが詠唱しようとする。

「あ、ちょっと待って! ミアちゃんこっちきて! 」
 詠唱を止めたのはアリア様だ。

 何やら俺たち3人は残され、少し離れたところでコソコソと話をしている。
 聞き耳の魔法でもイメージするか、ノクティス様の神技を使えば聞こえるだろうが、プライバシーという言葉もあるし、ここは大人しく待っているとしようか。

 そして帰ってきたミアは少し複雑そうな顔をしていたが、すぐさっきまでの明るい表情へと戻った。
 アリア様もいつも通りだし、気にするほどのことでもないのだろうか。

「よし、気を取り直して詠唱します! 」

 (ったく詠唱しなくてもあなた呼び出せるのよ )

 その精霊は忽然とミアの目の前に現れた。

「あれ、それは信頼があってのことだってイフリートが……。ってことはミッドナイトも?  」

 というと、少し照れくさそうに
 (これは……あれよ、あのイフリートが信頼してるんだから、私もまぁあれよ! )

 全然説明になっていないが、2人に信頼関係が芽生えてきているということだろう。
 
 気づけばミッドナイトは目の前にいた。
 しかし以前のように闇の魔力を纏っておらず、殺気もなく穏やかな表情に見える。

 そしてまたカイルだけ視えてないらしい。
 しょうがない、いつまでもこんなんじゃ困るだろう。
 そう思い、こっそりと後ろから神技を使用した。
 精霊の魔力は普通のそれと違う、故に神と精霊使いにしか感知できない。
 であればそれを視えるのだと身体に知覚させれば良い。

 神技を使い終わった瞬間、カイルが
「うおおおおおっ!! 俺にも何か視えるぞぉぉぉ! 」

 あ~余計うるさくなっちゃったかなぁ。
 ミッドナイトも(何いらないことしてくれちゃってるの……)って顔でこっち見てるし。

 (まぁそれは置いといて、ここに神が3人いるなんてね。 1人後継者も含めてだけど )

「ミッドナイト、そんなこと分かるの? 」

 (あなた、他の精霊に聞いてないの? 精霊と神は魔力が似ているの。 だからお互い把握できるのよ )

 なるほどな。
 だからイフリートは、俺がミアの潜在能力を引き上げたって知っていたのか。

 (それより、もうナイトフォールに移動するけどいい? アリア )

 えっ? アリア様と知り合いなのか?
 俺以外のみんなも寝耳に水、といった表情だ。

「えぇ! 向かってちょうだい! 」

「ちょっとアリア! 説明は?? 」
 ティアはすかさずアリア様に質問した。

 (はい、転移するよ )

 ふぃぃぃぃぃぃぃん――

 甲高い転移時の効果音と同時にアリア様が答える。
「え? 言ってなかったっけ? 私もミッドナイト召喚できるのよ 」

「「「「えーーーーーーーーっ! 」」」」

 彼女のあっけらかんとした返事と同時に、目の前の景色が変わっていった。 
 
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