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3章 空中都市編
目指せ!最上階
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「じゃあエレナちゃんを助けに行かなきゃ……。 」
「ああ、その前にノクティス様と会わないと。 魔族がいる場所も検討がつかないし 」
「うん、そうだね…… 」
ミアは少し不安そうな表情で俯いている。
そりゃ仲間が連れ去られたのだ。
彼女の心境も穏やかではないだろう。
ダンッダンッダンッダンッ───
ものすごい勢いで誰かが階段を駆け下りてきている。
階段に近づき、確認をする間もなくその人物は1階に到着した。
「春陽!! 無事だったか!! 」
「カイル! そっちも無事でよかったよ 」
そして階段を降りる音などほとんどさせず、静かに1階まで到着したのはシリウスだ。
「春陽、お前のおかげで助かったよ 」
「ううん、俺こそみんな無事でよかった 」
それぞれ挨拶を済ませたところで、2人にも事情を全て話さなければならない。
「2人とも、ちょっといいか? 」
2人は顔を見合わせた後、すぐに聞く姿勢を見せてくれた。
シリウスは少し空気を感じとっているのか、より引き締めた顔をしてくれている。
やはり彼は空気を読める男だ。
そして2人にもミアと同じ話をした。
◇
「そうか、あれからもう一体魔族が現れたのか。 まさか春陽が手も足も出ない相手とはな。 少し対策は必要かもしれん 」
「……それでも、エレナお嬢は友達だ! 俺はあの娘を救いたい! 」
やはりカイルは人情深い性格なんだな。
こんな格上相手でも迷いなくそう言える、彼のすごいところだ。
しかしそれは逆に心配なところでもあるが。
「カイル、ありがとう。 でもシリウスのいう通り、このまま無策に行くべきではないし、あいつがどこにいるのかも分からない。 おそらく魔族の住処的なところにいるんだろうが 」
「ならどうすれば良いのだ!! 」
「ノクティス様とティアに魔族の居場所を聞こう。 俺たちはちょうどそれができるスカイタワーにいるわけだしな 」
「春陽、俺たち騎士団も力を貸したいところだが、俺自身、街から離れるわけにはいかなくてな…… 」
「ううん、大丈夫だよ。 俺たちが戦っている間、街を守れるのは騎士団だけだからお互いの仕事を全うしよう 」
そりゃシリウスが来てくれると百人力だが、彼には街を守るという仕事がある。
実質シリウスが街にいなければ、守れるものも守れない。
いつも他の兵士は腰抜かしたりしてるしな。
「悪いな。 少し今からアークスカイの王に今回のこと話をしてくるよ 」
騎士団の人達とは、ここでお別れをした。
そうかこの街にも王様がいるんだな。
「そういえば、スカイタワーにはいると聞いてたけど、ノクティス様ってどこにいるんだ? 」
今更な疑問だが、これが分からなければどうすることできない。
2人に聞くとカイルはハテナ顔をしているが、ミアは何か知ってるのか真っ直ぐ上を指差している。
「えっと、確か街の人がエレベーターで行ける最上階にいるとかなんとか言ってたような…… 」
少し不確かだが、今はその情報しかない。
とりあえず向かうか。
俺たちはエレベーターに乗り、ボタンを確認した。
「……って22階!? 結構あるな 」
現実世界じゃ田舎に住んでいたため、あまり見ることのない階数だ。
少し衝撃を受けたが、2人はあまり反応していない。
「……まぁ俺たちはここが地元だからな。 かといってノクティス様がスカイタワーのどこにいるかなんて知らなかったけど 」
「たしかに、なんで2人が知らなくて街の人だけ知ってるんだ? 」
「私とカイルくんは魔術学院の初等部から通ってましたからね。 6歳にはこの街を離れてたんです 」
「そりゃ知らないのも無理ないな 」
現実世界では小学生くらいか。
そんな小さい子に街の事情知らなくてもしょうがない。
チンッ───
どうやら今のが22階に着いたという音らしい。
どこの階に止まることなく到着した。
そりゃそうなのだが。
「おぉきたか! ティアたんの子供達よ 」
扉が開くとさっそく神様であろう人がフワフワと浮きながら声をかけてきた。
……なんで浮いてるんだろ?
「ああ、その前にノクティス様と会わないと。 魔族がいる場所も検討がつかないし 」
「うん、そうだね…… 」
ミアは少し不安そうな表情で俯いている。
そりゃ仲間が連れ去られたのだ。
彼女の心境も穏やかではないだろう。
ダンッダンッダンッダンッ───
ものすごい勢いで誰かが階段を駆け下りてきている。
階段に近づき、確認をする間もなくその人物は1階に到着した。
「春陽!! 無事だったか!! 」
「カイル! そっちも無事でよかったよ 」
そして階段を降りる音などほとんどさせず、静かに1階まで到着したのはシリウスだ。
「春陽、お前のおかげで助かったよ 」
「ううん、俺こそみんな無事でよかった 」
それぞれ挨拶を済ませたところで、2人にも事情を全て話さなければならない。
「2人とも、ちょっといいか? 」
2人は顔を見合わせた後、すぐに聞く姿勢を見せてくれた。
シリウスは少し空気を感じとっているのか、より引き締めた顔をしてくれている。
やはり彼は空気を読める男だ。
そして2人にもミアと同じ話をした。
◇
「そうか、あれからもう一体魔族が現れたのか。 まさか春陽が手も足も出ない相手とはな。 少し対策は必要かもしれん 」
「……それでも、エレナお嬢は友達だ! 俺はあの娘を救いたい! 」
やはりカイルは人情深い性格なんだな。
こんな格上相手でも迷いなくそう言える、彼のすごいところだ。
しかしそれは逆に心配なところでもあるが。
「カイル、ありがとう。 でもシリウスのいう通り、このまま無策に行くべきではないし、あいつがどこにいるのかも分からない。 おそらく魔族の住処的なところにいるんだろうが 」
「ならどうすれば良いのだ!! 」
「ノクティス様とティアに魔族の居場所を聞こう。 俺たちはちょうどそれができるスカイタワーにいるわけだしな 」
「春陽、俺たち騎士団も力を貸したいところだが、俺自身、街から離れるわけにはいかなくてな…… 」
「ううん、大丈夫だよ。 俺たちが戦っている間、街を守れるのは騎士団だけだからお互いの仕事を全うしよう 」
そりゃシリウスが来てくれると百人力だが、彼には街を守るという仕事がある。
実質シリウスが街にいなければ、守れるものも守れない。
いつも他の兵士は腰抜かしたりしてるしな。
「悪いな。 少し今からアークスカイの王に今回のこと話をしてくるよ 」
騎士団の人達とは、ここでお別れをした。
そうかこの街にも王様がいるんだな。
「そういえば、スカイタワーにはいると聞いてたけど、ノクティス様ってどこにいるんだ? 」
今更な疑問だが、これが分からなければどうすることできない。
2人に聞くとカイルはハテナ顔をしているが、ミアは何か知ってるのか真っ直ぐ上を指差している。
「えっと、確か街の人がエレベーターで行ける最上階にいるとかなんとか言ってたような…… 」
少し不確かだが、今はその情報しかない。
とりあえず向かうか。
俺たちはエレベーターに乗り、ボタンを確認した。
「……って22階!? 結構あるな 」
現実世界じゃ田舎に住んでいたため、あまり見ることのない階数だ。
少し衝撃を受けたが、2人はあまり反応していない。
「……まぁ俺たちはここが地元だからな。 かといってノクティス様がスカイタワーのどこにいるかなんて知らなかったけど 」
「たしかに、なんで2人が知らなくて街の人だけ知ってるんだ? 」
「私とカイルくんは魔術学院の初等部から通ってましたからね。 6歳にはこの街を離れてたんです 」
「そりゃ知らないのも無理ないな 」
現実世界では小学生くらいか。
そんな小さい子に街の事情知らなくてもしょうがない。
チンッ───
どうやら今のが22階に着いたという音らしい。
どこの階に止まることなく到着した。
そりゃそうなのだが。
「おぉきたか! ティアたんの子供達よ 」
扉が開くとさっそく神様であろう人がフワフワと浮きながら声をかけてきた。
……なんで浮いてるんだろ?
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