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4章 ナイトフォール編
急展開
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スイートホテルのような煌びやかな内装、個室の多さと共有ルームだって広い。
ここは船の中だってのに飲食店や漫画喫茶のような部屋だってある。
現実世界で聞いたことある『豪華客船!世界一周の旅』というのはこんな船に乗って行くんだろうな。
そう思わせるほどの豪華さ。
本当になんと良い空間なのだろうか。
「いや~なんていいところなんだろうね。 これからここで過ごしちゃおうかなぁ! 」
「こらティア、何言ってるんだよ 」
「春陽、冗談だって~! そんな本気にしないでよっ! 」
「春陽も一緒に楽しもうぜ! 」
「ん、あぁそうだな……ってカイル何してるんだ? 」
彼は手元で立方体の何かをいじっている。
それは一面が9マスに分割されており、1マスごとに色付けされているものだ。
カイルはそれをカチャカチャと動かしているが、なんか見たことあるんだよなぁ。
「あ、これか? ルービックボックスと言ってだな、この1面を同じ色に…… 」
「あぁ知ってるやつだ 」
どうりで見たことがあると思ったら、まさか物の名前までそっくりとは思わなかった。
「おぉ、春陽も知ってるのか! どうだ? やってみるか? 」
「いや、大丈夫。こんないいところ来て何やってるんだよ……。 それよりミアは? 」
「ミアなら確か2階でエステを受けに行ったぞ 」
ここにはそんなところもあるのか。
さすがなんでもある豪華客船だ。
そんな俺たちは船の1階、リラックスルームで各自好きなことをしている。
ちなみに俺はマッサージチェアに座り言葉の通りリラックスしているところだ。
この世界に来てこんなに息を抜けたことは今まであっただろうか。
いや、なかった。
いつも休むとしても城の一室や学園の寮など何かと規律や規則があるような場所ばかり。
休んでくださいと言われようとも、どこか力が入ってしまうというものだ。
「あ~快適、快適 」
そう声を漏らすと、
「ああ、本当にだ 」
「ボクも幸せだよ~ 」
2人もそう思っているようだ。
そんな至福の時、船内に聞き慣れないアナウンスが鳴り響いた。
『お楽しみのところ申し訳ございません。 この船内に不審者が現れました。 そのもの達は盗賊と名乗っており、現在1階ロビーで金目のものを要求しています。 対処に関しましてはこの船の警備部隊と冒険者が行いますので、皆様は少しでも1階ロビーから離れた場所で待機お願いします 』
「聞いたか春陽! 俺たちが動かねば! 」
カイルは放送を聞くと同時にルービックボックスを投げ捨て、勢いよく立ち上がった。
もちろん助けに行きたいところだが、この船内は割と広く長い作りとなっている。
それに同じ1階と言えど、ロビーとリラックスルームは運が良いのか悪いのか端同士。
走って向かったとして5分はかかるし、おそらく逃げているであろう客で混雑して普通に走れるとは考えない方が良いだろう。
「そうだな、でもロビーまでかなり時間がかかるし、別の手を使おうと思う 」
「別の手? 」
「春陽、どうするの? 」
ちょうどどこかで試したいと思っていたが、こんなに早く試すことができるなんて。
おそらくこの方法で上手くいけば直接向かうより早く効率的に解決することができる。
だけどもちろん失敗のリスクもあるためカイルには保険としてロビーに向かってもらおうかな。
そして俺が今回試そうとしているのは……。
「神技だよ 」
ここは船の中だってのに飲食店や漫画喫茶のような部屋だってある。
現実世界で聞いたことある『豪華客船!世界一周の旅』というのはこんな船に乗って行くんだろうな。
そう思わせるほどの豪華さ。
本当になんと良い空間なのだろうか。
「いや~なんていいところなんだろうね。 これからここで過ごしちゃおうかなぁ! 」
「こらティア、何言ってるんだよ 」
「春陽、冗談だって~! そんな本気にしないでよっ! 」
「春陽も一緒に楽しもうぜ! 」
「ん、あぁそうだな……ってカイル何してるんだ? 」
彼は手元で立方体の何かをいじっている。
それは一面が9マスに分割されており、1マスごとに色付けされているものだ。
カイルはそれをカチャカチャと動かしているが、なんか見たことあるんだよなぁ。
「あ、これか? ルービックボックスと言ってだな、この1面を同じ色に…… 」
「あぁ知ってるやつだ 」
どうりで見たことがあると思ったら、まさか物の名前までそっくりとは思わなかった。
「おぉ、春陽も知ってるのか! どうだ? やってみるか? 」
「いや、大丈夫。こんないいところ来て何やってるんだよ……。 それよりミアは? 」
「ミアなら確か2階でエステを受けに行ったぞ 」
ここにはそんなところもあるのか。
さすがなんでもある豪華客船だ。
そんな俺たちは船の1階、リラックスルームで各自好きなことをしている。
ちなみに俺はマッサージチェアに座り言葉の通りリラックスしているところだ。
この世界に来てこんなに息を抜けたことは今まであっただろうか。
いや、なかった。
いつも休むとしても城の一室や学園の寮など何かと規律や規則があるような場所ばかり。
休んでくださいと言われようとも、どこか力が入ってしまうというものだ。
「あ~快適、快適 」
そう声を漏らすと、
「ああ、本当にだ 」
「ボクも幸せだよ~ 」
2人もそう思っているようだ。
そんな至福の時、船内に聞き慣れないアナウンスが鳴り響いた。
『お楽しみのところ申し訳ございません。 この船内に不審者が現れました。 そのもの達は盗賊と名乗っており、現在1階ロビーで金目のものを要求しています。 対処に関しましてはこの船の警備部隊と冒険者が行いますので、皆様は少しでも1階ロビーから離れた場所で待機お願いします 』
「聞いたか春陽! 俺たちが動かねば! 」
カイルは放送を聞くと同時にルービックボックスを投げ捨て、勢いよく立ち上がった。
もちろん助けに行きたいところだが、この船内は割と広く長い作りとなっている。
それに同じ1階と言えど、ロビーとリラックスルームは運が良いのか悪いのか端同士。
走って向かったとして5分はかかるし、おそらく逃げているであろう客で混雑して普通に走れるとは考えない方が良いだろう。
「そうだな、でもロビーまでかなり時間がかかるし、別の手を使おうと思う 」
「別の手? 」
「春陽、どうするの? 」
ちょうどどこかで試したいと思っていたが、こんなに早く試すことができるなんて。
おそらくこの方法で上手くいけば直接向かうより早く効率的に解決することができる。
だけどもちろん失敗のリスクもあるためカイルには保険としてロビーに向かってもらおうかな。
そして俺が今回試そうとしているのは……。
「神技だよ 」
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