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4章 ナイトフォール編
闇の精霊
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「ミアちゃんには、闇の精霊を呼び出してもらいます 」
ミアは相変わらず顔が青ざめ表情も引き攣っているが、アリア様は問答無用に話を進めてくる。
ちょっと俺とカイル、置いてけぼりなんだけど……。
カイルなんて目が点になっている。
う~ん、聞きたいことはいっぱいある、しかしアリア様にまた怒られそうだ。
すると彼女は俺とカイルを見て、
「そこで君たちの出番だ! 」
なぜか自信ありげにそう言ってきた。
いや、全ッ然分からん。
この人話飛ばしすぎだ。
まず闇の精霊から教えてください……。
「あの……出番とは? 」
アリア様は俺たちを見ている。
故に話してもいいターンだ、そう思って質問したが正解のようだ。
そして彼女はそれに続いた。
「えっと……ミアちゃんが闇の精霊を呼び出すので、それをみんなで倒してください 」
その闇の精霊がナイトフォールへ連れてってくれるのだろう。
そしてそいつを倒して使役させなければいけないってことかな。
今のところそれ以外に解釈の仕様がない。
実際、カイルの目は点ではなくなったが、まだ虚な様子だ。
よく分かっていないのだろう。
あとで説明してやらなければ。
「つまり、闇の精霊を倒して使役し、ナイトフォールに連れて行ってもらうということでしょうか? 」
さっき頭の中でまとめたことを話してみた。
するとアリア様は人差し指のみ俺に向け、
「そう!それ! 春陽くん、理解が早くて助かるよ~ 」
なぜか嬉しそうにしている。
それはそうとして、ミアにも聞きたいことがある。
「ミア、闇の精霊って何なんだ? 」
するとミアは続けて、
「ローズ家は代々精霊魔法の使い手なんです。 火や水、風のような基本元素系やそれ以外も含めて色んな精霊を使役しているんですけど、中でも1種類だけは絶対に使役させてはいけない……そう言われている精霊がいて…… 」
なるほど、ミアが怯えていた理由が分かった。
「つまりそれが闇の精霊だと? 」
ミアは静かに頷いた。
話がわかってきたのか、カイルも話に入ってきた。
「そういえば昔、ミアのお母さんがよく言ってたな。 闇の精霊にナイトフォールへ連れてかれちゃうよって。 つまりあれは本当だったのか? 」
「連れていかれる……というのは語弊があるね。 正確にいうと、連れて行ってもらうという方が正しいかな 」
アリア様の言い方だと、闇の精霊は思いの外怖いものではないという感じがする。
彼女は続けてつけ加える。
「ナイトフォールってのは魔族の住処である『シャドウバレー』と同じく海をまたいでいて、到底行ける場所じゃないの。 だからそこに生息している闇の精霊に逆転移してもらうってこと 」
「逆転移? 聞いたことないな 」
精霊魔法の仕組みを知らないから当然かもしれないが。
「春陽さんはヴォルガンという元魔族を覚えていますか? 」
ミアの口から、想像もしていなかった名前が飛び出してきた。
「あぁ、魔術対抗試験の会場に現れたやつだったな 」
「あの人が地下演習場にやってきたのが逆転移です 」
ヴォルガンが何か言っていた気がするな。
たしか精霊魔法は創り出すのでなく、呼び出すものでそれを利用してきたとかなんとか。
つまり精霊を呼び出すのは転移、精霊がいるところに呼び出してもらうのは逆転移ってことか。
ここまできたら、さすがに理解したぞ。
俺たちがこれからすることを。
要は闇の精霊を使役して、ナイトフォールに逆転移してもらう、そういうことだな。
「ようし、早速明日呼び出そうか、闇の精霊を 」
明るく元気な声でアリアはそう言っているが、それを聞いたミアは、
「えぇっ! 心の準備がまだ…… 」
渋っているようだ。
ローズ家では恐れられているのだから無理はない。
「ようしようし、明日だぞ? 呼び出そうか、闇の精霊を 」
アリアは先程よりも上機嫌にそう言ってきた。
この人、鬼だ……。
ミアは相変わらず顔が青ざめ表情も引き攣っているが、アリア様は問答無用に話を進めてくる。
ちょっと俺とカイル、置いてけぼりなんだけど……。
カイルなんて目が点になっている。
う~ん、聞きたいことはいっぱいある、しかしアリア様にまた怒られそうだ。
すると彼女は俺とカイルを見て、
「そこで君たちの出番だ! 」
なぜか自信ありげにそう言ってきた。
いや、全ッ然分からん。
この人話飛ばしすぎだ。
まず闇の精霊から教えてください……。
「あの……出番とは? 」
アリア様は俺たちを見ている。
故に話してもいいターンだ、そう思って質問したが正解のようだ。
そして彼女はそれに続いた。
「えっと……ミアちゃんが闇の精霊を呼び出すので、それをみんなで倒してください 」
その闇の精霊がナイトフォールへ連れてってくれるのだろう。
そしてそいつを倒して使役させなければいけないってことかな。
今のところそれ以外に解釈の仕様がない。
実際、カイルの目は点ではなくなったが、まだ虚な様子だ。
よく分かっていないのだろう。
あとで説明してやらなければ。
「つまり、闇の精霊を倒して使役し、ナイトフォールに連れて行ってもらうということでしょうか? 」
さっき頭の中でまとめたことを話してみた。
するとアリア様は人差し指のみ俺に向け、
「そう!それ! 春陽くん、理解が早くて助かるよ~ 」
なぜか嬉しそうにしている。
それはそうとして、ミアにも聞きたいことがある。
「ミア、闇の精霊って何なんだ? 」
するとミアは続けて、
「ローズ家は代々精霊魔法の使い手なんです。 火や水、風のような基本元素系やそれ以外も含めて色んな精霊を使役しているんですけど、中でも1種類だけは絶対に使役させてはいけない……そう言われている精霊がいて…… 」
なるほど、ミアが怯えていた理由が分かった。
「つまりそれが闇の精霊だと? 」
ミアは静かに頷いた。
話がわかってきたのか、カイルも話に入ってきた。
「そういえば昔、ミアのお母さんがよく言ってたな。 闇の精霊にナイトフォールへ連れてかれちゃうよって。 つまりあれは本当だったのか? 」
「連れていかれる……というのは語弊があるね。 正確にいうと、連れて行ってもらうという方が正しいかな 」
アリア様の言い方だと、闇の精霊は思いの外怖いものではないという感じがする。
彼女は続けてつけ加える。
「ナイトフォールってのは魔族の住処である『シャドウバレー』と同じく海をまたいでいて、到底行ける場所じゃないの。 だからそこに生息している闇の精霊に逆転移してもらうってこと 」
「逆転移? 聞いたことないな 」
精霊魔法の仕組みを知らないから当然かもしれないが。
「春陽さんはヴォルガンという元魔族を覚えていますか? 」
ミアの口から、想像もしていなかった名前が飛び出してきた。
「あぁ、魔術対抗試験の会場に現れたやつだったな 」
「あの人が地下演習場にやってきたのが逆転移です 」
ヴォルガンが何か言っていた気がするな。
たしか精霊魔法は創り出すのでなく、呼び出すものでそれを利用してきたとかなんとか。
つまり精霊を呼び出すのは転移、精霊がいるところに呼び出してもらうのは逆転移ってことか。
ここまできたら、さすがに理解したぞ。
俺たちがこれからすることを。
要は闇の精霊を使役して、ナイトフォールに逆転移してもらう、そういうことだな。
「ようし、早速明日呼び出そうか、闇の精霊を 」
明るく元気な声でアリアはそう言っているが、それを聞いたミアは、
「えぇっ! 心の準備がまだ…… 」
渋っているようだ。
ローズ家では恐れられているのだから無理はない。
「ようしようし、明日だぞ? 呼び出そうか、闇の精霊を 」
アリアは先程よりも上機嫌にそう言ってきた。
この人、鬼だ……。
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